HEROSHOW > 第1章 > 03 第2話:白紙 を読んだ感想 | ||
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投稿者:黒須 良太郎 2013/11/01(金) 01:20 | |
[表示] 鈴志木さん、こんばんは。HEROSHOW読みました! だいぶ前から気になっているタイトルの一つでしたが、時間を取って読むことができてよかったです。ツイッターで勝手に語ったのと被るところも多いと思いますが、何も考えず感想を書きますね。 まずこのタイトルが気になっていた理由ですが、一つは飛馬ちゃんの紹介として挙がっていたことです。あれに上げられているのは、めめさんが個人的に選んだものなんですよね。副管理人が認めた面白さがどんなものか、ポケノベの誰かよりも飛馬を一番先にフォローした私にとってはあそこに挙がっているのは気になるのです。 そしてもう一つの理由は、鈴志木さんがワタル好きであり、そのワタルが主人公であるのがこのHEROSHOWであるという点です。私にとって二次創作とは好きでやってなんぼと思っているので、その愛情が詰まった今作はきっと面白いはずだと思っていたんです。 そんなこんなもありつつも、既に大長編に分類されている本作はなかなか手につかないところがありました。私も連載長編を書いているのでその苦労がわかるんですが、続けば続くほど新しい読者を引き込むのは難しくなっていくんですよね(苦笑) ところがそんなことを全く気にしないどころか、むしろ長いことが喜ばしいと感じるほどの魅力を持っていたので、まだ最初の方ではありますが率直に読み始めてよかったと思いました。 で、本題の感想に移りますね。 まず今作の特徴として挙げられるものとして、人間キャラの多くが原作のキャラであるという点がありますね。鈴志木さんご自身も仰ってましたが、このことについてはデメリットと言いますか、注意点もあるので書く上では苦労もあったのではないかと思います。 ですが、私が受けた印象としてはどれも全くイメージと異なることはなく「こんな○○、私の知ってる○○じゃない!」なんてことは全くありませんでしたよw グリーンがだいぶあれなのでグリーンのファンであれば多少抵抗はあるかもしれませんが、私は今作のグリーンを見て原作から伺える様子を強調して書くとこんなこともありそうだなと感じたので違和感なく受け入れることができました。 また他のキャラクターについてはさほど原作とは違わないものの、全体的に原作の数十文字の言葉からイメージされるものを強調して書かれている印象を受けました。そのおかげで現代と比べ台詞の少ない印象のある初代四天王たちがそれぞれ個性溢れるキャラクターとして映りました。 またこれはむしろ原作キャラを採用する際のメリットだと思いますが(今のところ)ほとんどオリジナルキャラが出ないおかげで、名前を覚える手間がない点も読みやすかったです。あまり名前を覚えるのが得意でない私にとって結構重要なことなので、誰がどんな動きをして何を言っているのか把握しやすかったです! さらにこれも原作キャラを採用する際のメリットなんですが、ビジュアル面での想像が容易な点も場の把握のしやすさに繋がっていました。とはいうものの、鈴志木さんはそれに頼り切らず例えばワタルのマントのような、特徴的な部分はしっかり丁寧に表現されていたのでなおよかったです! 全体的に原作キャラを採用する際のメリットばかりが感じられたのは、他でもない鈴志木さんのキャラクターへの愛情とリスペクトによるものだと思います。ポケスペを始め、ポケモンの人間キャラは名前と姿だけ同じで全く異なる性格付けをされることが多々あるため変更も許容されやすいのですが、鈴志木さんは物語に関わる重要なポイントのみ変更されていたので自分の知っているキャラとして受け入れられました。本当にこれは愛ですよ!愛!! と、なんか物語そのものについてあまり触れていないのでそちらのほうも。 本作冒頭にあるオリジナル設定は、まさしくタイトルにもあるHEROSHOWに繋がる重要な部分ですよね。これによってワタルの動機づけがされており、行動や思考にとても納得がいきました。個人的に「HERO」や「憧れ(または夢)」と言った単語は私も大好きで、故にワタルの気持ちにかなり共感できた点もよかったです! 私が読んでいるところまでですと、まだこの(イベントの意味の?)"HEROSHOW"のシーンは出ていないのですが、そこに繋がるまでの導線がしっかりされていて、キャラクターの心境に共感できました。個人的によかったなと思うのは、ワタルとキクコのやり取りや、清掃員(だったかな?)のおじさんとワタルのやり取りのシーンです。どちらも決して長くないシーンですが、こういう短いシーンの中に温かみを感じられたのはすごくよかったです! あくまで私個人の好みなのですが、全てが文章で表現される小説においてはビジュアル面はあまり重要ではなく、舞台の表現のために長々と情景描写をされると退屈してしまいます。ところが鈴志木さんは情景描写はもちろん、技の描写なども決してくどくなく、さりげなくキャラクター同士の温かさの演出や動機づけを表現されていたのでスピード感がありました。 これはもう本当に大事で(同じ作者であるという立場を捨てて完全一読者という立場でいうと)作者の都合のために(説明も兼ねて)読まされてるという感覚が全くなかったんです。この塩梅って言うに易く、行うに難いところなんですよね。それをちょうどよくできてるのは、鈴志木さんのレベルの高さを表してることに他ないです! と、だいぶ長くなりましたが最後にもう少し。 ツイッターにも書きましたが、今作は鈴志木さんだからこそ書ける作品だなと感じました。上記にもそれに関わる部分はいくつかお話しましたが、特に感じられたのはワタルの夢と現実に悩む部分です。 これはきっと結婚もされて、大人の社会や現実の厳しさを知っている鈴志木さんだからこそリアルに表現できたのだと思います。一方で闇雲に写実的な厳しさを描くのではなく、ワタルの葛藤に見られるような夢への想いと言った理想や明るさの部分もあるのがとても好印象でした。 私が二次創作ものを読んでいて多々感じる点なのですが、やたらと暗い印象を受けるものが多いんです(特に冒頭)それが今作はむしろ夢や憧れといった希望的な部分から描かれていて、これも鈴志木さんの明るい人柄が成せるものだなと思いました。 私が読む上で意識することの中に、作者をもう一人の主人公と置くことがあります。これは作品を通して作者の経験を垣間見つつ、その心に触れるということです。これをすることで「この人はこんなのが好きなんだな」「こういう価値観を持ってるんだ」といったことが分かってくるんです。モノ作りはその人以上のものは作り得ないと思っているので、意識に関わらず作品には作者の価値観というのは絶対出ると思います。それを前提とし私が今作から感じたものは、鈴志木さんだから作れる作品なんだなと感じるのに十分過ぎました。 なんていうんでしょうね、もう長ったらしいので直感的な言葉で言います。 『エンターテイナー鈴志木ってスゲー!!』 ってことなんですw これだけ言えばもういいです。満足しました(蹴 私自身ワタルのように大切にしている夢があり、一方で現実に悩むことが多々あります。これは完全に個人のことではありますが、偶然か必然かこのタイミングでHEROSHOWを読み始めたのは、ワタルや鈴志木さんと一緒に"プロとは何か"ということについて考えられるチャンスだと思ってます。 最近ですと同じ作者として良いところを吸収し自作に活かせるよう読みながらストーリーやキャラクターの構成について分析するんですが、今作はそれをすることさえ忘れるほど、今自分が直面していることに真っ直ぐにぶつかってくるものでした。 そんなHEROSHOW、まだ2話までしか読めていませんが、本当に読み始めてよかったと思います。これからこの作品を楽しむことを通して、自分も一緒になって成長できたらと思います。 自分でもまとめられないくらい意味不明で長ったらしい感想すみません(苦笑)作品とは無関係そうな個人的な話までしてしまって申し訳ないですorz 以上で今回の感想は終わりですが、引き続き時間を取って読んでいきたいと思います。鈴志木さん、これからも応援してます! [05]
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投稿者:鈴志木 2013/11/02(土) 00:41 | |
[表示] 第一章二話の時点でこれだけ多くの感想をいただき、大変光栄に思います。書いてて良かったです、本当にありがとうございました。 ご指摘のグリーンは初代の印象を膨らませ過ぎ、ちょっとやりすぎましたがこれから徐々に成長していきますので、注目していただければと思います。最も改変しているキョウの設定を受け入れてくださればきっと他のキャラクターも大丈夫かと! プロアスリートの理想や夢、ポケモンバトルを仕事とする現実との葛藤や苦労を書きたかったので、舞台はそれが際立つようにほぼ現代、それも日本の一地方という設定にしています。そのため原作キャラの設定に色々手を加えていますが、イメージは大切にし勿論全員リスペクトしています。 また、この作品を「私だから書ける話」と評していただき、大変嬉しく思います。今までの経験は無駄ではなかった!笑 私自身は早々に理想と現実の折り合いをつけ、何だか小さくまとまってしまったので、せめて創作くらいは現実に直面しても信念を曲げずに結果を出し続ける「ヒーロー」を書きたかったんです。 というわけで、ポケモン界のスーパーヒーロー・ワタルの今後の活躍にご期待ください!笑 色々欲張ったせいで現時点でとんでもなく長い小説になっていますが、お時間あるときにでも読んでいただければ幸いです。黒須さんの情熱溢れる感想、大変励みになりました。重ねてお礼申し上げます。 今後ともよろしくお願いいたします。 [06]
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