NEAR◆◇MISS を読んだ感想 | ||
投稿者:ジェード 評価:感動した! 2020/12/05(土) 14:25 | ||
[表示] NEAR◆◇MISS読破しました。まずは、読み始めからここまで掛かってしまいすみません。 私は当初(4章辺りまで)はお洒落な警察ものだ! しかも原作要素がちょくちょく登場してる!! 何だか、いっぱい矢印飛んでる!! 気になるエモい! とか、そんな感じだったんですが、これは……今となってはニアミスとレイコさんを舐めてますね… 原作要素を絡めつつの壮大なSF設定、そしてメイン3人の重すぎる背景。隠されていた陰謀の数々に圧倒されてしまいました。あらゆる事象に意味があるレベルで紐付けられていて、思わずひぃっ! って声が出そうになったり。(褒めてます)特にキズミさんとミナトさんの事情が…哀しいとか辛いじゃ片付けられない重さで、改めて若いのに強い二人の魅力に気づかされました。恐らく、殆どの登場人物にしっかりとした思惑があり、悪役や敵役にきちんとした背景があるのも、レイコさんの作品愛をひしひしと感じました。 後半からは、とにかく予想を裏切る展開のオンパレードで、麹塵やクラウさん(改変後)の正体に驚きましたし、月白さんの種族を予想しながら、楽しくドキドキワクワク読んでたりしました。たまに挟まるポケモン達が可愛い日常描写も好きです。 メインの4角関係もどうなるんだ? って見ていてある意味怖かったです。アイラさんキズミさんがお互いの距離を縮めていく一方で、物語は更に過酷さを増していくこのギャップ… ううっ…辛いのに読んでしまう… そのせいもあってか、ひたすら純真で努力家のクラウ君が大好きになりました。彼がドジっ子キルリアから、アイラさんキズミさんを立派にサポートする勇敢な剣士になっていくあの過程が、本当に本当に嬉しくて。メガシンカした時に目頭が熱くなってしまいました。 ラストは、バッドやメリバにも取れましたが、確かに起きた事象を振り返ると、そうせざるを得ませんよね…アイラさんは、その後また彼と会えたのでしょうか。 ウルスラさんが、クラウ君を詰った時の台詞が、人間味ありすぎて共感出来すぎて…そりゃ割り切れんよね… あれだけのことが起きても、本当に狭い箱庭での影響でしかなくて、世界は変わらないし時間も進んでいく。この作品は、所々でこうしたリアリティの塊でしかない残酷さを覗かせていたのも印象的でした。 これほどの長編・大作を完結させているレイコさんの腕に感服到しました! 改めて、執筆お疲れ様でした。 今後の派生作品等も楽しみにしています! [76]
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投稿者:レイコ 2020/12/07(月) 00:17 | ||
[表示] 読破おめでとうございます!!お疲れ様でした!! ジェードさんは読書好きのイメージがあったので拙作ももしかしたら楽しんで頂けるんじゃないかと、勝手に期待してしまって…長編という負担も弁えず申し訳ありませんでした… でも、最後まで読んで頂けてすっごく嬉しいです!!! 全然舐めてませんよー!読み進めていくうちに印象が変わっていく長編、再読した時と見方が変わる作品という、かーなり分相応に壮大なロマンをいだきながら執筆しておりましたので…w 舐めるどころか、そう感じてもらえたなら大成功です♪ 原作要素はマニアックなネタもありましたし、SF要素は好き嫌い分かれるだろうな…と覚悟の上でしたので、どちらも肯定的に評価していただけたのでしたら良かった!万々歳です!! クラウを気に入って下さり、ありがとうございます! 劇ニアパラディン→悪役パラディン→クラウの変遷のうち、悪役はイレギュラーなので劇ニアパラディン≒クラウと考えて頂ければ…! クラウの出自も短髪キズミ同様オリジナルではなく、この共通点もまたクラウをポケモンサイドの主人公たらしめている…という解釈もできるかもしれませんね。間違いなく、書いていて楽しいキャラクターのひとりでした。 キズミとアイラの掘り下げにだいぶ尺を使ってしまい、キズミとミナトは7章の他は意外と肝になるエピソードを盛り込めなかったんですが、作中の掛け合いの台詞などから、親友幼馴染悪友相棒コンビ兄弟ライバルといった、一言で片付かない結びつきを感じいただけたらいいな、と思っていました。 ウルスラともどもミナトは短髪キズミと長い付き合いがあった分、知り合って一年に満たなかったアイラやクラウとは、短髪キズミの喪失の重みがまったく違うことが、長髪キズミへの対応の違いに表れたのだと思います… 本題とずれる自作語りで恐縮ですが、Twitterで不定期投稿している派生作品、通称劇場版ニアミスの解説をしますと、つまりあの漫画は小説本編で語られていない、長髪のオリジナルのキズミを主人公に据えた、改変される前の世界線のストーリーなのですね。 あの漫画は小説本編に対して過去ともパラレルとも位置づけにくく、そも詳細な説明は露骨なネタバレになりますし、いっそ小説を未読の方でも意味が通じるであろう“一見単独で成立している”ストーリー構成に見せかけてしまえと、そこから「劇場版」という通称になった…というワケでした。 なので劇ニアの最終話付近は、長髪キズミが己が元いた世界ごと大切な者たちとの別れを避けられないことを、暗示する形になると思います。 小説は数々の“離別”がバッドともメリバとも取れると思いますが、旧世界線の元住民であるロング・ファースト・麹塵あらため長老・長髪キズミ達にとっては、“再会”の物語になっているという……そこだけは本当にもう群像劇として精一杯、書き切りました。 スケールの大きいような小さいような入り組んだ物語に、作者としてはぎゅうぎゅうに熱意だけは詰め込んだ拙作に最後までお付き合い下さり、本当にありがとうございました! [78]
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