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幻想にキコエル を読んだ感想
投稿者:ring_chatot 評価:頑張って! 2011/12/03(土) 23:29
主人公があまりに無双しすぎていたために(能力者以外の人間が赤子に見えるくらい)緊張感やカタルシスに欠けるものがあった。
このお話の正体が、主人公たちが幼いころに考えた物語であり、俺Tueeeee状態をしたい年ごろと考えれば納得がいくとはいえ、それをどこかで気付く表現が必要に感じる。
また、主人公が母親の安否を確認しなかったり、警察やジムリーダーがあまりにも頼りにならなかったりと、現実的に考えてありえない行動が多く見受けられるところが物語を読んでいる愛中に印象に残りました。
この物語が『主人公たちが、幼いころに考えた物語の主人公を演じている』という性質であることを考えれば、『それが意図して引き起こされたものかもしれない』と思ったりもしましたが、その場合は物語のメタ視点キャラであるユウのセリフや、ケースケ本人の心情として自身の行動に違和感を感じさせればよい気がしました。
メタ発言は基本的に嫌いな私ですが、『この作品には逆にメタ発言がなくてはいけない気がした』という印象があります。

そう言った緊張感のない戦いや現実的に考えればありえない行動は、意図的に使ったのであればそうとわかる描写のフォローが欲しく、逆に作者の思慮不足でそういった描写になってしまったのであればひどく残念なところ。
子供の成長を描くにしても、心情の変化が終盤以外では顕著でなかったせいもあり、主人公たちの心の変化について行けないまま読み終えることになってしまった感があります。
自分たちの在り方を疑問に思う描写を増やし、仮面の敵をもっと出してその変化を感じさせることで、いい意味で読者にオチを読ませる工夫や、心情の変化をわかりやすくすればぐっと物語が引き締まったんじゃないだろうか。
史実をもとにした戦争映画がそうであるように、オチが読めたとしてもそこに至る過程で感動できる作品はあります。落ちを読めないようにするよりも、主人公の心情を追っていけるようにできたらよかった。読者と主人公たちをもっと近しい存在に出来れば、もっといい作品なると私は思いました。
個人的に、子供が大人になる作品というのは好きなので、大人になりきれない子供を描いた話というのは非常に興味を引きました。あとは味付けの問題だと思います。
次回作を書くときは頑張ってください。
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