NEAR◆◇MISS > 第九章 > 10 -10- 原点 を読んだ感想 | ||
投稿者:とらと 2018/12/22(土) 17:16 | ||
[表示] 9章完結おめでとうございます&おつかれさまでした! 9章まとめて読み返しての感想ですが初読は『-5- 自然保護区』からでした、読むのが遅くて申し訳ない……! 語弊を恐れず色々と書きましたが読解に問題があったら本当にすみません、一読者のアレですのであまり気にしないでくださいね! ・クラウー!!!!! ミュージカルシーンでの心境吐露にウワ〜なんて複雑なんだと胸を焼かれ、そしてやはり何よりもVSパラディンのシーンのクラウさんのかっこよさに胸を打たれました。お前ひとりで何が出来る、とフィッシャーさんに問いかけられ、一人では何もできない、でも心強い味方がいる。大切なものを守るために強くなれる。そう言い切ったクラウさんが、多くの人やポケモンの力を授かって今こうしてパラディンと向き合うに至っている、という「集団の力」を強く感じさせる決戦です。僕たち警察はチームです、という台詞に凄くグッときました。クラウさんが強くなったのも決してひとりで強くなったのではなく、他のポケモンや人々との関わりがあってこそですもんね……。クラウさんは自分が量産型のコピーであるという出自を知り、『複雑な気持ちです』とは言えど深く動じる様子はなくそれを堂々と語ることが出来るのは、(状況や相手がパラディンであるという要素も勿論ありましょうが)『特に携帯獣は人間以上に環境の影響を受けやすく、成長後の血縁関係を識別するのは専門家であろうと難しい』、このチーム・環境に於いて育まれてきた紛れもない自己であるという認識をしっかり持つことが出来ているからこそなのかなと思いました。『絆』があるからこそ成し遂げられるメガシンカでの戦いも熱かった……!! 己が正義を孤独に振りかざしてきたパラディンには現状不可能、チームとしてここにやってきたクラウさんだからこその覚醒と考えると一層に熱いですね。 ・話が前後しますがダークライさんのアイラさんを思う心情が凄く……凄く……初心で幼気で……たまらんかったですね……笑 アイラさんの行動のひとつひとつに舞い上がったりなんかしちゃったりする姿は本当に初恋真っ只中の中高生みたいな感じで大変微笑ましく、二週間に満たない共同生活を毎日が宝物のようだと語るシーンはあまりのゾッコン純愛っぷりが眩しすぎて直視できないのレベルでした。ダークライさん視点から語られるからそちらからアイラさんに向かう矢印がものすごい直接的に感じられるんですが、対するアイラさんのダークライさんに対する愛情もあったかいものが感じられるんですよね、『ついこの間出会ったばかり』とは思えぬほどに心を寄せているような。新婚夫婦かな? みたいな……。ですが、そのアイラさんの実姉であるメギナさんのパラディン氏に対する愛情を知ったうえでこのダークライさん×アイラさんという二人の関係性を見ると、これまたどういう顔をすればいいのか分からなくなる読者です。 アイラさんはロングさんの前で『私の“部下”』と呼んだ。メギナさんの研究は人間に戻らないためのものだと言われて“彼”のことを考えた。退院日、アイラさんはダークライさんに「あなたの気に入りそうな呼び名が一つある」と話した。クラウさんは勘付きながら話さなかった?ようだしどこで気づいたのかなあと思ってたんですが、まさかオルデンさんが病院を訪れた時に正体まで話していたんでしょうか。だとすると >「一度じっくり、間近で見てみたかったの。その青い眼……」 >「綺麗って言われない? 隠れファン、卒業しちゃおうかな。手当て、ありがとう」 この台詞の「隠れファン」がいつから隠れていたんですかねという話になって読者が大爆発してしまうんですが笑、アイラさんが分かってこの台詞を言うのかと言うとどうなんだ……?とも思うので、共同生活中のダークライさんの行動を見て段々……という感じなんでしょうか。う〜ん気になる! ・これも野暮オブ野暮な根拠のない妄想なのですが、『悪夢』を見るに至るまでの9章アイラさんが(無論これまでも女の子らしかったんですが)ちょっとびっくりするくらい少女らしさ満点であどけなくて愛らしいことよと見えていたのも、もしかして魂混線の影響だったとしたら……ゾクゾクしますね(でも心身弱っていたこと&仕事から離れてポケモンたちを相手にしていたでそういう素の部分が出ていたのだとしてもか〜わ〜い〜い〜!!ってなるのでどっちも魅力的です!!) ・うおおお!! 満を持してのファースト登場……!! 強い、強いぞ!!!! 序盤から長らく謎だった彼が飛び出してくると、いよいよ物語が大詰めなんだなと実感させられますね。キズミさんどこにいるんですか早く来て!!!( ・ロングさん、オルデンさんら脇を固める大人たちの行動とそれに対する若く青い主役側の疑心暗鬼の衝突。大人たちの行動ひとつひとつに隠されていた複雑で深い情愛に、物語全体としての思慮深さを思わずにはいられません。メギナさん、パラディン氏、敵方として描かれてきたキャラクタたちの造形も非常に情緒的と言いますか、人間性を感じさせるもので、9章で大活躍した亜人の皆さんも含めてニアミスキャラの誰もが、物語のために表面的に作り上げられたのではなく、この場所で確かに息づいて思考している、このことに本当に感心します。豊かですさまじい引力を誇るシナリオに散りばめられた伏線と謎、魅力的なキャラクタたち、巧みに料理された原作設定……!! やはりニアミスはどこをとっても素晴らしいです!! 迎える最終章で一体何を見ることになるのだろう、この物語がどういう形でエンディングを迎えるのか私には想像もつきません。全力で堪能させていただきたいと思います!! [47]
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投稿者:レイコ 2018/12/27(木) 13:43 | ||
[表示] 労いのお言葉、ありがとうございます! どうか語弊などお気になさらず……! こうしてコメントを投稿していただける時点で光栄です。しがない長編書きにとって身に余る幸運です、いや本当に…… ミュージカルは当時ゲームのBWでコンテストの代替というにはあんまりやり込み要素がなかったので、印象が薄い部分をねつ造して小説にしたらどうなるかなーという興味が前々からありました。ミュージカルの知識がほとんどないので凝ったストーリーにはできませんでしたが、〇ィズニーのイメージで、突然ポケモン達が今の気持ちを歌にする〜♪♪というトンデモ展開は、9章の自由度の高さがあったからできた事だと思います。 クラウのなかなか折れない心の強さは「完成品」として調整されたプログラムという可能性も捨てきれないとするとうすら寒い気もしてきますけど、とらさんの言う通り他者との関係性や環境によってはぐくまれたクラウ固有の成長だと考えたいですね。クラウがキズミを複製人間だと知る時系列は9章8〜10、シーンそのものは省略しました。コピーというみずからの出自を否定することはクラウの好きなキズミを否定することにもなるので、複雑と感じつつも受け入れが早まった要因の一つになり得たのかもしれません。 パラディンにも着目して下さり、ありがとうございます。対比が大好きなので、生き別れの分身であるルレイドとサーナイト・ぼっちとチーム・アイラとメギナetc.といった要素を盛り込みました。「警察はチーム」は、国際警察に属する裏エージェントでありながら単身で裏切りに裏切りを重ねるパラディンへの皮肉でもありますね。クラウが人間のキャラクターではないからこそ、どこまでもまっすぐで綺麗ごとオンパレードのクサさが劇中の世界観で許されるヒーロー像を書ききる私の決心がついたみたいなところもありました。ニアミスはSFやサスペンスの観点からストーリーが全体的に捻くれているので、渦中にいる主人公サイドのキャラの心理や信念はなるべく裏表をなくして、バランスを取りたいんですよね。トレーナー不在のメガシンカは、クラウが進化するまで『シンクロ』で培ってきた勘みたいなものや、7章でアイラが見せた『シンクロ』の使い方を下敷きに、できるだけ唐突感のない演出を目指しました。メガシンカは「絆」を象徴するトップクラスのキーワードだけに、クラウというポケモンサイドの主人公のひとりの集大成と感じてただけたら嬉しいです。 ダークライの恋愛脳は書いてて楽しかったです(笑)年相応にときどき鼻の下を伸ばしつつ、自制心を試される一つ屋根の下の生活を何事もなく乗り切ったのは……男として見てもらえない諦め(思い込み)も手伝っていたと思います。いつかは元人間だったとウソみたいな正体を明かさなければならない、いつかはアイラのそばにいられなくなるという将来を予見していたダークライにとって、一日一日がカウントダウンだったんでしょうね。胸の内で片想いがどんどんストレートになっていく過程は、ジレンマが強まっていく過程でもありました。 アイラがどの時点からダークライの中の人に「もしや」と思い始めたかというと……もちろん、何かしらのきっかけはあったんだと思います。でも9章はほぼダークライ視点なのでアイラの心中は基本ナゾ、ですね。ダークライは人間時代に比べて自分の気持ちに正直になった分、他人の気持ちに鈍感になってしまったという良くも悪くも精神年齢が実年齢に準じたパターンを辿りました。どこまでも裏目がついて回る主人公……裏設定的には、深層心理にひそんでいるメギナが早い段階でダークライ=元人間だと看破してアイラに一方的にタレコミし続けていた……というのがあります。それが功を奏したかどうかは、不明ですが。ダークライ×アイラ、パラディン×メギナの関係性もこれまた私の好きな対比ですね。対比ばっかりですね!!(苦笑)アイラの女子力(?)はダークライのフィルターが激しくかかってる疑いアリですから、あんまり信用なさらないでください!(笑) オルデンはアイラを精神的に刺激することに慎重派(長老の助言で、入院初期からメギナの残留思念を懸念していたと思います)なので、たとえダークライの素性を掴んでいたとしても、あの場では伝えなかった気がします。ちなみに時系列を捕捉しますと、アイラから内密にダークライの相談を受ける→面会の必要性を感じ、激務(具体的にはタイムカプセルの設計、ロング・長老のサポート、怪しまれないための国際警察内での通常業務など)に追われながら必死で空きを作ってアイラの病室を訪問→ダークライのデータの解析などを進めるうちに真相に近づいて行った、という感じです。ともあれ細かい部分は流して読んでもらって大丈夫です、9章はポケモンサイドが主軸ですから。 ファースト!ようやく表舞台に帰還しました!余談ですが戌年に達成できたのも何かの縁ですかね!ウインディかっこいい!強い!美形!あわよくばウインディ布教したい!と自分の偏愛が詰め込められているので、欲張ってもうひと声活躍の場面を作りたいですねー!実現できるかはまだわかりませんけども……(汗) いや〜〜〜〜〜、褒め殺し! 照れます! 顔面がマグマ! 謙遜も開き直りも恐れ多くて八方ふさがりなこの感覚……返信のセンスがなさすぎて我ながら情けないです、まったくお恥ずかしい!! この一年の締めくくりに勿体ないほどの熱いエールを送って下さり、感謝に堪えません。こちらこそ、とらさんの作品の一読者として執筆活動が捗りますようこれからも応援しております! よいお年を! [48]
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