まっしろな闇 > 続・首都にて > 01 Page 121 : 空白 を読んだ感想 | ||
投稿者:レイコ 2021/06/27(日) 17:10 | ||
[表示] 更新お疲れ様です。 キリの後は首都。これまでの道のりと綺麗に逆行し始めてますよね。やっぱりというか、フラネに立ち寄らないのは当たり前だよなあ、と。もし立ち寄っていたら、と想像したらそれもそれで、楽しいというより心苦しいですが。しろ闇の世界観でラナちゃんが道楽で旅行するイメージはないんですけど、少なくとも首都編以前のラナちゃんであれば、旅の途中の良い思い出と言えたかもしれないのに。あの時の傷心のラナちゃんには靴を安く譲ってくれたおじさんの善意が重すぎて。どちらかと言えば仕方なく流されたというか、感謝より戸惑いや猜疑心のほうが大きくて、読者としては、ラナちゃんすっかり傾いてしまったなあ、と首都編の影響の大きさを痛感したくだりでもありました。現状のラナちゃんにとってはありがたくない話かもしれませんが、自分の痕跡を残すことを躊躇したラーナーと、キリで自分の足で歩きだす力を得たアランは同じ人物だけど精神面は少し変化している訳で、あれだけ洞察力のあるお店のおじさんともし再会したら、というのは興味があります。 アレイシアリス・ヴェリントンの名称の初出はどこだったかなーと簡単に遡ったら、page69で大病院の名前として出てきてますね。アレイシアもヴェリントンも人名の一つなので、アーレイスの著名人が由来だったするんでしょうかね。現実の地名であるワシン〇ンやコロン〇ア的な。 真弥さんの裏切り……この組織というのはこれ、黒の団ではないですよね? 黒の団ならそう明記されるでしょうし。込み入った事情をアランが知らないということは、読者にもまだ明かされていない情報と捉えていいはず。ですが、首都編をよく読み返したら組織名がすでに明かされている可能性も? 見落としていたらすみません…… ひょっとしてこの組織とやらが今後関わってくるのでは? と伏線のときめきを感じましたが、真弥さんが所属していた離反した組織でしょう? 失礼ながらアランの味方に純粋になってくれる組織とは到底考えられないので、なるべく関わらないでくれと思いますね……前言撤回…… そうかぁ…… 彼らとすんなり再会とはいかないだろうな、とは感じてましたが、まさかアパートごと消えてしまうだなんて。ただ事じゃないですよね。アランの体感時間と、アーレイスで実際に流れた時間とは大きな隔たりがありますし。何が起きて、何が変わっていても不思議ではないです。アパート倒壊事件の真相を知るより、このままアランは真弥さん達のことを忘れて生きていくほうが良いんじゃないかという気さえしてきます。真弥さんの仕業にしろ他の原因にしろ、不吉の前兆としか思えないので。 ノエル君、今頃はどうしているんでしょう。殺人も殺意もクロ達の目から通してみれば日常であり、首都編はラナちゃんの価値観も死生観も大きく揺らがされたであろう壮絶な章でしたが、ノエルくんの立ち位置は当時ラナちゃんの周りにいた人物のなかで、一番ラナちゃんに近かったんじゃないかと思っています。肉親を亡くす経験や、その後黒の団関係者と共同生活を送るようになった部分であるとか、共通点がありましたし。何より、どれだけ精神的な歪みを抱えていたとしても、犯罪行為に踏み込んでいたとしても、まだ直接の殺人経験がないという、一般人たりうる最終ラインを越えていない点が。 圭くんにも会いたい。会いたいけど、会うのが怖いような気も……圭くんのことはすごく好きですけど、首都編で感じたのは圭くんは自分は居場所を守るために、クロとラナに端的に言えば利害の一致で同行しているのであって。アランの味方で仲間ではあるけれど、無条件で守ってくれるような甘い庇護者ではないんですよね。つまり、状況次第ではアランの敵になりうるシビアさをはらんでいる。そんなことはないと信じたいですけど、この半年間以上平穏に過ごしたはずがない圭くんの優先度でいえば、今のアランはどういう存在に映るんだろう、という不安があります。 圭くんとユアちゃんも折り紙してたなあ…… クロくん……いや、今もシロくんなのかな……長い時間が経てば、彼らの人格がふたたび入れ替わっている可能性もあるじゃないでしょうか。シロくんの自己防衛本能で生み出された存在ですから、シロくんがよほど酷な目に遭えば……って、決してシロくんの不幸は望んでいないんですけどね。シロくんは何にも悪くないですけど、アランが会いたいのはクロくんでしょうから、クロくんに会わせて安心させてあげたいというも本音で複雑な読者心です…… ユアちゃんなあ……自分は病院や病人の描写を読むのがあまり得意ではないんですが(感受性が強すぎる小心者なので)、海さんの文章は比較的落ち着いて読めるんですよね。不思議なことに。一卵性の双子なのにユアちゃんだけ生まれつき肺の病気を患うなんて、お母さんはすごく責任を感じてそうだと考えてしまいます。ご本人は未登場ながら存在はほのめかされているので、今後アラン達との遭遇はなきにしもあらず……? ポケモン世界にはっきり鶴モチーフと分かるポケモンはいないので、鶴ポケモンがいればこのシーンの折り鶴は折り鶴ポケモンになっていたのかもしれないなーと考えたりしました。 続・首都編。次回の更新も楽しみにお待ちしております。執筆頑張ってください! [37]
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投稿者:海 2021/07/04(日) 00:07 | ||
[表示] >レイコさん いつもありがとうございます。それも、読んでくださっただけではなく、こんなまた始まった時点でがっつりとした感想まで……頭が上がりません。 いろいろ言い訳がましいところもあるかもしれません! >フラネについて そうですね、道中自体バッサリカットしましたけど、首都に戻った道程ではフラネには寄ってないです。今行ったらきっと、少なくとももう少し穏やかな表情を浮かべてお喋りするんでしょう。フラネはかなり警戒心が強く憔悴していた頃なので、まあ無理もないのかなと思います。仰るようにラナが完全に傾いたのを全面に出して強調するのがフラネ編の流れでした。自分の痕跡を残さないようにしていたのは、クロの保護に大きく関与したオーバン夫妻やアランが黒の団に殺されたこと、自分のせいで旅の動向が黒の団に筒抜けだったこと(ニノのブレスレットに元々発信器がつけられていたからなので決してラナのせいではないんですが)へのショックが大きかったこともあります。誰かと別れる、失う悲しみを負うくらいなら、誰とも関わらない方がいいと考えていたから。今もそういうところが消えたわけではないけれど、当時は極端でしたね。いつかフラネのおじさんには再会してほしいですね。 アレイシアリスヴェリントン(・の件については重なりますがありがとうございました……)があの世界でどういう由来で誕生した名前かまでは正直考えていないです。名付けが基本的に適当なのです。ただ、至極どうでもよいことですが、この首都の名前の由来自体はあって、何かアーレイスに引っかけつつちょっと長くして通称「首都」になってるっていうのがやりたかったのでいろいろ考えていたところ、ポケモンとはまったく関係ないんですが、個人的に愛しておりますマジカルバケーションで大好きなキャラであるアランシアとアーレイスを心なしか引っかけて、あと昔から個人的に関心の高いニュージーランドの首都ウェリントンに若干変化を入れてひっつけただけです。いずれも作品自体とはなんの接点も存在せず。いっそ仰るように人名と言ってしまった方がいいかもしれない。 Page121で出してる真弥の過去の裏切りは黒の団ではなく、組織名までは出していません。急にノエルの生い立ちが少し掘り下げられたPage91でさらっと書いていますが、この話自体首都編の中でもたいへん異色だったこともあり、ここで再度出しています。Page91は基本ノエルの独白話なので、アランは知らないです。真弥は首都内に敵が多いんですよね。当初は組織なんてぼやぼやした言い方ではなくマフィアって書いてたんですが、露骨な表記もどうかと思い取り下げたものの、確かに言われてみると黒の団と混同してややこしいですね。しれっと表記変えてたら察して微笑んで見てないふりをしてやってください。私もできれば関わらないでいただきたいですね……これ以上話をややこしくしないでほしい……。 >真弥さん達のことを忘れて生きていくほうが良い ほんとですよね。実際一度は忘れようとしましたしね。見事なまでの掌クルリです。でも彼女、ブラッキーやら両親やら抜きにしても、純粋に会いたいという思いもありますからね……星空見て皆のこと思い出して泣いてるようなセンチメンタルさですからね……そんな彼女にとってどっちがいいんでしょうね。まあ会いたいからといって会えるわけじゃないですが! ちなみに続キリは基本的にアランに焦点を絞ってその間首都に残った彼等がどうしていたのかは暗闇の中でしたが、首都のきなくささはちらっと仕込んでいます。ちらりすぎて自己満足レベルです。 >ノエルくんの立ち位は当時ラナちゃんの周りにいた人物のなかで、一番ラナちゃんに近かった そうですね。ノエルにとっても、ラナが他の連中と違って人畜無害であることを嗅ぎ取ったのでちょっと心を開いたというところはあります。お互いにとって貴重な人なんですよね。アパート無くなって一番困ったのは間違いなくノエルですしどうしてるんでしょう。 圭は……そうですね……ラナに結構痛いところ突かれてますしね、たとえ生きて会えたとしても、わかんないですね、どうなるかは……クロなのか白なのかわからない彼も……でもけろっとした顔で会う可能性もありますから肩の力を抜いてください! どこかで笛でも吹きながら歌えや飲めやでパーティしているかもしれませんよ! >病院や病人の描写を読むのがあまり得意ではない 病院がよく出る小説ですいません……グロも苦手なレイコさんがここまで読んで下さってるのは奇跡だなと改めて実感します……甘えていられない……でも書きます……そう言っていただけると安堵します。なんでなんだろう、明瞭な視覚的情報がないから? ユアたちのお母さんは、ただでさえここから全体にややこしくなるので少し微妙なところではありますが、いずれもう少し掘り下げますたぶん。 鶴ポケモン意外といないですよね。ただ、そもそもの話、折り紙、正直和文化なのになんで出したんだろう……とはちょっっっっとだけ思っています。最早ユアを語るうえで欠かせない要素になったので我が物顔で書いてますけれど(モチーフとして優秀すぎる)。ユア初登場時は深く考えず普通に折り紙を使って鶴って出してて、鶴ポケモンがいたとして果たして鶴ポケモンを採用していたか、当時を考えるとかなり怪しいです。 なんだかたくさん思い出していただきつつキャラたちに思いを馳せていただいたようでたいへん有難かったり謝りたくなったりしつつ、まだ続首都始まったばかりでなかなか言えることも限られていますね……。随所に香ばしい隙がある小説ではありますが、引き続き楽しんで書きますので、またお付き合いいただけましたら幸いです。あまりまともな感想返信になっていなくて恐縮ですが、ここらで! ありがとうございました〜! [39]
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まっしろな闇 > 続・キリにて > 18 Page 120 : ひとりじゃない を読んだ感想 | ||
投稿者:とらと 2020/04/25(土) 01:43 | ||
[表示] 『続・キリにて』完結お疲れさまでした!! うわ〜は、ハッピーエンド……ハッピーエンドと言ってもいいですよね!? エンディングと呼べる場面ではないここからまた物語が始まるというシーンですし、ハッピーエンドと形容するのはまったく的外れな気もしますが、すっごく久々に光を見たような、長い長いトンネルを脱したような、大きな感慨に包まれています。なんか前も似たようなことを言ったような気もするのですが、例えば逃走したブラッキーを見つけてラナちゃんが説得を試みるシーンで、普通ならブラッキー傍に戻ってきそうなものじゃないですか。でもしろ闇はそうはならない。なんで……と思わされるくらいどんどん追い詰められて、徹底的に沈んでいって、でもやっと、やっと安堵できるものを見られた……というか。アメモースが飛んできたとき本当に本当にグッときました。アメモースを奪うようにして首都を離れたラナちゃんの選択が決して間違いばかりではなかったことが証明されたんだと思いたいです。でもこのアメモースの飛翔、エーフィたちとの再会ブラッキーが戻ってきたこと、穏やかとまでは言わないけれど優しい食事のシーンと「会いたい」という言葉、これらから噛み締められる幸福さや希望に似たものは、決して『Page 120 : ひとりじゃない』単体で語られるものではなく、『続・キリにて』全編、ひいては『まっしろな闇』がこれまで丁寧に繊細に積み上げてきたすべてを通してこそ得られるものですよね。そのことは『Page 112 : 変移』の >「私、今、考えてた、」 という台詞の続きが『Page 120 : ひとりじゃない』で明かされた時に強く感じました、実に丁寧に積み上げられてきた作品なのだよなあと。この物語の長い長い旅路を思って胸が熱くなると同時に、これから先の彼らが力強く旅路を歩んでいくことへ思いを馳せたくなる極上の一話でした。 ラナちゃん、と書きましたが、未だに『アラン』という呼称に違和感を覚えながら読んでいます(そこは作者さんも織り込み済みだとは思うのですが)。アランという文字を見るたびにさっぱりと明るい顔で笑う少年の姿が思い浮かべられるし、描写のひとつひとつが女の子であるさまを見るたびにああそうだよなぁと思わされるし。彼女があのタイミングで出した偽名が『アラン』だった理由をまだ掴み切れずにいるのですが、代わりに生きようと思っているというのもどうだろうなんだか違うような気がするし、彼女が強くありたいと願ったから名前を借りたのかもしれないし。ザナトアさんの元から離れるまで彼女は『アラン』のままでしたね。キリを出たあとはどうするのだろう…… > 相手をできるだけ信用しないように。思い出も、弱い自分自身も上書きされるように。強くなれるように。そうして、多分、少しずつ上手くいっていたんです。 ザナトアさんやエクトルさん、あるいは水神さまの視点から語られるラナちゃんが子供として異様であること、そうやって生きていかなければいけないラナちゃんの心の変化やその過程がすごく緻密に描かれていて、キリの育て屋さんでの生活を追いかける描写と共に、ラナちゃんというキャラクタやこの物語そのものに血が通っている感じがして、何度も同じ言葉を使いますが、丁寧に紡がれた作品だなあと思います。こんな言い方をするのはどうなのかなと思うのですが、長年この作品を愛してこられた海さんの愛情のなせるわざだと思うのですよね。しみじみ良い作品だよなあと思います。 『Page 120 : ひとりじゃない』の展開が秋、冬をすっ飛ばして春だったこと、生命の誕生のシーンなども実に象徴的でしたが、ではその秋、冬の間、クロ(白)くんや圭くん、真弥さんたちはどうしているのかというのが気になりますね。ラナちゃんが彼らのもとを離れることでポケモンたちにスポットが当てられ、彼らの存在がラナちゃんの歩みの中でより大きなものになりました。『アラン』としての生活を経たラナちゃんが、クロくんたちとどう向き合うのか……そもそも容易に再会が叶うのか……あるいは空白の半年間が語られるのか。続きも楽しみにお待ちしております。ともあれ、ひとまずは『続・キリにて』本当にお疲れさまでした!! [34]
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投稿者:海 2020/04/27(月) 21:41 | ||
[表示] >とらとさん ご感想、ありがとうございます! ハッピーエンドです!この地点を目指して長い長い沼展開を書いていました。首都編といいその前のキリ編といいハッピーエンドから縁遠い章ばかり重ねていたので、実際この後味の良さは物凄く久しぶりです。懐かしき、圭のリコリスとの別れを果たしてハッピーととるかは微妙なラインですがリコリス編終わりから数えると話数にして70話近く跨いでいます。数値化すると恐ろしいものです。 >逃走したブラッキーを見つけてラナちゃんが説得を試みるシーンで、普通ならブラッキー傍に戻ってきそうなものじゃないですか。でもしろ闇はそうはならない。なんで……と思わされるくらいどんどん追い詰められて ブラッキーが傍に戻らなかったその時の理由というか具体的な彼の当時の心理状態は多分今後書かなくて、想像に任せる形にはなりますが、Side1-2で書いたようにブラッキーが錯乱状態に陥っていたことは確かです。 アメモースの飛翔、誰でもそのおうちそうなると予想のつく展開を、希望の象徴として自分の中にもプロットにも掲げて長ーーーーい沼展開を書いてきましたので、グッときてくださって良かったです。明るいキャラが失われたがために、誰に救われることもない、あまりに暗くて長くて覚束ない鬱展開を読ませるのはこちらとしても大変心苦しかったのでようやく許された気もします。 >アメモースを奪うようにして首都を離れたラナちゃんの選択が決して間違いばかりではなかったことが証明されたんだと思いたいです。 そうですね……やっぱり最初はアメモースも突然主人の元から引き離されて、そして翅を千切られた直後でもあり、アメモースの内心を直接描くことはなかったんですけど、混乱していて。ラナが誰にも言わず(そもそも本来の主人であるクロは不在なので言う先も何もないところありますが)アメモースを勝手に持ち出したことは手放しに正解ではないかもしれないけれど、結果的にはアメモースにとって悪い道では無かったと思います。彼にとってクロは勿論重要ですが、奪われて最も辛かったのは、きっと空でしたから。 >『続・キリにて』全編、ひいては『まっしろな闇』がこれまで丁寧に繊細に積み上げてきたすべてを通してこそ得られるものですよね。 あ〜ありがとうございます……。暗闇が長いと光は余計に輝く……。こういう、長く引っ張った末に展開していくのが長編の醍醐味ですよね。一度首都編で破壊し尽くしても、むしろその破壊も全体のストーリーという枠では積み重ねの一環で、そしてこの上にまた重なっていくものを考えると気が遠くもなるんですが、こうして言っていただければ、積み重ねてきた甲斐もあるし、またこれから頑張ろうと身が引き締まります。 >ラナちゃん、と書きましたが、未だに『アラン』という呼称に違和感を覚えながら読んでいます 時々言っていただけます。それはアランくんに思い入れを持ってくださっているためでしょうから、有難さと申し訳なさが混ざります。 『アラン』の理由は今後彼女の口からある程度話す時が恐らく来ます。理由は「これ」という一つではないですが、もしかしたらこうかもしれないというヒントは少しだけ散りばめてあります。いつかその時が来たら、読者様に納得されるかどうかはわかりませんが「ああそうだったん」くらいに思っていただければ。因みに理由と全く関係の無いところですが、彼女の通称表記と彼の表記は酷似していて、「Alan」のAを一番後ろに移すと「Lana」になるスペリングの美しさ(?)が隠されています。 >ラナちゃんの心の変化やその過程がすごく緻密に描かれていて 勿体ない言葉です、ありがとうございます。今回の話を書いていて変化を書くのは難しいと痛感しています。首都までの影響があるとはいえ、ちょうどいいのか、冗長なのか、それとも人間の変化ってそんな簡単に起こるものではないからむしろ急激なのか、書いていると匙加減がよくわからなくなりました。情けない話ですね。もう出して判断してもらおうくらいに思ってたので、少なくとも急ではなかったのかなと一つ答えを見つけたような次第です。人によってそれはいろんな受け取り方があるとは思います。 愛情と言ってくださるのなら、それは作品を愛してくださってる読者様がいるからこそです。それを信じられなければ続きを更新できていないので、有り難さを噛みしめています。 >その秋、冬の間、クロ(白)くんや圭くん、真弥さんたちはどうしているのかというのが気になりますね。 一貫して向こう側の動向を書かなかったのは拘りあってですが、お互いにこの短くはない空白を知り得ない状況が少し難しくて(殆ど身から出た錆)続キリを終えてまた本筋に戻っていくこれから、どう文に起こそうかという感じです。少しゆっくり考えながら、またいずれ続きを出した時、飽きずに付き合ってくだされば幸いです。 こちらこそ、辟易するような鬱展開を乗り越えて、丁寧に内容を汲み取ってくださったご感想、ありがとうございました!!(平伏) [36]
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まっしろな闇 > 続・キリにて > 18 Page 120 : ひとりじゃない を読んだ感想 | ||
投稿者:早蕨 2020/04/23(木) 21:52 | ||
[表示] 続・キリにて、読了です。 濃密な文章と描写、難しい展開にお疲れ様です! の一言じゃ足りない気がするのですが、それ以上の言葉が見つからないので一先ずお疲れ様、という事で。 まず続・キリにてを読んで凄いなあと思ったのは、ザナトア宅やキリの情景がこれでもかと綺麗に書かれている事。キリにモデルがあるのかは分からないですが、これだけ密に書く事というのは、ただ筆が乗っただけでは書ききれない、何度も何度も読み返したであろう跡があるような気がしました。何より自分には書けないなと思わされるところばかり。ゆっくりゆっくり読み、音や匂いを感じていくだけでも、続・キリにては手の込みようが伺えます。凄い。 情景を書き込めるって、場の雰囲気や細微空気が読み手にも細かく伝わるって事なので、ただ物語が展開していくだけではない、それこそ読み手によって様々な感じ方がある読み応えのある文章だと感じました。 キリに訪れたのはアメモースを飛べるようにする事。それは誰が見ても分かるのですが、ただアメモースが飛べるようになる事に専念するだけでなく、過去登場したキャラクターの過去と新しいキャラクターが綺麗に織り交ざっていく様、ブラッキーの豹変、と次を読ませる展開は流石。アメモースの事を忘れていた訳ではないですが、ブラッキーの豹変からはもう頭はそっちに向いてしまっていてひたすら文字に引っ張られるばかり。 どうやってアメモースが飛べるようになるのか、はたまたこの話では手掛かりに止まるのか等中々予想は難しかったですが、アランがザナトア宅に戻った時に既に飛べるようになっている、という展開はそうだよなそう来るよなと納得……。水神様との話からも、ひとりじゃないという最後のサブタイトルからも分かる通り、アランの閉ざした心が僅かでも氷塊する音が聞こえたような、そんな光景が、また光が見られて良かったです。本筋へ繋ぐ話、と言うと聞こえは悪いかもしれませんが、とっても綺麗に次へ繋がっていて、気になるばかり……。 あと外せないのは水底の森ですね。いやあ、本当、これ苦労しただろうなあ、とお前にそんなん言われたくないわという感じだと思うんですが、神秘的な空間を、何書いてんのこれ、と読者に思わさずに書くのって本当に難しいと思うんですよ。クラリスとの再会も嬉しいですし、古来より伝わるキリに根幹に関わる話は絡めるの大変そうなのに、これだけ自然につなげて来るの本当凄い……。 水神様やクラリスとの会話がこの章での大切なところだと思いますし、アランにとって大切な時間であったと共に、また秘密を抱えてしまうという描写が切なさ出ててぐっときます。キャラクターの秘密は読者の秘密にもなる訳で、こんなもん自分が言ったるわくらいに思えて、いかに読者として引っ張り込まれているかという話でもあって、そこから後半にある、「彼等二人を見ていると、入る隙間が無いという一抹の寂しさが過った」でスイッチが切り替わる。これだけ濃密な時間を過ごしたキリだけど、ただの通過点でしかない事。それ自体に寂しさを覚えるのですが、別に愛郷もなく悲哀ないとアランは言っている。何かを探しているその探し物を想像し、うんうんと勝手に頷いて完全に気持ち悪い人だったのは内緒。 次に繋がるお話であり、まっしろな闇にとってもとても大切なお話だと思うこの章は、首都編から続くアランが一つ何かに区切り(言葉が難しい区切りじゃないかもしれませんが)となり、新たに起こる物語の波がどんどん楽しみになるお話でした。 いやあ、本当にお疲れ様です。(結局お疲れ様としか言えないんですよね) [33]
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投稿者:海 2020/04/27(月) 19:24 | ||
[表示] >早蕨さん ご感想、ありがとうございます! キリのモデルとなった町はあります。湖は地元が関係していますのでこの場では伏せますが、白い町並みはスペインの南部にあるアンダルシア地方をモデルとしています。画像検索かけたらこんなん現実に存在するんやと目を丸くするようなエキゾチックな町の写真が並びますので良かったらググってみてください。きれいですよ。 情景描写に力を入れたのには理由があって、まずキリという町が水神にまつわる文化をはじめとして四季や時間、空の移ろいを重視しており、キャラ達をくるんでいる世界の様相について丁寧に書きたかったこと、そして、ラナを中心として回っている章にも関わらず、続キリ序盤から最終120話にかけてラナの直接的な心理描写を書いていないという点が大きいです。彼女の内面を直接書かない分、彼女の周囲であったり、彼女が周囲に何を行動として示しているかを描く方に文章が嵩んだので、自然と厚くなりました。情景描写を使った間接的な心理描写も好きです。それこそ仰るように、読み手によって様々な感じ方が生じますから。綺麗でいいし、意図がよく分からなければよく分からないでいいし、こうかなと思うことがあればそれも一つの正しさだと思うし。一応旅する話なので、小説を読みながら、キャラクターだけではなくキャラクターの居る世界の空気感が伝わったらいいなと思っていました。きっとそれは人それぞれ違う景色になって、それが小説の面白いところですよね。とはいえもしかしたら退屈でしつこい側面もあったかもしれませんが、それも愛嬌ということでどうか。 黒の団が関わらなければ世界は時に結構美しくて、美しいだけで済むんだよなと思います。観光みたいなものでね。 アメモースがもう一度飛べるようになる展開って十中八九誰からしても「そりゃそうだろ」という目に見えた展開で、とはいえやたら序盤で引っ張るのが茶番臭くなるのは不本意で、アメモースだけでなくいろんな要素を含んでいるのを同時に進めていなければならないのをなんとか纏め上げるのに必死だったので、次から次へと放り込まれてくる展開に没入してくださったのは有り難いです。ブラッキー豹変からは完全にアメモースどころではなくなるので(アメモースパートとしては再度飛翔への決意を固めた後なので心理的にはそれほど大きな問題ではなくなっている)、ブラッキーに注力してもらって正解です。 アメモース飛翔まで引っ張っておきながらあっさりと(実際は決してあっさりではありませんが)飛んだのは拍子抜けにならんかとちょっと難しい部分ではありました。まだ完璧ではありませんが。ただ、アランの閉じた心が、アメモースの飛翔を通じて僅か開く瞬間を目指してずーーーーーーっと沼展開を書いていたので、その光見えた瞬間が伝わってほっとするばかりです。暗闇が長いほど光はまばゆい……。 >本筋へ繋ぐ話 いや、全く聞こえ悪くないです。まさに続キリはそういう話です。見抜かれている……。 水底の森、本当、最初言ってくださった綺麗な情景描写の最果てというか、遂にほんまにファンタジー世界に飛び込んで、作者の中ではこの異世界を書いたのは続キリ後を見据えた上でのことなんですが、ブラッキー暴走で混乱させておいて続けざまに読み手さん置いてきぼり確定要素を書くというファンタジックな展開を書くことになかなかびびってもいました。自然になってましたかね!?それなら良かったんですが……。「何書いてんのこれ」って思ってもらっても全くおかしくないです(実際、アランも「????」ですから)。水神が「理解しなくてもいい」と言っているのは、水神からアランへのメッセージであり、水神(作者)から読者へのメッセージでもあります。よく解らなくてもいいんですが、「いつか理解する時がくる」です。 こんなもん自分が言ったるわwありがとうございますw水底での出来事はアランにとっては重要ですが、結局アランは、キリという町からしてみると外部者であることには変わりありません。寂しいことですが。実際水底での出来事を考え無しにべらべら喋って、黒の団だけでなくクヴルールからも本気で口封じにかかられたら、エクトルがいるとはいえ(むしろエクトルが……)無力な彼女は終わりです。 >「彼等二人を見ていると、入る隙間が無いという一抹の寂しさが過った」でスイッチが切り替わる。これだけ濃密な時間を過ごしたキリだけど、ただの通過点でしかない事。それ自体に寂しさを覚える 寂しいと思ってくださる有難さ。思い入れが無いわけでは勿論無いんですけどね、複雑ですよね。彼女は逃げて、探す、旅人なのです。 なんかこう、丁寧な早蕨さんの感想を読みながら、没入してくださったんだなあということがしみじみ伝わって、それは作者としては目指す物語の形で、何度言うねんという感じですが、本当に有り難いです。 この続キリ編を通じてもう一度黒の団へ関わっていく覚悟を固めたアランが、果たして今離れている人たちやポケモンたちとどう物語を作っていくのか、よろしければ今後も温かい目で見守っていただければ幸いです。 こちらこそ、たくさんの感想を書いてもらって本当にありがとうございました!!(平伏) [35]
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まっしろな闇 > 続・キリにて > 06 Page 109 : 口止め を読んだ感想 | ||
投稿者:早蕨 評価:感動した! 2019/06/20(木) 01:42 | ||
[表示] 追いつきました。 首都編完結時には既に追いついていましたが、その時にはなんて感想を書いて良いかわからず(普段から感想書く習慣がないからとも言えますが……)結局こんなに遅くなってしまいました。 首都編までで1部なのでしょうが、物語自体はきっとまだまだ続きそう……。あの辛い首都編から、皆がどう立ち直って、また立ち向かっていくのか。首都編以上、かどうかはわかりませんが、まだ辛い展開が待っているような気がしなくもない……そんな不穏な空気を感じずにはいられません。 更新分まで読ませていただいて、まっしろな闇は本当に雰囲気のある作品だと思っています。海さんの情景描写やキャラクターの背景、設定も相まって色が感じられるというか、今はお話を通して全体に影を落とすような雰囲気が、綺麗な情景描写をされている中にも紛れ込んでいて、それが凄く読み応えや没入感、好きだなあと思えるところに繋がっているんじゃないかなって思います。 この雰囲気の中、キリから先どういう風に展開されていくのか気になるところなのですが、どの道私は話に入り込んでしまって先がどうなるとか予想も何もせずただただ追ってしまうことは間違いないないです……。あまりにも楽しみです……というのが心の底からの感想です! 首都編で初めて(ですよね……?)出てきた白。ニセモノが黒で本物が白。身体は一つで人格が二つ。ラーナーがその事実を心の底でどう受け止めるのか、受け止めているのか、そこが気になります……。白を初めから知っている人と違って、ラーナーにとっての黒と白は逆なはずで、白が自分を守るために生まれた存在だという事を素直に受け止められないはずで、でもそれが事実な訳で……とかいろいろ書きながら考えているのですが、首都編最後の展開の意味とか、そういうこと考えるとやっぱり首都編をもう一度きちんと読み直す必要があるなって思います。拾えるものを拾って、この辺については考えたいです。 もっとまとめてから感想書けやという話なのですが、更新されていた分まで追いついたところで、もう一度ツイッターに投稿されている動画とか見返してしまって、感想をわさわさと書いてしまった感じです。 何はともあれ、この物語の光がいつ、どういう風に見えてくるのか、これからも追っていきますので、続き、待ってます! (何気学パロも好きでしたのでそっちも持ち球あれば待ってます!) [31]
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投稿者:海 2019/06/24(月) 18:20 | ||
[表示] ありがとう〜〜〜!!!と叫びたいところですがここは自重して真面目にお返ししますねえ。ご感想、ありがとうございます……!! そうですね。首都編までがこの物語自体の前編にあたるつもりで書いています。黒の団に屈したクロはいなくなりもう一人の主人公である白が登場し、彼等が元々は黒の団ということを明らかにし、ラナが訣別して一人での旅を始める(当初そうなるはずだった旅の形になる)までが前半。首都編までを通じて理不尽や喪失を経験してきたラナが、今度は自分の力で物語を進めていかなければならないのが後半の冒頭であり、今現在にあたります。ラナにはこれからも困難が待ち受けていて、だけどそれに屈しない強さを手に入れてほしいなと思いながら書いている次第です。 わー、お褒めの言葉をいただき、ありがとうございます……!めちゃくちゃ光栄です。今は特に、ラナの一人称的な直接的な心理描写をほとんど入れないようにしているので、ラナの視点ではなく、彼女の周りの情景や会話を通じて読み手に物語を訴える方法をとっています(つもりです)。そうするにしても、ザナトアとエクトルのこと、アメモースのこと、クロバットのこと、ブラッキーのこと、水神様やクヴルール家のこと、キリの祭等々、要素をかなり詰め込んでいますので、読み応えに繋がっているんじゃないかなと思います。深掘りしていく設定がまだまだあるので、混乱と紙一重ではあると思われますが、ぜひ没入していただきたいです。キリ編はまだまだこれから長いですし、その先、キリ編の後もまた長いです。息長く付き合って頂ければ幸いです。 ラナが白とクロのあれを受け止めているかどうか……についてですが、100話で眠っている白と別れる際、「受け止めきれなかった。」と彼女は感じており、そこから時間はさほど経過していません。特にフラネ編では意識して書いていましたが、ラナは首都編でのことをずっと引き摺っています。早蕨さんの仰る通り、彼女にとってクロこそがずっと一緒にいた存在ですので、それが急に別人格であって後出しであって、主たる人格は他であったと言われても、確かに白はクロとは違うのでのみこまざるを得ないのですが、完全な理解まではそう簡単には至れません。完全に受け止めるにはラナが頭の中でこねくり回したり時間経過と共に納得していくだけではなく、最終的にはもう一度白に会う必要があると思います。でもそれはまだ先の話のうえに、会うかどうかは不明です(棒)。首都編最後の展開の意味……!なんだろう……色々やりすぎてどのあたりのことかわかりませんが、読み直しは暇で暇で暇で仕方が無いような時に……! いや、十分まとまってますよ(震え声)。動画だのなんだの手を出しながら創作していますが、応援してくださっていて本当にありがたいです……。 鬱展開が続いており読み手としてはしんどいこともあろうとは思いますが、鬱なりに光を求めて藻掻いていますので今後とも見守って頂ければ幸いです。ありがとうございました〜〜〜〜!!! (学パロ……!持ち玉ね……!あるんですけどね……!ひっそりこっそりとやりたいですね……!!) [32]
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まっしろな闇 > 続・キリにて > 03 Page 106 : 外側の世界 を読んだ感想 | ||
投稿者:とらと 2019/02/25(月) 19:06 | ||
[表示] 今更にもほどがありますが連載再開ありがとうございます!!『Page 101 : 静かな旅路』〜『Page 106 : 外側の世界』の感想です。 相変わらず(というと変な言い方ですが)の巧みな文章表現が胸に響きます、ぽつぽつとひとりでに零れ落ちるような美しい心理描写や情景描写に、首都編の続きのお話ですから身構えてはいたものの、しろ闇世界の現実にあっという間に引き戻されたかのような気持ちです。分かってはいたけど心が痛い、分かってはいたけど……。『Page 103 : 取捨選択』の山のおじさんの >「そういう物好きなおっさんがいると思ってくれればいい。〜君はまだ随分若いし、単に応援したくなった。それだけ」 という台詞に対するラナちゃんの反応に、特に胸が張り裂けそうな気持ちでした。放っておけない、応援したい、彼の台詞はまさに、読者である我々の気持ちそのものだと思うんですけれど、ラナちゃんはそれを受け入れない。『魔性の毒』とさえ表現して拒絶する。『見ず知らずで事情も知らずとも応援してくれる人がいる』とキャラが勇気づけられるハートフルな展開になってもよさそうなものを、またキリに到着したラナちゃんに「よくここまで来たね、一人で頑張ったね」と誰かが声を掛けてくれさえすれば少しは安堵できるものを、そうしてくれない。首都編を読んでその徹底っぷりに震えていた、無情さというか……容赦のなさが、血を流す戦いから離れたとしても、未だに作中に流れているなあと感じているところです。打って変わって静かで、でもひりひりとして、相も変わらず、し、しんどい……ッ! 読めば読むほど凹みます……笑 旅のメンバーの人間勢がラナちゃん一人になったことで、ポケモン達によりスポットライトが当たっていますね。アメモースがラナちゃんに対してどう振舞うのかが気になっていましたが、エーフィ&ブラッキーもそういえば正確にラナちゃんの手持ちではなかったんでした。ラナちゃんも連れの二匹に頼るという様子もあまり窺えず、エフィブラも心に壁を作ってしまったラナちゃんとの距離を測りかねている風があり、寄り添いきれず、なんだか寂しい雰囲気です。最新話では限界を迎えたラナちゃんの代わりに、ポケモン達の視点が描かれました。エーフィが今の居場所はラナちゃんのところだと言い切ってくれたのが読者としてもほっとしたような心地です。と思っていたら、フ、フカマルー!!!(*'▽')フカマルか……!?フカマルなのか……!?とドキドキしながら読み進めたらフカマルで、作中の雰囲気を無視してうっかりテンションがあがってしまいました!! 『孤独な旅路の終着点』に辿り着き、ポケモンパワーでザナトア家に迎え入れられることになったラナちゃんの行く先に、少しでも安寧の時間があることを、読者は願ってやみません。ごはんたべて……! ラナちゃんがたびたび思い描くクロくんや白くんの姿に、彼女の中でのその存在の大きさを感じて胸が熱くなるようでした。白くんや圭くんたちがどうしているのかもキリでの物語の進行と合わせて気になるところです。続きも楽しみにお待ちしています。 [28]
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投稿者:海 2019/04/10(水) 01:47 | ||
[表示] 101-106話に感想をありがとうございます!ふと気付いたら物凄く遅くなってしまい大変申し訳ございません……。流石に長らく休載しすぎていて、もう読まれない可能性を覚悟して臨んだ更新再開ですので有り難いやら驚きやらでいっぱいです。 >相変わらず〜引き戻されたかのような気持ちです。 恐縮です……。 現実世界では約二年ほどの休載を挟んでしまい、文章の(+個人的な話ですが作者の心境・生活の)変化は必ずあって、でも作中では首都編を経た次の瞬間から始まるので、101話以降はどうしたら違和感無く首都編の続きとして読んで頂けるかが大きな高い壁でした。と同時に、ラナとエーブラ・アメモース以外を完全に切り捨てているわけですから、明らかな変化も同時に存在しており、アンバランスを感じながら今でもまだ模索しています。作中の雰囲気に引き戻すことができているのなら安堵するばかりです。 >放っておけない、応援したい、彼の台詞はまさに、読者である我々の気持ちそのものだと思うんですけれど フラネのおじさんはこんな出会い頭に尽くしてくれる良い人がこの世にいるわけがないという違和感バリバリでしたがそれでも突き通したのは、私自身も一読者としての同情がはたらいてしまったというのは正直、あります。メタなことを言えばこういう人間がいてくれないとラナがあまりにも失意の底にいるがために物語が動かないということもありますが。 >『見ず知らずで事情も知らずとも応援してくれる人がいる』〜少しは安堵できるものを、そうしてくれない。 読んでて痛々しいですよね、ラナ。応援してくれる人がいてもそれを受け入れられないし、なかなか励まされることもなく……。頑張ってるんですかねラナ……彼女なりに頑張っているかもしれないんですけど、それを「頑張ったね」と言ってやる人が居ないのは、ひとえにラナの抱える経緯を誰も知らないからで、それはラナが自ら口にするかラナを知る人たちが再登場するしかないけど前者も後者も望み薄という。ただ、彼女の傍にいるポケモン達は言葉こそ持たないけれどそれを知る現時点での唯一の存在ですので、106話を筆頭として行動で彼女を支えていくような形にできたらと思ったり思わなかったりしつつ書いてます。 >首都編を読んでその徹底っぷりに震えていた、無情さというか〜読めば読むほど凹みます……笑 いや、もう、すいません。本当にすいません。こんな地味にしんどい割に大きな展開も無く打ちのめされるだけの鬱小説に付き合っていただけていて、深い申し訳なさと情けをかけていただいている有難さで平伏す他ありません……。首都編で好き放題にジェットコースターさせていただいたので今度は静かに丁寧に、を目標にしていますが、これはこれで少しずつ少しずつ絞め殺しているような感覚を与えるのかもしれない……そうなんだろうなと……とらさんに限らず他の方からのご感想からも感じております……想像していた以上に。ひと思いにバッサリできたこれまでと違って、ある種の退屈との瀬戸際だと痛感しています。 >ポケモン達によりスポットがあてられている ですです。今まで良くも悪くもクロや圭をはじめとして人間がかなり目立っていた分なかなかポケモンそのものに手が回せなかったんですが、今の旅の目的が「アメモースを再び飛ばせる」でそもそもポケモンに焦点が絞られ、人間を切ることで自然とポケモンが表舞台に立つようになりました。漸く多少はポケモン小説らしくなりつつある気がします。こ、ここにきて。 >エーフィが今の居場所はラナちゃんのところだと言い切ってくれたのが読者としてもほっとしたような心地です。 そうですね……。エーフィは、ラナの傍が居場所だと恐らく今の三匹の誰よりも信じているし、守りたいと思っているのです(暇で暇でしょうがなくて気が向いたら道中編のSide2もご参照のほど)。 渦中にあるアメモースは勿論、エフィブラもどんどん掘り下げていく章となります(仮)ので今までとひと味違った雰囲気を感じ取ってもらえたら幸いです。 >フカマル 名前を出す前から分かったんですか、流石……w鬱展開に差し込んだ一筋の奇跡!なのでテンション上がっていただいて大丈夫です!(月蝕に関して言えば少々被ってる感が否めないのは事後ですが謝罪を……) 可愛い奴です、良かったらかわいがってやってください。 全体的にラナを心配してくださってるのがひしひしと感じるご感想をありがとうございました……!なんというか自キャラがすいません(うちの子がすいませんというのと同じ語調で)。これだけ不安にさせておいてアレですがラナはまだ暫くは再起しない可能性がありますしこれからもこんな感じでゆっくりとした展開で進んでいくかとは思いますが、気が向いたらまた続きを手にとっていただければ嬉しいです。白達のことは……頭の片隅に覚えてくださっていたら万々歳です。 読み辛い返信となりました。読んでいただき本当にありがとうございました!!これを糧としてまた頑張ります。 [30]
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まっしろな闇 > フラネにて > 01 Page 101 : 静かな旅路 を読んだ感想 | ||
投稿者:レイコ 2018/11/21(水) 10:08 | ||
[表示] 投稿お疲れ様です。怒涛の首都編が完結し、もしラナ視点のままであれば101話はきっと物静かなのだろうと予想しておりました。大体当たっていたでしょうか。一方、何が起きても不思議ではない御作ですから、どのようなハードな幕開けになっても受け止めるつもりでしたので、正直ゆるやかな新章の開始にひとまずはほっとしております。 我々現実世界では二年前でも、作中では100話のその日のうちの出来事なのですよね。時空の壁に囚われない連載作品の強みを感じました。拝読している最中は昨日と今日のつづきのように、物語の時間的な途切れをまったくといっていいほど意識しませんでした。うまく伝わったらいのですが、子ども時代からの友人と出会うと心が子ども時代に戻る、ああいう感覚に近いです。なめらかでするりと頭に馴染む情緒的な文章表現もご健在で、ブランクを感じさせないご手腕、さすがは海さんです。 行き先以外は無計画で突っ走ってしまったラナちゃんの、その後の一人旅に慣れていない様子が如実に突き付けられ、痛々しくて見ていられない気分でした。つい数か月まで一般的な民間人だった彼女に降りかかった試練を数えれば、誰も責められないと思います。こういう時に、ストッパーになってくれたり、リーダーシップを発揮してくれる中心人物がいればとよかったのですが。ラナちゃんにとって頼れる師匠や両親のポジションの人物が不在の点が、歯がゆくてならないです。 ブラッキーやエーフィがけなげに寄り添ってくれていますが、彼らの身体は暖かく心も優しく、腹が減れば食べ物を食べる同じいきものなのに、読んでいて孤独感が付きまといます。人間とポケモンとではやはり違う、と痛感させられた回でした。深手のアメモースとラナちゃんがいつ正面から向き合うかと怖々しておりましたが、思っていたよりはアメモースがラナちゃんを拒絶しなかったので、少し安心しました。といっても、アメモースの意思表示をラナちゃんも読者もきちんと根っこから読み取れていないだけかもしれないというのが、不安要素ですけれども。 靴を替えて、防寒用の上着を手に入れて、なんなら美容院で小綺麗に髪を整えてもらえたらいいなと、それどころではない能天気な希望まで頭に浮かんでしまいました。ラナちゃんは自分で決めた道を歩き出したのですし、それくらいの身支度ははなむけにしてあげたい読者心です…… 遅まきながら、再開おめでとうございます。お慶び申し上げます。次回も前途多難が目に見えるような旅路への期待と不安が半々になりながら、お待ちしております。 [26]
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投稿者:海 2018/11/22(木) 11:35 | ||
[表示] お疲れ様です。投稿して早々、丁寧なご感想をありがとうございます。漸く幕が上がったばかりでなにも感想が浮かばなくとも不思議ではないというのに、頭が上がりません。 感想を通して感じるに、レイコさんは作者なんぞよりも余程本作キャラクターを母親のような目線で見ていらっしゃるように思います。誰だこんな痛々しくて見ていられないとか歯がゆくてならないとか不安感を煽りまくらせているのは……。警戒心をもって読んでいらっしゃるのならばどうぞ肩の力を抜いて読んでくださいねw 現実世界では随分と久方ぶりの更新になってしまったので、読者さんがぱっと101話を読んだ時に果たしてこの物語に引き戻すことができるのかは不安の一つでした。何しろ重い急展開に急展開を重ねた首都編の後ですから。文章のブランクもあるけれど、100話までと101話以降をスムーズに繋げる必要がある重要な話でした。いろんな意味で。その点、時間的な途切れを感じさせなかったのならば一安心です。大きい壁は及第点でクリアできたのかな。 走り始めこそ無計画なんですけど、どうしても彼女が考えて選んで行動していかなければならないのが今後の旅です。道順にしろ、次に行く町にしろ、野宿にしろ、その他諸々ラナはずっと頼りながら旅をしてきました(依存しすぎてたなとつくづく思います)。その頼る先がパッと無くなったというのはそれはそれは大きな穴です。けれどそれを選んだのもまた彼女自身です。関わってきた主要人物を切り離して、一人旅を選んだのは彼女自身なのです。できた空白をラナがどう埋めていくかがこれからの見所の一つですので、はらはらしながら見守ってやってください。 >彼らの身体は暖かく心も優しく、腹が減れば食べ物を食べる同じいきものなのに、読んでいて孤独感が付きまといます。 >人間とポケモンとではやはり違う、と痛感させられた回でした。 お、ほんとですか。私はすごく自信無かったんですが。「静かな旅路」と銘打ちクロやポニータ、圭達がいなくなったラナだけの一人旅、ではあるけれども実はエーフィやブラッキー、そしてアメモースというポケモン達がいるので一見全く孤独な旅ではないのでは? という気がしてならなかったので、孤独感が感じ取れたのならそれは私にとっては嬉しいです。。 アメモースに関してはレイコさんのご感想を読んでいて滅茶苦茶102話以降を読んでいただきたいなと強く強く思ったので是非今後のアメモースを読んでやってください。すごくやる気になりました。 小綺麗に髪を整えるwwお優しいwwそうですね、整えてやりたいですね……あんまり身なりに気を遣う余力は今無いかもしれない……最低限のことをやるので精一杯かもしれない……。 こちらこそなんだか畏まって、ありがとうございます……。なんといいますか、本当、内容は重いですが、肩の力を抜いて、100話まで読んでいただき2年待ってくださった寛大な読者さんに送るボーナスステージのような感じで読んでやってください。まだ再び始まったばかりで言うこともそんなに無いだろうに貴重な感想をありがとうございました!! [27]
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まっしろな闇 > 首都にて > 33 Page 100 : ひかり を読んだ感想 | ||
投稿者:とらと 2016/12/23(金) 01:07 | ||
[表示] 読むの遅くなりまして申し訳ないです!まずは首都編完結&100話到達本当におめでとうございます、お疲れ様でした!! 何から言えばいいのか……前の感想は何を言ってたんだ?と思って前の感想開いてみたら「何から言えばいいのか」と言っていて笑ってしまいました 展開が重ければ重いほど、というか、力強ければ強いほど、しんどいほど、言葉が出なくなるって言うか、そういう感じです。この興奮が伝わる言葉がちゃんと出てくればいいのですが う〜ん、まず、圭くん。 彼の立ち回る場所は本当に酷っていうか、なんっていうか、安易な表現になってしまいますが、可哀想って言うか……。主人公はラナ(とクロ)なんですが、二人を明るく支える格好でずっと共にあった圭くんが、二人に待ち受ける凄惨な場面のすべてを通り抜けて、背負っていくみたいで。彼が受け止めたのは例えばクロの傷つけられた姿や、アランが殺される姿、亡骸と対面するラナの姿、そういう惨い光景だけではなくて。共に苦境を乗り越えたクロが一人でいなくなってしまうこと、そしてそのすべてを受けてラナが屋上から飛び立っていくシーン。、二人が壊れて、自分を置いて、離れていく、遠ざかっていく、そういうところも全部、圭は受け止めなければいけないんだなあ。その小さい体に。そう思うと本当に彼に課されたものが酷で(そりゃあ他の二人もそうだけど)なりません。 ラナに、クロの負った傷が酷いことを伝えたのも、クロに、アランが死んだことを伝えたのも、圭なんだよな。そのどちらもを、圭が、「自分が間に合っていれば」「強ければ」と少なからず抱え込むところはあって、それを自ら、その人をとても大事に思っている人に対して、自分がいたのにその人を守れなかった、って、伝えなきゃいけないのは、本当になんつうか、大変な事だ。ラナみたいに、ブレスレットのことみたいに、隠したいと思ったって良かったはずなんですよ。でも彼は話すじゃないですか。証人が自分しかいないから詳細に話すしかないじゃないですか。なんか、つらいよな。 この圭の辛さを分かち合ってくれる人っていないじゃないですか。いや、クロやラナにいたかって言われると全然いないんですけど、まあクロにはポニータやアメちゃんがいて、ラナにはエフィブラがいて。彼らとの付き合いに比べるとエアームドと圭との積み重ねた時間ってちょっと短くて、その点圭はちょっと孤独で、二人と同じ場所で苦しむこともできず、それを癒してあげられるかと言うとそうでもなく、彼らは黙って消えてしまって、そんで。そんで、圭はどうするんだろうなあ。凄く強いと思うんですよ。アランに呼ばれたような気がした。クロがそう言ったとき、圭は表情をしわくちゃにした。でもその顔で、事細かに、全てを話した。クロが傷つけられて眠っている間に彼の親友を傍に居ながらむざむざと死なせてしまったことを全部話した。気丈だよなあ。強いんだよなあ。 クロが白と入れ替わってしまって、クロがいなくなってしまったかもしれない。その事実を前にして圭はけっこう冷静に見えるんですよね。それは圭が動揺していて事態を受け入れられていないからなのかも知れなくて、でも「もう一度会う事になるなんて」と言った彼やラナに顛末を話して聞かせている圭は事態を受け入れている風でもある。それって「クロ」である彼と圭の関係しか知らなかった読者にとっては、ちょっとショックなんですよ。でも考えてみれば、クロが現れたのは「三年以上前」。それより前に、圭と白の間には三年以上の時間も流れていたかもしれない。圭とクロはまるでつうかあで相棒のようにも見えたけど、圭と白の間にもそれに相当する絆も存在しているかも知れなくて。 だとしたら圭は、「白」が消えた時(消えたとはっきり認識したタイミングっていうのは曖昧だったようですが)、また「クロ」が消えた時、どんな気持ちになったんだろう、どういう違いがあるんだろう、って、思うんですよね。クロもラナもボロボロだったけれど、ボロボロになっていく二人の出来事が全部身体を通り抜けた圭だってボロボロで、彼をその暗闇に巻き込んだ形になっていたクロは勝手に消えちゃって、圭は。圭は、千代紙を滅茶苦茶に破いて捨ててしまった圭は、どう思ってるんだろうなあ。なんだか彼だけが、血だまりの中で思考停止も出来ずに取り残されたようで、頭にも書きましたが、単純に可哀想で。ううん。それでも彼は前を向いて今まで通りに打倒黒の団を目指すのか、どうなのか。どうするのか。気になるところです。。 アラン。うーん、なんか、何回も言ってたんですが、人の子にこういうことを言うのはちょっと違うなあと実際こうなって見て思うんですが、やっぱり死んでしまうんだろうなと思ってました。死ぬならこのキャラかなあみたいな。ガストンさんも。でもエリアさんまで殺されてしまった。手助け。していたから。そうかあ。でもねえ、圭と逃げている時、一度目の襲撃を免れたタイミングでは、ああ生き残ってくれたと思ったんですよ。思いましたよ。でもそのあと良い感じの会話をし出した時にあっこれヤバくね?って思いましたよ! だー。。クロと喧嘩をした時、彼の「物語上の」役目は私は終わったんじゃないかと感じて(もう一度言いますが人のお子様を物語進行上の一駒として見てしまう事を本当に許してほしい)、役目が終わったから死んじゃうんじゃないか、喧嘩別れかあそうかあと思ってたんですが、もう一つ役目が残されていたんだな。>「否定しないで、俺達にだって少しくらい、かっこつけさせてくれよ」これなあ。圭にこれを言わせることも、アランの役割だったんだなあとか。アランは心強くてかっこよくてクロにとっては拠り所にもなりえたはずで、でも弱くて庇護対象で、それはクロや圭にすれば憤られるようなことでもなんでもない、当たり前の事だって。 そんで、俺たちなりの恩返しなんだ、俺は死なないと、カッコつけて言った直後に、こうなることが、……彼の死に際の役割だったんだなあと。ううん。なんっていうか……なむなむ。来世で幸せになりますように(?) クロ。白。 なるほどな。真夜中の夢へ、朝の目覚めより。副題だけ目にして良いタイトルだなあとちょっと前思っていたんですが、なるほどなあ。夜、朝。夢、目覚め。クロと、そして白の。page94〜95が凄く好きなんですよ。混沌と喧騒のあと、病室って言う白い箱の中で自分を思ってくれるポケモン達に囲まれて、皆傷ついて、傷を舐めあって、やがて目を閉じて、沈んでいく。考えることは多分とっくに放棄している。心地よくて優しい微睡が深淵に溶けていく様が本当にやるせなくて美しくて、うわ〜。うわ〜。(語彙力の崩壊) でもなあ、圭のところで散々書きましたが、クロは逃げたんだよな。実際逃げざるをえなくて、逃げても許される程傷ついたんですけど、それは何からどうして逃げたかとかじゃなくて、そうじゃなくて、置いていっちゃったんだよな。なんだかそれが。ホント地獄みたいですね。いや〜地獄だな。感想が深夜テンションに入り始めてホントすいません。 読者がどう予想しながら読んでいたのかなんて興味あるか分かりませんがとりあえず書いておきますと、クロが「笹波白は死んだ」と言っている意味って、多分「笹波白として生きていた自分を殺した」って意味なんだろうなあと思ってて、クロと白は同一人物なんだろうなあと考えてたんです、私は。多重人格。なるほどなあ。クロはあながち嘘もいっていなかったんだ。クロが殺した。白が作ったクロが白を殺した。でも白は生きていた。「クロの痛みは誰よりもぼくが知っている」と言えるほどずっと傍でクロを見ていた。 >「……きみの泣きたい分、ぼくが泣いているんだね」 この台詞はちょっと気味が悪くて、クロの痛みは誰よりも知っている白がクロの「痛み」に無頓着であるようにも見えて……、怖いんですよね。白はクロの全部を分かっているのに、なぜクロが泣いているのか、まるで分かっていないような。そんなちぐはぐ感があって、まあ白とクロという存在自体がちぐはぐではあるんですが……。クロは団を抜けてからの時間でラナや圭が言うように色々なものを手にしたけれど、白は純粋無垢、まさにまっしろ、そういうことなら、クロが越えてきた道や痛みを、内側から、どういう思いで見てきたんだろう。ん?本当に見てたんだろうか。ちょっと分からなくなってきた。 感覚的なところを共有しているのか、理解できるだけなのか。白はどこまでクロで、クロはどこまで白で、二人は分かり合っているのか。認め合っているのか。クロはどこへいったのか。白はどうするのか。あと……零は実在するのか(ちょっと怪しくなってきた)。続き気になります。色々言いましたがクロのことは好きです。幸せになってほしいです。首を長くして待ちます。 真弥!さん!凄くねえ、好きになりました。何故だろう、そういう風に書かれてなかったと思うんだけど、なんだろう、彼は正しい。残酷で軽薄で情け容赦なさすぎるように見えるんだけど、この状況の中で、味方サイドに、この人がいる、それが凄く良いなあと思います。アランの遺体のくだり、ラナの言っている事はよく分かるし本当にその通りなんだけど、それを言い負かす真弥さんは多分心が冷たいとかそういうことじゃなくて、冷静に状況を俯瞰する彼がいなければもっともっと事は悪化する、悪役に徹して彼らを守った、そんな感じで。 >「だけど、君と初めて対面した時から、君に対してだけは、絶対に嘘をつかないと誓っていた」 これ、そしてとどめになると理解している、それでも言う、その末命を絶とうとする彼女を、飛び降りていくさまを、ただ黙って見ている。海さんの描かれてる解釈とはまるで違うかもしれません、でも私はこれも彼なりの優しさなのだなって思うんです。優しいの方向性が達観しすぎてるんだ。この人は普通に優しいんだけど、その優しさって理解される優しさじゃ全然なくて、だから孤独で、それ故に強い。 >「命を弄ぶのは絶対に許せないって言った本人が、自殺を選択するっていうのは、最高に皮肉というか、ここまでくると笑い話みたいだよね」 うん、なんかさあ、こういう事を言うのが、彼の役割じゃないですか、仕事じゃないですか、それをこなせるじゃないですか。その上で、その果てに、君には嘘をつかないって言ったラナに、「嘘ですね」って言われるでしょ。あなたの娘は、とても残酷に笑っているよ。あ〜なんかね、好きなんです。この人がいる。まだこの作品にこの人がいる。それがねえ、なんだか希望にも思えるんです。彼を見てると読者はなんかワクワクするんだ。 ラナ。すげー徒然思ったまま綴ってるので長くなってますけどすいません。 自殺。自殺。自殺、かあ。うーん。はあ。あのシーン、ブラッキーが追いかけていくシーン、描写が圧巻でしたね。首都編描写がすごかったとこ書ききれないほどあるんですが、ここも本当に凄かったです。 ラナはなあ、すごく、ぐらっぐらぶれている感じがするんですよ。彼女の中に芯のようなものもあって、それも彼女の冒険通してぐわんぐわん揺さぶられて、もう訳分かんないことになっていて、彼女の言動や行動を見ていると、ホント危なっかしいっていうか、居た堪れないって言うか……そういうもどかしさが、スゲェ上手い。上手いな〜って思います。信じる道を、進めない。選べない。力もないし守られる立場だから。そういう状況の中で何か掴もうとして、生きようとして、壊されて、どんどん壊されてあっけなく崩れて、一回もう、全部崩壊して……、ほんで瓦礫の中に100話があって、多分そのなかから、組み立てる作業が始まるのかな。 光の中、彼女はひとりで旅立っていく。ノエルのポリゴンが生きていたこと、ブレスレットの件が片付いて、そして、生きてさえいれば勝ちだと、そう言うノエルから、キリという一抹の希望を提示される。行動をする。クロや圭が当たり前にやっていたけれどラナにはまるで縁がなかったセキュリティを掻い潜ったり、そういうことをして、真弥にもついでに一矢報いて(ここがいいんだ!)、首都の空に昇る太陽を見て。叫び出しそうになる。 >命の炎は燃えている。 そう、かあ。 これからどうなるのか、まるで予想がつきません。多分過酷な運命が待ち受けているんだろうとは思うけれど、ラナの視界に未来として提示されたのは、「輝く金色」、なんですよね。いっこ最終回を見たような気持ちになりました。ラナは、一皮剥けたって言うか、一回生まれ変わった。その表現の方が正しいかなと思う。強かに生きる。彼女はどのくらい強かになれるんだろうかな。 混乱させてしまった文章〜とメッセージ欄に書かれていますが、これだけ怒涛で濃厚な描写の連続にも関わらず、相も変わらず頭にすっと入ってきてスムーズに理解させてくれる文章力、本当にさすがだなあと思います。楽しかった〜という表現は首都編には似合わないけれど、面白かったとは言ってもいいのかな。面白かったです。17年は色々とお忙しいようですが、続きも首を長くしてお待ちしております。二回目。 こんな素敵な作品にこんな乱文拙文を投げるのが恥ずかしいです!許してください!笑 長くなりました。最後に、首都編、本当にお疲れ様でした〜! 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投稿者:海 2016/12/25(日) 00:19 | ||
[表示] >とらとさん まずは完結と100話到達について、ありがとうございます〜〜! 読者様に支えられてきたおかげです。本当に。 そしてこんなにもたくさんの感想を書くのは時間もかかるし疲れたでしょうに……ありがとうございます。多くのことを読みとってくださり考えてくださり、感服いたしました。それに対していい言葉をお返しできるかどうかわかりませんが、ひとつひとつ返信していきたいと思います。めっっっちゃ長いですすいません。 圭について。 圭は仰る通り、今回の首都編では全てを繋ぐ役割で、主人公でないのにまるで主人公かと思うくらい常に節目に立っているキャラクターで、一番最初ユアの見舞いで幸せを滲ませ、そこからカンナギで一気に血塗れの現実に染まって、怒濤の展開を経て、途中鶴の折り方をせっかく教えてもらったのに忘れてしまったと言っ幸せだった頃が一瞬で遠ざかった今に立ち尽くし戦いの現実に染まりきった自分を寂しく思い、最後には引き裂いた千代紙で終わるという、首都編そのものを体言しているような立ち位置でした。とらさんの「二人に待ち受ける凄惨な場面のすべてを通り抜けて、背負っていくみたい」というのは的を得たお言葉だなと思います。点在した出来事を繋いでいく圭は今作でいなければならない存在でしたが、彼にのしかかったものは重くて、クロもラナも離れていって、だからこそ最後の千代紙に繋がったのだと。圭は「いつか絶対にリコリスに生きて帰る」という絶対的な目標があるから、逃げることはできないんですよね。千代紙の下りはあえて彼自身の心理描写は一切入れずただ静かに佇むように淡々と一文に収めましたが、その無情なところも含めて、首都編そのものです。千代紙には圭自身も今回の怒濤の出来事の連続を背負い込み叫びたくなっている・壊れそうになっているという意味と、同時に、首都編序盤でなんとなく自分とリコリスの家族についてなあなあにして温もりに浸っていましたが、黒の団の脅威に対してもう二度と大事な人を失わないために決別の意味などを籠めています。首都編を終えた圭は、この千代紙から始まるんですよね。というかばらばら千代紙に気付いてくださって本当にありがたいです。 >隠したいと思ったって良かったはずなんですよ。でも彼は話すじゃないですか。証人が自分しかいないから詳細に話すしかないじゃないですか。なんか、つらいよな。 あー、なるほど。なんか、私はこれを読んで隠しておくという手も本当はちゃんとあったんだよなということを痛感しているような気がします。圭は正直者だししかもクロやラナについてかなり密接な関係をもってる人についての凄惨な事実とか器用に隠すことは多分できなかっただろうなと思いますし(でもクロが起きた時にまずアランのことを言わなければクロにはアランのことを少なくともすぐには話さなかったかもしれません)、圭は、言うことで、共有することで、一人でもっておくにはとても背負い込めないから事実を広げたところも多少は、あったと思います。ある程度、人の生死については慣れたところもある人物ですし。でも、もう、なんか、つらいですよね。ほんとに可哀想な立場です。 >彼等との付き合いに比べるとエアームドと圭との積み重ねた時間ってちょっと短くて、その点圭はちょっと孤独で、二人と同じ場所で苦しむこともできず、それを癒してあげられるかと言うとそうでもなく、彼らは黙って消えてしまって、そんで。そんで、圭はどうするんだろうなあ。凄く強いと思うんですよ。 ちょっと孤独という言い回し使いたくなるほどいいですね流石……。圭は、そう、強い子で、クロやラナもいなくなった以上、それからユアをはじめとしたリコリス組にももう接触はできないと悟った(とは文中ではっきりとは明言していませんが)以上、寄りかかるものがないんですよね。真弥もあれですし。エアームドとの関係性というのも今回なかなか書けませんでしたし余計に。しかもこんなにも頑張ってて圭自身も苦しい思いを抱えているにも関わらずアランが殺された時バジルに「惨めだな」のとどめの一撃を食らったり、ラナからは「そんなの黒の団と同じだ」と言われ、ほんまにこんなに頑張ってるのに結果的にはほとんど報われていないのがあまりにも非道いというか理不尽な流れですよね(書いた本人が何を言っているのかという感じですが)。結局、圭は、強い子なんですが、でも、それでも、圧倒的な力を持っているわけでもなく完全に割り切れていたわけでもなく、守りたいものを守りきるには戦いに勝つには現時点の圭では少し足りないんですよね。圭には申し訳ないんですが、いくらリコリスにいる間も木刀で訓練はしていたものの実戦からずうっと離れていたのでもうこれは仕方ないことだと思います。理想と現実のギャップみたいなものです。そしてこれは圭自身も気付いていることだと。 >クロが白と入れ替わってしまって、クロがいなくなってしまったかもしれない。その事実を前にして圭はけっこう冷静に見えるんですよね。 >「クロ」である彼と圭の関係しか知らなかった読者にとっては、ちょっとショックなんですよ。 っていうこのあたりは、言われてああ〜〜〜そうだよな〜〜〜〜とちょっと反省しています。いや、圭は本来かなり冷静(というか冷徹)な人です。明るくて素直ですが、昔の名残で冷めた面も持ち合わせていますし、冷静でなければこれまで散々書いてきた繋げる役割も果たすことはできなかったです。でも、このあたり、どうにしろ、白が急に出てきてそれをあっさり受け入れてる圭や真弥というのは、奇妙に感じざるを得ないというか、要領が良すぎるというのは、私自身も書いていてうっすら思っていながら押し進めてしまいましたが、やっぱりそうですよね、うーーーん説明を優先しすぎてましたね、いやーーー反省です。「もう一度会う事になるなんて」は、どちらかというと、受け入れているけどまだ受け入れ切れていない部分もあって動揺している、というのを書きたかったのですが、うーーん、申し訳ない。私もこのあたり読み返したらすごく冷静というか思っていた以上に圭は白のことを受け入れた感あって、確かになと。白と圭の関係については、これから明らかになっていく部分もありますが、混乱させていると思うので申し上げますと、白と圭はそんなに長い期間を共にしていません、むしろ短期間です。ただ黒の団でペアを組んでいたので嫌でも行動を共にしていました。しかし、「お守りでもやってるような気分」で「そのぽやっとしてたところに苛々」していたり、白に対しては正直あまり良い印象を持っていません。戦闘に恐怖心を抱いて誰も殺せないので、誰かを殺すことが使命で普通だった圭にとっては白ははっきり言って邪魔でした。特に、圭はバジルと組んで戦っていた時もあって、で、バジルもできる奴だったのでその差に余計に苛ついてました。白と圭が再会した場面でも、懐かしさもありながら、「二人は既に言葉を交わしている様子はなく、噛み合わない歯車のような空気感を漂わせている」だったりして、ぎこちない。圭も当時に比べるとだいぶぬるくなったというか優しい子になったのでそこまではっきりとは言ってませんが、クロと圭の方がよほどパートナーらしいパートナーです。このあたりのことはまた詳しく書けたらな〜というか書くつもりなのでよかったらいつかよろしくお願いします。。 だいぶ話が逸れました。クロが消えたのは圭にとって間違いなく驚きでありショックでした。でも、元々は笹波白だったということを知っていて、クロの方が後から出てきた人格だということを知っていたからこそ、どこかでまた白になる可能性もあることもわかっていたのかもしれませんね。クロの様子がなんだかおかしいことも、圭は間近で見てきましたし。「正直都合いいって考えてたりもしてた」当時の入れ替わりとは状況も感情も異なりますが、圭もクロのことを実はよくわかっていなかった部分も多々あったというのも明らかになり、でも、これ、読み返すと本当、クロに対する言葉というか、感情というか、その点が希薄で、冷静すぎましたね、うーーん自分の力不足というか考えが及ばなかったのを痛感します。 とにかく地獄の一言ですよね。 こういった状況の中残った圭がどうしていくのか、どう思っているのか、またこれから書いていきたいと思うので、どうぞ、見守ってやってくれれば幸いです。これだけ圭のことに着目して考えていただき有り難いですし圭も(苦しんでるけど)幸せ者です。 アランについて。 死んでしまうことは誰もが予想していたと思います。首都編で登場決定した時点で死亡フラグなのは目に見えていました。ガストンも。エリアまで至ることはなかなか難しかったかもしれませんが。その中でどう殺すかというのが問題で、結局(特にガストンとエリアが)割と急な死に方になってしまいそれは反省点の一つでもあるんですが、でも、アランの生きてる間の役割は仰るとおり果たされました。圭とあの短時間で少し距離が縮まって、圭がアランに抱いていたもやもやや怒りを解消させること、完全に考えが合致したわけじゃないけどクロとアランのどうしても越えられなかった壁のこととか、いろいろ、許すというか納得して、まあ、アランもクロたちのことを本当の意味でもう少し理解したところで死ぬんですが。「否定しないで、俺たちにだって少しくらい、かっこつけさせてくれよ」に着目してもらえて有り難い。この台詞は何かとかっこつけたがる圭だから言えることだし喧嘩シーンの「俺たちを守るためとかかっこつけてるけどこういう時だけ都合良く他人を使うなんて〜」の部分とかとも繋がってたりして圭は相当気にしてたってこととか圭がアランに怒った理由の補足とかそういうのをやりたかったのでした。圭の苦しみっていうのは前述の通りなんですが、圭が苦しんでいるというのがこのアランとの会話とかに滲み出てたらいいな。それで、アランは圭に「お前さ」「十分かっこいいよ」と言って、ひとつ和解して、こう素直に言えることって恐らくアランにとっても大きく、この後アランが生き残っていれば圭の心を支える役割は案外アランが担えたかもしれません。 ただ、アランたちトレアス組の役割というのはこれで終わったわけではなく、ニノが死してなお現在に影響を与えているように、彼らの死というのは今後の展開に大きく影響を与えていくことになります。もう生きた彼らを本編で書くことは無いですが、物語は続くし、彼らの死は無かったことにはならないし、ここからアラン達の死についてどう置き所を見つけるのかとかの精神面(?)も、薬の供給源を失った白がどうするのかという現実面もこれからの鍵なのでどうぞ見守ってくだされば……南無。 クロとか白について。 わーーありがとうございます。Page94〜95の雰囲気小説っぷり、私も大好きです。雪崩のような展開の後、完全に立ち止まってしまってうずくまって沈んでいく様が。ぜんぶなくなったと思ったその喪失感や虚無感の美しさとか。 圭を置いていったと思ってくださるのは、それほどとらさんが圭のことを思ってくれてるからだと。そうなんですよね、クロは逃げた。それは紛れもない事実で、今まで堪えてきたし一抹の希望を見失わないよう足掻いてきたけれど。もういいって。自分勝手に。散々、自分のことしか考えてないとアランに言われ続けてきましたが、それでも自分のことしか抱えきれなくて、その自分のことも全部わからなくなって手放して失って、放棄した。黒の団と戦うと、倒すと、声をあげた本人が、黒の団と実際に戦って、それで叩きのめされて、つらいもうやださよならってまじでこいつ勝手だなって思います。でもそれに相当するだけの苦しみは味わっていて、クロがこうまでに至るには黒の団時代の戦いやこの長い旅路約三年分の虚無感や守ってきた築き上げてきたものが一気に崩壊していって黒の団の時の呪縛から逃れていないということもはっきりとわかってそんなの彼の体に持ちきれず。結果的にそれで圭が置いてかれてラナも最後の砦を失って白も一度絶望した現実に戻って、まあ……地獄ですね。 >「笹波白として生きていた自分を殺した」って意味なんだろうなあと〜 あ〜〜〜そうだったんですね。二重人格はバレバレかなと思ってたので参考になりますありがとうございます。 白とクロのこと、いろいろ書いてくださってありがとうございます……。すごく、もう、仰る通り、ちぐはぐな感じで。これ、私の筆力不足で、よかったら補足させてください……白についてのことは、何しろ白は登場してからまだ僅か五話(実質四話)しか経ってないので、これから彼が本格的にメインに関わってくる以上いろいろと解ってくることもあるんですが、白は決してクロのことをずっと見ていたわけではありません。白はアーレイス語を喋れているしクロが体感してきた事実、つまり記憶を共有していますが、決してクロをずっと見てきたわけではありません。起きたときに混乱していると言っているのは彼の知ってる記憶と知らない記憶が混ざって現在に追いつけていないことを示していて、むしろずっと寝ていた感覚に近いです。無駄に大人びさせてしまったのでちぐはぐ感はありますが(反省……)「クロの痛みは誰よりもぼくが知っている」というのは、クロの記憶を継承したゆえの言葉に過ぎないし、ポニータを除けば、間違いなくこの場にいる中で一番クロの中身を知っている人物ではありますが、白は過去に一度自分の殻に閉じこもった人間で、それは深い絶望を感じたことに由来して(詳細はいつかまた)、だからクロがクロの殻に閉じこもったということはそれ相応の絶望を味わったからだと、そしてその事実の数々を共有した白は身をもって理解できる。でも白はクロじゃないし白は言葉ほどクロのことを解ってもいないと思います。白は死にたかっただけだし、零に会いたいだけ。ただそれだけです。ただそれだけ、が、まっすぐとしていて、強いんですが。「……きみの泣きたい分、ぼくが泣いているんだね」が気味悪く感じられた、その気味悪い、という感想、あ〜〜なるほど〜〜となりました。うまく言葉にならないんですが。なんか、気味悪い、なるほど〜〜……語彙力不足で申し訳ない。本当、なるほどです。 白とクロが二重人格というのが解って間もないので、この二人が互いについてどう思ってるか(というかクロはいないので白はクロのことをどう思ってるのか)とか、分かり合ってるか認め合ってるかとか、クロはどこに行ったのか白はどうするのか、また追々書けたら、というか書く、ので、よろしくお願いします……白が出てきてくれたおかげでようやく笹波零のことももっとがんがん書けていけるはず。 真弥について。 わ〜〜ありがとうございます! 好きって言っていただけて、私は彼を書いていて本当に本当に楽しかったんですが、もっとめちゃくちゃやるかと思ったら意外と平衡を保たせるキャラクターになってでも正直好きになっていただけるものなのかよくわからないキャラだったので有り難いです人 残酷で軽薄で容赦が無いのは彼の持ち味だし、何かと(展開上仕方がないですが)感情的になりやすいキャラ、主にラナだったりカンナギ後のクロだったりとうまいことバランスがとれてれば幸いです。彼はいろいろ経験してきてしまってるし見てきてしまってるし割り切ってるからはっきりとしてて強い。その点、圭は割と真ん中に立っていて、だからこそしんどいところもあるんですがそれは今は置いといて。この人が味方にいることで良いこともあればたぶん悪いこともあって、間違いなく彼のいろんな意味での強さというのは黒の団を倒すにあたって必要になってくる中、これからどう動かしていけるのか、楽しみです。 なんというか、何考えてるか解りづらい奴なので、真弥がこれだけ優しい奴だと受け止めていただけるとは思ってなくて正直驚いてます。基本的には主人公はクロ(白)でありラナだから、そちらからの主観が多くなってしまいますし。彼自身は自分のことを優しいとは微塵も思ってなくて、でも、想定していたより悪い奴でもないなというのも書いててもしみじみ。真弥がどう受け止められるかというのは、どの部分を本当の真弥と思うかに寄るかもしれない。でももしかしたらどれも本当ではないかもしれない。「最早何が嘘で何が本当か曖昧になっているくらいには」だから。でも、彼の良さっていうのを掴んでくださって、すごく有り難いです。「命を弄ぶのは〜」の部分も、そう、なんか、ただラナの行為を悲しんだりとか怒ったりとか諫めたりとかそういうのじゃなく、冷静に、客観的に、この展開の行き着いたところを、ラナのことを、ただそう評価している、それだけで。私も好きですこの台詞。 嘘をつかないと言った真弥に、ラナが「嘘ですね」と言う、このくだりというか繋がりは私も好きなので繋げてくださって嬉しいです。ずっとやってやりたかったので、も〜。かき回しながら、粛々とその役割を果たしてくれました。 ラナについて。 彼女の自殺については、白がいなければそんな気さえ起こらなかったでしょう。信じられる人が誰もいなくなってしまって、寄りすがりがなくなって、ちらちらと視界に映るものが破壊であったり死を連想するものになってきて、その中で、白が誘って、そういう手があるということに気付く。白の壊れた無垢な心が優しさに思えて、それがあたたかく思えて、「すごくわかる」っていう共感の言葉って絶大なんだと。正直さっきもさっき会ったばかりでわかるわけねえだろお前に何がわかるねんと冷静に考えればなるはずなんですが、もうラナ冷静じゃないですからね。結局、最終的には、自分の手で白を突き飛ばして、白を生かして、自分は死ぬことを選択した。 ブラッキーのところの描写はとにかくスピード感や切迫感を出したくて必死だったので、嬉しいです……! ラナほんっっっっとにぶれっっっっぶれなんですよね。もう、だから、本当に書きづらいのなんので、その割に心理描写入れなきゃで余計に……なんかもう……一番心理描写がきつかった覚えがあります……主人公なのに。ぶれてるのは、彼女の中にほんとうにいろんなことが洪水のように襲いかかってて、良くも悪くもそのひとつひとつに真面目に対応しようとしたりしてるからっていうのも一つあって、敵味方関係なく言葉や事実に翻弄されるし、危ない……。なんか、そのぶれぶれ感はただ単に私がラナを書ききれていないからで、ラナの考察とか設定掘りが足りてないからだと私は思ってるので、上手い、と、言われると有り難いと共に申し訳なさが。いや、ありがとうございます。 >力もないし守られる立場だから。そういう状況の中で何か掴もうとして、生きようとして、壊されて、どんどん壊されてあっけなく崩れて、一回もう、全部崩壊して……〜 そうですね〜〜ラナは、結局、何もできなくて、自分一人でずっとうじうじ悩んでいて、そうしている間に、いつのまにか、何もかも無くした信じられるものが無くなった、と思った。全部壊れた先、どうやって彼女が、クロとか圭とか真弥とか、そういう、支えてくれた人、助けてくれた人のいない環境で、自分を組み立てていくんでしょうね。 ノエルは今回の首都編でほとんど唯一希望を見たキャラで(いやポリゴンがぼろぼろになったので希望といっていいのか難しいとこなんですが)、誰かに縋ることで生きてきていたり特別異能的な力を持っているわけでもない、彼だって今まで死を考えたこともあれば絶望に浸ったこともある、そういう彼だから、ラナに次の道を提示できたのかもしれません。そんな自殺にまで至った彼女に休めとも言わず行動を促したのは、親バカ()思考作者からすると鬼だなとも思ったりしたのですが。恐る恐る、一人で、ノエルの力を借りて、作戦を決行して、「嘘ですね」と真弥に一矢報いるくだりは首都編でずっと目指していたゴール地点でしたが、これまでの展開を経たラナの象徴的な一言だと勝手に思っていて、嘘をつかないと告げた真弥にこう言ったというのは、ラナが、寄りすがることで保っていたラナが不信を選んだということが大きくて、あなたのことは信じないという意味を籠めていて、だから、真弥は「それで正解だよ」と言う。そういうのを籠めていたのでした(?)この二人の関係性、好きでした。 で、太陽。ここ未来と言っていいものなのかなと迷ったりして、彼女が連想したのは過去ですし、でも、彼女は生きてて、命の炎は燃えていて、その前にあるのは、確実に、どうあれ、未来なんですよね。どんなに先が見えなくても未来なんですよね。決別でしたね。金色に輝く未来。いや、未来がどうなるかなんてわからないですし、そりゃもう彼女の前にあるのなんて困難ばかりだろうし金色とはかけ離れているかもしれない、でも、生きてみないとわからなくて、何が待ってるかなんて何がどうなるかなんてわからなくて、死んだらそこで終わりだけど、生きてさえいれば、勝ちです。勝ちなんです。首都編はどうしても死の方が強調されてしまうんですが、最後の最後に、全然前向きにはなってないけど、生きること生きるとは未来があることそのこと自体を照らし出した、そういうイメージなのでした。わけわからんですいません。 最終回みたいですね、俺たちの冒険はまだまだ続きますね。実際一つ区切りつくところなので、最終回っぽさはイメージしてます。ぶれてきて、壊れて、積み重ねなおして生まれ変わるラナが、金色の光に焼き焦がされることなく、強かになれるといいけどなあ。まだほんとに若いのに何をこんな重みをかけているのでしょう。ラナに限った話ではないですが。 文章についてフォローありがとうございます><励みになります。。。ただただ破壊の連続で鬱展開の連続だったので冷静な目で面白いといえるものなのか正直面白くはないのではって感じで終わってしばらく経った今ももやもやですが、そう言っていただけるとひとつ安心します。。。なんというか、こんなにがっしりと感想をいただいて、続きを書きたい(というか書かなきゃ)という気もちょっと沸いてきました。ほんとう、怒濤すぎて読んでどう思われるのか不安だらけでずっと宙ぶらりんだったので、客観的に見てこう思った!!とはっきりと言っていただけて自分では見えなかったいろんなことがわかったし考えさせられたし嬉しかったしうっかりしてると視界が滲みますし本当にありがとうございます、ありがとうございます。いろいろ言いましたが、とらさんが読んで思ったことがすべて(?)です。お返しできてなくて受け取ってばかりで申し訳ございません。何度でも言いますが嬉しかったです;▽;貴重で貴重でそして貴重な感想というクリスマスプレゼント、本当にありがとうございました〜〜〜!!!!!! 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