叛骨の強奪者 を読んだ感想 | ||
投稿者:早蕨 2020/05/27(水) 16:01 | ||
[表示] 追いつきましたー! この躍動感溢れる小説ばりのアグレッシブでフレキシブルなアツい感想を書こう! と思って鼻息荒く感想欄まで飛んで来ました! しかし! メッセージ欄でテンション爆上げ感想の難しい事難しい事。普通に書きます。 皆さん感想で仰ってるとは思うんですが、やっぱり躍動感ですよね。動きに溢れている。各キャラの物理的な動きもそうなんですが、ヒイラギを主としたスナッチャー三人の心情の動きも激しくて、気持ちいくらいに伝わってきます。 ミッションを重ねていく毎に押し寄せる三人の様子は、時に微笑ましく、時にハラハラし、時にやるせなく、水物ではない人間らしい感情がこれでもかと見えてくるストーリーと文章は、とても楽しいなあと思います。 これも空間も人間もポケモンも圧倒的に動き続けるこの小説のなせる業ですね。 展開としては、裏切り者の件からどう繋げていくのかと思いきや、まさかラスボスマルバ(?)まで一気に登場してくるとは思いませんでした。全てを失った状態から全てを取り戻す、と仰ってる通り、アトラクションのように浮き沈みしていく物語に終始引っ張られるばかり。展開ばかりに気を取られないのは、石化状態から解放される、敗れた世界の鏡という使い方とか、ハートスワップはもちろん、ふういんの使い方とか、随所に見られる小技も光って、余計な物語の先読みをさせない感じも良いと思いました。 ジェットコースターに乗ってる時、この先どんなレールになってるんだろうなんて思いながら乗らないように、裏切り者追及劇からネオロケット団登場、全てを失ってから全てを取り戻し、より強くなって帰って来たスナッチャーまで、まるっと一回乗り物に乗った気分で楽しみました。 サカキやダイゴなどの原作キャラがふんだんに登場するのも、当たり前ですけど二次創作ならではで、原作キャラが活躍するのはやっぱりいいものですね。 サカキと言えばホオズキ。私はこの二人が特に好きで、どちらかというとホオズキが好きです。人間臭く、年下の青年に看過され、剥き身でぶつかりあっていく様、かっこ悪くてかっこ良い……。 精神的支柱というか、ヒイラギとイトハが石化した後も、残ったホオズキが戦う! というおっさん頑張る展開が胸アツ過ぎました。力及ばずとも経験と信念でぶつかるおっさんとか恰好良すぎる。サカキの右腕のシーンとか渋すぎて最高。今後はヒイラギとイトハを見守り、時には間を取り持つ立ち位置になっていくのかもしれませんが、それはそれでそれも最高。 third stage以降は心情に焦点を当てていくとのことですが、これ以上何があるのか……。スレートとエクリュも確かに気になりますし、見たいところはまだまだあると言えばある……。 視界も広がり、いろいろ目的も明確かされてきて、猶の事クリーンな気持ちでキャラクター達を見ていく事が出来そうで、とても楽しみだなあと期待しております。 (Jが実は味方説とかないんですかね?^^) [35]
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投稿者:はやめ 2020/05/27(水) 22:00 | ||
[表示] 早蕨さん、感想ありがとうございます! 楽しんでいただけたようで何よりです。 第1部と2部で趣が大分変わる(と作者は思っている)のですが、ミッションや謎解きを中心とした第1部までの展開はそれこそ「躍動感」に満ちていたなと振り返ることしみじみです。 そうそう、心情の動きなんですよ〜。嬉しいです。ヒイラギ、イトハ、ホオズキ、三者三様の入り乱れる思惑と内通者の陰謀、それが絡み合い一筋縄ではいかない展開にしたかったので。スナッチャーがみな物分かりの良い人たちだったらあっという間にネオロケット団やマルバまで辿り着けたかもしれませんが、お互いがお互いを信じるまでに紆余曲折あり、ヒイラギたちそれぞれのバックボーンがそうさせているというのは自分が書きたかったドラマでした。 >展開 「アトラクション」「ジェットコースター」という比喩、なるほどという感じです。 一気読みするか徐々に読むかでまた感触も違ってくるような気がしますが、叛骨は展開もスピーディな面を意識しているので、物語の主線はやっぱりあっという間なのかなと思います。(作者は五年近く構想と執筆に費やしているので、どうも感覚が麻痺しております) 先を読もうとしない方がいい意味で楽しめる……かもしれません!w マルバ登場に関してはそろそろ物語を一マス先に進めたいという想いもありましたが、ラスボス格に完膚なきまで叩きのめされた後(「全てを失い」)、大ボスのジュノーに一矢報いるという展開(「全てを取り戻す」)にカタルシスがあるのではないかと考えたからなんです。物語上マルバに勝つことは有り得ませんが、執筆当時の勢いは「このままマルバに勝ってくれ〜」というテンションで大変でした。 しかし、ホオズキ人気ですね……w ここまで人気になるとは思いませんでした。元々渋いオッサンキャラを出したくて、第三のメイン格に据えたのですが主人公を食いかねない、むしろ主人公レベルの活躍度だったのではと思う彼です。 ヒイラギとイトハは無鉄砲かつ勇敢な若者の象徴として描いているので、そんな若者の熱を冷めた目で見ていた壮年のホオズキが次第に彼らから感化され、若人力尽きた後「大人たちの戦い」にバトンタッチを引き受けるという立ち位置です。そういう意味もあって、本部侵攻編ではホオズキ、サカキ、アクロマ、ハマユウなど割と年齢層高めの人物が集まっています。 ホオズキは物語的に主人公でもヒロインでもありません。かといって第3の主人公かというと作者的には頭を傾げます。が、物語で若者二人を差し置いて最もオイシイポジションにいる人間かもしれません。その美味しいところ取りを彼はこれからもやってくれそうです。 ただ、ヒイラギもバックボーンが判明することで今まで以上に思い入れを持ってもらえるようになると作者自身も嬉しいですね。ここは腕の見せ所ですね! Jが味方ですか……なるほど^^ どうでしょう^^ 叛骨第1部だけでも割とやり切った感があると思われそうですが、ヒイラギの戦いとしてはここからが本番です。ではヒイラギの戦いとはなんなのか、というのがこれからのメインポイントになってきます。もちろんスナッチャーの戦いも終わってませんしこれからですけどね。 クリーンな気持ちで、と仰られているように、私個人的に叛骨は「物語が進んだ状態で再読すると新たな発見がある」ような話にしたいと思っているので、視界の広がりや謎の答えの開示が物語の見方をまた違ったものに出来るといいなあと思っています。これからもお楽しみに! [36]
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