日常V 〜ホムラと休日中の悪夢〜
ートレジャータウン 広場ー
ホムラ「ふわぁ〜あ。」
トレジャータウンの広場で大きな欠伸をするポケモンが一匹。
暇そうにしているが、これでも冒険のことについて考えている。
一応木の実や種系のものを買い、準備をする。
ホムラは、普段は優しくて温厚な性格だ。だから、正直争いごとは好まない。それが任務であれば遂行するが。
道具をそろえたホムラは、気分をリフレッシュさせるために少しばかり散歩に出掛けた。
敵は全くいなく、ポケ通りさえも全くない秘密の道がある。これはブイズのみんなしか知らない。
ブイズはこの道を『リフレッシュロード』とよんでいる。ただ気持ちが穏やかになるから付けたという、安直な理由だ。
冬は少し寒いが、夏にこの道を通るととても涼しい。
ホムラには暑さというものは関係ないが。
ホムラは険しい冒険の前に、心を落ち着かせによくここへくる。お気に入りなのだ。
立ち止まり、目を閉じ、風を感じ、自然と一体になる。心地好くて眠ってしまいそうだ。
ホムラは軽く目を開けた。
ホムラ「....誰?」
周りの木々に誰かが隠れて見ている。そんな気配をホムラは感じ取った。
風で葉が揺れ、音を立てる。
散りゆく葉と一緒に敵の攻撃がきた。
ホムラは難なく避ける。
避けて受け身をとるまでの一瞬で敵の位置を把握した。
ホムラ「............。」
ホムラは受け身をとった後、攻撃もせず、無言で敵の方をただジッと見ていた。
ライボルト「出てきての一言くらい言ったらどうだ?」
木の陰からライボルトが出てきた。
ライボルトはホムラの近くに行くと
ライボルト「ここは君のお気に入りの道みたいだな。場所を変えよう、ついて来い。」
そう言って無防備にもホムラに背を向け、歩いて行く。ホムラはライボルトに対して特に何もせず、ただただライボルトの後について行った。
ー大草原ー
ライボルトの後について行くとかなり開けたところに出た。真ん中に大きな木があるだけで、あとは一面芝の原。
木の下には一匹のポケモンがいる。
ライボルトはそのポケモンに向かって歩いていった。
ホムラも一応ついて行く。
大木から七、八メートル離れたところでホムラは足を止めた。
ライボルトは木の下にいたバンギラスと話をした。
バンギラス「随分遅かったな、待ちくたびれたぞ。」
ライボルト「悪いな。」
ホムラ「で、僕に何の用?」
二匹はホムラの方を向いた。
ライボルト「これを見れば分かるだろ。」
ライボルトは左前足、バンギラスは左肩を若干前に出した。
ホムラ「....把握した。」
二匹のポケモンには「N」という字があった。ナイトメアだ。
ホムラの表情が一気に変わった。
そして辺りを目だけで自分達以外に誰もいないことを確認した。
ライボルト「助けなんて誰も来ないよ。」
バンギラス「安心しろ。抵抗しなければ一発で仕留められるからな。」
すると二匹はとある玉を取り出した。その玉とは
ライボルト&バンギラス「メガ進化!」
メガストーンだ。
二匹は姿が変わった。
だが、ホムラは焦らない。何故なら周りに誰も居なかったからだ。
バンギラス「そうだ、そのまま大人しくしてれば痛い目に遭わなくてすむんだ。いくぞ!ストーンエッジ!」
ライボルト「かみなり!」
ホムラは目を閉じた。
死を覚悟した訳ではない。
ホムラ「....力....劣ってないかな?....まぁ、やっと....」
強力な二つの技がホムラに当たる寸前
ホムラ「ほ ん き が だ せ る 。」
爆発が起こった。
砂埃が立ち込める。
完全に仕留めたと思っていた。
だが、砂埃が晴れたとき、ホムラはそこには居なかった。
すると、ライボルトとバンギラスは後ろに殺気を感じた。
二匹が後ろを振り向いた瞬間
ホムラ「ごめんね、君達。」
一瞬だった。
何が起きたかわからない。
ホムラの前には黒こげになった二匹のポケモンが気絶している。
ホムラ「........少し力が衰えたかな?」
リフレッシュするためにここへきたのだが、逆に疲れてしまった。
ナイトメアのせいでとんだ1日だった。
とりあえず、ナイトメアの二匹を本部へ連れていった。