※ネタバレ含みます。
『嘘が上手なマリオネット』読んでくださってありがとうございます。皆様のアイドル戯村影木でございます。ちょっと、いやかなり間が空いての投稿でしたけれど、見放さずに最後までお読みくださった皆様方に感謝の気持ちでいっぱいでございます。
さて。
完結しました。
どうやら小説の更新は、昨年(2012年)の12月で止まっていたようで、この辺年末ということもあって忙しくて、年始からは僕の生活形態が変わったということもあって更新が止まって、そもそも打鍵自体をしなくなった……というのがあったんですが、それでもやっぱり完結しないと気持ちが悪いので、書きました。
今年(2013年)の四月終盤あたりからまた打鍵する時間を取るようにして、でまあ、大体こんな感じで、書き終わりました。約63.000字です。大体僕の中に、120.000字くらいが長編のラインで、60.000字くらいが中編、というイメージがあるので、『スケープゴートは夜に泣く』と『嘘が上手なマリオネット』は、中編小説というイメージで書いたので、必然的に分量がこの辺でセーブされています。
そもそも前作『スケープゴートは夜に泣く』で僕の中での「ポケモンミステリをやろう」っていう意識は途絶えてしまったんですけれど、結構皆様からの反応が良かった。これが嬉しいというのもありましたし、立花戦、リーチェ、逢阪巴、という主要人物が割と良いキャラクターに描けたというのも、続きを書こうと思った動機。
で、なんとなく、『スケープゴート』と来たら『マリオネット』だよなあ、というのが漠然とあったので、それに良い感じのタイトルを付けました。このタイトルを付ける作業にまたしばらく時間が掛かった記憶があります。うーん……我ながら良いタイトルに仕上がったかなあと。
そもそもにして、『スケープゴート』のネタ、というかトリックが秀逸だった(自分で言ってるよコイツ)ために、続編を書くにしてもあんまり良いトリックとかは浮かばなくて、むしろ逆にポケモンでミステリ書くなら普通こいつだろっていうようなメタモンを題材にしました。
メタモン。
扱いやすいポケモンです。
ですがそれだけだと流石に面白くないので、色違いという要素を付け加えたり、メタモンを仮面に擬態させたり、色々やろうと思ったわけですが……まあやっぱり、インパクトがない。インパクトがないので、潔くトリックについては諦めて、まあ元々三部作にするつもりだったので、繋ぎの回として割り切りました。
深月弥生。
前作でリーチェだったのが、今作では偽名が変わりました。まあ当然意味はあって、『マリオネット』の終盤に出て来た『桜祭雛』というキャラクターあっての偽名なんですが……これを出すかどうかを、非常に迷った。
名前だけは『スケープゴート』の終盤で考えついて、というか『リーチェ』が『チェリー』のアナグラムなんだ、と気付いた時に閃いたわけなんですが、結局使う箇所がなく。それにひな祭りを足して、桜祭雛、としたわけですが……うーん、深月弥生という名前を出した時点で、「この名前を出したら、流石にほとんど人が関連性に気付くだろう」と思ったのです。桜祭雛とか、ネーミングされすぎだし。
なので結局、終盤での登場となってしまった。
ちゃんと伏線として仕込めれば面白かったのかもしれませんけれど、それだけの技量が僕にはなかった。反省することしきりです。苗字だけでも仕込むべきだったかな? とか悔やむこともあるんですが、これも連載形式の運命(さだめ)です。いずれ修正版を書き上げる時があったら、ちゃんと仕込みたいなあ……とは思うんですが、修正版なんて書いたら分量が二倍に膨れ上がりそうで、若干怖い。
物語はこれから、ようやくリーチェこと深月弥生を主軸に動いていくわけですが、どうなっていくのか僕も何も考えていません(堂々と言っててヤバイ)。まあとは言え、『嘘が上手なマリオネット』に秘められた意味、というか対象は彼女のことで、自由奔放に、自分の欲望のために犯罪に手を染めていた彼女が、実は踊らされている存在だったのだ……という引きで上手く次作に続けられればという感じです。元々今回の作品、話ごとに「引き」みたいなものに力を入れたのですが、これは上手く行ったかどうか分かりません。連載の醍醐味みたいなものを考えたんですが、「ああ、続き読みたいな」と思ってくださった方が一人でもいらっしゃれば、成功です。
あんまり書くことがなかった。
期間が結構空いてしまったからかもしれませんが。
ともあれ『嘘が上手なマリオネット』は、モチベーションが完全になくなることなく、また書きかけの文書ファイルを紛失することもなく書き切れて良かったです。連載する場をお借りさせていただいたポケノベ様に感謝の意を。とか書くとあとがきっぽいですね。
そんなわけで『スケープゴートは夜に泣く』に次ぐポケモンミステリ、『嘘が上手なマリオネット』でした。
次作、『亡骸ドールズの飼い主』でお目にかかりましょう。
戯村影木でした。