カントーに捧ぐ夜 を読んだ感想 | ||
投稿者:春 評価:頑張って! 2021/10/01(金) 23:17 | ||
[表示] ※完結前だったので途中までの感想になります。 ※言いたいことを正直に全部言っていいとのことだったので、正直に言っています。 ※個人の主観と好みなので、まったく違う意見の人もいると思います。 ポケモンの二次小説を読みに来る人間は、個人的には2通りいると思います。1つは原作のキャラに会いに来る人。もう1つはポケモンに会いに来る人。この場合はオリジナルキャラクターが主人公で原作キャラはオプション程度にしか出ないので、「ポケモンに会いに来る人」をターゲットにしていると思います。 しかし読み進めると、まったくといっていいほどポケモンに会えません。例えばスマホロトムですが、あれではただのスマホです。私の知っているスマホロトムはもっと動き回っていた筈です。ただのスマホなので、スマホロトムと名乗らない方がいいと思いました。ピジョンのシーンも、なんで指示が「空を飛ぶ」なんですか。場所を指示してくださいよと思いました。飛行用のピジョンなら空を飛ぶ以外に何するって言うんですか。ポケモンリーグのシーン以外でまったくポケモンを外に出しません。サトルは一話で不文律を「クソッタレな文化」と言い、自身はバッジを8つも持っているのにほぼ入れっぱなしです。外に出して上げてください。可哀想です。サトルは本当にポケモンを可愛がっているのですか? 1話目から名前付きのキャラがポンポン出てきますが、メイン以外に名前はつけない方がいいと思います。読者が混乱し、視点や興味が分散するからと言うのが持論です。そもそもカタカナの名前自体覚えにくいのに、大量にオリキャラが出てくるじゃないですか。新聞社内部の事情もよく調べてあり、地に足が着いているのは非常に良いと思いましたが、それを読み手に理解させようという気が全くないと感じました。なんか色々部があるんだねみたいな感じだった。キャラが多いわりに覚えさせようという気がないのも良くないと思う。痩身だけで覚えられるかいな。もっと「ひょろひょろと伸びすぎた木のような男」とか「電信柱のようにかっちりした男」とか記憶に残る表現をした方がいいと思う。そして登場ごとにその印象をリフレインさせるくらいしないと読者絶対覚えんと思う。名前を言わなくても、「ああこの表現が出たらあいつね」くらいしないとダメだと思う。 ダブル主人公? シーン切り替えごとに「今どこの時間で誰の話?」と混乱しそうになる。話ごとで主人公が入れ替わってくる感じだし、いっその事サトルとミツキの名前をそれぞれのサブタイに入れた方がいいかもしれないと思った。馬鹿でも誰のシーンか分かるレベルにした方がいい。 全体的に動きがなく、ほぼ会話だけで話が進んでいるのが一番問題だと思う。動きがないと画面が映えない。動かすと状況も動くし書き手の作業量も増えて厄介なのは分かるけど動きのないシーンの量と面白さは反比例すると思う。動作で理解させようという気がまったく感じられない。ポケモンがいる世界なのにポケモンの存在が世界観から感じられないのと一緒で、設定で終わっている。 具体的な話をすると、1話目でポケモンや女性は入るなと書いてある(気づいたんですが、女性×なのになんで事務職の女性が同じ部屋で顔を顰めてるんですか?)。このシーンは文章で書くのではなく、部屋の前に待たされているポケモン(ボールに入るのが嫌いで、用事のあった主人を待っている)を書いておき、出てきたモブが嫌そうに横目で見ていくなどしてもいいと思います。というかジムバッジ3つ以上が入社規定として決まっているのならこの不文律自体違和感しかなくないですか?全員多かれ少なかれポケモンに触れてバッジも持って恩恵にも預かってるんですよね? このストーリーの面白みは、「主人公のサトルは新聞記者かつ、バッジを8つ持っている実力者である」という点だと思います。その情報はシーン冒頭に持ってきた方がいいです。というか3話目のリーグのシーン以前のシーンを全カットしてここから話を始めた方がいいと思います。読者は移り気な存在なので、一話目からポケモンは出てこないわ、ネチネチ虐められているわ、なんかカタそうな雰囲気だわ、主人公はオッサンだわで、なんの掴みもない冒頭では離れると思います。 2話目でミツキが「いたたまれなくて部屋をすぐ出た」と考えていますが、それなら1話目でミツキが出て行った描写を入れといた方が面白かったと思います。全体的に「シーンを面白く魅せる」努力が不足していると思います。ただ会話してるだけ、ただ話が進んでいるだけ。理解させよう、楽しませようという意識がなく、シーンを書いてるだけになっていると思います。新聞記者の三種の神器ですが、なんでポケモンバトル入ってないんですか。実際に新聞記者に取材したとの事ですが、事実を事実のまま書いているのは良くないと思います。ここはポケモン世界です。ポケモン世界と新聞記者の世界が分離したまま描かれていると思います。 シルフカンパニーの話を出したのは緊張感のあるシーンですよね。だったら言葉で言うのではなく、もっと面白い示し方があったはずです。料理の調理法も凝ってて良いと思いますが、どうせならオープン調理場にして見えるようにして描写した方が楽しかったです。情景描写が不足し、不要な心情描写が多すぎると思います。何時何処で何してるのかイマイチ分かりませんし、周囲のイメージが湧きませんでした。 3話目で主人公が休みをとった理由が判明します。ここは重要なシーンだと思うので、冒頭から「休みを楽しみにしている」と分かる伏線をちょこちょこ入れた方がいいと思います。読者の期待値がシーンが近づくにつれて上昇します(それよりカットしてリーグのシーンから始めた方がいいとは思いましたが)。事実を事実としてシーンを並べるのではなく、読み手の期待値や好奇心をくすぐって先の展開を気にかけさせる努力をした方がいいと思います。 思った事はこんな感じでした。文章自体は読みやすくレベルが高いと思います。シーン構成や引っ張り方、情報の出し方が問題だと思いました。しかし私もだたの一読み手であり、書き手なのでびっくりするほど的外れで害でしかない事を言っている可能性もあります。考え方の1つとしてお願い致します。 [01]
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投稿者:竜王 2021/10/18(月) 23:20 | ||
[表示] 返信遅くなってすみません!!! まずは感想をいただきありがとうごいました! まずはポケモンの扱いについて。確かに自分がポケモンを見せるという視点が欠如していたのはご指摘の通りでした。人間をつい見せたくなってしまったので、バランス感覚が欠如していましたね。ポケモンが出てない場面が多すぎたので、ディティールに配慮しようと思いました。「空を飛ぶ」も街名を言っていないのは完全にこちらのミスですね。 キャラクターに関しては、おそらく春さんと私の考え方が違うと思いました。今回の作品はむしろ、キャラクターの名前が埋没してしまうことをあえて狙っています。新聞社や警察という組織そのものを今回は書きたいと思っているので、主役キャラ以外はむしろ無個性であってほしいというのが作者の狙いです。ただ、新聞社そのものが分かりづらいのは確かにと思いました。この辺り、説明をもっと増やしてみます。 新聞記者という取材を生業にしている職業を前面に出している以上、会話シーンが不可避的に増えてしまいます。なので、ある程度は構造的に仕方ないと捉えています。ただ、ずっと会話だけしかないのも確かに作品として面白みに欠けるので、後半は躍動感に溢れるシーンを増やすように試みてみます。 女人禁制の描写は矛盾していました。お恥ずかしい。部屋の前にポケモンを立たせるというアイデアは面白そうですね。ポケモンが世界に息づいていないのは二次創作として致命的なので、もっと考えてみます。 作品の雰囲気が堅そうでオッサンばかりというのはそうなのですが、私はオッサンがねちねちうだうだ言っているむさ苦しい絵面が面白いと思っているので……うーん、感性の違いですね。 おそらくこの作品は始まりから終わりまでずっと地味です。なので、最初から強い掴みは作品の雰囲気を損ねてしまうと考えて出だしは地味にしました。 ただ、ポケモンと新聞社が分離していることはある程度、意図的にやっています。この辺りはおいおい書いていけたらと。 サブタイは名前を入れた方がいいというご指摘はなるほどと思いました。ぜひ採用させていただきます。 心理描写が多くなり、情景描写が少なくなりがちというのは本当にその通りでした。作者自身が場面の一つ一つがしっかりと脳内で再現できておらず、細部の描写まで考えていなかったことが出てしまいましたね。この辺りは反省材料にしたいと思います。場面の引きや動かし方は構成力不足でした。精進します。 最後になりますが、丁寧に批判していただけて本当に嬉しいです。今後書く上で参考にさせていただきます! ありがとうございました!!! [02]
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