NEAR◆◇MISS > 最終章 > 08 -8- 再会 を読んだ感想 | ||
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投稿者:とらと 2019/04/02(火) 21:50 | |
[表示] 『第七章-7- 大飛翔』の >もう二度と、悲観の頂点で自分の命をかろんじたりしないと誓う。 というキズミさんの心理描写と思しき一文がめちゃくちゃ心に残っていたんですよ、ミナトさんと戦った時に死んでやろうとしたキズミさんの行動に受けた衝撃の反動でもあるんですが、深く安心したというのがもう一つあり。自分が歳を取って、色んな作品のキャラたちが年下になっていって、一緒にドキドキワクワクするというよりは「見守る」という視点に移行してしまう中で、自ら死を選ぼうとするキャラクタを見ているのが物凄く辛くなってしまって。キャラの生き様を真摯に描いていくうえで、キャラによっては避けて通ってはいけない局面であることも分かりつつ、でもそんなの現実世界だけで十分だよ〜生きようよ〜!ってなってしまうんですよね、だからキズミさんが、あの状況での他者との触れ合いの中で、もう二度と〜と考えてくれたのが物凄い嬉しかったんですよ。 今回。ああ、ああ……どうしよう……どうしよう……と思いながら読み進めたのですが、この局面に於いて、彼は満足げな微笑みを最期に浮かべていて……、きっとこのとき、この状況と言うものが、彼にとって『悲観の頂点』ではなかったということなんだなと思ったんです。自分が消える以外にウルスラを助ける方法がないという状況で、そうすることを選びとった彼の決断は、断じて『悲観』の果てに選ばれたものではないということ。『死』というものが、必ずしも絶望と直結するものではなかったということ。彼がいのちを軽んじたわけではなかったということ。そうならば、私は、彼の選んだ彼の人生の結末を、受け入れることができるなあと思いました。受け入れられるなあと思ったんです。レイコさんがそういうことを考えて書かれたかは分かりませんが、彼の命を引き換えに得たものは、ここまで描かれてきた世界の存亡を左右するものではない、たった一人や二人の命と引き換えになる、世界という観点で見ればとても小さな「救い」、対価を考えれば救いと言っていいのかも分からないくらいの救いだけれど、きっと彼の散り際は、ヒーローの散り際に違いなかったんだろうなと。だから、死ぬことが、消えてしまうことが、キズミさん個人にとっては、ハッピーエンドではないにしろ、おそらく、100%のバッドエンドでもなかったんですよね。……ここまで書いておいてなんなんですが、ハイリンクの森の中で行われたことがどのくらい現実世界にそのまま関わってくるのか全然自信がなく、シレネさんもキズミさん(髪が短い方)も本当に亡……本当に……?という状態で、これまだ後日談エピローグで二転三転するんでしょ……??いまものすごいトンチンカンな感想を書いてやしないか……???と戦々恐々としているのですが、一読者のひとまずの感想として、だいぶ怖いんですが、書き残しておこうかなといったところです。壮絶に勘違いしていたらすみません、あるいは壮絶にレイコさんの術中に嵌っているかもしれない……!!そうだったらそれはそれで楽しいですね……!!笑 ともあれ、本当に、このメインストーリー完結回で描かれた内容を私が理解したそのままの状況がこれから続くとしたら、何って言っていいのか……キズミさん、本当に、お疲れさまでしたと言いたいです。「どうしよう……どうしよう……」という気持ちはまだまだ落ち着くこともなく、どうしたらいいのか分からないのですが、一読者の私は今、彼の色んな場面や表情を思い出してすごく喪失の寂しさに暮れていること、スマートな顔して凄く人間臭かったキズミさんの生き様をすごくかっこよかったと思うし、すごくすごく好ましかったと思っていることを、稚拙な言葉で本当に恐縮なのですが、とにかく伝えなければならないと思います。彼と言う人は、この世界に生きているたくさんの人やポケモンに、そしてこの作品を追いかけてきたたくさんの読者の人たちに、愛されていましたね。読み取りの浅く申し訳ないながら作者さんの本意に添えないかもしれない私は、ここまで読んでどうしても、たくさんの主人公がいる本作のなかでも、そのたくさんの主人公たちの心の真ん中にいた、一番の主人公は、キズミさんだったんじゃないかと思います。私はね。本当に、お疲れ様でした。……全体的にトンチンカンなことを書いていたら本当にすみません!!! 今話で書かれた他のたくさんのことについては、ちょっと今のところどう解釈してどうお話するのも的外れになりそうな気がして、こ、ここから後日談……!?どうやったら丸く収まるの……!?そもそも丸く収まるの……!?!?という感じなので、完結してからあらためてお話しに伺います!!(ところでだいぶ昔に描いていただいた髪の長いキズミさんのことをずっと覚えていましたのでウワ〜!!となりました。ウワ〜!!(語彙力崩壊))ああっ、誰と誰の再会なのかと思っていたんですがキズミさん(髪が長い方)とファーストの再会か、そうか……!!そうですよね、髪が長い方のキズミさんもまたここまでの人生を歩んできたたったひとりの尊ぶべきキズミさんに違いないのです。しかしお、お花見……みんなでお花見……みんなでお花見……!!!! ウワアアア〜!!!! グエエエエエ〜!!!!!!! ちょっとレイコさんちょっとおおおおおお〜!!!!!!!!(限界がきました) 感想を書くにあたり第七章付近を読み返していたらこの頃まだみんな揃って……!! ウッウッ(;;)って無限になりました。これから後日談エピローグを待つ間に頭からもう一周してこよう思うのですが道中のすべてが涙で滲んで何も見えない気しかしません。大事に大事に読ませていただきますね。なんだよ〜もう〜……え〜本当に〜……?? もう何を言ってもダメですねコレ何を言っても見当違いなことを言っている気にしかなりませんから今……とりあえずエピローグを待ちたいと思います。完結までもう少し……!! 楽しみにお待ちしております。 返信が手間でしたら後回しで本当に全然構いませんので!! 最後まで、最後まで、応援してます。ファイトです!! [56]
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投稿者:レイコ 2019/04/25(木) 11:47 | |
[表示] 感想メッセージありがとうございます。七章はおっしゃる通り、キズミのターニングポイントになった章でもあります。コピー(複製人間)という出自やらなんやらで自己肯定感も生きる気力も低く、亡くなった養親や病身のファーストの手前、己の命を粗末にしてはいけないと頭では思いつつ、殉職したらぽっと楽になれるだろうと矛盾を抱えていた設定だったので、そのキズミが本気で、生きてもいい、生きてやろうと前向きに吹っ切れる展開を書けて、こういう積み重ねの実る瞬間が長編の醍醐味だなーと悦に入ったのを覚えています。七章以降に入ってからのほうがキズミという男をはるかに書きやすくなりました。ぐちゃぐちゃと複雑な内面事情のあるキャラクターより、すっきり明快な思考回路のキャラクターを書くほうが自分の性に合ってるのかもしれません(苦笑) 親ごころあふれる目線で見守ってくださり、ありがとうございます……有難いことです…… 本作はどちらかといえば人類だの未来・過去だのスケールがでかいほうで(って自分で言うのも恥ずかしいの極みですが)、いわゆるセカイ系に分類されるのかなと勝手に自己分析してるのですが、そちらの担当は準主人公の皮を被った補正かかりまくりの厨二主人公体質のミナトなので、キズミの消失はまた別枠のものとして描写したい思いがありました。それこそおっしゃる通り、救いといっていいのかわからないくらい小さな対価のために、ミナトと同じかそれ以上に体を張りました。散り際をヒーローと評していただけるとは、大変恐縮です。 上記の点から、悲壮感のあるドラマチックな自己犠牲とはちょっと違う風に書きたかったのですよね。うまく演出できたかはさておき……。せっかく人生に対して前向きになれたのだから消えたくないといえばその通りだけど、どうあがいても実験道具にされた異形からもとに戻れないと明白になった以上、ぜんぶ終わらせてウルスラが目覚めるならそれが一番だと、キズミは今の己にできることをやるまでというごく自然な決心で臨んだのだと思います。ですから心と記憶は滅びても、キズミはオリジナルの長髪キズミとなって帰ってくることができました。セレビィの歴史改変が起きた現世では、そのように宿命づけられていました。じゃあ長髪キズミのピンチヒッターにすぎなかった短髪キズミの人生はなんだったのかという話になるんですけども、なんだったんでしょうね……バッドエンドではないと考えていますが、掘り下げだすと胸が痛まないことも無いです。これもニアミスのうち、と広い心で受け止めていただけると助かります。 このようにじっくりと思いのこもった沢山の字数で名残惜しんでもらえるキャラクターを世に送り出せたこと、字書きの端くれとして感極まります。作者冥利に尽きます。もともとニアミスは壮大な英雄譚ではなく、戦闘描写や伏線回収は作者の趣味ですけどその他は、キャクターの成長や関係性の変化をストーリーの要とするスタンスで執筆しておりました。めまぐるしい世界観から、世界からみればちっぽけなキャラクターという原点に帰結でき、完結目前にしか味わえない感慨を噛みしめております。 後日談、ラストスパートをかけてまいります! とらさんは感想や拍手など絶えず温かく励ましてくださり、その都度百人力でした。自分の語彙力のなさからお礼が同じ言葉の繰り返しになってしまうのですが、本当に感謝しております。こちらこそファイトです! 月蝕の1ファンとして陰に陽に応援してますよ! [57]
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