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赤の救助隊 外伝〜十年後

筆者 : ヘーボン / 種別 : 掌編 (ページ容量 : 7.7KB)
投稿日 : 2017/07/24(月) 06:28 / 更新日 : 2018/03/20(火) 01:49
  • あらすじ

  • レナは元人間の女の子。ある日突然イーブイになってしまった彼女は、ひょんなことからピカチュウ(♂)のユウと救助隊を結成する。人間だったということ以外の記憶を失い、自身の存在理由の希薄さに悩む彼女だったが、ユウとポケモン達を救っていく中にだんだんと居場所を見出せるようになっていった。しかし、平穏は長くは続かない。元人間であるという事実が公となった途端、「キュウコン伝説の当事者で、さらに自然災害の元凶である」という疑いをかけられ、追われる身となってしまった! 自分は本当は悪人なのではないか。生きていてはいけないのではないか。逃亡生活の最中、またしても疑心暗鬼になってしまうレナ。そんな彼女を一人信じ続けるユウ。

    「……なんでわたしを信じてくれるの?」

    「……なんででしょうね?」

    「あんた、理由もなしにこんなとこまでついてきてるわけ!? つくづく自分がない男ね!」

    「こ、こんなときまで怒らないでくださいよぉ。まぁ、たしかに理由はわからないですけど、とにかく信じてるんです。」

    「答えになってないんだけど。」

    「例え世界中のポケモンが信じなくても……リナさん自身が信じていなくても、僕だけは“絶対”に信じています。」

    「…ばっかじゃないの。」

    そんなこんなで今までよりほんのちょっとだけ頼もしいパートナーの支えもあり、とうとう身の潔白を示すことに成功する。

    残る問題は自然災害の本当の元凶。それは巨大隕石の接近であった!

    天空の覇者に協力を仰ぐことができれば事足りるが、それはレナとユウの別れを意味する。悲しみを胸に押し込めて、レナとユウは世界を救うことを決断した。
    そして、別れの間際にレナは初めて、偽りのない気持ちをユウに伝える。

    「これでお別れね。」

    「…そうですね。」

    「最初は、なよなよしてて、とんでもないダメ男だったけど、今は、まぁちょっとはましになった方なんじゃない? 」

    「ちょっとは、って……」

    「ふふ。冗談よ。もう十分立派。…わたしがいなくても大丈夫なくらいね。」

    「そんなことないですよ。僕がここまでこれたのだって、リナさんのおかげで、ご、ごれからだっで……! 」

    「わたしが大丈夫って言うんだから大丈夫なの!
    ……もう、泣かないでよ。せっかく、かっこよくなったのに。」

    「え? 」

    「…この世界を救うためにわたしはイーブイになった。運命とやらではそうなのかもね。
    でも、わたしは、ユウと出会うためだったって。そう思ってる。」

    「! 」

    「ばいばい、ユウ。
    大好きだよ。」

    ところがどっこい。原作プレイした皆さんご存知の通り、愛は運命を捻じ曲げるのでした。

    と、かなり長くなりましたが、色々あってその十年後が舞台なのです。

    一応断っておきますが、嘘はついてない。