11話 新しい仲間
アブソルを狙う変態を倒した週の日曜日。
「ふあああ…今何時だ?」
時計を見ると12時を過ぎている。
もう一眠りしようとした途端俺の腹がなった。
「飯食ってからにするか。」
一階に降りるとシャワーズ姉ちゃんがいた。
「あら、イーブイおはよ。なに食べる?」
「んーパン。」
俺はパンを焼いている間にポストをチェックしに行った。
だが何も入ってなかった。
「はいどーぞ。」
出されたパンにはチョコが塗ってあった。
「流石姉ちゃん。俺の好み分かってるよ。」
「イーブイあんたさあ前から言ってるけど早起きしなよ。依頼人が来るかもだよ?」
「大丈夫だって。手紙でしか来ないよ。」
ピンポーン
「はーい!」
俺は玄関に向かって歩きだした。
ピンポーンピンポーン
「今出るってんだろ!」
俺はイライラしながら言った。
ピンポーン×25
「うるせえええええ!!」
俺がドアを開けるとそこには二匹のポケモンが立っていた。
「ぼ、僕達を助けてください!!」
唐突に言われ驚く俺。
「き、来た!」
一匹が怯えたように言う。
ヒューという音とともに刺が飛んできた。
「うわっ!」
俺は二匹の手を引っ張り家の中に入れドアを閉めた。
ドスッドスッという音がして振り返ってみると刺がドアに突き刺さっていた。
しかも俺の頬が切れていた。
「くらくらす…る…」この言葉を最後に俺は気を失った。
「っ、うーん…」
頭がくらくらする。
どこだここ?
俺の頭の中でいろんな疑問が飛び交う。
「あっ起きたね。おーい皆イーブイが起きたよー!」ロコンが皆を呼ぶ。
「家の中で気絶できるってスゲーな!」
サンダース兄ちゃんが感心している。
「この二匹がイーブイに用があるんだって。」
アブソルが呼ぶと二匹は前に出てきた。
「で?何のよう?」
「僕達をここの家に泊めて下さい。」
「え?家出?」
ブースター兄ちゃんがゲームしながら聞いた。
「いえ、僕達はPガールズのメンバーだったんです。」
「話しを遮って悪いがお前は…男だろ?Pガールズって女だけだろ?」
「僕の家は男の子が欲しかったみたいだったけど女の子が生まれてどうしょうもないから一人称は僕にしろって教えられたんです。」
「こういうこと、普通子供の前で話すか?」
ブラッキーがあり得ないという顔で言った。
「あー、話しがそれたなさっきの話し続けてくれ。」
「昨日皆が急に怖くなって襲わかけたのでここに逃げて来ました。」
「ねー名前はー?」
空気を読まずにニンフィアが聞く。
「申し遅れました。私はクチートです。」
頭にデカイ口のある子が言う。
「僕はツタージャです。」
緑色の子が言う。
「で、君達は怖くなった仲間からここに逃げて来て。泊めてほしいと。」
俺は考えながら言った。
「お願いします!」
二匹は頭を深々と下げる。
「どうするの?イーブイ?」
エーフィ姉ちゃんが聞く。
「んー…まあいっか。泊めてやるよ。但し一つ条件がある。敬語を使うな。堅苦しいのは嫌いだからな。」
「ありがとうございます…じゃなくてありがとう!」
「部屋はどうするの?」
エルが心配そうに聞く。
「俺の部屋つかっていいぞ。」
「えっ!?僕の部屋でもあるんだぞ!?それと僕はどこで寝るんだ!」
「俺と一緒にソファーかエーフィ姉ちゃんの部屋で寝かせてもらうかだな。」
「よろしく!エーフィ!」
「いいわよ。」
エーフィ姉ちゃんは頷いた。
ズシン…
「揺れてない?」
ミミロップが首を傾げながら聞く。
ズシン…ズシン…
「これは勘違いなんかじゃあない!誰かが揺らしてるか地震だ!」
窓に一番近いグレイシア姉ちゃんが見る。
「誰かがいる!」
「皆!退いてくれ!」
俺は窓に突っ込み地面に着地した。
そこではニドリーナとモココが家を揺らしていた。
「ツタージャとクチートをよこせ!」
二匹が俺に気づいて掴みかかってくるところをかわす。
「ツタージャ達を渡す訳にはいかねえなあ!とっとと帰ってもらおうか!」
「ヨコセエエエエ!!」
物凄い咆哮で家の窓ガラスが全部割れた。
「俺ん家を壊すんじゃねえええ!!」
俺が二匹をぶん殴ろうとしたところをツタージャに止められた。
「待って!これは僕達の戦いだ!」
そしてクチートも前に出てきた。
次回『二匹の本気!アイドルvsアイドル』