第002話
第002話「初バトル! VSジグザグマ」
―301番道路
「あ、お嬢さん」
「へ?」
リイカは突然、怪しいおじさんに声をかけられ、少しビクっとする。
「おっと、私は怪しい者ではありませんよ」
「あ、貴方は…?」
「私、ミズキポケモン研究所の者です」
ポケモン研究所…この先にある、ポケモンを研究している有名な研究所だ。
「でも、こんな所で何をしているんですか?」
「うん。実は、昨日研究所に強盗が入ったんだ」
「えーっ!」
「チュパー!」
リイカとパチリスは声を揃えて驚いく。
「それで、ポケモン一匹と、ポケモン図鑑が盗まれて…」
「その犯人を捜しているというわけですね!」
「い、いや。違うんだ」
研究員がそういうと、リイカとパチリスは首を傾け、頭に?を浮かべる。
「犯人は国際警察の方々が全力で探してくださっている。私が探しているのは、逃げ出したもう一匹のポケモンなんだよ」
「逃げ出した?」
「うん。強盗に入られて、驚いたのか逃げ出しちゃってね…中々見つからないんだよねぇ…」
研究員は頭をうねらせ、辺りの茂みなどを掻き分ける。
「そういう事なら、私におまかせください!」
「え?」
「研究員さんは、忙しいと思うので、私が見つけてきます!」
「で、でも、見たところ君は新人トレーナーっぽいけど…?」
研究員に図星を突かれるが、リイカはえっへんと言い、続けた。
「私は大丈夫です。パートナーのパッチンも居ますし!」
「そ、そっか。じゃ、じゃあ…本当に頼んでいいんだね?」
「もちろんです!」
リイカは元気よく返事をし、先に進んでいく。
「近頃の子供は元気があっていいなぁ…おっと。こうしちゃいられない。今日は別に新人トレーナー君が来るんだった!
せめて、残った一匹を元気にさせないと…」
研究員は独り言をボソボソと言い、ため息をつく。
「はぁ…こんな時に博士は一体どこへ出かけたって言うんだよ…」
―302番道路
「パッチン、もう少しでオウガタウンだよ!」
「りか〜ぽけもんはさがさないのか〜?」
パチリスは心配そうにリイカを見る。
「私の感だけど、逃げたポケモンはビックリしたわけじゃないと思うの。
多分、仲間を取られて、怒ってる。それで、追いかけようとしているんだと思う」
「う〜ん?」
「とにかく!盗んだ犯人がこっちに来る筈無いし、きっと303番道路より先にいる筈よ!」
「そっかぁ!」
「そうと決まったら、急いで……「ちょっと待ったぁ!」
リイカとパチリスが気合を入れて走り出そうとした瞬間、短パン小僧に通せんぼされる。
「ちょ、ちょっと!私急いでるんですけど!」
「チッチッチ、おめぇ新人トレーナーだろ? トレーナーってのは視線が合ったら勝負をするもの!
つまり、俺はお前に勝負を挑む!!」
「え〜〜!」
リイカはチラリとパチリスを見る。
すると、既にパチリスは目を輝かせ、やる気まんまんのようだ。
「よし、行くぞ! ジグザグマ!」
「ジ、ジグザグマ・・・? パ、パッチン頑張って!」
「チュパ!」
ジグザグマとパチリスがお互いを睨みあう。
「ジグザグマ!たいあたりだ!」
「え、えっと…あ、あまえる?」
ジグザグマがたいあたりをする前に、パチリスは可愛くあまえるをしかける。
「そんなんじゃ、ジグザグマには勝てないぜ!」
「うーん。でも、ジグザグマのたいあたりも勢いが落ちてたっぽいけどなぁ」
「そ、そんなことない! いけ!たいあたり!」
「…パッチン、でんこうせっかよ!」
「チュパチュパ!」
ジグザグマより早いスピードでパチリスがジグザグマにアタックする。
「あ! ジグザグマ!」
「今よ、パッチン! スパーク!」
「チュ〜パァ〜!!」
「あーあ。負けちゃった。お前、強いな!」
「まぁね! じゃ、私急いでるから!」
リイカとパチリスは、見事に初バトルで勝利をし、次の町、オウガタウンへと向かうのであった。