ポケモン不思議のダンジョン 勇気の探検隊 戦場のボーイミーツガール > 第四章 戦場のボーイミーツガール > 16 第四十七話 過去との決別 を読んだ感想 | ||
投稿者:とらと 2021/03/16(火) 19:55 | ||
[表示] 第四章読了しました!ヘビーな章でしたね……!!初っ端からどん底に叩き落とされるような展開ですごいものを見始めてしまったな……と言う感じでしたが、続きが気になってどんどん読み進めてしまいました。ヘビーだけど、ツイッターでもお話ししていましたが、鬱展開という感じではないんだよな。キャラクタたちが諦めないから、というのは本当におっしゃる通りだと思いますし、また彼ら探検隊の中に状況を打破できるだけの若い力が、希望がみなぎっていることが常に感じられるからなんでしょうね。肉体的だけでなく精神的にも、職業柄なんでしょうが、強い子たちばかりだなと感じます。彼らが強いから、読者も恐れながらも希望を託して読み進めることができるんだろうなあ!ヘビーな場面でも読者にストレスを与えない方法という観点でハッとさせられたというか、とても勉強になりました。またキャラクタたちの魅力だけでなく、読ませる力というか、読者を次の展開へ連れて行くパワーみたいなものが物語や文章の中にすごく溢れていたような気がします。表題ど真ん中の回でもありますし、作者さんの熱の入れようがじかに伝わってくるようでした。凄かったです……!! 冒頭のもじもじシーンからの急転直下、言葉通りの地獄絵図から、探検隊ベースに集まって分かる凄惨な状況(誰が死んだって報告するしかないのシーンの惨さが生々しくて凄かったです)、エルド説得シーン(いや本当によかった)、修行(ひどすぎない??他に方法はなかったのか(ないんだろうけど……笑))、などどのシーンもとても印象的ですが、やはり教団突入以降の流れが熱くてよかった!!仲間が次々現れて皆であの手この手で強敵に立ち向かう、これまでの鬱憤を晴らすかのような突き抜けた熱さでした。ボスゴドラ戦すごく読み応えあって楽しかった!! そしてその最後にライがシオンの元に駆けつける、という流れがたまりませんよね。ゴトーという恐怖のもとで、唯一の探検隊として気丈に振る舞ってきたシオンの感情が、ライとの合流で決壊する瞬間が、すごくよかった。 > 「こわ……かった、よう……!」 この言葉を、極限の孤独の中で彼女がどれほど耐えてきたことか……!! 怖かったし苦しかったよね……その強くて苦しかった画面を彼女が乗り越えることができたのは、彼女の頭の中にいつもライがいたからですし、ライがここまで強くなってシオンを迎えにこれたのも、ライの心の中にいつもシオンがいたから。なんだかもう……彼らはコンビ……二人でひとつの探検隊……お互いが唯一無二の存在……なんだなって……グッときました。彼らの心の繋がりが本当にもう……言葉では言い表せないくらい……尊いです。 ゴトー書くの難しいんだろうなって思います。こういう超人的な過激な思想の持ち主って、普段からこういう思想やその持ち主のことを学んでいないと、それらしい雰囲気を作ることすら難しい気がします。私は宗教とか哲学とかには大変疎いので余計そう思います。でも読み進めるほどに彼はどんどん惨めな俗物に見えてくる。ゴトーが本気でキレたのが、ライに「どっちが劣等種か分からない」と煽られた瞬間だった、ってのが、彼がただの驕ったヤドキングでしかなかったことを如実に表していてよかったです。 気になってたライの詠唱が遂に!(新詠唱の引っ張り方がテクニカルでした!!)正義の執行者の成れの果て。『伽藍』という言葉は清浄な場所、を表しているのかなと推察します。ライの清浄な場所とはやはりシオンなんだろうか。ライは清浄なるシオンを守護し、シオンはライを救済する……そういうことですか?そういうことかあ(照)あのライが英雄になったんですよ。探検隊基地であんなに浮いてトゲトゲしていたライが、みんなに囲まれて、英雄とか言われてるんですよ!!奥さーん!!ライが英雄ですよおー!!!(勝訴の紙を持って駆け回る私)なんだか夢のようですよね。大変な事件でしたが、彼らはこの事件を乗り越えてたくさんのものを失った代わりに、強さと仲間を手にしたんですね。 その清浄なるシオン(決めつけがすぎませんか?)のメインウェポンがシャドーボールというのにずっと違和感を感じていたんですが、ハーヴィ家という彼女の血族に関係しているのかもしれないなと思いました。何か血に濡れた過去がありそうです。なにもかも破壊しそうな呪われ感があります。開けてはならぬ箱感が……シオンの出自もすごく気になりますし、そのなかで彼女がどうやってこのような献身的な性質を手に入れたのかも気になります。 事件後のアクセサリーショップの流れがとてもしんみり→胸熱→ウフフで綺麗でした。本章のお話の締めとしてこの上ない出来栄えで凄く良かった〜……シナリオの作り方運び方が美しいなあと度々思わされます。悩んで決めたプレゼントちゃんと渡せてよかったなあ。章頭のモジモジから本当に遠くまできた気がしました、作中時間では一瞬のことだったかもなのですが、彼らを取り巻く環境はたくさん変わったよね。お互いにプレゼントするなんて展開は、初期のギスギス極まりない二人を振り返るとまったく想像もつきません。本名を教え合うのがまた象徴的で好きです。 > このまま夜を凍りつかせたかった。 こんなに暖かい「凍りつかせたかった」があるだろうか……!!なんて美しい一文。心に響くシーンでした……!! 他の作品を読んでいても時折思うことですが、本作の「探検隊」は、彼らの活動内容や彼らに賭けられる期待という点で「探検隊」と言う言葉のイメージからはかなり逸脱していると思うこの頃です。この世界の一般ポケモン、探検隊に負荷をかけすぎですよね。探検するんやぞ??(?)街を襲撃されて痛い目を見たから探検隊のせいってお前えぇ……うそやん……勝手すぎない??お前も技使えるんちゃうんか??お??探検隊だって強いけど、普通のポケモンなんだよぉ……!!都合の悪いときにストレス発散のために槍玉にあげられる感じが、現実の警察や自衛隊みたいでリアルだなあ思いますし、探検隊の皆は生真面目に彼らの期待を背負すぎだと思います。子供じゃん!!探検しようよ!!(???)原作もこんなんなんでしたっけ!?原作プレイしてるんですが、なんか世界を救ったような気がすることしか覚えてないので、このあと世界が崩壊の危機を迎えるんだと思います。でもここから明るい話になるって作者さんが言ってる!!よかったあ!!ライとシオンのロマンに溢れたお宝冒険譚とっても楽しみにしています!!!(?????) [13]
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投稿者:竜王 2021/03/17(水) 23:42 | ||
[表示] とらさん、力の入った感想をありがとうございます! 頑張って書いた章なので丁寧に読んでいただき嬉しいかぎりです。それでは返信させていただきます。 感想で言及されているように、本作では探検隊が苛烈な環境で生きていると考えて表現しています。特に、トレジャータウンを守るために血生臭く戦う場面は力を入れました。そして、精神的にも肉体的にも(特に大人たちは)成熟している存在として書いたので、その点に触れていただき嬉しいです。 原作のファンシーな表現も好きですが、いろいろと考えていると「冷静に考えて責任重すぎじゃない?」という結論が出たのでこんな風に書かせてもらいました。ともあれ、原作とはかなり遠く離れた存在なので賛否あると思っていたのですが、そこを受け入れていただき嬉しいです! 四章の流れを褒めていただきありがとうございます。おっしゃる通り、最初にほっこりする場面から始め、何段階か落としてから最後に全員集合でギアをあげてまとめるのは自分でも狙った構造なので、書いていてとても楽しかったです! 特に、表題回は自分でもどうやってここまで持っていくかかなり迷っていた回なので言及していただき幸いです! 二匹がどう再開するか、そして彼らが互いにどのような存在であるのかという結論を書ききることができて満足です。表題回収の回はその部分を表現したかったのです( ´ ▽ ` ) 彼らの関係は、こう、言葉に表せない「何か」だと作者は考えています。ともあれ、それなりに歪んでいる彼らの関係性の今後をお楽しみいただければ幸いです。 ゴトーさんは書いていて楽しかったです。最初は過去とか書こうと思っていろいろ考えていたのですが、過去があるから救いがあるようなキャラでもないなと思ってその部分はばっさり切りました。一応、彼なりに哲学はあるのですが、それをライたちが聞くわけがないと思い喋らせるのを諦めました。どうしようもないポケモンだとライが喝破している通りです。 おっしゃる通り、伽藍には色々な意味を込めていましたね。前章から本章初めまで何もかも失い、そこでゼロから掴んだものが伽藍ですね。多分彼には伽藍しかなくて、それ以外の何も手繰り寄せるものがなかったのかもしれません。ライにはシオンを守ることしか考えられず、それ以外の何も理解することができません。だからこそ、その純粋な思いが昇華させて力を得たのでしょう。英雄になりたかった彼が、それを諦めて得たものが英雄だったとは皮肉な話ですが、そこで得たものがあるので英雄にこだわらなくても良くなりました。 シオンは本作の核を担うキャラクターですね。メインウェポンがシャドーボールというのも自分が狙っていた箇所なので、そこを読み取っていただき嬉しいです( ´ ▽ ` ) とらさんが言及しているように、シオンの出自と過去はパンドラの箱ですあの献身的な姿勢や時折見せるポテンシャルの高さは彼女の過去に何かあるのかもしれないです。書いていて思うのですが、ライよりもずっとシオンの方がどこか歪んでいるのがいいですよね!!! 事件後の「過去との決別」は自分なりにまあまあ書けているところだと思っているので褒めてくれてにこにこしています。エネコロロとの対話は急に発想の方がやってきたところなのです。シオンが「思いません! いつだって、始まりに遅すぎたなんてないはずです!」という場面が特に気に入っていて、この章でのシオンの成長が象徴されていて気に入っています。 あれだけ最初は微妙な距離感を保っていた彼らも、気がつけば遠くにやってきました。花をつけたイーブイはかわいいですよね……わかる……。苗字もシオンにとっては忌みて禁ずる過去のもので、ライにとっては記憶を失う前の「自分」でした。それをお互いに口にしたのが、まさに「過去との決別」でしたね。最後の一文も気に入っていて、「夜を凍りつかせたいと思った」の部分は締めとして「これしかないやろ!」と思っていました。 原作はもっと可愛らしくてファンシーです!!! 多分、原作ファンからしたら解釈違いも甚だしく刺されても文句は言えません!!! 僕自身が胃がキリキリするような描写を重ねたかったのでこれだけブラックになっています。ただ、原作をプレイしているときの違和感として、「どうして世界の危機を一ギルドに託しているのか」「どうして探検隊なのにお尋ね者を捕まえなければいけないのか」というものがあり、そこからこの小説は生まれました。なので、彼らにかかっている期待や厳しい視線もあの世界だったらあり得なくないかなと思いました。そのうえ、子供達には残酷ですが、「大人になれ」という厳しい現実がそこに横たわっています。だってポケ九割搾取ですよ!? やりがい搾取反対!!! それでも、彼ら自身はこの探検隊という職業にどうしようもなく魅了されているのだと思います。彼らが現実や理不尽と戦って戦って戦い続ける場面はどうしても書きたかったところです。 それではまとまりのない文章ですが、これを以って返信とさせていただきます! 明るくなる……こう、ジェットコースターは登る場面が必要ですよね!!! 本当にありがとうございました! [14]
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