叛骨の強奪者 > Second Stage - EX-Team Rocket part - > 16 Phase 35 始まりの色に、黄色い花が咲く を読んだ感想 | ||
投稿者:とらと 2018/11/26(月) 23:20 | ||
[表示] Phase 32〜35の感想です。感想を書くための知能指数が下がっているので、思いつくままの箇条書きで失礼します。 ・コガネのラジオ塔まわりのロケット団のお話が切なくて切なくて……原作の内容を正確に覚えてはいないのですが、そうか、ロケット団はサカキに呼びかけたけど応えてはくれなかった、そうだったかもしれません。ラジオ塔を占拠できたときの残党たちの心境は喜びと興奮に包まれていたろうし、絶対的に敬愛を寄せるカリスマ的存在のサカキは必ず自分たちを救うだろうと思ったでしょうね。ラジオ塔を占拠した彼らの胸の中にはいつもサカキがいて、彼らにとってのロケット団の復活とは、サカキなしにはありえなかった。それが応えてくれないんだから、天から地の底までたたき落されたような絶望を味わったろうなあ。 なぜ応えてくれなかったのか、というミニトマの問いかけにサカキが果たしてなんと答えるのだろかと読者も前のめりになりましたが、向かおうとしていた、それをレッドに止められた。うわ〜……。切ない、ロケット団切ない……。ひとつのズレが致命的な結末と誤解を生んでいたんですね。敵方の組織の人間って私そんなに感情移入できない方なんですが、それに対してここまで悲哀を感じさせるのはいやはや作者さんの素晴らしい手腕と感心します。サカキの人生は常にロケット団と共にあり、その「ロケット団」というのがなんだったのかというと、自分自身ではなく部下たちのことだったんだなと。「わたしとて、ロケット団という制御のつかない怨霊に操られているかもしれん」というサカキの台詞は非常に印象的でした。 ・話が前後しますが、サカキと対面したホオズキさんの激昂は非常に魅力的でした。ミュウが見えないところから始まり、フーディンによる記録開示、サカキとの対面シーン、続くイトハさんに対する独白と、ホオズキさんがどういう人物であるのか着実に丁寧に炙り出されていったというような印象です、美しい。スナッチャーの面々はそれぞれにめちゃくちゃ重いものを胸の内に抱えていますが、ホオズキさんのそれは(彼の年齢がそう感じさせるというのもありましょうが)一層哀愁が漂っているというか、苦労人だなと感じさせられます。若い二人と違うのは、愛するもの・守るべき無力なものがいるということ、それを人質に取られ、自分の行動のひとつひとつにその命が揺れ動くことがあるということ。命を奪えないホオズキさんは確かに弱いのかもしれない、でもこれこそが、「守るべきものがあるからこその弱さ」なのかなと少し感じました。どんなに汚れた己の手も、人の血でだけは汚せないと思うのは、その手で抱きしめたい人のことを思うからこそ……というのも、どっかにあるのかもしれませんね。 名前のこと、ポケモンのこと。イトハさんは決して彼をうわべの優しさというもので慰めはしなかったけれど、彼女を介して己を省みることで、ホオズキさんは確かに少し救われたような気がします。子供の遊び場のようなところで家族を思い、その心に呼応してついにミュウが現れる、という演出は、いやあ美しかったです、感動的でした……!! ・ところでミニトマってミニトマトなんですかね……花言葉は「完成美」 「感謝」……う〜ん違う? 黄色い花が咲くんですよね。さすがに関係ないか。 ・ネオロケット団!!レインボーロケット団よりちょっとカッコイイ……!!笑 Jの所属してる組織? の名前がネオロケット団、という解釈で合っていますか……? 何か読み違えている気もします、申し訳ない。 ・サカキを味方につけた(?)すごい!! イトハさんカッコイイ……!! 叛骨のキャラたちはやることなすこと全部かっこよくて痺れます……!! > 一対のマリッジリングが、光を放ったように、イトハには見えたのだ。 ・〜(読者が天に召されてる絵文字)〜 なんてかっこいい結びなんだろうか……!! ・最新話お待ちしておりました! なんとオーキド博士本人が出てきた、叛骨は大物原作キャラを惜しみなく投入されていて、読者としても楽しいポイントです。しかもホオズキさんの友人とな! 今後のお話にも絡んでくるのかな? オーキド博士はあまりシリアスとは縁のない人物というイメージはあり(ポケ〇ペとか読んでると違うんでしょうか)、今回も今までの叛骨と比較してかなり温和な雰囲気でありましたが、このシリアス一直線の作品の中で彼に物語上の大きな役割があるのだとすれば、一体どんな顔をするオーキド博士が見られるのか、非常に楽しみです。 ・新波導使いがでると伺ってから「マサラの波導使い……? サ〇シか!?」と勘繰っていたのは外れましたが笑、その波導使いが存外に良い人っぽいこともまた予想外です。ヒイラギさんイトハさんホオズキさんが最初に合流したときはギクシャクしてるなんてレベルではありませんでしたが、マルバさん大変大人でいらっしゃる……入団テストのようなことをされても動じず怒らず、それどころかヒイラギさんの話をイトハさんから引き出す姿には彼の思慮深さといいますか……懐の深さ、器の大きさのようなものが見られたような気がしました。喋り方も非常に独特だし見かけも独特だし(どんなだ……!?笑)、なにしろスナッチャーですもの、一筋縄でいく人物ではないのでしょうか、第一印象は非常に良識的な人物に見えますね。これからシロガネ山のミッションの中で彼がどんな本性を現していくのか楽しみです……!! 今回も楽しませていただきました! 叛骨はいつ読んでも密度が凄くて圧倒されます。続きも楽しみにお待ちしております。 [23]
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投稿者:はやめ 2018/12/02(日) 17:33 | ||
[表示] とらさん、感想ありがとうございます。 Phase 34「亡霊の終着点」は、プロットを思いついたときに「これ、いけるぞ」と今までにない自分を見出した感触を抱きました。ロケット団が築いた一時代の栄光と凋落を描き切ることで、叛骨全編の敵であるネオロケット団にバトンを渡したいという思いがありました。ですので、気に入っていただけて安心していますし、思い入れを込めて書いた話が、読み手にちゃんと届くことのうれしさを噛み締めています。こういう雰囲気が伝わるなら、これからも安心して書けますね(?)。 最近、自分は切なさの漂う話が好きでして、サカキもミニトマも結局一方通行にすれ違って終了する結末になりました。この話は、サカキという大物原作キャラを自分の手で勝手にアレンジするという意味で挑戦的だったと思います。本来なら自分のオリジナルキャラクターに「お前こそが組織最大の裏切り者だ」などととても言わせられませんが、これまで好き勝手にやってきた分今更感もありますので(笑)、叛骨ならではのサカキを書くという意味でも、あえてサカキをそのように表現しました。 ロケット団員にえらく慕われているカリスマ性に着目したところ、部下に対する情が深く、裏切り者には容赦しないというマフィアじみた性格になりましたね……。言動や哲学に叛骨世界に適応したサカキが表れていると受け取っていただけると感無量です。 この話の元ネタは、HGSSのセレビィイベントです。よかったら動画を見て下さい。セレビィの力で時渡りして、ラジオ塔占拠当時に戻り、サカキの合流を阻止するという内容になっています。ゲームだと金銀主人公がサカキを倒すのですが、小説はレッドにしました。 自分はHGSSでそのようなイベントが発生する以前まで、サカキはもうラジオ塔の電波の届かない所にいて、ロケット団からは足を洗ったものだと思いたかったんですよね。しかし、公式イベントで実はサカキは向かおうとしていたと語られていたので、確かに部下の想いに応えようとする首領像を貫くならそっちかなとも感じるようになりました。 一方でミニトマですが、一度ネオロケット団に魂を売ったからには、ロケットの誇りを都合よく取り戻すという展開にはしたくありませんでした。ミニトマはロケット団にもネオロケット団にもなりきれず、サカキからの温情を欲したがゆえに、救いの手を差し伸べてくれた面々からも絆を断ち切られるという複雑な造形のキャラクターに仕上がりました。叛骨は、こういう点において、一切救いを与えるような妥協をしないように徹底しています。 ホオズキ編は、何度か言及いただいているようにヒイラギ・イトハとは異なる意味でアダルティな雰囲気を出すことに心血を注いでおり、その集大成が「亡霊の終着点」となります。 まずはスナッチャー全員の素性を明らかにしていく必要があるため、ヒイラギとイトハ中心に描くためにわざと出番を削ったホオズキにはその分力を入れねばと思って筆を運びました。自分が予想していたよりも遥かに、ホオズキというキャラクターを気に入ってくれる声が多かったこともありますが、誕生の島ではホオズキのすべてを解き明かすぞ、という気持ちで書いていました。イチジクやハマユウ、過去が全て明らかになったことで彼に関して語れることは非常に多くなったので、自分としても心持が楽です(笑)。 ヒイラギとは違う意味で一筋縄ではいかない思考をどう表現するかなかなか苦戦しましたが、とりあえず収まるところに収まったようでよかったです。ホオズキを書く上で、「自分よりも年上かつ、ほぼ父世代の年齢」の心理にどう接近するかはかなり悩みました。一人だけ妻子持ち、若者を見守る壮年ポジション、ある意味叛骨内で異質な存在感を放つ彼を、スナッチャーの三人目に置いて本当に成功だったなと今では思います。Second Stageは折り返し地点ゆえまだまだ続きます、ということはホオズキの活躍もまだまだこれからが本番ということですね。どうぞご期待くださいませ。 ネオロケット団、自分は確か原作からとったつもりだったんですが、調べてみたらあれ? 存在しない……笑 オリジナル組織になってしまいましたね。一応自分がネオロケット団だと勝手に錯覚していたのはどうやらグレートロケット団という名前みたいですね(だいぶ違くない?) Jは自分のハンター集団をNR傘下に置いた上で協力関係を結んでいる、というようなイメージを持っていただければ大丈夫です。純NR団員は、これまでに登場した中では、ソユーズなど名前持ちで、本編にあまり関わりのない敵キャラクターが大体該当します。NR団には何人か原作キャラも関わっています。発足の歴史なども近々語れると思いますので、その辺にもご注目ください。 最新話、マルバが登場となりましたが、ようやく叛骨の鍵を握るキャラクターを出せたなという安堵に包まれております。ここまで来れば、本当にあともう少し書くだけなんですよね……(意味深)。流石にサトシが出てきたら物語の空気ごと変わりそうでww 同時にオーキド博士もホオズキとの絡みの中で登場、仰るとおり大物キャラを惜しみなく出していますね!w ちなみにこれから登場する原作キャラもやはり大物クラスの面々ばかりです。 シロガネ山ミッションは叛骨の重要な核心がいくつも解き明かされる展開となりますので、もうしばしお待ちください。これまでは謎ばかりばら撒いてきましたから、少しは明かさないといけませんからね笑 いつもありがとうございます、感想が執筆の励みになっております。Second Stage後半戦をお楽しみに! [24]
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