叛骨の強奪者 > Second Stage - EX-Team Rocket part - > 06 Phase 25 心の交換 を読んだ感想 | ||
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投稿者:とらと 2017/12/30(土) 23:16 | |
[表示] 3話分拝読しました! 海底遺跡を進んでいく描写が凄く面白かった……風土・情景や人・ポケモンのその土地ならではの生きざまなんかも今作の見所になっていますね。 遂に衝突する二人、なるほどホオズキさんもまた内通者の存在を探っていたと。熱いですね……すっごく熱いことは分かりますが7割くらいしか理解出来ていない気がする、この魂のぶつかり合いの深部まで理解出来ている自信がないです とても難しい(何が分からないのかもよく分からない模様 なぜホオズキさんが『苦しむポケモンを見ていられない、という思いを起点として自分のポケモンを殺そうとするという行動に至れる』のか……とか……彼がヒイラギさんを強く憎んだのは理解できるんですが、マナフィの姿を見て心を痛めた人が追い詰められて己の手持ちに自滅を命じる心理状態が分からない……マナフィの姿に重ねた『彼女』というのが彼にとってそれほど、ということなんでしょうかね) ただ彼らの生き様や覚悟は我々のような常人には到底辿りつけない境地(なんというか歩んできた人生的な意味で)に存在するからこそのものであり、心理状態を全て推し量ろうとしてもそれは無理なような気もしたりしてます。カッコイイ台詞とカッコイイ描写の応酬が白熱する様を「おお……!!!(手に汗」と眺めている今の状況も読み方としてナシではないかな! ヒイラギさんVSホオズキさんパートはまたもう少し進んだ後にじっくり読み返してみたいと思います すっごい思ったのは(感想としてあんまり適切ではありませんが)『年下のヒイラギさんの前にホオズキさんが屈する』というシーンを描くのはかなり難しいなと。めちゃくちゃ噛み砕いて言えば『若者の情熱を受け、大人になって忘れていた大事なものを思い出す』というシーンだったのだと思うのですが、それにしてもホオズキさんは肉体的にも心理的にも徹底的に敗北しますから。三人組の中では飛び抜けて長く人生を歩んできている彼、しかもこういう一見成熟して二人の若さを一歩引いて眺めていたようなキャラクタが、主人公であるヒイラギにここまでほぼ一方的に『してやられる』のは、シナリオ的に相当勇気の要る展開だなあと個人的には考えます。下手すると主人公補正ばりばりのチート感満載シナリオになってしまう。しかしその展開に説得力を持たせたのがハートスワップと波導遣いという合わせ技。ホオズキさんは感情を曝け出すような下手を取るキャラクタではありませんでしたが、体を交換するという状況の異常性をもってホオズキさんの心理状態を剥き出しにすることを可能にしている。入れ替わったホオズキさんがヒイラギさんを羨望し、己を省みていき、己の劣等を認め、相手の若い生きざまに憧れを抱いていく。なんか……彼が大人だって点を考えれば考えるほど赤裸々に思えて……ワ〜ワ〜ッてなりました……ホオズキさんが好きなので……。いやあ技や設定の使い方が面白くて関心させられっぱなしです……! そしてヒイラギさんが自分の波導の色を聞いて表情を和らげるシーンがとても印象的でした。なるほど、自分では見えない。波導遣い的にはやっぱ自分の色って気になるものなんですね……どんな意味があるのかなあ……カメックスブルーですね! ホオズキさんの本音、いやあね、そうよね。どんな不遜な態度で威圧していたといえ、みんな虚勢を張ってつまらないことを考えている。何度も言いますがかなり年上らしいキャラにこういうことをさせる展開ってのは凄い、そしてスナッチャーの間には年齢もなにもないんだなということをこの時点で痛感いたしました。上も下もないんだな。 ホオズキさんの護るべき宝、そして「ジュノーには逆らうな」の言葉の意味とは。マナフィを連れていってしまいましたが、ヒイラギさんこれからどうなる、そしてイトハさんとスレートさんは……? スレートさんとの話し合いの時にも思いましたがやはりヒイラギさん強い、しかしなんだかとっても危うい。はやめさんがあと〇話で物語がひっくり返ると度々仰っていることも気になります……一体何が起こるのだろう…… 何一つ纏まりのないボンヤリした感想で申し訳ない、読み力のなさが露呈する系の感想はあまり表に出したくないんですが、ぜひともはやめさんには語っていただきたく……!笑 語りたいところだけ語ってやってください!! 頼みました!! カモン!! ではァ〜!!(逃走) [08]
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投稿者:はやめ 2017/12/31(日) 14:35 | |
[表示] とらさん、感想ありがとうございます。 海底石膏洞窟やマナフィのくだりにはもはや趣味の領域が差し込んでいる気がしますが、割と好評ですので、これから必要に応じてそういった描写もより心がけて行きたいと思いました。 さて、今回の感想を作者的には大変ためになるというか、目から鱗の思いでしたので、精読させていただきました。とらさんの感想をもとに、主に3つの要点について触れて行きたいと思います。一応弁解みたいな苦し紛れではなく、すべて思惑あって書いていることなので、こちらも自信をもって返事しようと思います!笑 今回はちょっと自分でもアツめに書きました。 今回、内通者編なのですが、自分の想像以上に難しい展開になってしまった感は否めません。正直、隅から隅まで小説を読んでいても今回の謎解き関連は分かりにくいなと自分で思いながら書いた部分はあり、そういう甘えをバッサリ指摘してくださるのは作者としては有り難いです。 何が難しいのか分からない、と仰られています。この言葉を端緒に、自分でもこれからや今までの展開と照らし合わせて、考えてみたのですが、恐らく「このキャラがこういう言動をとる理由」を明かすのが、大方後回しになっていることが一因ではないかとやんわり推測しました。 というのも、例えば以前言及していただいたスレートの内通者に対する憎しみでは、これも解明されるのが後なので、記憶に留まらず、忘れた頃に話の一部として拾われて登場人物に語らせているので(一応、そのため注意深く、なんとなく読めばおのずとそんなことがあったなレベルで思い出せるようにしよう、という心がけで書いてはいますが)、どうしても「ん?」という風に引っかかってしまうのだと思います。 基本的にaという言動をとる人に、bという真意が隠されている。しかし、aを遂行するときにbは隠されたまま、語られず仄めかされるのみである。内通者関連の展開はこんな騙し合いの流れが多いので、その時点で理解するとなると、首を傾げてしまう部分が出て来てしまうと構造分析しました。ですので、心理の分からなさは、こうした構造上の問題も影響しているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 個人的に、あまり読解力を試すような生意気な話は書きたくないので、純粋に次回作以降の反省点として受け取らせていただきます。 あと、小難しい謎解きはだいたいこの章で完結して、以降はテーマを変えたもうちょい分かりやすい話になります。 ただ、とらさんも仰っていたように、私自身も人様の小説を多分7.8割理解出来ていれば僥倖ぐらいの気持ちで読んでおりますので、そんなに理解しなければ全く頭に入らないというレベルでなければ、気楽に読んでくださって大丈夫ですからね! 文面から熱意と相当な読み込みが毎度伝わってきますので、作者としてはその想いに応えなければならないと思って、こういった内部の話もさせていただきます。 一応Second Stage読了後、Opening〜Secondが読みなおした時に腑に落ちるようなつくりになっているとは思うので、正直ここは長い目で見てくださいと言いたい部分もあります。ですが展開的に功罪ありますね。 続いて、ホオズキの心理状態ですが、これはそれほど自分の中でおかしいとは思っていません。というのも続きをお楽しみに、と言わざるをえない部分もあるのですが、彼の過去や現状の背景に基づいた極限状態です。自分で実現したいことと真逆の行動をとらせることで、理解不能な程の屈折を示そうと思って書きました。でも、これをヒイラギが全部解決したらあんまりじゃないですか。自分のポケモンに対する不始末は自分で責任をつけさせようと、ここだけは守ろうと思いました。反省した人にまで罰を下す気は無いので。 あと何かを護るために、何かを失うような決断をするのも、また人間の不可解さではないかと個人的には思っています。というと、とらさんが仰ったように「ただ彼らの生き様や覚悟は我々のような常人には到底辿りつけない境地(なんというか歩んできた人生的な意味で)に存在するからこそのものであり、心理状態を全て推し量ろうとしてもそれは無理なような気もしたりしてます。」というお考えで、私自身も書いているところがあるかもしれないなと気付きました。叛骨のキャラは、名前も声も知らないのキャラとはやはり別物で、人間の醜さ・弱さをなるべく集結したようなキャラを書くようにしています。ヒイラギが初期の頃に「理解してもらえない」と呟いていたのはそういうこともあります。 「ヒイラギを倒さなければ大変なことになる」という彼の予感が、焦燥・劣等・切迫などと絡み合って、ゴルーグを苦しませる<<<スナッチャーの現状を打破する<<<自分の背景にある「宝」を護る という悲惨な優先順位になりました。ヒイラギはいかにも罪を償わせたかのように振る舞っていますが、私はヒイラギもまたろくでもないトレーナーだと思って描写しています。 あとゴルーグが命令に逆らわず遵守するという設定を持ったポケモンでしたので、主人に忠誠を誓うゴルーグの性格を理解した上で理解してくれるだろう、といったホオズキのおぞましい甘えもあった上での命令ですので、歪んだ双方向の関係性をイメージしています。というわけで、ゴルーグとホオズキについてはのちのち掘り下げていく予定です。もうちょい分かりやすく表現出来るとよかったんですけどね〜〜……いや、勉強になります。 続いて『年下のヒイラギさんの前にホオズキさんが屈する』という展開について、自分の考えをば。 まず、 >主人公であるヒイラギにここまでほぼ一方的に『してやられる』のは、シナリオ的に相当勇気の要る展開だなあと個人的には考えます。下手すると主人公補正ばりばりのチート感満載シナリオになってしまう。しかしその展開に説得力を持たせたのがハートスワップと波導遣いという合わせ技。 えっとですね、個人的にここは拝見していて面白いなと思いましたww ある種、ここからは完全に狙い通りの反応でした。 とらさんの感想で楽しみな点のひとつでして、叛骨を割と分解してシナリオ構造として見ておられるんですよね。以前、スナッチャーを最初から負かす展開の是非について言及されていましたので、叛骨の強奪者は自分が思っている以上に或いは挑戦的な作風を平然とやっているのかもしれない、と思い始めました。それでどこまでいけるか、許されるのか、試してみたいところではあります。書けば書く程怖くなるけど。 この展開を書く前、ホオズキについて期待してくださる、或いは結構好きです、という御声をいただいていましたので、彼を落とすことになる展開はやや怖いなあと思いました。でもそれで当初の展開を曲げるわけにもいかないので、断行しました。 >しかしその展開に説得力を持たせたのがハートスワップと波導遣いという合わせ技。ホオズキさんは感情を曝け出すような下手を取るキャラクタではありませんでしたが、体を交換するという状況の異常性をもってホオズキさんの心理状態を剥き出しにすることを可能にしている。入れ替わったホオズキさんがヒイラギさんを羨望し、己を省みていき、己の劣等を認め、相手の若い生きざまに憧れを抱いていく。なんか……彼が大人だって点を考えれば考えるほど赤裸々に思えて……ワ〜ワ〜ッてなりました……ホオズキさんが好きなので……。いやあ技や設定の使い方が面白くて関心させられっぱなしです……! そして、ここからの分析に舌を巻きました。仰る通り、ヒイラギvsホオズキでは途中まで互角を意識していたのです。しかし、最後はヒイラギが勝つ流れを作らなければなりませんでした。少し先のネタバレに関わりますが、ヒイラギは「ここで」負けてはならないのです。詳しく言うと面白くないので伏せますが、先を見越してスレート〜ホオズキ戦ではヒイラギの強さを印象付けています。何故そうまでしてヒイラギをフィーチャーするのかは、申し訳ありませんが、後半での回収とさせてください。今は本当にそれしか言えないです。 Second Stageの前半(あと2話で前半戦が終了します)では、とにかくヒイラギを目立たせる、彼がイトハの影響を受けて変わり始めている、しかし以前以上の危うさをそのまま纏って戦いに赴く、という姿を書いています。ですから、完全にヒイラギ中心の展開であります。ここから、ヒイラギに敗北して、ではホオズキは何を感じてどう動くのか……という話に移行していきます。でも、私はヒイラギだけを持ち上げて書くという気持ちは全くありません。 ハートスワップと波導のシナジーが高すぎて、これをやるためにあったのでは? と思うレベルのマッチ具合でした。 イトハはまだ情がある、でもホオズキの内実は非情で、奥底にある心理も上手く読み取れない。間違いなく強敵です、ヒイラギにハートスワップというカードが無ければ、負けていたかもしれませんね。 当初からハートスワップを使う展開自体は考えていて、そのときもヒイラギの波導を視るというプランだったのですが、波導使いの体にそう簡単に適応出来て、波導を使えてしまったら、ヒイラギのオンリーワン波導使いである理由はどこかに行ってしまう。イトハがヒイラギの体に入っても、同じことが起きます。彼が視て、感じている世界はそれほど特殊で痛ましいものです。 そう考えるとヒイラギは24といえども年齢相応の精神ではないはず、年上のホオズキに説教をする感じは避けたいのでやりませんでしたが、実力でそのまま打ち倒すことはそれども無理がないと考えました。しかし、一歩間違えばチートである、というご指摘はもっともで、結構危ない橋を知らない間に渡っていたな……と痛感致しました。こういうことをはっきりと書いて下さるのは、参考になりますし、何より面白いです。 さて、逆に考えれば……ヒイラギを強者足らしめているのは、あくまでも「波導使い」であるから、とも考えられませんか? 彼の寄る辺が無くなったら、彼は一体どうなってしまうのでしょう。どうか彼等を注意深く見ていただければと思います。 >そしてスナッチャーの間には年齢もなにもないんだなということをこの時点で痛感いたしました。上も下もないんだな。 この感想も大変印象的で、かつニヤリとしました。 薄々勘付かれているかもしれないですが、叛骨において登場人物は敵味方・ポケモン含め、ほぼ全員平等に試練を下されます。エクリュやスレートは観ての通りですし、スナッチャー全員は何かを求めて何かを苦しんでいます。そこは本当に平等にやりたいな、と思いまして。 ですから、その仕打ちにまたシビアと感じられるかもしれません。 そのため、年齢性差などはほぼ関係無く、「スナッチャー」という欺瞞ある母体に属した以上、全ての事情に巻き込まれます。 しかも内通者が入り込んでいる状況ですから、組織の謎は微に入り細を穿つかのように、暴かれなければならず、個々の事情も含めて赤裸々に暴露されてしまうのがスナッチャーです(嫌な組織ですね、笑)。 でも、実は年齢もなにもあるんですよ。本当何度目よおまえと思われても仕方ないのですが、今、年齢差がほとんど考慮されずに実力だけで物を言わせているのも、先を見越してです。年齢差や人生経験の積みの違いがこれから如実に表れますので、そこまで行けば……うん、多分、納得していただけるのではないでしょうか。 長々と解説させていただきました。私的には、批評大歓迎なのです。それと、読者の方がどう感じるか、を知る部分に感想の楽しさがあると思っています。そうした感想に対して、私はきちんとお返事するべきだと思っています。 ですので、疑問に思ったり不安になったりしたら、こちらも「ありゃーまずかった??」って聴くのですが、全然気になさらなくて大丈夫ですよ。これからの展開にお付き合いいただければと思います。そこで納得いかねえよ、となったらまた批評したってください笑 一応話としては盛り上がるポイントを用意しているので、宜しくお願い致します。では失礼します。 [09]
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