ポケットモンスターHEXA BRAVE > GOLD > 10 第八章 十節「人の聲」 を読んだ感想 | ||
投稿者:はやめ 2014/05/11(日) 21:49 | ||
[表示] こんばんは。 『ポケットモンスターHEXA BRAVE』更新分まで拝読しました。 オンドゥルさんの凄まじい更新スピードと相まって、HEXAシリーズ自体ずっと気にはなっていたのです。今回ようやく読書に至りました。 いざ読み始めてからというものの、なんでもっと早く読まなかったんだ……(面白い小説は大体こうなる)という気持ちになりました。実のところ、ここ数日この作品をスマホ片手に読むのが毎日の楽しみのようなもので、時間が空けば莫大な話数を進めていくということで、非常に熱中させていただきました。 さて、一体何から書いたものか自分自身にも検討がつきませんが、物語を通して私が感じたことをつらつら述べていく纏まりのない感想を書こうかなあと思います。 今作を通して、未読の前作HEXAにも目を通したいなと思いました。BRAVEから読んで分かるという言葉通り、今作から入っても全く問題なくスラスラと読んでいけますね。どうも作中で連呼される空中要塞での地獄という光景が気になるので、また機会のある時に読んでみようと思います。前作で登場したキャラクター達は、今作には登場しないみたいですし。 物語を彩る数々の登場人物達が個性豊かで魅力的です。 最初は掴み所がなくて適当っぽいけど人間味のあるテクワとか、どこまでも自分の道をまっすぐに行こうとする一貫性を持つランポが好きだったんですが、話が進むにつれてどのキャラも味があっていいなあと思いました。エドガーはカガリリベンジ戦で悟りを開いたみたいになってましたねw かっこよかったなあ。カガリも好きですよ。自分の中に確固たる信念がある奴はみんな好きなんです。 この「涅槃の光」というものが会得の過程も含めて少し抽象的で理解しにくかったのですが、自分の中では波導のようなものだろうかと捉えました。彼は……これからどうなるのでしょうか…… ミツヤが今になって実は生きてました、というのは無いだろうし、ギラティナ戦時点で命を落としてエドガーに希望を繋いだとは思うのですが。エドガーはこれでカガリと共倒れなんですかね。 最後は多分ブレイブヘキサ全員が再集結して、カルマに立ち向かうものなんだと勝手に思ってます。あ、でもミツヤが……。 そうそうミツヤです。最初はよくある嫌味系キャラなのかなと思っていましたが、ネイティオの見せる過去のエピソードも伴ってか、感情に一番訴えかける部分がありました。ミツヤがユウキを一度だけ信じてポリゴンZを繰り出す場面は本当に痺れましたね。破壊光線の使い方がギラティナ戦といい、かっこよすぎますわ。ねらいのまとはね……持っていかれました(?) カルマも結構好きなんですよ。悪役として。物凄く物語の中で大事に扱われている(正体やポケモン含め)印象を受けました。デオキシスを明かすまでかなり引っ張っていたので。自分は裏で着々と計画を進め、一切表に出て来ない半端ない黒幕臭はさすがラスボスの貫禄というべきか…… アマツに一度追い込まれこそしましたけど、やはり奴のオーラは物語の最後に立ち塞がる敵というイメージであり続けています。しかもこの作品は、プロローグがカルマの過去から始まっているんですよね。どのようにリヴァイヴ団を作り、今の地位を築き上げたのか。カルマの本当の目的とは? きっと終盤で何かしらの掘り下げがあるに違いないと予想してます。物語を根幹から揺るがす鍵を握っていますよね、この男は。 GOLDのあらすじに「破壊の遺伝子」とあったのですが、これはもしかしてもしかする……? デオキシスに対抗するためのアイツがやってくるのでしょうか、などと予想しながら次話を待ちます。 あと、キャラの由来はありますかね? というのも、エドガーとか、原作でもいるマキシ・カガリ、ランポやレナと色々な国にいそうな名前を使っておられたので。ちょっと気になりました。 世界観について。オリジナル地方ということで、カイヘンの練り込まれた設定に、オンドゥルさんの見聞と知識の多さを垣間見たような気分になりました。色々な分野を知っておられるのだなと、もはや言葉もありません。 少なくとも、あらゆる点においてこれほどリアリティがあり、実在してもおかしくない世界を描けるというのは相当の手腕だと思います。町の一つ一つにも歴史や産業、設備などを描き、細かいところまで気を配っていて、生きた世界観を手に取るようです。例えばコウエツカジノ、ウィルとリヴァイヴ団の入団試験や組織構造、任務概要などが特にそれを感じるところでした。少なくとも自分には書けない、そう思います。 命を懸けたポケモンバトルや、やるかやられるかの生死とどこか諦め、そして終始重苦しくて湿った空気が全体に付き纏う(褒め言葉)非常に退廃的な世界観が、あまりポケノベ小説では見かけない感じだなあと。容赦なくキャラやポケモンが死んでいくのでその辺りはやはりPG−12というべきですね。しかし、暗さは勿論あるわけですが、その中で話全体を矢の如く貫く情熱が凄い。とにかくアツいです。世界を変えるために抗うユウキやランポの戦い、ウィルとリヴァイヴ団に属する者達の過去や決意。主人公達だけでなく敵側にも常にスポットが向けられて、一面的ではないところが物語に更なる深みを与えているのだなと思います。暗いけど熱い、ダークだけどホットみたいな。こういうの好みなんですよ、はい。 沢山のポケモンが出てきますけど、伝説なども含めて出し惜しみしませんね。あまり他の作品で見かけないようなポケモンが出てくるのもこの作品に惹きつけられる理由の一つです。 しかもギラティナにデオキシスとは豪華。ギラティナは大好きなポケモンなので(どうでもいいですが)どんな役回りになると思いましたがやはり黒いゴルーグの前にフルボッコでしたね( カガリがギラティナをゲットした経緯なども気になりますが…… ポケモンバトルは割と原作寄りに描かれているんだなと思いました。それに加えて技や特性を応用まで発展させた描き方をされているので参考になります。何度も言いますがねらいのまとは(ry ストーリーは、毎回章の切り方が卑怯なんじゃないかってくらい次の展開が気になるところで終わりますよね。引きが上手いったら。読んでいて全く飽きませんでした。展開も非常にスピーディですし。次は、次はどうなる? みたいな感じで。一番ドキドキしたのはレナ引き渡しの辺りですかね。ボスと謁見する場面だったので、いよいよ……みたいな雰囲気が漂ってました。 今の展開もいよいよ終幕に向かっている(気はするけど、実際ここからがかなり長い気がする)ので、これからは更新分を追って楽しませていただきたいと思います。 大体こんなところでしょうか。まだ忘れてたり見落としている部分もあるかもしれないですが、読んでいてすげえ! って思ったことは殆ど書いたつもりです。それでは素敵な作品をありがとうございました。これからも頑張ってくださいね。 [07]
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投稿者:オンドゥル大使 2014/05/12(月) 21:48 | ||
[表示] はやめさん、感想ありがとうございます! かなり深くハマってくださったみたいで細かいところまで読んでいただいて嬉しいです。舞い上がっております。 前作HEXAを読まなくても読める、というのは今作において肝にするべき場所だと感じていました。加えて前作以上、というのも目指したつもりです。前作のキャラはカメオ出演、というのが多いです、実は。前作で一行しか書かれていないキャラクターが今作では主役という(ユウキは前作一章の最初に出てくる短パン小僧です)のも試みの一つです。 ミツヤに感情移入していただいたのは意外でした。というのも、四章はあえて今までとは読み味を変えたので「ここで離れる人もいるかなぁ」という感じだったので。 涅槃の光ってのも前作にちょっと出ている抽象概念を今作のキャラが独自に引っ張り出したみたいな感じですかね。 狙いの的は……作者的にも全く意想外の効果を発揮したのでびっくりです。割と行き当たりばったりで書いているんですよw カルマについて注目してくださっているみたいで嬉しいですね。悪役を書くのが好きなんですよ。悪役ってどこまでも掘り下げられるんですよね。面白いです。書くと一番生き生きしているのが悪役なんですよねw 世界観は前作の流用もありますが、前作でちょっと触れた部分のディテールを上げてやると言いますか、解像度を増すと「こういう人の営みもあるのかな」と想像しながら書いていました。 今作は割と一面的な部分がありまして(ユウキ視点が多目だったり)、前作が色んな人間を掘り下げすぎたのでちょっと自重している部分もあるのですが、それがわかりやすさにつながったので結果的によかったです。 ポケモンはですね、マイナーなやつを出すのが一番楽しいんですよ。テッカニンとか、デスカーンとか、ああいうのが。そういう楽しさを共有できたのが嬉しいところですね。 話の引き、は随分と意識しています。ここで切れば次が気になるだろうな、というのは一応作戦です。 あとキャラの名前の由来は特にないです。必要に迫られたら考えるのでマキシやカガリという名前が原典ゲームにいることを最近知りました……(しかも割と重要度が高いという) そしてここからが長いと予想されていますが……残り十話です! それでBRAVEは完結します! カルマがいかにしてこの野望を抱いたのか。ユウキはカルマを止められるのか。ランポはどう動くのか。 残り十話ですべてが決します。 改めて、熱い感想ありがとうございました! [08]
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