ポケットモンスターHEXA > あとがき > 01 あとがき を読んだ感想 | ||
投稿者:Ring 評価:頑張って! 2013/07/22(月) 20:06 | ||
[表示] 以前なろうで感想を返してからというもの、久々の感想です。 まずは完結おめでとうございます。ものすごく長いので読むのに時間はかかりましたが、書くのにはもっと多くの時間がかかることを同じ作者として知っておりますので、本当にお疲れ様でした。 さて、年齢層を高めに想定したという事で、終始ダークな雰囲気を楽しませてもらいました。 今回の作品で思ったのは、登場人物がどうしてこんな行動をとるのかわからないという、疑問でした。納得できるだけの心理描写があればまた別なのですが、頭に疑問符を抱えながら読み進めることも多かったです。 一部のキャラについてはその理由があかされることもありましたが、やはり、狂った行動、馬鹿みたいな行動をとる者こそ、丁寧な心理描写で共感をさせてみるのがいいと思います、心理描写さえ丁寧であれば、どんな狂人でもある程度は納得できるようになることはいろんな作品が証明してくれています。 さて、それについてもう一つ付け加えなければいけないことは、『どうしてそんなに頑張るのか?』というようなキャラや『そこまで信念が大事か?』というキャラに共感できなくともいいのです。その代り、読者視点のキャラを用意し『極端なキャラの信念を理解できないキャラ』に、読者を共感させる事が出来ればそれでいいと思います。皆がとんでもない出来事、とんでもない行動に納得するのではなく、ある人は馬鹿だと罵ったりするのも大事だと思います。 オンドゥル大使さんの作品は、キャラがたくさんいるような気がして、実際はなんか同じようなキャラが口癖だけ変えて存在しているようなきらいがあるので……。その証拠というわけではないのですが、フワライドの特性を、モブというか一般市民が誰一人知らないという不自然な状況を発生させてしまい、またその対策法を誰も考えていませんでした。 フワライドが驚異のように描かれていますが、推進力もないフワライドは街から置いて行かれるはずですし、ヘリの風や追い風などを起こせば簡単に吹き飛んでゆくでしょう。 最後の落ちであるポケモン所持制限も、仕事でポケモンを使う人からの反発や経済へ与える効果が非常に大きすぎますし、『そもそもそんなロックをできる機能があるなら悪の組織のボールなんて全部ロックしちゃえ』で、解決します。ロケット団やHEXAのボールをすべてロックして、限られたトレーナー、たとえばチャンピオンや四天王クラスのポケモンや、警察、レンジャー関係者のボールだけロックを解除すれば何の問題もなくHEXAを鎮圧できてしまいますし、私が悪の組織の技術開発部だったら、ロック機能のきかない違法ボールを開発します。私なら確実にそうします。 そうなったときに、むしろ一般市民に抵抗の手段がなくなって困るのは目に見えていますね。 そういった方法を誰も考え出さないあたり、なんというか……キャラは作者以上に賢くなれないという事をひしひしと感じてしまいます。 また、社会の移り変わりにももう少しばかり説得力がほしいところです。ロケット団の策でディルファンスが糾弾されるような事態になった際も、民衆が一瞬で手のひらを返しすぎと言いますか。結果だけでなく、過程や流れを意識して書くといいと思います。点ではなく、線ですね。 ポケモンバトルの描写のほうは、なんというか、ルールがあるバトルはともかくルールがないバトルではお察しくださいといった感じでした。トレーナーへの直接攻撃も十分に可能で、ポケモンの数だっていくら増やしても構わないはずなのに少量のポケモンで、なおかつトレーナーへの攻撃は極力避けているような。特にルナポケモンとなればトレーナーをやってしまえば簡単に倒せるのに、それをやったのがローブシン戦の時くらいという印象。 ルナポケモンの守備をかいくぐって攻撃するのが難しいとしても、熱風や凍える風、岩雪崩ならばワイドガードでも使えない限りはルナポケモンであっても防げないでしょうし、ゲームのようなマナーの良さはいらなかったかと。もう、カイリュー破壊光線! のノリでもリアリティを欠くことはなく、むしろその方がリアリティがあったかと。 また、アニメでもポケモンがおびえたり逃げ出したりする描写があるように、ポケモンを戦闘兵器にしないことに重点を置く必要があると思います。オンドゥル大使さんが言うような『ポケモンと人間は一線を画した存在』とするのはいいのですが、その割には人間に対してあまりにも従順で、『使い捨ての道具のような印象でした。そういった動物ほど、強い相手には逆らわずにしたがったり逃げ出したりするものなので、ルナポケモンや機械で洗脳されたポケモンでもない限り、逃げ出したりするポケモンもいたほうがいいのではないかと。今のままではただの戦闘兵器ですし…… また、戦闘における強さを示すシーンが少ないために、ポケモンバトルにおける強さの魅力というのが伝わってきません。例えばチャンピオンですら自分が育てたポケモンを使って戦わないなど……。 四天王やチャンピオン、ジムリーダーを基準にしても、ルナポケモンのような異物が入り込んでしまうために、素の強さや格というものが分かりにくく、物語における『強さ』を測るカタルシスが得られないのです。強いポケモンがどれくらい強いのか、強いトレーナーがどれくらい強いのか、それを分かりやすく書き示すためにも、強さを分かりやすく示せる描写を入れられればと思います。 まぁ、要するになんというか……自分一人で突っ走るように書いていくと、破たんしやすいのだと思います。手放しに誉めるだけではなく、ダメ出しできるような編集者というかアドバイザーを1人いれるだけでも、見違える作品になると思いますので、まずはその世界のそのキャラになりきり、そこで考えられる行動をとりましょう。 厳しい言葉をたくさん投げかけましたが、これだけの長編を完結させる能力は純粋にすばらしいと思います。これからも頑張ってください。 [11]
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投稿者:オンドゥル大使 2013/07/24(水) 22:39 | ||
[表示] Ringさん、感想ありがとうございます。 まず感想をいただいた事への謝辞を述べます。これだけの感想をいただけただけでも作者冥利に尽きると言うもの。 一つ一つに答えると私も膨大な数に上りますし、言い訳がましくなってしまいますので……どうするべきか悩みましたが、リングさんが常に言われている「ポケモンを戦闘兵器にしない」事についてはごめんなさいとしか言いようがないです……。このHEXAの話はこうなるしかなかったです。これは純粋に私の力不足ですね。心情描写も「覚悟」だとか「成すべき事を成す」という超然とした理由が多かったのは理解しています。自分でもそれは感じましたが、抑えないほうがいいのでは、という判断のもと行いました。キャラクターに対して「理解する」ということを覚えたのが実はつい最近のことでして、お恥ずかしい……。それまでは本当に赴くがままに書いていたので。 ポケモンに対する知識に関することは自分と連動しているので、フワライドのことを知らない一般市民は初見でフワライドを見た自分の感想というか、まさか誘爆するとは思わなかったという感じで。早速言い訳がましいので、こういった具合に一つ一つの疑問を氷解するのは難しいと思いますが、リアリティ追求が裏目に出た部分はあったかという自覚はあります。 こうすればいいのでは、という意見に関してはいつでも歓迎ですので、このような感想をいただける事は嬉しいです。 オブザーバーというか、ご意見番は実は存在していますが、(改行のタイミング等のアドバイスをいただきました)内容的なものに関しては私の独断でしたので(さすがに800ページ超の作品を読ませるのは抵抗があります……)至らない部分は私の責任です。 所持制限については、次回作への布石です。当然、反発が生まれる事は自覚しています。その反発や歪さも含めての次回作になりますので、ご了承ください。 ともかくリングさんのように最後まで読んで、この至らぬ作品に真摯な意見までくださった方には最大限の感謝を申し上げたいです。 月並みな締め方になりますが、ここまでありがとうございます! [12]
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