叛骨の強奪者 を読んだ感想 | ||
投稿者:早蕨 2020/05/27(水) 16:01 | ||
[表示] 追いつきましたー! この躍動感溢れる小説ばりのアグレッシブでフレキシブルなアツい感想を書こう! と思って鼻息荒く感想欄まで飛んで来ました! しかし! メッセージ欄でテンション爆上げ感想の難しい事難しい事。普通に書きます。 皆さん感想で仰ってるとは思うんですが、やっぱり躍動感ですよね。動きに溢れている。各キャラの物理的な動きもそうなんですが、ヒイラギを主としたスナッチャー三人の心情の動きも激しくて、気持ちいくらいに伝わってきます。 ミッションを重ねていく毎に押し寄せる三人の様子は、時に微笑ましく、時にハラハラし、時にやるせなく、水物ではない人間らしい感情がこれでもかと見えてくるストーリーと文章は、とても楽しいなあと思います。 これも空間も人間もポケモンも圧倒的に動き続けるこの小説のなせる業ですね。 展開としては、裏切り者の件からどう繋げていくのかと思いきや、まさかラスボスマルバ(?)まで一気に登場してくるとは思いませんでした。全てを失った状態から全てを取り戻す、と仰ってる通り、アトラクションのように浮き沈みしていく物語に終始引っ張られるばかり。展開ばかりに気を取られないのは、石化状態から解放される、敗れた世界の鏡という使い方とか、ハートスワップはもちろん、ふういんの使い方とか、随所に見られる小技も光って、余計な物語の先読みをさせない感じも良いと思いました。 ジェットコースターに乗ってる時、この先どんなレールになってるんだろうなんて思いながら乗らないように、裏切り者追及劇からネオロケット団登場、全てを失ってから全てを取り戻し、より強くなって帰って来たスナッチャーまで、まるっと一回乗り物に乗った気分で楽しみました。 サカキやダイゴなどの原作キャラがふんだんに登場するのも、当たり前ですけど二次創作ならではで、原作キャラが活躍するのはやっぱりいいものですね。 サカキと言えばホオズキ。私はこの二人が特に好きで、どちらかというとホオズキが好きです。人間臭く、年下の青年に看過され、剥き身でぶつかりあっていく様、かっこ悪くてかっこ良い……。 精神的支柱というか、ヒイラギとイトハが石化した後も、残ったホオズキが戦う! というおっさん頑張る展開が胸アツ過ぎました。力及ばずとも経験と信念でぶつかるおっさんとか恰好良すぎる。サカキの右腕のシーンとか渋すぎて最高。今後はヒイラギとイトハを見守り、時には間を取り持つ立ち位置になっていくのかもしれませんが、それはそれでそれも最高。 third stage以降は心情に焦点を当てていくとのことですが、これ以上何があるのか……。スレートとエクリュも確かに気になりますし、見たいところはまだまだあると言えばある……。 視界も広がり、いろいろ目的も明確かされてきて、猶の事クリーンな気持ちでキャラクター達を見ていく事が出来そうで、とても楽しみだなあと期待しております。 (Jが実は味方説とかないんですかね?^^) [35]
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投稿者:はやめ 2020/05/27(水) 22:00 | ||
[表示] 早蕨さん、感想ありがとうございます! 楽しんでいただけたようで何よりです。 第1部と2部で趣が大分変わる(と作者は思っている)のですが、ミッションや謎解きを中心とした第1部までの展開はそれこそ「躍動感」に満ちていたなと振り返ることしみじみです。 そうそう、心情の動きなんですよ〜。嬉しいです。ヒイラギ、イトハ、ホオズキ、三者三様の入り乱れる思惑と内通者の陰謀、それが絡み合い一筋縄ではいかない展開にしたかったので。スナッチャーがみな物分かりの良い人たちだったらあっという間にネオロケット団やマルバまで辿り着けたかもしれませんが、お互いがお互いを信じるまでに紆余曲折あり、ヒイラギたちそれぞれのバックボーンがそうさせているというのは自分が書きたかったドラマでした。 >展開 「アトラクション」「ジェットコースター」という比喩、なるほどという感じです。 一気読みするか徐々に読むかでまた感触も違ってくるような気がしますが、叛骨は展開もスピーディな面を意識しているので、物語の主線はやっぱりあっという間なのかなと思います。(作者は五年近く構想と執筆に費やしているので、どうも感覚が麻痺しております) 先を読もうとしない方がいい意味で楽しめる……かもしれません!w マルバ登場に関してはそろそろ物語を一マス先に進めたいという想いもありましたが、ラスボス格に完膚なきまで叩きのめされた後(「全てを失い」)、大ボスのジュノーに一矢報いるという展開(「全てを取り戻す」)にカタルシスがあるのではないかと考えたからなんです。物語上マルバに勝つことは有り得ませんが、執筆当時の勢いは「このままマルバに勝ってくれ〜」というテンションで大変でした。 しかし、ホオズキ人気ですね……w ここまで人気になるとは思いませんでした。元々渋いオッサンキャラを出したくて、第三のメイン格に据えたのですが主人公を食いかねない、むしろ主人公レベルの活躍度だったのではと思う彼です。 ヒイラギとイトハは無鉄砲かつ勇敢な若者の象徴として描いているので、そんな若者の熱を冷めた目で見ていた壮年のホオズキが次第に彼らから感化され、若人力尽きた後「大人たちの戦い」にバトンタッチを引き受けるという立ち位置です。そういう意味もあって、本部侵攻編ではホオズキ、サカキ、アクロマ、ハマユウなど割と年齢層高めの人物が集まっています。 ホオズキは物語的に主人公でもヒロインでもありません。かといって第3の主人公かというと作者的には頭を傾げます。が、物語で若者二人を差し置いて最もオイシイポジションにいる人間かもしれません。その美味しいところ取りを彼はこれからもやってくれそうです。 ただ、ヒイラギもバックボーンが判明することで今まで以上に思い入れを持ってもらえるようになると作者自身も嬉しいですね。ここは腕の見せ所ですね! Jが味方ですか……なるほど^^ どうでしょう^^ 叛骨第1部だけでも割とやり切った感があると思われそうですが、ヒイラギの戦いとしてはここからが本番です。ではヒイラギの戦いとはなんなのか、というのがこれからのメインポイントになってきます。もちろんスナッチャーの戦いも終わってませんしこれからですけどね。 クリーンな気持ちで、と仰られているように、私個人的に叛骨は「物語が進んだ状態で再読すると新たな発見がある」ような話にしたいと思っているので、視界の広がりや謎の答えの開示が物語の見方をまた違ったものに出来るといいなあと思っています。これからもお楽しみに! [36]
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叛骨の強奪者 > Second Stage - EX-Team Rocket part - > 30 Phase 49 Team Snatcher を読んだ感想 | ||
投稿者:ものかき 2020/05/08(金) 21:11 | ||
[表示] 『Phase 41 正義の果て』から『Phase 49 Team Snatcher』までを読ませていただきました。 叛骨の強奪者を読むのに大変ご無沙汰しておりましたが(すいません汗)、止まったところから久々に読み進めると、ヒイラギとイトハ、そしてSecond Stageの主役級・ホオズキへの思い入れがさらに一回り感慨深いものとなりました。 醸し出されるスナッチャーたちの気持ちと覚悟・常人を遥かに上回る心の強さなどが、はやめさんの重厚な筆致による説得力のある文章で素晴らしく彩られています。 そして、もうひと組の『スナッチャー』であるプラズマレムナント! ジュノーが内通者である疑惑はFirst Stageから長らく取り上げられておりましたが、まさかアクロマが真の司令官であったとは! この事実を一気に明かすために、あえてジュノー内通者疑惑を長めに捉えていたのだとしたら……、おお、なんということでしょう。 スレートとエクリュを合わせて、ヒイラギら三人とはまたベクトルの違うチームがこれからどのようにネオロケット団と対峙していくのか、とても楽しみでなりません。 さらに、Second Stageで特に際立って印象に残ったのは、元ロケット団のボス・サカキです。 神級とはいえユクシーを相手に、石化を顧みず次々に自分の手持ちを繰り出していく様は驚きでした。自分の育てたポケモンを全面的に信頼する一方(いや、信頼するからこそ?)、倫理に反しようとも現状の最適解のためにポケモンを道具として切り捨てていく戦闘スタイルには、感動を通り越して(やべぇなこいつ)という気持ちでした。生き様というか、”悪様”を見せつけられた気がします。 以前の拍手か感想で、スナッチャーの三人の中ではホオズキが一番好きだと言った覚えがありますが、現在は彼に対してさらに踏み込んだ感想を抱いております。 今回のSecond Stageを通して、ホオズキのキャラ個人以上に、彼の周りの関係性が好きになりました。 ホオズキとヒイラギ・イトハとの関係、ホオズキとサカキとの関係、ホオズキとイチジク・ハマユウとの関係。 彼が酸いも甘いも(酸い>>>>甘い?)経験した、だけど、鍛え抜かれた若いエリートたちとは違う脆さのおかげか、周囲の人間やポケモンとのふれあを通じた三者三様の関係性が見えてきます。 これは若い二人にはないホオズキなりの「色」なのではないかなぁ、と個人的には思っています。 さてThird Stage、入り込む余地のないと思われていたヒイラギとイトハの関係に、第三者の存在とな! もしやヒイラギの待機部屋にあったプリズムタワーの女性が関係あったりなかったり、あったりなかったりするのでしょうか。妄……いえ想像が膨らみます。 あと、御曹司ダイゴは今後どう絡んでくるのか!? 長くなりましたが、絆・心身ともにひとまわりもふたまわりも強くなった、スナッチャーたちの活躍に期待です! [33]
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投稿者:はやめ 2020/05/10(日) 14:24 | ||
[表示] お久しぶりです、感想ありがとうございます! ご無沙汰などとんでもないです、こうして読み続けて頂けること自体がそもそも有難いことですから。でもものかきさんにはかねてから応援頂いてるのでやっぱり作者としては読んでもらえたらいいな〜とずっと思っていたので、こうして感想をいただけてすごくうれしい気持ちに包まれております。 プラズマレムナントの位置づけは結構拘りがありました。スナッチャーのプロトタイプである彼らは陰の立役者です。特にアクロマをオリジナルチームの司令官に起用すると決めたからには、原作キャラの印象を損ねないよう慎重に描くことを心がけました。彼の性根は変わったようで変わっていない、微妙な塩梅と確かな心の変化を上手く描けていたらいいのですが。 >ジュノー内通者疑惑を長めに捉えていた スナッチャーの信頼を盤石なものにするにあたって、イトハやホオズキとの衝突は必要不可欠でした。海底神殿まででヒイラギは二人を信じることに決め、後を託します。残るイトハとホオズキの絡みを消化しサカキと共に真の敵の正体を暴いた後、物語としては新たなフェーズに移りました。マルバを登場させ、ジュノーの正体も同時に判明するというつくりにしています。そこからホオズキとスレートが辿り着く疑問「真の司令官とは一体誰か」を軸に、プラズマレムナントの立場を解き明かすという一連の流れで進めてきました。一本線通ったシナリオになったかなと思います。 サカキの活躍(暗躍?)は印象に残ったようでうれしいです。叛骨においてスナッチャーのライバルポジを担うような存在ですが、こちらもやはりファンの多いサカキなので、独自解釈もなかなか慎重でした。本来ならホオズキというオリキャラとどっぷり関係づけることも慎重になるべきですが、叛骨はその辺躊躇なしにやりたい放題やっております。彼のスタンスはあくまでもスナッチャーの対極にあり、そのひとつがホオズキも思い悩んだ「ポケモンに対する認識」なので(ポケスぺで「きみにとってポケモンとはなんだ?」みたいな問いかけ)、あくまで叛骨上のサカキは心を入れ替えた善人というよりも根っからロケット団のままでいてほしいなと思っています。その方がホオズキやマルバと対峙する説得力も上がると思うんです。 ホオズキに関してはSecond Stageで書くべきことは全て書き終えたので、彼が中心に立つ章は以上となります。ただ、今後もヒイラギとイトハをサポートする立場として活躍します。 「関係性」を好きになっていただけた、ということで、関係性というものに拘っている作品でそれはうれしいお言葉です。ヒイラギとイトハだけに限らず、叛骨1部のテーマ「記憶と絆」に則り、たくさんの関係性を描いてきたつもりでした。 ホオズキ方面もそうですし、ジュノーやマルバ、スレートたちプラズマレムナント、ミニトマとサカキ、ヒイラギとカメックス、ホオズキとミュウツーなどなど、ポケモンも含めて成立しなかったものも含めて様々な形での絆があります。 ホオズキは作中屈指の年長者で、ヒイラギとイトハとは違うところで脆く、違うところでたくましいんですよね。彼が歩んできた人生の長さは戦闘に明け暮れた二人とはまた違う意味での人間味を溢れさせていると思います。 Thirdに関しては、今言えることはほとんど無いのですが、なんというか状況的にはSecond開始時より厳しいので、その分過酷な戦いが続く形にはなります。プリズムタワーの女性……どうでしょうね、ううむ(わざとらしい)。 次回の章は遂に主人公ヒイラギに焦点をあてたものとなります。未だ謎多き彼のベールがどんどん剥がれていく、その先に新たなる展開が待ち受けています。今後も気紛れなペースでの更新となりますが完結までお付き合い頂ければ。それでは! [34]
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叛骨の強奪者 を読んだ感想 | ||
投稿者:とらと 2020/04/25(土) 20:57 | ||
[表示] あまり難しいことを言うとボロが出そうなので言えませんが、何か世相を映すようなお話でしたね、一面だけを切り取った報道に扇動され、ひとりよがりな正義を振りかざすことそれ自体に陶酔する群衆。血で血を洗う本物の戦いの中に常に舞台のあった作風の中で、「敵」と化した群衆は武器を持たず振るってくるのは言葉の刃で、戦場に身を投じていたスナッチャーたちが急に現実に引き戻されたかのような、そんな感覚を覚えました。でも、最後には、多くの賛同を得られた。安易な手のひら返しを見せる群衆に鬱屈した感情を覚える部分もありますが、ここは素直に、よかったね、君たちの戦いは認められていいんだよ、と、一緒に称賛を送りたいと思います。破れた世界の見せる夢の中で、ヒイラギは長年憧れた波動の勇者としての承認とそこへ向けられる賛辞へ、あと一息のところまで手を伸ばし、そして掴まずその手を下ろした。彼が踏みとどまった栄光を、形は変われど、こうして現実に手に入れたわけですね、ヒイラギさんは。そしてその隣にはイトハさんとホオズキさん、そしてチーム・スナッチャーの仲間たちがいる。 もうひとつの最終兵器を賭けた戦いの上で鍵になっていそうなダークポケモン(合ってる? 読み違えていたすみません)に、ヒイラギさんとイトハさんのタッグがリライブという突破口を開いた! ヒイラギさんの波動とイトハさんのキャプチャ・両方を重ね合わせた戦闘シーン熱かったです。ふたりがひとつになる……!! スタイラーから駒を放つ反動に弾き飛ばされるヒイラギさんというシーンが好きです、イトハさんの技術力の高さが垣間見えてなんだか嬉しくなりました。 次回から心理描写中心の物語構成、ヒイラギさんとイトハさんの関係性が波乱万丈あるみたいで一体何が……!?と今からソワソワ……!!笑 『Second Stage - EX-Team Rocket part -』長きにわたる戦い、見事でした、お疲れさまでした!! 続きも楽しみにお待ちしております。 [31]
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投稿者:はやめ 2020/04/26(日) 12:14 | ||
[表示] とらさん、感想ありがとうございます。 ある意味社会派?のようで「現実に引き戻された」という感覚がまさに的を射ていて、少し作品全体からみると異質な回でしたね、今思えば。 叛骨は風刺的な部分もやや含まれている気がするんですが(民衆しかりマルバの思想とかも)、自分別にそういうものを好むわけではないんですがなんとなくそうなりがちなところもあるような気がします。これは作者の作風というか書けるもの書けないものの違いでもあるのでしょうが、世界という視点やスケールで作品を書いている影響だったりするかもしれませんね。ただスナッチャーが無条件に肯定される行いをしているかというとそうではないと思ったので、社会の暗部が明るみに出るとどういう反応をされるか想像しながら書きました。 実はあとがきに文字数オーバーで書き損ねた部分がありまして。 「全てを失った状態から全てを取り戻す」 それが書きたいものでした。 最初は何も見えない暗闇の中で戦っているのが、だんだんと晴れてきて、視界が広がり、一気に世界が見えるような感覚を味わえる展開にしたいと思っていました。 という部分なんですが、重要なので後で直しておきます(直しました)。 結局全てまでは取り戻せてはいないんですが()、叛骨全体として、手に入れられるものの大きさよりも手元に残る小さな幸せを大事にする精神が通っています。見せかけの称号よりもアーロン本人から得られる言葉の方がヒイラギにとって重い意味を持つわけです。 スナッチャーを取り戻すという戦い自体は終わりました。これからジュノーのいないスナッチャーがどんな空気感になるのか。そしてメインキャラにアクロマ・スレート・エクリュが参戦します。マルバはもちろん、原作キャラからダイゴとパキラを加え次の章へ。こうしてみると登場人物が多い話ですね。原作キャラもがっつりヒイラギたちと関わりますが、こう好き勝手やれるのも二次創作のある意味楽しい面であると感じます。 Third Stageから数えて30話ほどになる後半戦で、主役となるのはやはり主人公ヒイラギです。彼の謎に包まれた過去、カメックスの隻眼の謎、時折口にする「クレオメ」とは何者なのか。彼の置かれる状況はスナッチャー全体からみると今まで以下であり、彼個人にとっては今まで以上となります。波導使いヒイラギの真の戦いはこれからなのです。それでは、続きをお楽しみに! [32]
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叛骨の強奪者 > Second Stage - EX-Team Rocket part - > 28 Phase 47 家族 を読んだ感想 | ||
投稿者:とらと 2020/01/28(火) 21:28 | ||
[表示] ポケモン含め、ネームドキャラが亡くなるのはもしかして初めてだったのでしょうか? 少し意外だなとおもいました。前話の様子もあるし、更新報告ツイートの文面も見てちょっと覚悟して読みましたが……思わぬキャラがぎせいになってしまったな……と唖然としたというのが初読の印象だったと思います。以前お話しした時に、「叛骨の雰囲気ならば死者が出てなんぼ(大幅意訳)」のようなニュアンスのことを仰っていた記憶がありますが、本当にそうだなと思います。死者が出てこその叛骨。いやどんどん死んで欲しいとかそういう意味じゃないですよ!! でも命を賭した戦いだからこその物語、人が死ぬところまで含めて『叛骨の強奪者』であると言いますか、確かにそんな気がするんですよね。そんな気がするのにここまでネームドキャラが犠牲になることはなかったんですよね(確認)『死』というカードを切らずしてここまでの雰囲気を築き上げてこられたというのもまた凄まじいなあと思います、そしてそのカードが切られた以上、スナッチャーたちメインのキャラクタも原作キャラでさえも、この先を生き残れる保証はないんだな、ということを、身に染みて感じさせられました。 タイタン……!! うう……!! 最後の最後に「おれの半分をおまえに預ける」粋だなあ……痺れました。ロケット団として生きてきて、ポケモンを道具以上の存在として見ることを知らなかったホオズキさんの、成長……変化?にグッときます。ゴルーグの最後のメッセージ。ホオズキさんにとっては長らくゴルーグの扱いはそうではなかったけれど、ゴルーグにとっては、ずっと『家族』だった……ということなのかなあ。ゴルーグは道具のように扱われてなおホオズキさんだけでなくイチジクちゃんやハマユウさんのことも愛していたということなのかなあ……切ねえ……『家族を頼む』という言い方は、まさに家長の台詞のようですよね。ゴルーグは確かにホオズキさんの半身と言うか、生き写しのような存在だったのかなと思いました。 * ジュノーさんの死に様には破滅の美しさがありました。悪役って基本的には倒されるもので、倒される上でカッコよさってあると思うんですけどそういうかっこいい散り際もそれはそれとしていいですが、今回のジュノーさんの散り際は、彼らしい……と言うと変な感じですが、妙に腑に落ちるような……納得のいくような……死に様でした。随分前から怪しい感じで敵バレしたのも結構前とはいえ、長く追いかけてきたキャラですが、いなくなってしまったのに寂しさがなくて不思議な感じです。彼と言う寂しい悲しい男を体現するような幕引きだったからなのかなとちょっと思っています。彼の特性を引き立てるっていうか、死して完成したような……そんな感じなんですよね。変な感想ですみません。安らかに……(とはいかないか……) いよいよセカンドシーズンも残り数話ということで!! 内通者との戦いに一旦の幕が降り(ミッションクリアです、というスレートさんのことばにめっちゃしみじみとしました……たった一言の中にどれほどの壮絶さが内包されているのかと思うと……)、次の段階へ向かっていくのでしょうか。果たして次はどんな驚きが待ち受けているのか、戦々恐々としながらお待ちしております! [29]
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投稿者:はやめ 2020/01/28(火) 22:58 | ||
[表示] 感想ありがとうございます。 確かにネームドキャラの石化は数あれど、直接的な死の描写はこれで初になると思います。実際に言ったのは、「叛骨の雰囲気で死者が出なかったら嘘」ですねw 話全体が一気に嘘っぽく見えてしまう気がして。マルバたちネオロケット団は石化による救済を組織の掟としており、行動原理として人やポケモンを殺すことはありません。ですが、だからこそ激しい戦いの中で、実際の死も避けられないものだと考えています。 叛骨は「死んだような生」「石化」「完全な死」の三つに分けて、登場人物やポケモンたちの境遇をある程度カテゴライズしています。これからお察しの通り、この戦いで生き延びることが出来ない、出来なかった者たちが何名か出てきます。 ゴルーグは、元々イチジクのポケモンだったので、引き取られたホオズキはホオズキで物語で描写した通り、思うところは沢山ありました。イチジクやハマユウのポケモンに対する受け取り方とホオズキの考えは切って分けてしまっていいレベルの差があります。ゴルーグ自体の設定が「人間やポケモンを護るよう命令されている」というものだったので、そこから着想を得て、このような展開になりました。元ロケット団がトレーナーという点から、必ずしも仲間や友達と言えないような忠義によって成立する関係の中での絆、これぐらい捻くれていた方がかえって叛骨らしいかなとも思いまして。カメックスに関してもそうですが、叛骨の手持ちポケモンとトレーナーは一筋縄ではいかない、言葉で表しにくいような関係性を目指して描いているつもりなんです。 >ゴルーグは確かにホオズキさんの半身と言うか、生き写しのような存在だったのかなと思いました。 自分も気づかされましたが、仰る通りですね。どこかホオズキに似た部分があります。そう思っていただければ、今まで描いてきた関係性はちゃんと伝わっていたなと思えます。ありがとうございます。 ジュノーの死に様はかなり拘りました。セカンドステージまでを締めくくる大ボスということもありますし、それに彼はスナッチャーの内部崩壊を企てて暗躍し続けた人間なので、最後は自分が侮ったものに打ちのめされる報いを受けるべきかなと。カッコよさとかはこれっぽっちも意識しておらず、一人の人間がどうやって破壊されていくかその過程だけを考えて書いた部分です。彼は疑いの中で絆を構築していくチーム・スナッチャーに対するアンチテーゼでしたのでああいう結末を迎えましたが、彼にも信じられる存在がいれば、或いは……というifがあったかもしれませんね。ですがジュノーというキャラがとらさんの言葉を拝借して「死して完成」するなら、仕えるのはやはりマルバでよかったと思います。 もうすぐ叛骨も一区切りつき、記憶や絆といった要素を中心に進んできたストーリーごと一変することになります。スナッチャーが戦い続けた果てにある景色をもうすぐ読者の方にお見せ出来ます。作者にとっても長い戦いでしたが、また楽しみにしていてくださいね。 [30]
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叛骨の強奪者 を読んだ感想 | ||
投稿者:ポリゴ糖 評価:とても良かった! 2019/06/06(木) 22:00 | ||
[表示] 大分前に読ませていただこうと言ってから時間が経ってる気がしますが、とりあえず最新話まで追いついたのでそこまでの感想書かせていただきます! やはりこの作品の見どころはアクションですね……冒頭から走行中のリニアでの戦闘、と、かっ飛ばしていくところ、度肝を抜く意味で素晴らしいと思います。石化という絶望感、それに耐えきれない様子を見せるイトハ、というシーンも、後々のことを考えると非常に効果的だったかと思います。まだ石化現象の全容は掴めませんが(マルバの言ったことは本当かどうか?)、死ではなく復帰の絶望的な静止、というところは、海底神殿での戦いといい、ぶっちゃけ死よりも惨たらしい状況を作り出しているようで、上手いなあ、と。 もちろんその合間で展開される人間模様というのも見どころだと思いました。ヒイラギとイトハの精神世界での会話とか胸に来ますね……。ヒイラギの「英雄」観とその苦しみ、イトハの苦しみを分かち合おうという言葉、そこから断絶を置いての「おかえり」「ただいま」はずるいっすわ……。どいつもこいつも胸に抱えているものがあって、それが譲れないがゆえに衝突する、というのは醍醐味ですね! キャラクターの中だと私はホオズキ推しです。やっぱりミュウツーとの絡みもあるということが、マルバ達に従う形で敵対するときの悲哀をとても強く呼び起こしたというのもあります。妻と子供の為、という彼の目的、これは世界のためとか正義のためとかではなく、あくまでも自分に守れる範囲で、というか、肩肘張り過ぎないというか、上手く言えないんですけれど、そこに彼なりのこれまで歩んできた道程の彼にとっての重みというか、そういうものを感じたところであります。それがゴルーグとの関わりの中にも表れているような気もします。「仮に神と呼べるものが実在するなら、きっとおれたちは嘲笑われてるんだろう。だが」「おれも運命に叛逆するぜ」このシーンがとても印象に残りました。カッケー! 原作キャラの描き方だとサカキの戦い方好きですね……。対ユクシー戦で鍛え上げたポケモンたちが次々石化されても全然怯まないところとか、あくまでもポケモンは駒であり戦士、みたいなスタンスをよく表しているように思えました。 あとやはり最新話のですね……「読者側としてよく知っているスナッチャー」の前身、プロトタイプ的な立ち位置としてアクロマたちが司令官を追い込むところ、ほんとに痺れました……! アクロマもしかり、スレートもエクリュも「元プラズマ団」がどういう理由でスナッチャーに協力したりしているのか、まったく読めませんでした! いや本人たちも気付いていなかった(記憶から消されていた)んでしょうし、本人たちが一番びっくりかもしれませんが! 先の展開がとても気になりますね……マルバの言っていた石化はギラティナの異世界の云々という言葉が本当だとすれば、ヒイラギとイトハがそちら側でいちゃいちゃ……じゃなくてばりばり奮闘してくれるんじゃないかって期待してます、続き楽しみにしてます! [27]
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投稿者:はやめ 2019/06/10(月) 21:56 | ||
[表示] ポリゴ糖さん、読了だけでなく感想までありがとうございます! 読み返しては頬を緩ませている作者です。 最近は、小説でアクションを表現するのって、正確性においてどうしても限界があるというか、映像に比べて難しいと思っているのですが、それはさておき書きたくなってしまう自分がいます。ミュウツーvsミュウやマルバvsヒイラギは、バトル論が盛んな中での更新投稿ですしね……。「ミッション」の遂行が物語と決めた時から、アクション描写とは長い付き合いになるだろうと思っていました。 冒頭〜リニア戦:意識したこととして、説明をくどくど並べるよりかは、物語自体をガンガン進めてその牽引力であわよくば続きを読んでみよう、と思ってもらえたらいいなという狙いがあり、このような構成をとっています。 マルバが述べた通り、死んでしまえばそこが終着なので、生き地獄を味わっているようなヒイラギたちの戦いは、生死の境界線ど真ん中にあり、その振れ幅によってどちらにも傾き得るという微妙なバランスを保つよう心掛けています。その均衡が各キャラクターの陰や纏う危うさにも繋がっているようにしたかったんです。 というのも、マルバが使い捨てられる波導使いたちをはじめとした 戦士の運命を本当に嘆くなら、せめて直接的な死ではなく、彼らの救いになるような慈悲を与えるはずです。ただ石化を無闇に増やすことは、ネオロケット団員らにとってメリットになりません。そこら辺思想の違いが、スナッチャーとネオロケット団の対立点を決定付けてもいます。 ヒイラギとイトハの関係性が始まりを告げた「月夜に緋糸を結ぶ」。改めて、この回の反響が大きかったなあと認識しています。思い入れが深い回のひとつです。 ヒイラギ×イトハを描いた後は、ヒイラギ×ホオズキときて、イトハ×ホオズキが一対一で向き合う一連の流れも必要でした。また、ヒイラギの叛骨精神を示し、皆で内通者を追い詰めるにあたっては意味のある断絶期間になったのではないかと思います。ポリゴ糖さんも仰るように、ヒイラギとイトハの二人は物語を通してまだまだ波乱があるので、その点も楽しみにしていただければと思います。 ホオズキ推し! ありがとうございます。本当に人気だな彼は。作者冥利に尽きます。 スナッチャーの中では少し異質というか、ニヒルなポジションにいますよね。ヒイトと異なり、既に妻子持ちであることが大きい点でしょうか。彼は幼少期からロケット団という異世界しか知らなかったからこそ、何よりも普通の暮らしに憧れ、手に入れた小さな幸せの価値を噛み締めています。 この、「肩肘張り過ぎない」というのは、スナッチャーではそれなりに意識しているところです。世界を懸けた戦いに集められた人員でありながら、個々人は少し捻くれて斜に構えたように世界など……、と「波導の勇者」を騙るマルバ相手に吐き捨てる。彼らはみな何かを失った人であり、何かを欲してやまないのです。だからこそ誰よりも小さな幸せを見つけることが出来て、それを大事にしようと努める人たちだと思います。 サカキの戦い方は、彼にとって「ポケモンは道具」というところを突き詰めていくと、神の喉元に迫るための駒を切り捨てていくんじゃないかと想像を馳せました。自分でも気に入っている描写なので、そのスタンスを好きと言っていただけるのであれば悪の組織のボスらしさを表現できたかなと思います。 そうなんです! 「読者側としてよく知っているスナッチャー」の裏にプロトタイプ・スナッチャーがいる、これは叛骨という作品を書く上で絶対にやりたかった構図のひとつでした。プラズマ団がスナッチャーに協力する理由は何故? という疑問を常々読者様からいただいていたので、実はこういう事情があったんです。ようやっと明かせました。ただ原作キャラをオリジナルチームの司令塔に置くには結構な思い切りが必要でしたが……笑 作品の流れを全部汲み取ってくださり、感激しています! ありがとうございました! Second Stageも終盤も終盤、スナッチャーの戦いの行方をどうぞお楽しみに! [28]
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叛骨の強奪者 > Second Stage - EX-Team Rocket part - > 23 Phase 42 勇者にあらず を読んだ感想 | ||
投稿者:とらと 2019/03/30(土) 22:20 | ||
[表示] 39話〜42話の感想です。 悪を以て悪を制す、強大な敵に立ち向かう元より壮大な話ではありましたが、マルバさんの語るネオロケット団の計画により、更に物語のスケールが増した感がありますね、いやスケールが増したというレベルではありませんが。神や異次元をも巻き込むこのスケール感こそが本作のカッコよさなのだと思います。石化の裏に人類幸福計画が存在したとは……! ギラティナってそういえばはんこつポケモンだったですね、映画など未視聴なのでよく分かりませんが何故はんこつという分類になっているんだろう……?物語の鍵を握っているのは確かそうです。やぶれたせかいでの皆夢見てハッピー計画(?)という狂気の沙汰としか言いようのないマルバの誘いを正面切って否定するのではなく、迷い、揺れ、そのうえで「おれは世界など救う気はない」などと斜め下から拒絶していくようなスナッチャーの卑屈さが非常に印象的で、また強者にも関わらずアンダーグラウンドに生きざるをえないような彼ららしいとも思いました。厨二心を擽られます(褒め言葉)。敵・味方問わず、どこをとっても名言・名シーンが畳み掛けてきて、はやめさんの台詞回しやドラマチックな演出の熱さには毎度毎度痺れる……!!という感じです。キャラたちの覚悟や生死を賭けた壮絶さに終始圧倒されました……! そのなかでも、 >「おれが人形じゃないとしたら、何だと思う」 >「人間でしょ。それ以上でも以下でもない」 ここのやりとりなど大変素敵でした。こんなときのイトハさんのカッコよさったらありません……!! メガシンカの応酬、ミュウツーとの対峙、ミュウの登場と、死闘の連続に読者のボルテージも下がる暇がありません! ミュウの18種類の技での逆転、そこからのミュウツーの再逆転劇という演出などもう、凄まじいの一言……!! マルバさんに対して、ミュウ&カメックスのスナッチに飽き足らず、ヒイラギさんとイトハさんの石化など、まさに度肝を抜かれるような予想だにしない展開でした。ここまで徹底的にやるか……(愕然)と何度も思わされてきた本作ですが、いやあこの展開は……マジで凄いですね……えげつないです……(えげつない)今後の展開もまったく読めませんが更なる苦境が待ち受けていることでしょう。戦々恐々としながらお待ちしております……!!えげつない!! [25]
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投稿者:はやめ 2019/03/31(日) 12:19 | ||
[表示] 感想ありがとうございます。 叛骨という作品を考えていく内に、XY以前までを包括したようなお話にしたいなと思い致りました。 スナッチャーの前に立ちはだかるのはこれまでに登場した悪の組織の歴史を含んだような巨悪にするつもりでした。叛骨に登場する原作キャラも、ほとんど組織と関連、または世界の暗部に浸かってきたような人物ばかりで、これからもそうなります。 マルバの演説が一定の効力を持つのも、「ポケモン世界の治安の悪さ」からいえば、そういう思考の人間が出てきてもおかしくはないなと。後はスナッチャーの境遇如何で決まると思い、そのためにも救いのない戦いへと彼らは身を投じていきました。これが甘々の戦いだったら、マルバの言葉には全く響くものがなかったと思います。やるからには徹底、というのは作品のらしさの構築にもつながると思いますし、ここら辺を甘く書くようでは作品に対しても登場人物に対してもかえって失礼でダメな作品になりそうだな、と思いました。 私たちの生きる現実こそ、より救いがないので、叛骨はまだマシな方だと思って書いています。その中には作者の厭世観が陰を落としているかもわかりませんが……。ですので、ホオズキやイトハと和解する機会がなければ、スナッチャーはネオロケット団サイドに堕ちたと思っています。 ギラティナが「はんこつポケモン」という分類である理由は、二次創作としての補完が必要になりますが、かつて元の世界を暴れ者ゆえに追い出されたそうです。そこで破れた世界を自分の空間としたのでしょうね。ディアルガやパルキア、アルセウスあたりからそのような仕打ちを受けたのではないかとネットでも考察されているようです。権力や時代風潮に逆らうことを「反骨精神」と称するので、ギラティナのそういった境遇をのせて分類されたのかもしれませんね。今作タイトルも「叛骨」ですが、そのような含みを持たせていたりもしています。 スナッチャーの中でも特にヒイラギは、本当に「世界を救う」という言葉や考え方そのものが嫌いで、心の奥は実はそうなりたかったので(「勇者に焦がれる」など、何度かそういう場面を描いてきたことが「悪の出現」での問答に繋がっています)、でもそう吐いてみたところで何も変えられない無力さは身に染みて分かっているという。 私自身「世界を救う」お話自体は好きではありますが、こういうの書いててなんですが、むしろ私自身が受け手に回ったとき、小規模でそういった命運を背負わされない話の方がより好みです。ではなんで叛骨やら他の作品も世界が出てくるのかというと、恐らく自分にないものを埋める行為をしているのかと思っています。正直自分にもよくわかりませんが。 脱線しましたが、そこで安易に「おれは世界を救ってやる」と意気込む主人公にはしたくないと思いました。そこがヒイラギのダークヒーローたる所以かもしれません。 ですので、「世界を救う」という無償の愛もどきをささげ豪語するマルバは、宿敵に該当します。マルバらの石化行為が単に世界を不幸にするだけの行いであれば、これまでの悪の組織と何ら変わりなく。彼らにとっても石像だらけのさみしい世界を作るだけかと思います。そこにはメリットが無いんですよね。そこで、仮に石化による付加価値がもたらされれば、計画に賛同する人々もいるでしょうし、ポケモンの設定を取り入れた上でならば、多少の無理も利くだろうと思い、このようにしました。その辺も、今後じっくりと掘り下げていくつもりです。 また、その中で必ず描かねばならないと思っていたのが「スナッチャー陣営の石化」です。石化という題材に決めた、題材を扱う上で、数々の戦士が散る光景を描く。では、主人公ヒイラギは? ヒロインイトハは? ホオズキは? 最後まで石化を逃れるのかといえば、もしそうなったら恐らく物語が盛り上がるポイントをひとつ落としたことになってしまうと思いました。 ヒイラギとイトハの石化は初期段階から決定していて、あとはタイミングの問題でした。人々やポケモンを石化させないように頑張ってきたスナッチャー自身が遂に、という場面では、絶対手を抜きたくないし、ある種特別扱いしなければなと思いました。 ヒイラギ・イトハは、Phase42までの展開で充分にスポットをあててきましたし、これ以上無理させたら死んでしまう、そしてヒイラギに関してはメガシンカを極め、その上出せるものはもうないのでは……という部分まで、マルバ戦を通して描きましたので、ホオズキにバトンを渡すことが彼に出来る最後の役目ということになります。 物語スケールをポケモン世界全土まで展開しているのでどうしても規模は大きくなりがちですが、その中で少数精鋭スナッチャーからスポットを外すという気は全くありません。むしろ拡大したとしても最終話の最後の一瞬まで彼らに寄り添い続ける次第です。 Second Stageもいよいよ後半戦、最後に何が待ち受けているのか、ぜひお楽しみにしていてくださいね。 [26]
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叛骨の強奪者 > Second Stage - EX-Team Rocket part - > 16 Phase 35 始まりの色に、黄色い花が咲く を読んだ感想 | ||
投稿者:とらと 2018/11/26(月) 23:20 | ||
[表示] Phase 32〜35の感想です。感想を書くための知能指数が下がっているので、思いつくままの箇条書きで失礼します。 ・コガネのラジオ塔まわりのロケット団のお話が切なくて切なくて……原作の内容を正確に覚えてはいないのですが、そうか、ロケット団はサカキに呼びかけたけど応えてはくれなかった、そうだったかもしれません。ラジオ塔を占拠できたときの残党たちの心境は喜びと興奮に包まれていたろうし、絶対的に敬愛を寄せるカリスマ的存在のサカキは必ず自分たちを救うだろうと思ったでしょうね。ラジオ塔を占拠した彼らの胸の中にはいつもサカキがいて、彼らにとってのロケット団の復活とは、サカキなしにはありえなかった。それが応えてくれないんだから、天から地の底までたたき落されたような絶望を味わったろうなあ。 なぜ応えてくれなかったのか、というミニトマの問いかけにサカキが果たしてなんと答えるのだろかと読者も前のめりになりましたが、向かおうとしていた、それをレッドに止められた。うわ〜……。切ない、ロケット団切ない……。ひとつのズレが致命的な結末と誤解を生んでいたんですね。敵方の組織の人間って私そんなに感情移入できない方なんですが、それに対してここまで悲哀を感じさせるのはいやはや作者さんの素晴らしい手腕と感心します。サカキの人生は常にロケット団と共にあり、その「ロケット団」というのがなんだったのかというと、自分自身ではなく部下たちのことだったんだなと。「わたしとて、ロケット団という制御のつかない怨霊に操られているかもしれん」というサカキの台詞は非常に印象的でした。 ・話が前後しますが、サカキと対面したホオズキさんの激昂は非常に魅力的でした。ミュウが見えないところから始まり、フーディンによる記録開示、サカキとの対面シーン、続くイトハさんに対する独白と、ホオズキさんがどういう人物であるのか着実に丁寧に炙り出されていったというような印象です、美しい。スナッチャーの面々はそれぞれにめちゃくちゃ重いものを胸の内に抱えていますが、ホオズキさんのそれは(彼の年齢がそう感じさせるというのもありましょうが)一層哀愁が漂っているというか、苦労人だなと感じさせられます。若い二人と違うのは、愛するもの・守るべき無力なものがいるということ、それを人質に取られ、自分の行動のひとつひとつにその命が揺れ動くことがあるということ。命を奪えないホオズキさんは確かに弱いのかもしれない、でもこれこそが、「守るべきものがあるからこその弱さ」なのかなと少し感じました。どんなに汚れた己の手も、人の血でだけは汚せないと思うのは、その手で抱きしめたい人のことを思うからこそ……というのも、どっかにあるのかもしれませんね。 名前のこと、ポケモンのこと。イトハさんは決して彼をうわべの優しさというもので慰めはしなかったけれど、彼女を介して己を省みることで、ホオズキさんは確かに少し救われたような気がします。子供の遊び場のようなところで家族を思い、その心に呼応してついにミュウが現れる、という演出は、いやあ美しかったです、感動的でした……!! ・ところでミニトマってミニトマトなんですかね……花言葉は「完成美」 「感謝」……う〜ん違う? 黄色い花が咲くんですよね。さすがに関係ないか。 ・ネオロケット団!!レインボーロケット団よりちょっとカッコイイ……!!笑 Jの所属してる組織? の名前がネオロケット団、という解釈で合っていますか……? 何か読み違えている気もします、申し訳ない。 ・サカキを味方につけた(?)すごい!! イトハさんカッコイイ……!! 叛骨のキャラたちはやることなすこと全部かっこよくて痺れます……!! > 一対のマリッジリングが、光を放ったように、イトハには見えたのだ。 ・〜(読者が天に召されてる絵文字)〜 なんてかっこいい結びなんだろうか……!! ・最新話お待ちしておりました! なんとオーキド博士本人が出てきた、叛骨は大物原作キャラを惜しみなく投入されていて、読者としても楽しいポイントです。しかもホオズキさんの友人とな! 今後のお話にも絡んでくるのかな? オーキド博士はあまりシリアスとは縁のない人物というイメージはあり(ポケ〇ペとか読んでると違うんでしょうか)、今回も今までの叛骨と比較してかなり温和な雰囲気でありましたが、このシリアス一直線の作品の中で彼に物語上の大きな役割があるのだとすれば、一体どんな顔をするオーキド博士が見られるのか、非常に楽しみです。 ・新波導使いがでると伺ってから「マサラの波導使い……? サ〇シか!?」と勘繰っていたのは外れましたが笑、その波導使いが存外に良い人っぽいこともまた予想外です。ヒイラギさんイトハさんホオズキさんが最初に合流したときはギクシャクしてるなんてレベルではありませんでしたが、マルバさん大変大人でいらっしゃる……入団テストのようなことをされても動じず怒らず、それどころかヒイラギさんの話をイトハさんから引き出す姿には彼の思慮深さといいますか……懐の深さ、器の大きさのようなものが見られたような気がしました。喋り方も非常に独特だし見かけも独特だし(どんなだ……!?笑)、なにしろスナッチャーですもの、一筋縄でいく人物ではないのでしょうか、第一印象は非常に良識的な人物に見えますね。これからシロガネ山のミッションの中で彼がどんな本性を現していくのか楽しみです……!! 今回も楽しませていただきました! 叛骨はいつ読んでも密度が凄くて圧倒されます。続きも楽しみにお待ちしております。 [23]
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投稿者:はやめ 2018/12/02(日) 17:33 | ||
[表示] とらさん、感想ありがとうございます。 Phase 34「亡霊の終着点」は、プロットを思いついたときに「これ、いけるぞ」と今までにない自分を見出した感触を抱きました。ロケット団が築いた一時代の栄光と凋落を描き切ることで、叛骨全編の敵であるネオロケット団にバトンを渡したいという思いがありました。ですので、気に入っていただけて安心していますし、思い入れを込めて書いた話が、読み手にちゃんと届くことのうれしさを噛み締めています。こういう雰囲気が伝わるなら、これからも安心して書けますね(?)。 最近、自分は切なさの漂う話が好きでして、サカキもミニトマも結局一方通行にすれ違って終了する結末になりました。この話は、サカキという大物原作キャラを自分の手で勝手にアレンジするという意味で挑戦的だったと思います。本来なら自分のオリジナルキャラクターに「お前こそが組織最大の裏切り者だ」などととても言わせられませんが、これまで好き勝手にやってきた分今更感もありますので(笑)、叛骨ならではのサカキを書くという意味でも、あえてサカキをそのように表現しました。 ロケット団員にえらく慕われているカリスマ性に着目したところ、部下に対する情が深く、裏切り者には容赦しないというマフィアじみた性格になりましたね……。言動や哲学に叛骨世界に適応したサカキが表れていると受け取っていただけると感無量です。 この話の元ネタは、HGSSのセレビィイベントです。よかったら動画を見て下さい。セレビィの力で時渡りして、ラジオ塔占拠当時に戻り、サカキの合流を阻止するという内容になっています。ゲームだと金銀主人公がサカキを倒すのですが、小説はレッドにしました。 自分はHGSSでそのようなイベントが発生する以前まで、サカキはもうラジオ塔の電波の届かない所にいて、ロケット団からは足を洗ったものだと思いたかったんですよね。しかし、公式イベントで実はサカキは向かおうとしていたと語られていたので、確かに部下の想いに応えようとする首領像を貫くならそっちかなとも感じるようになりました。 一方でミニトマですが、一度ネオロケット団に魂を売ったからには、ロケットの誇りを都合よく取り戻すという展開にはしたくありませんでした。ミニトマはロケット団にもネオロケット団にもなりきれず、サカキからの温情を欲したがゆえに、救いの手を差し伸べてくれた面々からも絆を断ち切られるという複雑な造形のキャラクターに仕上がりました。叛骨は、こういう点において、一切救いを与えるような妥協をしないように徹底しています。 ホオズキ編は、何度か言及いただいているようにヒイラギ・イトハとは異なる意味でアダルティな雰囲気を出すことに心血を注いでおり、その集大成が「亡霊の終着点」となります。 まずはスナッチャー全員の素性を明らかにしていく必要があるため、ヒイラギとイトハ中心に描くためにわざと出番を削ったホオズキにはその分力を入れねばと思って筆を運びました。自分が予想していたよりも遥かに、ホオズキというキャラクターを気に入ってくれる声が多かったこともありますが、誕生の島ではホオズキのすべてを解き明かすぞ、という気持ちで書いていました。イチジクやハマユウ、過去が全て明らかになったことで彼に関して語れることは非常に多くなったので、自分としても心持が楽です(笑)。 ヒイラギとは違う意味で一筋縄ではいかない思考をどう表現するかなかなか苦戦しましたが、とりあえず収まるところに収まったようでよかったです。ホオズキを書く上で、「自分よりも年上かつ、ほぼ父世代の年齢」の心理にどう接近するかはかなり悩みました。一人だけ妻子持ち、若者を見守る壮年ポジション、ある意味叛骨内で異質な存在感を放つ彼を、スナッチャーの三人目に置いて本当に成功だったなと今では思います。Second Stageは折り返し地点ゆえまだまだ続きます、ということはホオズキの活躍もまだまだこれからが本番ということですね。どうぞご期待くださいませ。 ネオロケット団、自分は確か原作からとったつもりだったんですが、調べてみたらあれ? 存在しない……笑 オリジナル組織になってしまいましたね。一応自分がネオロケット団だと勝手に錯覚していたのはどうやらグレートロケット団という名前みたいですね(だいぶ違くない?) Jは自分のハンター集団をNR傘下に置いた上で協力関係を結んでいる、というようなイメージを持っていただければ大丈夫です。純NR団員は、これまでに登場した中では、ソユーズなど名前持ちで、本編にあまり関わりのない敵キャラクターが大体該当します。NR団には何人か原作キャラも関わっています。発足の歴史なども近々語れると思いますので、その辺にもご注目ください。 最新話、マルバが登場となりましたが、ようやく叛骨の鍵を握るキャラクターを出せたなという安堵に包まれております。ここまで来れば、本当にあともう少し書くだけなんですよね……(意味深)。流石にサトシが出てきたら物語の空気ごと変わりそうでww 同時にオーキド博士もホオズキとの絡みの中で登場、仰るとおり大物キャラを惜しみなく出していますね!w ちなみにこれから登場する原作キャラもやはり大物クラスの面々ばかりです。 シロガネ山ミッションは叛骨の重要な核心がいくつも解き明かされる展開となりますので、もうしばしお待ちください。これまでは謎ばかりばら撒いてきましたから、少しは明かさないといけませんからね笑 いつもありがとうございます、感想が執筆の励みになっております。Second Stage後半戦をお楽しみに! [24]
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