まっしろな闇 > 首都にて > 33 Page 100 : ひかり を読んだ感想 | ||
投稿者:とらと 2016/12/23(金) 01:07 | ||
[表示] 読むの遅くなりまして申し訳ないです!まずは首都編完結&100話到達本当におめでとうございます、お疲れ様でした!! 何から言えばいいのか……前の感想は何を言ってたんだ?と思って前の感想開いてみたら「何から言えばいいのか」と言っていて笑ってしまいました 展開が重ければ重いほど、というか、力強ければ強いほど、しんどいほど、言葉が出なくなるって言うか、そういう感じです。この興奮が伝わる言葉がちゃんと出てくればいいのですが う〜ん、まず、圭くん。 彼の立ち回る場所は本当に酷っていうか、なんっていうか、安易な表現になってしまいますが、可哀想って言うか……。主人公はラナ(とクロ)なんですが、二人を明るく支える格好でずっと共にあった圭くんが、二人に待ち受ける凄惨な場面のすべてを通り抜けて、背負っていくみたいで。彼が受け止めたのは例えばクロの傷つけられた姿や、アランが殺される姿、亡骸と対面するラナの姿、そういう惨い光景だけではなくて。共に苦境を乗り越えたクロが一人でいなくなってしまうこと、そしてそのすべてを受けてラナが屋上から飛び立っていくシーン。、二人が壊れて、自分を置いて、離れていく、遠ざかっていく、そういうところも全部、圭は受け止めなければいけないんだなあ。その小さい体に。そう思うと本当に彼に課されたものが酷で(そりゃあ他の二人もそうだけど)なりません。 ラナに、クロの負った傷が酷いことを伝えたのも、クロに、アランが死んだことを伝えたのも、圭なんだよな。そのどちらもを、圭が、「自分が間に合っていれば」「強ければ」と少なからず抱え込むところはあって、それを自ら、その人をとても大事に思っている人に対して、自分がいたのにその人を守れなかった、って、伝えなきゃいけないのは、本当になんつうか、大変な事だ。ラナみたいに、ブレスレットのことみたいに、隠したいと思ったって良かったはずなんですよ。でも彼は話すじゃないですか。証人が自分しかいないから詳細に話すしかないじゃないですか。なんか、つらいよな。 この圭の辛さを分かち合ってくれる人っていないじゃないですか。いや、クロやラナにいたかって言われると全然いないんですけど、まあクロにはポニータやアメちゃんがいて、ラナにはエフィブラがいて。彼らとの付き合いに比べるとエアームドと圭との積み重ねた時間ってちょっと短くて、その点圭はちょっと孤独で、二人と同じ場所で苦しむこともできず、それを癒してあげられるかと言うとそうでもなく、彼らは黙って消えてしまって、そんで。そんで、圭はどうするんだろうなあ。凄く強いと思うんですよ。アランに呼ばれたような気がした。クロがそう言ったとき、圭は表情をしわくちゃにした。でもその顔で、事細かに、全てを話した。クロが傷つけられて眠っている間に彼の親友を傍に居ながらむざむざと死なせてしまったことを全部話した。気丈だよなあ。強いんだよなあ。 クロが白と入れ替わってしまって、クロがいなくなってしまったかもしれない。その事実を前にして圭はけっこう冷静に見えるんですよね。それは圭が動揺していて事態を受け入れられていないからなのかも知れなくて、でも「もう一度会う事になるなんて」と言った彼やラナに顛末を話して聞かせている圭は事態を受け入れている風でもある。それって「クロ」である彼と圭の関係しか知らなかった読者にとっては、ちょっとショックなんですよ。でも考えてみれば、クロが現れたのは「三年以上前」。それより前に、圭と白の間には三年以上の時間も流れていたかもしれない。圭とクロはまるでつうかあで相棒のようにも見えたけど、圭と白の間にもそれに相当する絆も存在しているかも知れなくて。 だとしたら圭は、「白」が消えた時(消えたとはっきり認識したタイミングっていうのは曖昧だったようですが)、また「クロ」が消えた時、どんな気持ちになったんだろう、どういう違いがあるんだろう、って、思うんですよね。クロもラナもボロボロだったけれど、ボロボロになっていく二人の出来事が全部身体を通り抜けた圭だってボロボロで、彼をその暗闇に巻き込んだ形になっていたクロは勝手に消えちゃって、圭は。圭は、千代紙を滅茶苦茶に破いて捨ててしまった圭は、どう思ってるんだろうなあ。なんだか彼だけが、血だまりの中で思考停止も出来ずに取り残されたようで、頭にも書きましたが、単純に可哀想で。ううん。それでも彼は前を向いて今まで通りに打倒黒の団を目指すのか、どうなのか。どうするのか。気になるところです。。 アラン。うーん、なんか、何回も言ってたんですが、人の子にこういうことを言うのはちょっと違うなあと実際こうなって見て思うんですが、やっぱり死んでしまうんだろうなと思ってました。死ぬならこのキャラかなあみたいな。ガストンさんも。でもエリアさんまで殺されてしまった。手助け。していたから。そうかあ。でもねえ、圭と逃げている時、一度目の襲撃を免れたタイミングでは、ああ生き残ってくれたと思ったんですよ。思いましたよ。でもそのあと良い感じの会話をし出した時にあっこれヤバくね?って思いましたよ! だー。。クロと喧嘩をした時、彼の「物語上の」役目は私は終わったんじゃないかと感じて(もう一度言いますが人のお子様を物語進行上の一駒として見てしまう事を本当に許してほしい)、役目が終わったから死んじゃうんじゃないか、喧嘩別れかあそうかあと思ってたんですが、もう一つ役目が残されていたんだな。>「否定しないで、俺達にだって少しくらい、かっこつけさせてくれよ」これなあ。圭にこれを言わせることも、アランの役割だったんだなあとか。アランは心強くてかっこよくてクロにとっては拠り所にもなりえたはずで、でも弱くて庇護対象で、それはクロや圭にすれば憤られるようなことでもなんでもない、当たり前の事だって。 そんで、俺たちなりの恩返しなんだ、俺は死なないと、カッコつけて言った直後に、こうなることが、……彼の死に際の役割だったんだなあと。ううん。なんっていうか……なむなむ。来世で幸せになりますように(?) クロ。白。 なるほどな。真夜中の夢へ、朝の目覚めより。副題だけ目にして良いタイトルだなあとちょっと前思っていたんですが、なるほどなあ。夜、朝。夢、目覚め。クロと、そして白の。page94〜95が凄く好きなんですよ。混沌と喧騒のあと、病室って言う白い箱の中で自分を思ってくれるポケモン達に囲まれて、皆傷ついて、傷を舐めあって、やがて目を閉じて、沈んでいく。考えることは多分とっくに放棄している。心地よくて優しい微睡が深淵に溶けていく様が本当にやるせなくて美しくて、うわ〜。うわ〜。(語彙力の崩壊) でもなあ、圭のところで散々書きましたが、クロは逃げたんだよな。実際逃げざるをえなくて、逃げても許される程傷ついたんですけど、それは何からどうして逃げたかとかじゃなくて、そうじゃなくて、置いていっちゃったんだよな。なんだかそれが。ホント地獄みたいですね。いや〜地獄だな。感想が深夜テンションに入り始めてホントすいません。 読者がどう予想しながら読んでいたのかなんて興味あるか分かりませんがとりあえず書いておきますと、クロが「笹波白は死んだ」と言っている意味って、多分「笹波白として生きていた自分を殺した」って意味なんだろうなあと思ってて、クロと白は同一人物なんだろうなあと考えてたんです、私は。多重人格。なるほどなあ。クロはあながち嘘もいっていなかったんだ。クロが殺した。白が作ったクロが白を殺した。でも白は生きていた。「クロの痛みは誰よりもぼくが知っている」と言えるほどずっと傍でクロを見ていた。 >「……きみの泣きたい分、ぼくが泣いているんだね」 この台詞はちょっと気味が悪くて、クロの痛みは誰よりも知っている白がクロの「痛み」に無頓着であるようにも見えて……、怖いんですよね。白はクロの全部を分かっているのに、なぜクロが泣いているのか、まるで分かっていないような。そんなちぐはぐ感があって、まあ白とクロという存在自体がちぐはぐではあるんですが……。クロは団を抜けてからの時間でラナや圭が言うように色々なものを手にしたけれど、白は純粋無垢、まさにまっしろ、そういうことなら、クロが越えてきた道や痛みを、内側から、どういう思いで見てきたんだろう。ん?本当に見てたんだろうか。ちょっと分からなくなってきた。 感覚的なところを共有しているのか、理解できるだけなのか。白はどこまでクロで、クロはどこまで白で、二人は分かり合っているのか。認め合っているのか。クロはどこへいったのか。白はどうするのか。あと……零は実在するのか(ちょっと怪しくなってきた)。続き気になります。色々言いましたがクロのことは好きです。幸せになってほしいです。首を長くして待ちます。 真弥!さん!凄くねえ、好きになりました。何故だろう、そういう風に書かれてなかったと思うんだけど、なんだろう、彼は正しい。残酷で軽薄で情け容赦なさすぎるように見えるんだけど、この状況の中で、味方サイドに、この人がいる、それが凄く良いなあと思います。アランの遺体のくだり、ラナの言っている事はよく分かるし本当にその通りなんだけど、それを言い負かす真弥さんは多分心が冷たいとかそういうことじゃなくて、冷静に状況を俯瞰する彼がいなければもっともっと事は悪化する、悪役に徹して彼らを守った、そんな感じで。 >「だけど、君と初めて対面した時から、君に対してだけは、絶対に嘘をつかないと誓っていた」 これ、そしてとどめになると理解している、それでも言う、その末命を絶とうとする彼女を、飛び降りていくさまを、ただ黙って見ている。海さんの描かれてる解釈とはまるで違うかもしれません、でも私はこれも彼なりの優しさなのだなって思うんです。優しいの方向性が達観しすぎてるんだ。この人は普通に優しいんだけど、その優しさって理解される優しさじゃ全然なくて、だから孤独で、それ故に強い。 >「命を弄ぶのは絶対に許せないって言った本人が、自殺を選択するっていうのは、最高に皮肉というか、ここまでくると笑い話みたいだよね」 うん、なんかさあ、こういう事を言うのが、彼の役割じゃないですか、仕事じゃないですか、それをこなせるじゃないですか。その上で、その果てに、君には嘘をつかないって言ったラナに、「嘘ですね」って言われるでしょ。あなたの娘は、とても残酷に笑っているよ。あ〜なんかね、好きなんです。この人がいる。まだこの作品にこの人がいる。それがねえ、なんだか希望にも思えるんです。彼を見てると読者はなんかワクワクするんだ。 ラナ。すげー徒然思ったまま綴ってるので長くなってますけどすいません。 自殺。自殺。自殺、かあ。うーん。はあ。あのシーン、ブラッキーが追いかけていくシーン、描写が圧巻でしたね。首都編描写がすごかったとこ書ききれないほどあるんですが、ここも本当に凄かったです。 ラナはなあ、すごく、ぐらっぐらぶれている感じがするんですよ。彼女の中に芯のようなものもあって、それも彼女の冒険通してぐわんぐわん揺さぶられて、もう訳分かんないことになっていて、彼女の言動や行動を見ていると、ホント危なっかしいっていうか、居た堪れないって言うか……そういうもどかしさが、スゲェ上手い。上手いな〜って思います。信じる道を、進めない。選べない。力もないし守られる立場だから。そういう状況の中で何か掴もうとして、生きようとして、壊されて、どんどん壊されてあっけなく崩れて、一回もう、全部崩壊して……、ほんで瓦礫の中に100話があって、多分そのなかから、組み立てる作業が始まるのかな。 光の中、彼女はひとりで旅立っていく。ノエルのポリゴンが生きていたこと、ブレスレットの件が片付いて、そして、生きてさえいれば勝ちだと、そう言うノエルから、キリという一抹の希望を提示される。行動をする。クロや圭が当たり前にやっていたけれどラナにはまるで縁がなかったセキュリティを掻い潜ったり、そういうことをして、真弥にもついでに一矢報いて(ここがいいんだ!)、首都の空に昇る太陽を見て。叫び出しそうになる。 >命の炎は燃えている。 そう、かあ。 これからどうなるのか、まるで予想がつきません。多分過酷な運命が待ち受けているんだろうとは思うけれど、ラナの視界に未来として提示されたのは、「輝く金色」、なんですよね。いっこ最終回を見たような気持ちになりました。ラナは、一皮剥けたって言うか、一回生まれ変わった。その表現の方が正しいかなと思う。強かに生きる。彼女はどのくらい強かになれるんだろうかな。 混乱させてしまった文章〜とメッセージ欄に書かれていますが、これだけ怒涛で濃厚な描写の連続にも関わらず、相も変わらず頭にすっと入ってきてスムーズに理解させてくれる文章力、本当にさすがだなあと思います。楽しかった〜という表現は首都編には似合わないけれど、面白かったとは言ってもいいのかな。面白かったです。17年は色々とお忙しいようですが、続きも首を長くしてお待ちしております。二回目。 こんな素敵な作品にこんな乱文拙文を投げるのが恥ずかしいです!許してください!笑 長くなりました。最後に、首都編、本当にお疲れ様でした〜! 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投稿者:海 2016/12/25(日) 00:19 | ||
[表示] >とらとさん まずは完結と100話到達について、ありがとうございます〜〜! 読者様に支えられてきたおかげです。本当に。 そしてこんなにもたくさんの感想を書くのは時間もかかるし疲れたでしょうに……ありがとうございます。多くのことを読みとってくださり考えてくださり、感服いたしました。それに対していい言葉をお返しできるかどうかわかりませんが、ひとつひとつ返信していきたいと思います。めっっっちゃ長いですすいません。 圭について。 圭は仰る通り、今回の首都編では全てを繋ぐ役割で、主人公でないのにまるで主人公かと思うくらい常に節目に立っているキャラクターで、一番最初ユアの見舞いで幸せを滲ませ、そこからカンナギで一気に血塗れの現実に染まって、怒濤の展開を経て、途中鶴の折り方をせっかく教えてもらったのに忘れてしまったと言っ幸せだった頃が一瞬で遠ざかった今に立ち尽くし戦いの現実に染まりきった自分を寂しく思い、最後には引き裂いた千代紙で終わるという、首都編そのものを体言しているような立ち位置でした。とらさんの「二人に待ち受ける凄惨な場面のすべてを通り抜けて、背負っていくみたい」というのは的を得たお言葉だなと思います。点在した出来事を繋いでいく圭は今作でいなければならない存在でしたが、彼にのしかかったものは重くて、クロもラナも離れていって、だからこそ最後の千代紙に繋がったのだと。圭は「いつか絶対にリコリスに生きて帰る」という絶対的な目標があるから、逃げることはできないんですよね。千代紙の下りはあえて彼自身の心理描写は一切入れずただ静かに佇むように淡々と一文に収めましたが、その無情なところも含めて、首都編そのものです。千代紙には圭自身も今回の怒濤の出来事の連続を背負い込み叫びたくなっている・壊れそうになっているという意味と、同時に、首都編序盤でなんとなく自分とリコリスの家族についてなあなあにして温もりに浸っていましたが、黒の団の脅威に対してもう二度と大事な人を失わないために決別の意味などを籠めています。首都編を終えた圭は、この千代紙から始まるんですよね。というかばらばら千代紙に気付いてくださって本当にありがたいです。 >隠したいと思ったって良かったはずなんですよ。でも彼は話すじゃないですか。証人が自分しかいないから詳細に話すしかないじゃないですか。なんか、つらいよな。 あー、なるほど。なんか、私はこれを読んで隠しておくという手も本当はちゃんとあったんだよなということを痛感しているような気がします。圭は正直者だししかもクロやラナについてかなり密接な関係をもってる人についての凄惨な事実とか器用に隠すことは多分できなかっただろうなと思いますし(でもクロが起きた時にまずアランのことを言わなければクロにはアランのことを少なくともすぐには話さなかったかもしれません)、圭は、言うことで、共有することで、一人でもっておくにはとても背負い込めないから事実を広げたところも多少は、あったと思います。ある程度、人の生死については慣れたところもある人物ですし。でも、もう、なんか、つらいですよね。ほんとに可哀想な立場です。 >彼等との付き合いに比べるとエアームドと圭との積み重ねた時間ってちょっと短くて、その点圭はちょっと孤独で、二人と同じ場所で苦しむこともできず、それを癒してあげられるかと言うとそうでもなく、彼らは黙って消えてしまって、そんで。そんで、圭はどうするんだろうなあ。凄く強いと思うんですよ。 ちょっと孤独という言い回し使いたくなるほどいいですね流石……。圭は、そう、強い子で、クロやラナもいなくなった以上、それからユアをはじめとしたリコリス組にももう接触はできないと悟った(とは文中ではっきりとは明言していませんが)以上、寄りかかるものがないんですよね。真弥もあれですし。エアームドとの関係性というのも今回なかなか書けませんでしたし余計に。しかもこんなにも頑張ってて圭自身も苦しい思いを抱えているにも関わらずアランが殺された時バジルに「惨めだな」のとどめの一撃を食らったり、ラナからは「そんなの黒の団と同じだ」と言われ、ほんまにこんなに頑張ってるのに結果的にはほとんど報われていないのがあまりにも非道いというか理不尽な流れですよね(書いた本人が何を言っているのかという感じですが)。結局、圭は、強い子なんですが、でも、それでも、圧倒的な力を持っているわけでもなく完全に割り切れていたわけでもなく、守りたいものを守りきるには戦いに勝つには現時点の圭では少し足りないんですよね。圭には申し訳ないんですが、いくらリコリスにいる間も木刀で訓練はしていたものの実戦からずうっと離れていたのでもうこれは仕方ないことだと思います。理想と現実のギャップみたいなものです。そしてこれは圭自身も気付いていることだと。 >クロが白と入れ替わってしまって、クロがいなくなってしまったかもしれない。その事実を前にして圭はけっこう冷静に見えるんですよね。 >「クロ」である彼と圭の関係しか知らなかった読者にとっては、ちょっとショックなんですよ。 っていうこのあたりは、言われてああ〜〜〜そうだよな〜〜〜〜とちょっと反省しています。いや、圭は本来かなり冷静(というか冷徹)な人です。明るくて素直ですが、昔の名残で冷めた面も持ち合わせていますし、冷静でなければこれまで散々書いてきた繋げる役割も果たすことはできなかったです。でも、このあたり、どうにしろ、白が急に出てきてそれをあっさり受け入れてる圭や真弥というのは、奇妙に感じざるを得ないというか、要領が良すぎるというのは、私自身も書いていてうっすら思っていながら押し進めてしまいましたが、やっぱりそうですよね、うーーーん説明を優先しすぎてましたね、いやーーー反省です。「もう一度会う事になるなんて」は、どちらかというと、受け入れているけどまだ受け入れ切れていない部分もあって動揺している、というのを書きたかったのですが、うーーん、申し訳ない。私もこのあたり読み返したらすごく冷静というか思っていた以上に圭は白のことを受け入れた感あって、確かになと。白と圭の関係については、これから明らかになっていく部分もありますが、混乱させていると思うので申し上げますと、白と圭はそんなに長い期間を共にしていません、むしろ短期間です。ただ黒の団でペアを組んでいたので嫌でも行動を共にしていました。しかし、「お守りでもやってるような気分」で「そのぽやっとしてたところに苛々」していたり、白に対しては正直あまり良い印象を持っていません。戦闘に恐怖心を抱いて誰も殺せないので、誰かを殺すことが使命で普通だった圭にとっては白ははっきり言って邪魔でした。特に、圭はバジルと組んで戦っていた時もあって、で、バジルもできる奴だったのでその差に余計に苛ついてました。白と圭が再会した場面でも、懐かしさもありながら、「二人は既に言葉を交わしている様子はなく、噛み合わない歯車のような空気感を漂わせている」だったりして、ぎこちない。圭も当時に比べるとだいぶぬるくなったというか優しい子になったのでそこまではっきりとは言ってませんが、クロと圭の方がよほどパートナーらしいパートナーです。このあたりのことはまた詳しく書けたらな〜というか書くつもりなのでよかったらいつかよろしくお願いします。。 だいぶ話が逸れました。クロが消えたのは圭にとって間違いなく驚きでありショックでした。でも、元々は笹波白だったということを知っていて、クロの方が後から出てきた人格だということを知っていたからこそ、どこかでまた白になる可能性もあることもわかっていたのかもしれませんね。クロの様子がなんだかおかしいことも、圭は間近で見てきましたし。「正直都合いいって考えてたりもしてた」当時の入れ替わりとは状況も感情も異なりますが、圭もクロのことを実はよくわかっていなかった部分も多々あったというのも明らかになり、でも、これ、読み返すと本当、クロに対する言葉というか、感情というか、その点が希薄で、冷静すぎましたね、うーーん自分の力不足というか考えが及ばなかったのを痛感します。 とにかく地獄の一言ですよね。 こういった状況の中残った圭がどうしていくのか、どう思っているのか、またこれから書いていきたいと思うので、どうぞ、見守ってやってくれれば幸いです。これだけ圭のことに着目して考えていただき有り難いですし圭も(苦しんでるけど)幸せ者です。 アランについて。 死んでしまうことは誰もが予想していたと思います。首都編で登場決定した時点で死亡フラグなのは目に見えていました。ガストンも。エリアまで至ることはなかなか難しかったかもしれませんが。その中でどう殺すかというのが問題で、結局(特にガストンとエリアが)割と急な死に方になってしまいそれは反省点の一つでもあるんですが、でも、アランの生きてる間の役割は仰るとおり果たされました。圭とあの短時間で少し距離が縮まって、圭がアランに抱いていたもやもやや怒りを解消させること、完全に考えが合致したわけじゃないけどクロとアランのどうしても越えられなかった壁のこととか、いろいろ、許すというか納得して、まあ、アランもクロたちのことを本当の意味でもう少し理解したところで死ぬんですが。「否定しないで、俺たちにだって少しくらい、かっこつけさせてくれよ」に着目してもらえて有り難い。この台詞は何かとかっこつけたがる圭だから言えることだし喧嘩シーンの「俺たちを守るためとかかっこつけてるけどこういう時だけ都合良く他人を使うなんて〜」の部分とかとも繋がってたりして圭は相当気にしてたってこととか圭がアランに怒った理由の補足とかそういうのをやりたかったのでした。圭の苦しみっていうのは前述の通りなんですが、圭が苦しんでいるというのがこのアランとの会話とかに滲み出てたらいいな。それで、アランは圭に「お前さ」「十分かっこいいよ」と言って、ひとつ和解して、こう素直に言えることって恐らくアランにとっても大きく、この後アランが生き残っていれば圭の心を支える役割は案外アランが担えたかもしれません。 ただ、アランたちトレアス組の役割というのはこれで終わったわけではなく、ニノが死してなお現在に影響を与えているように、彼らの死というのは今後の展開に大きく影響を与えていくことになります。もう生きた彼らを本編で書くことは無いですが、物語は続くし、彼らの死は無かったことにはならないし、ここからアラン達の死についてどう置き所を見つけるのかとかの精神面(?)も、薬の供給源を失った白がどうするのかという現実面もこれからの鍵なのでどうぞ見守ってくだされば……南無。 クロとか白について。 わーーありがとうございます。Page94〜95の雰囲気小説っぷり、私も大好きです。雪崩のような展開の後、完全に立ち止まってしまってうずくまって沈んでいく様が。ぜんぶなくなったと思ったその喪失感や虚無感の美しさとか。 圭を置いていったと思ってくださるのは、それほどとらさんが圭のことを思ってくれてるからだと。そうなんですよね、クロは逃げた。それは紛れもない事実で、今まで堪えてきたし一抹の希望を見失わないよう足掻いてきたけれど。もういいって。自分勝手に。散々、自分のことしか考えてないとアランに言われ続けてきましたが、それでも自分のことしか抱えきれなくて、その自分のことも全部わからなくなって手放して失って、放棄した。黒の団と戦うと、倒すと、声をあげた本人が、黒の団と実際に戦って、それで叩きのめされて、つらいもうやださよならってまじでこいつ勝手だなって思います。でもそれに相当するだけの苦しみは味わっていて、クロがこうまでに至るには黒の団時代の戦いやこの長い旅路約三年分の虚無感や守ってきた築き上げてきたものが一気に崩壊していって黒の団の時の呪縛から逃れていないということもはっきりとわかってそんなの彼の体に持ちきれず。結果的にそれで圭が置いてかれてラナも最後の砦を失って白も一度絶望した現実に戻って、まあ……地獄ですね。 >「笹波白として生きていた自分を殺した」って意味なんだろうなあと〜 あ〜〜〜そうだったんですね。二重人格はバレバレかなと思ってたので参考になりますありがとうございます。 白とクロのこと、いろいろ書いてくださってありがとうございます……。すごく、もう、仰る通り、ちぐはぐな感じで。これ、私の筆力不足で、よかったら補足させてください……白についてのことは、何しろ白は登場してからまだ僅か五話(実質四話)しか経ってないので、これから彼が本格的にメインに関わってくる以上いろいろと解ってくることもあるんですが、白は決してクロのことをずっと見ていたわけではありません。白はアーレイス語を喋れているしクロが体感してきた事実、つまり記憶を共有していますが、決してクロをずっと見てきたわけではありません。起きたときに混乱していると言っているのは彼の知ってる記憶と知らない記憶が混ざって現在に追いつけていないことを示していて、むしろずっと寝ていた感覚に近いです。無駄に大人びさせてしまったのでちぐはぐ感はありますが(反省……)「クロの痛みは誰よりもぼくが知っている」というのは、クロの記憶を継承したゆえの言葉に過ぎないし、ポニータを除けば、間違いなくこの場にいる中で一番クロの中身を知っている人物ではありますが、白は過去に一度自分の殻に閉じこもった人間で、それは深い絶望を感じたことに由来して(詳細はいつかまた)、だからクロがクロの殻に閉じこもったということはそれ相応の絶望を味わったからだと、そしてその事実の数々を共有した白は身をもって理解できる。でも白はクロじゃないし白は言葉ほどクロのことを解ってもいないと思います。白は死にたかっただけだし、零に会いたいだけ。ただそれだけです。ただそれだけ、が、まっすぐとしていて、強いんですが。「……きみの泣きたい分、ぼくが泣いているんだね」が気味悪く感じられた、その気味悪い、という感想、あ〜〜なるほど〜〜となりました。うまく言葉にならないんですが。なんか、気味悪い、なるほど〜〜……語彙力不足で申し訳ない。本当、なるほどです。 白とクロが二重人格というのが解って間もないので、この二人が互いについてどう思ってるか(というかクロはいないので白はクロのことをどう思ってるのか)とか、分かり合ってるか認め合ってるかとか、クロはどこに行ったのか白はどうするのか、また追々書けたら、というか書く、ので、よろしくお願いします……白が出てきてくれたおかげでようやく笹波零のことももっとがんがん書けていけるはず。 真弥について。 わ〜〜ありがとうございます! 好きって言っていただけて、私は彼を書いていて本当に本当に楽しかったんですが、もっとめちゃくちゃやるかと思ったら意外と平衡を保たせるキャラクターになってでも正直好きになっていただけるものなのかよくわからないキャラだったので有り難いです人 残酷で軽薄で容赦が無いのは彼の持ち味だし、何かと(展開上仕方がないですが)感情的になりやすいキャラ、主にラナだったりカンナギ後のクロだったりとうまいことバランスがとれてれば幸いです。彼はいろいろ経験してきてしまってるし見てきてしまってるし割り切ってるからはっきりとしてて強い。その点、圭は割と真ん中に立っていて、だからこそしんどいところもあるんですがそれは今は置いといて。この人が味方にいることで良いこともあればたぶん悪いこともあって、間違いなく彼のいろんな意味での強さというのは黒の団を倒すにあたって必要になってくる中、これからどう動かしていけるのか、楽しみです。 なんというか、何考えてるか解りづらい奴なので、真弥がこれだけ優しい奴だと受け止めていただけるとは思ってなくて正直驚いてます。基本的には主人公はクロ(白)でありラナだから、そちらからの主観が多くなってしまいますし。彼自身は自分のことを優しいとは微塵も思ってなくて、でも、想定していたより悪い奴でもないなというのも書いててもしみじみ。真弥がどう受け止められるかというのは、どの部分を本当の真弥と思うかに寄るかもしれない。でももしかしたらどれも本当ではないかもしれない。「最早何が嘘で何が本当か曖昧になっているくらいには」だから。でも、彼の良さっていうのを掴んでくださって、すごく有り難いです。「命を弄ぶのは〜」の部分も、そう、なんか、ただラナの行為を悲しんだりとか怒ったりとか諫めたりとかそういうのじゃなく、冷静に、客観的に、この展開の行き着いたところを、ラナのことを、ただそう評価している、それだけで。私も好きですこの台詞。 嘘をつかないと言った真弥に、ラナが「嘘ですね」と言う、このくだりというか繋がりは私も好きなので繋げてくださって嬉しいです。ずっとやってやりたかったので、も〜。かき回しながら、粛々とその役割を果たしてくれました。 ラナについて。 彼女の自殺については、白がいなければそんな気さえ起こらなかったでしょう。信じられる人が誰もいなくなってしまって、寄りすがりがなくなって、ちらちらと視界に映るものが破壊であったり死を連想するものになってきて、その中で、白が誘って、そういう手があるということに気付く。白の壊れた無垢な心が優しさに思えて、それがあたたかく思えて、「すごくわかる」っていう共感の言葉って絶大なんだと。正直さっきもさっき会ったばかりでわかるわけねえだろお前に何がわかるねんと冷静に考えればなるはずなんですが、もうラナ冷静じゃないですからね。結局、最終的には、自分の手で白を突き飛ばして、白を生かして、自分は死ぬことを選択した。 ブラッキーのところの描写はとにかくスピード感や切迫感を出したくて必死だったので、嬉しいです……! ラナほんっっっっとにぶれっっっっぶれなんですよね。もう、だから、本当に書きづらいのなんので、その割に心理描写入れなきゃで余計に……なんかもう……一番心理描写がきつかった覚えがあります……主人公なのに。ぶれてるのは、彼女の中にほんとうにいろんなことが洪水のように襲いかかってて、良くも悪くもそのひとつひとつに真面目に対応しようとしたりしてるからっていうのも一つあって、敵味方関係なく言葉や事実に翻弄されるし、危ない……。なんか、そのぶれぶれ感はただ単に私がラナを書ききれていないからで、ラナの考察とか設定掘りが足りてないからだと私は思ってるので、上手い、と、言われると有り難いと共に申し訳なさが。いや、ありがとうございます。 >力もないし守られる立場だから。そういう状況の中で何か掴もうとして、生きようとして、壊されて、どんどん壊されてあっけなく崩れて、一回もう、全部崩壊して……〜 そうですね〜〜ラナは、結局、何もできなくて、自分一人でずっとうじうじ悩んでいて、そうしている間に、いつのまにか、何もかも無くした信じられるものが無くなった、と思った。全部壊れた先、どうやって彼女が、クロとか圭とか真弥とか、そういう、支えてくれた人、助けてくれた人のいない環境で、自分を組み立てていくんでしょうね。 ノエルは今回の首都編でほとんど唯一希望を見たキャラで(いやポリゴンがぼろぼろになったので希望といっていいのか難しいとこなんですが)、誰かに縋ることで生きてきていたり特別異能的な力を持っているわけでもない、彼だって今まで死を考えたこともあれば絶望に浸ったこともある、そういう彼だから、ラナに次の道を提示できたのかもしれません。そんな自殺にまで至った彼女に休めとも言わず行動を促したのは、親バカ()思考作者からすると鬼だなとも思ったりしたのですが。恐る恐る、一人で、ノエルの力を借りて、作戦を決行して、「嘘ですね」と真弥に一矢報いるくだりは首都編でずっと目指していたゴール地点でしたが、これまでの展開を経たラナの象徴的な一言だと勝手に思っていて、嘘をつかないと告げた真弥にこう言ったというのは、ラナが、寄りすがることで保っていたラナが不信を選んだということが大きくて、あなたのことは信じないという意味を籠めていて、だから、真弥は「それで正解だよ」と言う。そういうのを籠めていたのでした(?)この二人の関係性、好きでした。 で、太陽。ここ未来と言っていいものなのかなと迷ったりして、彼女が連想したのは過去ですし、でも、彼女は生きてて、命の炎は燃えていて、その前にあるのは、確実に、どうあれ、未来なんですよね。どんなに先が見えなくても未来なんですよね。決別でしたね。金色に輝く未来。いや、未来がどうなるかなんてわからないですし、そりゃもう彼女の前にあるのなんて困難ばかりだろうし金色とはかけ離れているかもしれない、でも、生きてみないとわからなくて、何が待ってるかなんて何がどうなるかなんてわからなくて、死んだらそこで終わりだけど、生きてさえいれば、勝ちです。勝ちなんです。首都編はどうしても死の方が強調されてしまうんですが、最後の最後に、全然前向きにはなってないけど、生きること生きるとは未来があることそのこと自体を照らし出した、そういうイメージなのでした。わけわからんですいません。 最終回みたいですね、俺たちの冒険はまだまだ続きますね。実際一つ区切りつくところなので、最終回っぽさはイメージしてます。ぶれてきて、壊れて、積み重ねなおして生まれ変わるラナが、金色の光に焼き焦がされることなく、強かになれるといいけどなあ。まだほんとに若いのに何をこんな重みをかけているのでしょう。ラナに限った話ではないですが。 文章についてフォローありがとうございます><励みになります。。。ただただ破壊の連続で鬱展開の連続だったので冷静な目で面白いといえるものなのか正直面白くはないのではって感じで終わってしばらく経った今ももやもやですが、そう言っていただけるとひとつ安心します。。。なんというか、こんなにがっしりと感想をいただいて、続きを書きたい(というか書かなきゃ)という気もちょっと沸いてきました。ほんとう、怒濤すぎて読んでどう思われるのか不安だらけでずっと宙ぶらりんだったので、客観的に見てこう思った!!とはっきりと言っていただけて自分では見えなかったいろんなことがわかったし考えさせられたし嬉しかったしうっかりしてると視界が滲みますし本当にありがとうございます、ありがとうございます。いろいろ言いましたが、とらさんが読んで思ったことがすべて(?)です。お返しできてなくて受け取ってばかりで申し訳ございません。何度でも言いますが嬉しかったです;▽;貴重で貴重でそして貴重な感想というクリスマスプレゼント、本当にありがとうございました〜〜〜!!!!!! 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