NEAR◆◇MISS を読んだ感想 | ||
投稿者:早蕨 2020/11/29(日) 17:09 | ||
[表示] 完結から大分経ってしまいましたが、読了致しました! 今更ではあるのですが、完結おめでとうございます! 長編作品の完結というのは、読んでる側も感慨深いものがありますよね。 ずっと連載されているのを見ていただけに、いいものだなあ……としみじみ。本当におめでとうございます。 作品についてですが、読んでいてキャラクター達の顔がきちんと頭に思い浮かぶって凄く楽しいなって思います。キャラクターの設定画がたくさんあるので、小説の中で書かれている感情一つ一つに出る表情や動きが、アニメの様に頭の中で再生されるというのが、凄く魅力的でした。 小説だけでも楽しめるのに、アイラがあんなに愛らしく感じられたり、キズミやミナトがあれだけ格好良く躍動しているのを感じられたりと、より鮮明な絵が出て来るので、本当楽しい。素晴らしいなあと思います。 連載開始当初や、まだSF感の出ていなかった章を読んでいた頃を考えると、いやもう、本当にこんな展開はまったく想像していなかったですね……。ロングの事件を始めとし、大きな大きな事件にキズミ達が巻き込まれていくんだろうな、という程度の予想しかありませんでした。プロットでは最初から本物語の展開を考えられてたんだろうなあと考えると、上手に楽しんで手のひらを転がった感覚です。麹塵の真相や、目を覚ましたロングの狙い、ダッチェスの正体、アイラの姉。もう挙げ始めたらキリがないのですが、怒涛のSF展開のラッシュはお見事! 正直頭が悪すぎるのとSF慣れしていないのもあり何度か読み返したのですが、(それでもレイコさんが考えている通りに理解出来ているかどうか……)一つ一つ理解していくとこれまた楽しい。 しかもそれだけに収まりませんでした。SF設定だけではなく、各キャラクターの関係性や心情が理解出来てきて、私もキャラクター達に愛着や情が出てしまうような展開になったところで始まるロングの言葉が、急展開の演出としてはガン決まりでしたね……。ミナトをセレビィ毎殺すとか何言っとんじゃこのじじい!(すいません!)とこっちまで感情を揺さぶられ、そのまま後はどんどん物語に首根っこを引っ張られて行きました。 物語として、このお話はキャラクターによってハッピーエンドだったり、メリーバッドであったり、まだハッピーかバッドかも分からなかったり、色々なものが混ざっていると思います。特に主人公であるキズミ周りのお話は、なんとも言えない、本人は死んでいないけど本人はいない……というもの悲しい雰囲気。けれども世界は救われ、ロングの壮大な任務は無事成功に終わってハッピーとも言えますし、長髪のキズミがロングと言葉を交わすところも、喜んでいいやらなんやら、ウルスラ程とは言えないまでもこちらもぐぬぬ……皆で手放しに喜びおって、という感覚も混じり、でもハッピーエンドではあるんだよなという爽快感もあり、難しい。 単純に終わらず、後から色々思いを巡らせる事の出来る終わり方は一見スカっとしていないようにも見えて不完全燃焼かと思いきや、でもそうじゃないんですよね。物語が終わったってあの戦いで生き残ったキャラクター達は生き続け、それぞれの物語をまた紡いで、色々な事にぶつかったり、嬉しがったり悲しんだり怒ったり、昔の記憶を思い出したり、多くの事があるんですよね。人類滅亡の未来を変え平和な世界に行きついたんだとしても、時間は不可逆的に進み続ける、その切なさたるや。それぞれがどう思おうとも時間だけは平等に過ぎていき、誰も待ってはくれない。そういうのを感じていくとあの終わり方に納得、というかもう最終話を終わりとさえ思っていない事に気付きました。私はNEAR◆◇MISSの世界をここまでしかのぞき見る事は出来ませんが、続いていく世界で皆それぞれ良い事がありますように、と祈るばかりです。 改めて、完結おめでとうございます!! [75]
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投稿者:レイコ 2020/12/07(月) 18:34 | ||
[表示] 読破おめでとうございます!長旅お疲れ様でした! こちらこそ、完結から時間が経ったにも関わらず読み終えて下さり、拙作ニアミスもまだまだ捨てたもんじゃないと喜びに打ち震えましたよ…! もちろん早蕨さんの読破力がすごいのであって、最後まで読もうと思っていただけた拙作は幸運だったということを忘れておりません。 文章を書くのは好きなのに文才は正直…自己評価的に赤点でもっと頑張らねばという感じなのですけど、元々私は洋画など映像メディアが好きで、ニアミスも頭の中の映像を、文章やイラストの姿を借りて出力することが喜びでしたので、視覚的に楽しく感じていただけなら本望です。 SF展開は…すみません! 話がややこしくなりがちなので、好き嫌いが分かれるところだと思います。(ちなみに私はSF好きです♪) ポケモン本家のルーツといえばウルト○セブン=SF作品なので、絶対に外せない要素だ!と一人燃え上がってました。結果、読者さん置いてきぼり覚悟で好き勝手に書きまくり……でも楽しかったです。苦笑 なるべくポケモン本家やアニメ映画版の公式設定を拡大解釈する域にとどめたもりですが、完結してみれば、そんな縛りもあまり役に立たなかったんだろうなという印象があります。 まず私の文章が稚拙なので、読者さんに説明内容が伝わりづらく、余計な混乱を招く原因になってしまいました。私自身この展開や設定は強引すぎないかという部分もありましたし、ゲームやアニメの原作をリスペクトしたいがゆえの詰めの甘さもありました。なので、早蕨さんの理解力云々はとんでもないです。こちらが力不足なだけですので… おっしゃる通り、短髪キズミは死んでいないどころか本来あるべき姿に戻りました。にしても長髪キズミって人望ないんですよね、気の毒なくらいに。長髪キズミの見せ場は本来ニアミス続編(最終回感の薄さの理由の一つは、これだったりするかもしれませんね)の予定でしたので、描写を意図的に削減した影響は少なからずあった気がします。 早蕨さんや他の読者さんからも肩入れしてもらえて、短髪キズミは幸せ者です。いなくなってしまう境遇には作者として心苦しさがあった分、短髪キズミの軌跡はきっと報われたのだと、読者さんのおかげで信じることができます。 バッドやメリバと感じていただけるのは、それだけキャラクターに寄り添っていただけたという事ですので、作者冥利に尽きます。 拙作ニアミスは、作中のミナトやウルスラ達にとっては「別離」、歴史が改変される前の世界の元住民であるロングやファーストやキズミ達にとっては「再会」の物語なので、キャラクターと読者さんの数だけエンディングの受け取り方に違いがあればいいなと思います。様々な視点から考察して下さり、ありがとうございます。 ポケモ二次創作を沢山読まれていて沢山作品を生み出されている早蕨さんに読破して頂けて、しかも拙作をつぶさに読み込まないと書けないような密度の感想まで頂けて、感無量です。私が心から楽しんで執筆に取り組んでいた本作を長年見守ってくださり、本当にありがとうございました!!! [80]
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