探検隊ツヨイネの日常 - 一章 中学校生活の始まり
2話 クラスみんなで自己紹介
入学式が終わり、教科書をもらって、さあ帰れるって思った俺は、帰る準備をしてたら先生が、「あら、まだ下校まで時間があるわ。それじゃあみんなで自己紹介でもしましょう。」って言った。
今日は初日だから下校時間が早いのだ。
俺は最悪だと思った。
思っただけだぞ、思っただけ。
学校始まって初日からそんな気持ちがわかる顔はしない。
てなわけで自己紹介が始まった。
誰かが言った「最初は誰がやる?」でクラスかざわつきはじめた。「お前がやれよ。」「いや、お前が。」
みたいな感じだった。
俺は何してたかって?俺はルカリオ達としりとりしてた。
この様子を見て先生は決まんないと判断してのだろう。
廊下側の一番前のやつと窓側の一番後ろのやつがじゃんけんをして、負けた方から自己紹介してけばいいと言った。
これには、みんな反対しなかった。
そして、一番後ろはなんと、エルだった!
エルは自信満々な顔で「大丈夫!絶対に勝つよ!」と言った。
「こりゃ、フラグだな…(ボソ」 ブラッキーはエルに聞かれないよう、こっそり言った。
「ほえ?ブラッキー何か言ったかい?」
なんと、間の抜けた返事だろう。
「いや、別に。」
「ふーん。あっそう…」
うまいこと流したブラッキーだか、俺ははっきりと「フラグだな…」と聞こえた。
「エル頑張ってね。」
ルカリオが応援する。相手は何かじゃんけんの強そうなマリルだった。
なんでそう思うかって?そんなの、勘だよ、勘。
いい加減だって?
確かにそうかもしれないが、きみだって勘に頼ることあるだろ?なんかメタいな。
あーだこーだいたら、いつの間にか勝負はついていた。
どっちが勝ったのか?
それは聞くまでもなかった。
エルが負けた。
さっきの『絶対勝つよ!』ってのはやっぱ、フラグだったのか。
ルールどうり、自己紹介が始まった。
ま、もちろん最初はエル。
「えーとエルです。よろしくお願いします。」
言い終わって座ろうとしたら、先生から「もっと得意なこととか無いの?」と言われた。
「えーっと、探検隊やってます。」
まずい!そう思って止めようとしたが、大量の声に遮られ、エルは聞かれた質問を全部、素直に答えてしまった。
「きみのランクは?」
「クリスタルです。」
「「「えええぇぇぇーーー!?」」」
そうなのだ。
探検隊のメンバー一人一人にランクがあり、低い順にいうと〔ノーマル・ブロンド・シルバー・ゴールド・レインボー・クリスタル〕だ。
クリスタルランクの者は相当少ない。
世界のポケモン5億匹以上の内、100匹いるかいないかだ。
クリスタルランクになるには、たくさんのダンジョンに挑み、いろんな依頼を達成しなければならない。 だから、ベテランでもなかなかなれない。
それが同じクラスにいるだけで驚きだろう。
『クリスタル』、この1単語で「も、もしかしたら…」というようなひそひそ話し声が聞こえてきた。
そして数分の沈黙…
この沈黙を破ったのは、先ほどのマリルだった。
あ、あなたチーム名は?」「チーム・ツヨイネ。」
しーん…と辺りが静まり返る。
「嘘だろ?」
誰かが恐る恐る聞いた。
「?本当だよ。そこに他のメンバーもいるし。」
視線が俺たちに集まる。
これではもう自己紹介どころではない。
とんでもないほど気まずい空気の中、チャイムがな鳴り、下校になった。
俺たちは助かった、と思いかばんをしょった。
この 学校では全員で『さようなら』と言ってから下校するようだ。
挨拶をして、俺、ルカリオ、エル、ブラッキーは教室を後にした。
結局、自己紹介は終わらなかった。
俺は来週に持ち越しかな、と思った。
ロコンとアブソルのクラスの自己紹介はすんなり終わったらしい。
ブースター兄ちゃん、グレイシア姉ちゃん、ゾロアークのクラスは自己紹介しなかったようだ。
理由はもうみんなのこと知ってるでしょということらしい。

■筆者メッセージ
www様メッセージとアドバイスありがとうございました!どうでしょうか?言われたとうりにしてみたのですが。おかしかったらまた教えてください。それではまた次回もお楽しみに!
だんご3 ( 2016/03/07(月) 20:19 )