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飽食のけもの を読んだ感想
投稿者:
とらと
2014/03/14(金) 20:46
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こんにちは〜早速ですが感想です！
圧倒される程の面白さを前にすると言葉が出なくなって感想が短めになるということが度々起こります。ということを前置きしなければならないくらい本当に面白かったということを先にお伝えしたい。いや〜面白いですね！ じゅんさんの短編作品からは文体の不思議な透明感と共に心地よい不気味さを覚えることが多々ですが、飽食のけものはその上に人間的ないやらしさ（超褒めてます本当に、超褒めてます）を嫌味なく散りばめられているところがとても素晴らしい。人より早く成熟しながらも子供らしい感情の波に翻弄され読者に寄り添うジャグル、多くの謎を孕みながら颯爽と事を解決に導き人を魅了するドド、人々のしがらみや軋轢を嘲笑うか如く無邪気に物語を翻弄する人食い達。まじないが彩る不思議な世界観の中でこの構図がとても美しく感じられます。ジャグルを襲う受け入れがたい出来事の数々は何だかある意味でとてもじゅんさんらしく、その残酷さに私が目を覆うことなく吸い込まれていられるのもある意味とてもじゅんさんらしい。さすがじゅんさん、やってくれるぜ。すっげぇそんな感じです。ええ。何言ってんだ私。
情報を小出しにするのとか本当にお上手ですよね、物語を引き立てる小出し具合の絶妙なセンスに毎度脱帽させられます。特に＃３に入ってからもう凄いです。凄いチープな言い方をするとドキドキが止まりません。至る所にこの後に効いてくる仕掛けが施されているんだろうな〜と思うと一文一文が見逃せません。やーすごい。本当に楽しませていただいています。ありがとうありがとう。
とてもアレなタイミングで感想を送っているのでストーリーにどうやって触れようかちょっと迷いますが、＃３−５後編、読み手的には完全に違うと分かりきっているものに縋り付いていくジャグルの姿が痛々しくて堪りません。不安定な心の拠り所であったものを突然失い、身内であるはずの者たちに酷い目に遭わされてやっと流れてきた場所でのこの仕打ち。いや〜さすがじゅんさん、やってくれるぜ。ドロドロとした……胃袋の中を……アワアワ。ドロドロと言ったら薄紫のアレなんでしょうか、この作品にそういう常識（？）を当て嵌めていいのかよく分かりませんが。あのガキも？ 親父の方？ ドドが追い返していたのは、つまり？ なんでしょか。続きが気になります。うふふ。
いやぁ素敵ですね。飽食のけものを読んでいると、じゅんさんの術中に見事に嵌っている気がしてなりません。きっとお話全体にじゅんさんのまじないが施されているのでしょう。その奇術に身を委ねられることができて私は非常に幸福です。ありがとう。そしてありがとう。
このお話はどこに向かっていくんでしょうか？ とても楽しみです。お忙しいとは思いますが、続きを首を長くしてお待ちしております。ではでは。
[07]
投稿者:
乃響じゅん。
2014/03/17(月) 21:55
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感想ありがとうございます！
短いなんてとんでもない！ こんなにたくさんの褒め言葉を頂けて、作者冥利に尽きます。これはもう土下座くらいしないと済まないんじゃないでしょうか。
基本的に地の文で仮定の話や突っ込んだ心理描写や語りを入れずに事実だけを述べるような書き方しか出来ないので、文章も短く話があっちへ飛んだりこっちへ飛んだりしてるのではないかと不安になりながら書いているのですが、味として見て頂けるのが非常に嬉しいです。飽食では人間の悪い面を出来るだけ描こうと思ってはいるのですが、もっとリアリティを出せるようになれたらと思います。人食いを倒すに至るまでの過程を大事にしたいな、と思いながら書いているので、伝わっているのが何より嬉しいです。
＃２では一般小説によくある章分けのように、一つの展開のカタマリで一応の完結を見る形を取っていたのですが、＃３ではどちらかと言うと次が楽しみになるように、連載を意識した終わらせ方を意識していました。今後の展開を左右する章だけに、ノンストップで行きたいところです。
敵の正体は、恐らく想像通りだったのではないかなと思われます。紫色のって言ったらあいつしかいないですよね笑
長かったジャグル・タルトの受難の物語も、＃３を持ってひとまず終わりを迎えます。今後の展開も、生温かい目で見守っていただければ幸いです。ありがとうございました！
[08]
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