叛骨の強奪者 > Second Stage - EX-Team Rocket part - > 23 Phase 42 勇者にあらず を読んだ感想 | ||
投稿者:とらと 2019/03/30(土) 22:20 | ||
[表示] 39話〜42話の感想です。 悪を以て悪を制す、強大な敵に立ち向かう元より壮大な話ではありましたが、マルバさんの語るネオロケット団の計画により、更に物語のスケールが増した感がありますね、いやスケールが増したというレベルではありませんが。神や異次元をも巻き込むこのスケール感こそが本作のカッコよさなのだと思います。石化の裏に人類幸福計画が存在したとは……! ギラティナってそういえばはんこつポケモンだったですね、映画など未視聴なのでよく分かりませんが何故はんこつという分類になっているんだろう……?物語の鍵を握っているのは確かそうです。やぶれたせかいでの皆夢見てハッピー計画(?)という狂気の沙汰としか言いようのないマルバの誘いを正面切って否定するのではなく、迷い、揺れ、そのうえで「おれは世界など救う気はない」などと斜め下から拒絶していくようなスナッチャーの卑屈さが非常に印象的で、また強者にも関わらずアンダーグラウンドに生きざるをえないような彼ららしいとも思いました。厨二心を擽られます(褒め言葉)。敵・味方問わず、どこをとっても名言・名シーンが畳み掛けてきて、はやめさんの台詞回しやドラマチックな演出の熱さには毎度毎度痺れる……!!という感じです。キャラたちの覚悟や生死を賭けた壮絶さに終始圧倒されました……! そのなかでも、 >「おれが人形じゃないとしたら、何だと思う」 >「人間でしょ。それ以上でも以下でもない」 ここのやりとりなど大変素敵でした。こんなときのイトハさんのカッコよさったらありません……!! メガシンカの応酬、ミュウツーとの対峙、ミュウの登場と、死闘の連続に読者のボルテージも下がる暇がありません! ミュウの18種類の技での逆転、そこからのミュウツーの再逆転劇という演出などもう、凄まじいの一言……!! マルバさんに対して、ミュウ&カメックスのスナッチに飽き足らず、ヒイラギさんとイトハさんの石化など、まさに度肝を抜かれるような予想だにしない展開でした。ここまで徹底的にやるか……(愕然)と何度も思わされてきた本作ですが、いやあこの展開は……マジで凄いですね……えげつないです……(えげつない)今後の展開もまったく読めませんが更なる苦境が待ち受けていることでしょう。戦々恐々としながらお待ちしております……!!えげつない!! [25]
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投稿者:はやめ 2019/03/31(日) 12:19 | ||
[表示] 感想ありがとうございます。 叛骨という作品を考えていく内に、XY以前までを包括したようなお話にしたいなと思い致りました。 スナッチャーの前に立ちはだかるのはこれまでに登場した悪の組織の歴史を含んだような巨悪にするつもりでした。叛骨に登場する原作キャラも、ほとんど組織と関連、または世界の暗部に浸かってきたような人物ばかりで、これからもそうなります。 マルバの演説が一定の効力を持つのも、「ポケモン世界の治安の悪さ」からいえば、そういう思考の人間が出てきてもおかしくはないなと。後はスナッチャーの境遇如何で決まると思い、そのためにも救いのない戦いへと彼らは身を投じていきました。これが甘々の戦いだったら、マルバの言葉には全く響くものがなかったと思います。やるからには徹底、というのは作品のらしさの構築にもつながると思いますし、ここら辺を甘く書くようでは作品に対しても登場人物に対してもかえって失礼でダメな作品になりそうだな、と思いました。 私たちの生きる現実こそ、より救いがないので、叛骨はまだマシな方だと思って書いています。その中には作者の厭世観が陰を落としているかもわかりませんが……。ですので、ホオズキやイトハと和解する機会がなければ、スナッチャーはネオロケット団サイドに堕ちたと思っています。 ギラティナが「はんこつポケモン」という分類である理由は、二次創作としての補完が必要になりますが、かつて元の世界を暴れ者ゆえに追い出されたそうです。そこで破れた世界を自分の空間としたのでしょうね。ディアルガやパルキア、アルセウスあたりからそのような仕打ちを受けたのではないかとネットでも考察されているようです。権力や時代風潮に逆らうことを「反骨精神」と称するので、ギラティナのそういった境遇をのせて分類されたのかもしれませんね。今作タイトルも「叛骨」ですが、そのような含みを持たせていたりもしています。 スナッチャーの中でも特にヒイラギは、本当に「世界を救う」という言葉や考え方そのものが嫌いで、心の奥は実はそうなりたかったので(「勇者に焦がれる」など、何度かそういう場面を描いてきたことが「悪の出現」での問答に繋がっています)、でもそう吐いてみたところで何も変えられない無力さは身に染みて分かっているという。 私自身「世界を救う」お話自体は好きではありますが、こういうの書いててなんですが、むしろ私自身が受け手に回ったとき、小規模でそういった命運を背負わされない話の方がより好みです。ではなんで叛骨やら他の作品も世界が出てくるのかというと、恐らく自分にないものを埋める行為をしているのかと思っています。正直自分にもよくわかりませんが。 脱線しましたが、そこで安易に「おれは世界を救ってやる」と意気込む主人公にはしたくないと思いました。そこがヒイラギのダークヒーローたる所以かもしれません。 ですので、「世界を救う」という無償の愛もどきをささげ豪語するマルバは、宿敵に該当します。マルバらの石化行為が単に世界を不幸にするだけの行いであれば、これまでの悪の組織と何ら変わりなく。彼らにとっても石像だらけのさみしい世界を作るだけかと思います。そこにはメリットが無いんですよね。そこで、仮に石化による付加価値がもたらされれば、計画に賛同する人々もいるでしょうし、ポケモンの設定を取り入れた上でならば、多少の無理も利くだろうと思い、このようにしました。その辺も、今後じっくりと掘り下げていくつもりです。 また、その中で必ず描かねばならないと思っていたのが「スナッチャー陣営の石化」です。石化という題材に決めた、題材を扱う上で、数々の戦士が散る光景を描く。では、主人公ヒイラギは? ヒロインイトハは? ホオズキは? 最後まで石化を逃れるのかといえば、もしそうなったら恐らく物語が盛り上がるポイントをひとつ落としたことになってしまうと思いました。 ヒイラギとイトハの石化は初期段階から決定していて、あとはタイミングの問題でした。人々やポケモンを石化させないように頑張ってきたスナッチャー自身が遂に、という場面では、絶対手を抜きたくないし、ある種特別扱いしなければなと思いました。 ヒイラギ・イトハは、Phase42までの展開で充分にスポットをあててきましたし、これ以上無理させたら死んでしまう、そしてヒイラギに関してはメガシンカを極め、その上出せるものはもうないのでは……という部分まで、マルバ戦を通して描きましたので、ホオズキにバトンを渡すことが彼に出来る最後の役目ということになります。 物語スケールをポケモン世界全土まで展開しているのでどうしても規模は大きくなりがちですが、その中で少数精鋭スナッチャーからスポットを外すという気は全くありません。むしろ拡大したとしても最終話の最後の一瞬まで彼らに寄り添い続ける次第です。 Second Stageもいよいよ後半戦、最後に何が待ち受けているのか、ぜひお楽しみにしていてくださいね。 [26]
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