探検隊ツヨイネの日常









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一章 中学校生活の始まり
6話 恨みを買ったエル
土曜日に悲しみの森に行ってから二日後。
つまり、学校のある日。
「エル。頭痛はもういいの?」
アブソルが心配そうに聞いた。
「うん。すっかり元気だよ。」エルは大丈夫って顔で言った。
「なあ、エル…自分の過去、思い出した?」
俺は久しぶりに聞いてみた。
「ううん…」聞いたとたんに、エルの表情が曇った。
会話が無くなり気まずい空気が流れ始める。
まずい!と思ったのかロコンが話題を変えて場を取り繕った。
「イーブイのクラスに可愛い子いた?」
少し慌てた感じて聞かれた。
「全然知らない。」「ルカリオは?」
ルカリオも首を横に振る。
「エル、ブラッキーは?」
エルはさっきの明るい表情に戻っていた。
「僕が可愛いって思うのは、エーフィだけさ。」
俺はあれっ?て思った。
「おい、エル。いつから、姉ちゃんのことを呼び捨てにしたんだ?」
「昨日、エーフィと買い物に行ってて、『エーフィさん、何にします?』って聞いたら、『エル、いつもみんなにさん付けだけど、私は呼び捨てでもいいのよ。』って言ってくれたからだよ〜♪」
妙に嬉しそうだな。
「で?ブラッキーは?」
「僕は本読んでた。」
「も、もしかして、あんたら誰とも話さなかったのー!?」
『うん。』と頷く俺達。
「あたし達は5人の男子に話しかけられたわ。」
ロコンは自慢気に話してている。
アブソルは「迷惑だったわ…」と鬱陶しいしそうに言った。
「嘘、アブソル楽しそうに話してたじゃん。」
ロコンが嘘はやめてよって顔で言った。
「本当よ。外側では、友好的だけど、内側は、『うざい』『どっか行ってよ』とか思ってたわ。」
流石悪タイプ。
恐ろしい。
俺達に対しても思ってるのか?
「ブラッキーもそう思ってるの?」
ルカリオは気になったらしくブラッキーに聞いた。
「いや。」
ブラッキーは素っ気なく答えた。
「気を付けろよ〜。ブラッキーもうざいって思ってるかもよ〜。」
エルがニヤニヤしながら言った。
「エル、後でデコピンな。」
「やなこった!」
そうしてやっと学校に着いた俺達。
俺は、教室に向かって歩き始めた途端、エルはブラッキー捕まってデコピンを3発喰らった。
教室に入ったとたんに、しゃべってた奴らが急にしーんとなった。
端の方で女子がひそひそと「誰か話しかけてきてよ。」
「あんたが行ってよ。」
「じゃあ、あたしが行くわ。」など喋っていた。
何で聞こえたかって?
俺の耳はデカイからよく聞こえるのさ。
「ねえ、あなた達。」
いきなり話しかけてきたからびっくりした俺達。
ブラッキーは驚きもせず本を読みつづけている。
「えっと…何かご用ですか?」
エルがちょっと困ったように聞いた。
「あたしは、アチャモよ。ちょっと付き合ってくれない?」
俺とルカリオは『行ってらっしゃい』、って顔をした。
それを感じ取ったのか、エルは連れていかれた。
クリスタルランクなら、逃げることぐらい簡単だろうが、エルは女の子は傷つけない。
相手が悪人じゃなければだけどね。
「嫌だあああああ!ブラッキーイイイイイ!助けてええええ…!!」
そう言い残すとエルは女子の群れの中に吸い込まれた。
ブラッキーはというと、相変わらず本を読んでいた。
そしてこの、光景を恨めしそうに眺める者の存在を俺達は、知らなかった。
エルが戻ってきたのは、授業の始まる少し前だった。
俺とルカリオは「お帰り。」ってニッコリしながら言ったら、ものすごい目で睨まれた。
何をされたのかなんて怖くて聞けなかった。
そして授業が終わり、学校も終わり、家に帰る。
家に入る時には、身構える必要がある。
学校の終わる時間は一緒なのに、俺達より早く家に着く兄と姉&友人。
身構える理由は、ドアを開けた瞬間、グレイシア姉ちゃんが飛び付いてくる。
ルカリオにはゾロアークが。
入学初日にやられて肩と腰が痛くなった。
「ルカリオ、準備はいい?」と聞き「オッケー。」と返ってきた。
ガチャっと開けたらルカリオにゾロアークが飛んできた。
ルカリオはそれをうまく避けた。
しかしグレイシア姉ちゃんが来なかった。
良かった〜と思い、家に入るとグレイシア姉ちゃんが「イーブ〜イ〜!」と言って突っ込んできた。
「ウグッ」と言って吹っ飛んだ俺は姉ちゃんに抱きつかれていた。
どうして家にルカリオやゾロアークがいるかって?
ここは、元々は家だったけど、探検隊を始めてから基地に変えた。
だからメンバー全員がここにいる。
―翌日― 
学校に着き、教室に入り、机に教科書を入れていた。
するとエルが「なんだこれ?」
と言って手紙らしき物を取り出す。
「なにそれ?」とブラッキーが首を傾げながら聞いた。
「ラブレター?」ルカリオはニヤニヤしながら聞いた。
エルにラブレター?まさかね…と思いながら今日が始まった。

■筆者メッセージ
久しぶりに更新した気がします。
読者の皆さま(いるのか?)には申し訳ないです。
そして今回の話しは短いし今まで以上に下手でした。
次回は早めに更新しますので楽しみにしていてください。
だんご3 ( 2016/03/14(月) 23:26 )