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デリバードからのプレゼント > デリバードからのプレゼント > 16 僕は忘れていた を読んだ感想
投稿者:氷飴 評価:良かった。 2013/05/16(木) 09:21
 僕もポケモン二次創作小説を作っている者のはしくれとして、常々疑問に思っている事があります。どうして彼等は無性に冒険したがるのだろう。少なくても僕はこの物語の主人公の頃、冒険なんてしようと思わなかった。だからポケモンを一匹持って自らの住む家を捨てて旅立つ少年の理由が今ひとつ分からない。無論僕だって小説を書き始めた頃は、僕の作品の主人公は何の理由もなしに冒険を始めていたし、もしかしたら今もそうかもしれません。
 何故こういう事を書いたのかというと、この作品にはそんな僕の些細な疑問を吹き飛ばしてしまう力がある作品だと思ったからです。勿論読んでいる途中にはそういう疑問を感じました。でも、ポケモンの世界なんてみんなそうなのかな。と読んでいて思いました。みんなチャンピオンに憧れて、あるいは大好きなポケモンと天下を取る事を夢に旅に出る。実際の所は夢は途中で叶えられなくなってしまうけれど、どこかこれからの人生で旅での経験が生きているんだろうな。ってこの物語の主人公をみていたら思いました。
 あんまり安易な感想は良くないのかもしれませんが、第二段落のたった一文から早蕨さんのこの作品への渾身の気持ちが伝わってきました。僕も一度で良いから作品にかける思いという物を読者に伝えてみたいです。
 一つ残念だったのは、表題にある"僕は忘れていた"対象であるぬいぐるみの扱いでしょうか。確かに旅に出る前の描写があるのですが、表現が弱すぎていきなり出てきた感覚がどうしても拭いきれませんでした。確かに秘密基地にある様々な玩具の中で特別にスポットを当てる事は後の展開を予想させてしまいますし、かといって様々な物への思い出を作っていては物語自体が冗長になってしまうのは分かるので、難しい部分だと思います。でも、そこを描写する事が出来たら僕はもっと主人公の悔恨を感じる事が出来たのかなあ。と思います。
 とても読みやすい作品で、気がつくと読み終えていました。良かったです。素敵な作品有り難うございました。
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投稿者:早蕨 2017/08/16(水) 14:57
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