8話 ブースターの1日
どうも!
知ってる奴は久しぶり!
知らない奴ははじめまして!
みんな大好きブースターだよ!
今日は俺の苦労をみんなに教えちゃおう!
「ブースター、心の中でなに言ってるの?」
なんだよ、鬼ばばあのエーフィか。
「だれが、鬼ばばあですってえ〜?」
あっ!しまった!こいつエスパータイプだったんだ!
「お姉様に向かって、鬼ばばあなんて口(?)の聞き方は許さないわよ!」
エーフィのサイコキネシス!
「あぎゃぎゃぎゃぎゃー!!!」
「二度と、鬼ばばあなんて考えるんじゃないわよ。」
「ううっ。なんで朝からこんなんなんだよ。」
愚痴ってる俺の前に現れたのは、我が愛しの妹、リーフィアだった。
「お兄ちゃん大丈夫?」
ああ、かわいい声してるな。
「うん、大丈夫…だと思う。」
「あっ!お兄ちゃん!早く行かないと学校にに遅れちゃうよ!」
リーフィアは慌てて言った。
「えっ!?グレイシアとゾロアークは?」
「もう行ったよ。」
「またかよ!置いてくなって何回も言ったのに!」
俺は急いで学校に向かった。
―学校―
「ぜえ、ぜえ、はあ、はあ…」
息を切らしなが教室に入って最初に目に入ったのは、グレイシアとゾロアークが楽しそうに話しているところだった。
「あっ、ブースター!よく間に合ったね〜♪」
ゾロアークが呑気に言う。
「置いてくなって何回言えば分かるんだよ!」
「あんたが姉さんとイチャついてるからよ。」
「新学期の『リーフィア一筋』発言はどこにいったのかなあ?」
ゾロアークめ痛いところを突いてくるな。
「あれは、俺が心の中で言ったことで姉ちゃんがエスパータ…」
「はいはい、あんたの長い言い訳はいいから、授業始まるよ。」
「忠告どうも。でもさ、説明ぐらいさせてくれよぉ。」
「遠慮するわ。」
「別にいいよぉ」
やっぱり拒否されたぜ。
まあ、そんなことはさておき、午前中の授業は、説明出来なかった残念さとリーフィアのことを考えながら過ごした。
そして待ちに待った給食。
今日のメニューはカレーだ。
むふふ、早く食いてえな…
「ブースター、なんでニヤニヤしてるの?キモいよ?」
ゾロアークは大抵ニコニコしてる。
いつもの顔であんなこと言われると精神的に結構……痛い。
「おい、ブースター!」
呼ばれて、振り向いたら俺の目の前には、エモンガだった。
エモンガはかわいい顔をしているが一人称は『俺』。
よく女と間違えられる。
「さっきな、ゾロアークにキモいよって言われたの。なあ、俺ってキモいか?」
「別に、特になんともないけど。それより、カレーちゃっちゃっと食わねえとおかわりできねえぜ!」
「なにい!?もう食いはじめてんのかよ!」
急いで食べる俺。
味わって食えよと思うだろうが早く食わないとおかわり出来ない。
俺は、自分で言うのはちょっとあれだが、結構食う。
今日俺は5杯おかわりした。
エモンガは6。すげー負けた気分。
その後の午後の授業も終わり、下校の時間。
グレイシアはイーブイをゾロアークはルカリオを待ち伏せするため、さっさっと帰ってしまった。
たまには待ってくれてもいいじゃん。
俺は今日、日直だから、学級日誌を書き終わるまで帰れない。
頭をひねって考え付いた1日の反省・感想が「今日も1日平和だった。」だ。
家に帰ろうとしたときには辺りはもう薄暗かった。
家に着き、宿題をやり、風呂に入った。
風呂にはイーブイとルカリオと入った。
三匹で入って狭くないの?と思うだろうが、家は基地のため、メンバー一人一人の部屋がある。
いや、エルとイーブイは二匹で一部屋だったな。
だから風呂も広い。
一緒に風呂に入る理由は、相談があるかららしい。
内容は、下校のとき、帰宅は4時15分くらいにしてほしいとイーブイとルカリオはマジで頼むって顔しながら言ってた。
「その間何してればいいんだ?」って聞いた。
そしたら「今日からゆっくり帰ろうぜ」的なこと言ってね、頑張ってよ。じゃ、先に出るから。」
そう言って二匹は俺の反対意見を言われないよう、さっさと風呂から上がってしまった。
「はあ、失敗したら、なんでやんなかったの!?って言われそうだな。ん?外からなんか聞こえる。」
耳をすませて聞こうとしたが、だるいからやめた。
「あれ、イーブイとルカリオ今出たの?」
「うん。」
「私達ともう一回入る?」
「嫌だ。てか、別にいい。」
「中にまだ誰か入ってる?」
グレイシアが聞いたら、イーブイとルカリオは顔を見合わせて「いないよ。」と答えた。
ガラガラと戸の開く音がして二匹が入ってきた。
しかもちょうど俺の出ようとしたところで。
二匹は驚きもせず「変態」と声を揃えて言った。
「ち、違うこれは、イーブイが…」
「うるさい変態。」
「ちっくしょー!!イーブイー!!」
もう決めた、さっきのたのみごとやってやんない。そして翌日、結局、昨日のことは話さなかった。