―プロローグ―
―とある研究所
「おい、No.XXXとNo.002の融合数値はいくつだ…?」
「は、はい…えっと…。38%です!」
メガネをかけた研究員が金髪で唇にピアスを付けたガタイの良い男に告げる。
「…まだ時間はかかりそうだな」
「はい、しかし本当にこの二匹は融合する事が可能なのでしょうか?」
メガネ研究員が不安そうに尋ねる。
「さぁな。私の知ったことではない。我らはボスの命令に従い、行動するだけで良いのだ…」
「は、はぁ」
メガネ研究員はあまり納得がいかないのか、不満そうな顔をしながら、融合数値を確認する。
「…!? 数値が…おかしい!」
メガネ研究員はカプセルに入れられた二匹のポケモンを見る。
「お、おい。どうした!」
「二匹が目を…!!」
ズドンッ!
カプセルから二匹のポケモンが現れる。
「何だ!何が起きてるんだ!」
「わ、わかりません!No.XXXとNo.002が暴走をッ!!う、うぁぁあああ!!」
二匹のポケモンは研究室で暴れ、そのまま研究所を去っていってしまう。
「ッチ。ボスの怒りを買う前に、直ぐに二匹を連れ戻さないとな…」
「で、でも…あの二匹はやっぱり危険すぎますよ!」
「……紫の石(アメジストストーン)。心を繋ぐ紫の石。それさえあれば…」
ガタイの良い金髪男は、そう呟き、研究室を飛び出す。
「はぁ…やっぱ、こんな事…俺はしたくないんだよ…」
メガネ研究員は力尽きたようにその場に座り込む。