日常U 〜クロウと噂〜
険しい冒険に備え、クロウは準備をしていた。
クロウ「オボンの実とピーピーマックス....ふっかつの種もいくつか入れておくか。」
真面目なクロウ。
するとどこからか話し声が聞こえてきた。
ワンリキー「なあ、知ってっか?あの“ビッグディッパー”と“サザンクロス”のランクって〈金〉だろ?でも、その上がいるらしいぜ。」
ガーディ「まじで?あ、そういえば親父から聞いたことあるな。確かそのランクは....」
クロウ「〈ダイヤモンド〉だろ?」
ガーディ「そうそう〈ダイヤモンド〉。」
クロウが二匹の会話に加わる。
クロウ「その話、もう少し詳しく聞かせてもらえるか?」
ガーディ「じゃあ、俺が知っていることから。」
ガーディは話し始めた。
ガーディ「その〈ダイヤモンド〉ランクはこの仙降地にたった一チームだけなんだ。普段どこに住んでいるかはわからないけど、いつも自分の趣味に1日の大半を費やしているんだとか。俺が知っているのはこのくらいかな?」
次にワンリキーが話す。
ワンリキー「じゃあ次は俺だな。その〈ダイヤモンド〉ランクの二匹はランクが上なだけあって、あの“ビッグディッパー”や“サザンクロス”に色々と指示したり、指令を出したりしてるんだ。後歌うことが好きらしい。それからその二匹は異性同士で、付き合っているって聞いたことがある。しかも先祖代々仙人御墨付きだっていうし。」
クロウ「仙人御墨付き、か。」
そしてワンリキーは意外な情報を口にした。
ワンリキー「それからこれは本当に曖昧な噂なんだが、そのチームの名前を知っているんだ。」
クロウ「!本当か!?」
ワンリキー「もう一度言うが、不確かな情報だ。」
クロウ「構わない。」
ワンリキー「....これは一応極秘なんだが、そのチームの名前は“アンブレラ”って言うらしい。」
ワンリキーが若干小声で話す。
クロウ「アンブレラ....」
ワンリキー「ああ。なんでも、『全ポケモンを不安や痛み、悲しみの雨から守り、平和をもたらす傘のような存在になる』という意味で付けたって線が一番多いらしい。」
ガーディ「(暇だなぁ〜。俺空気だな〜。)」
クロウはかなりの情報を得たが、一つ疑問がある。
クロウ「不確かながらも情報提供ありがとう。だが、一ついいか?」
ワンリキー「?」
クロウ「何故君はそんなに情報が多いんだ?しかもチームの名前まで。」
ガーディ「(缶コーヒーでも買ってくるか。)」
ワンリキーは少し考え込み、
ワンリキー「実は俺の親父はその二匹と知り合いなんだ。まあ、そんなに情報提供はしてくれないが。」
クロウ「通りで詳しい訳だ。(いや、めっちゃ情報提供してるぞ。)」
ワンリキー「もういいか?」
クロウ「ああ、本当にありがとう。」
するとガーディが戻ってきた。
ガーディ「ほい、缶コーヒー。君にも。」
ワンリキー「お、サンキュー。」
クロウ「ありがとう。」
ワンリキー「また何か情報を掴んだら教えるよ。」
クロウ「すまないな。」
ワンリキー「おうよ。じゃあな。」
そう言って去っていく。
クロウの脳裏に、あるポケモン二匹が浮かんだ。