第5話 危機
『この館の玄関ホールのドアは軟禁してたのか両側に鍵穴があった。つまり私達は閉じ込められたと言うことらしい。すぐには出られそうにはないが皆と生きて脱出する。だがもし私の身に何かあった時、あるいは私達より後に来たポケモンの為にこの館について書いたメモを書き残す。これを読んでいる君達入ったからには腹をくくりなさい。生きて出たいなら協力して』
私は紙片を日記帳にしまいその下に隠れていた鍵を拾った。
「嫌だ!来ないで!!」
ミドリの悲鳴が奥から聞こえ私はすぐに助けに向かった。ミドリは取り乱しているらしく私の横を通り抜け図書館から出てしまった。私はミドリが来た方向に向き直るとそこには見覚えのある人物がたたずんでいた。
「お…お姉ちゃん…」
私の声を聞いて気がついたのか下を向いていた顔を妖しい笑みをこちらに向けた。私は驚愕のあまりその場を動けなかった。するとソルが私の腕を掴み素早く図書館を出て階段を上がり北側の奥の部屋に入り内側から鍵をかけた。すぐ向こう側にはドアを叩く音が聞こえる
しばらくして、
「ようやく諦めましたか…」
ソルは動けない私に寄り尋ねた。
「何故あの時逃げようとしなかったのですか?あの方は出刃包丁を持っていたのですよ?」
「だってさっきのはお…お姉ちゃん…だったの…」
私の目から涙を流していた。姉が生きていたのが嬉しかった涙つまり嬉し涙を流していた。ソルの表情は変わらず
「あれがお姉さん?ですか?そうでしたか…」
「今気付いたんだけどルイはどこ?私ミドリが逃げたのは分かるんだけど、ルイはどうしたの?」
私が急に質問したのに驚いたのかソルははっとして慌てて答えた。
「ルイなら危険を察したのかミドリが部屋を出た後すぐに出て行ってしまったのですよ…」
「そ、そう…」
私は二人が無事なのか心配になり立ち上がったのはよかったが足元が震えていた。ソルは私の腕を肩に回して手伝ってくれた。
「では二人とこの館の情報を探しに行きましょうか?」
「うん!」
二人は慎重に隠れていた部屋から出た。