NEAR◆◇MISS を読んだ感想 | ||
投稿者:海 2018/03/29(木) 16:27 | ||
[表示] こんにちは。海です。第九章-4-を拝読したので感想とさせてください。気になったところを掻い摘まみます。 現実世界で五輪があった直後ですが、ニアミスの世界ではポケモンの五輪もあるんですね〜。ゲームでもポケスロンはありましたが、今もトレンドのワードになんだかほっこりしました。何かと亜人の立場が差別化されていた前の世界観を思い返せば、後々スケートで亜人と人間が共に遊んでいる光景も含めて、共存世界の穏やかさを感じます。 >「冬になったら、スノボー教えてくれるって約束……覚えててくれてるかな、ミナトさん」 ヌオーの雪だるまを作るにしろ、この発言にしろ、後々酔いどれリーフィアのウルスラの発言にしろ、ダッチェスにしろ、名前は出なかったもののトレーニングメニューを作ってくれた人……その……元国際警察官のあの人(なるほどなーという目。小出しにするのがお上手だ……)にしろ、今回の話は今姿のない人の存在が、また濃厚に過ぎっていった話だったように思います。フィッシャーさんとか、めっちゃくちゃ懐かしいですね。お元気そうで何よりです。つい最近まで当たり前のように一緒にいたのに、なんだか懐かしく思えてしまいますね、というのは先を知らず、今の亜人視点の展開に少しずつ慣れてきた読者だから思うことなのか。 一方、たとえば左手で缶の蓋を開ける、人間だった頃のキズミの癖(特技)だったり、記憶になくともキズミとしての仕草の断片が出てきたり、トマトが苦手発言だったり、人間だった頃のキズミを彷彿させる場面も多く見られる話でした。左手だけで蓋を開けるのは、クラウにとって印象深い場面でしたよね……サイコパワーを使わずに手作業で開けること、キズミに教えてもらいながら、ようやく開けられたあの瞬間とか、それを通じてエルレイドになりたいという思いを吐き出したこととか……キズミとクラウの関係性を語るには、ターニングポイントであるとても重要な場面です。だからこそ、当たり前のように蓋を開けたキズミの行動に目敏く気付くことができたし、優秀であるクラウはもしかしたら勘付くものもあるのでは……?と期待を寄せてしまうシーンでした。何か光明に繋がるといいのですが……。 野生化について。 亜人→野生になることも、普通にあるんですね……。人間が学校に通って社会に出て将来を決めていくように、亜人のポケモン達にも幼くして亜人と野生の将来を決める瞬間がある。なんとなく、亜人というのは高い知能を持ったポケモンが人間の生活に憧れたり真似をすることで人間社会でも生活できるようになっていくような、野生→亜人の順のイメージが強かったので、意外でもありました。そして、>「きいてみただけ。ねえ、ヤセイのことしってる? たのしい? あぶない?」 から感じたのは、今のこのニアミス世界では亜人にとって野生のポケモンの方が遠い存在にもなりつつあるのかなあ、という感覚がして、それもまた不思議でした。これは単に読んだ感覚でしかないのでレイコ先生の意図としては違うものかもしれませんが。スケートのシーンやこれまでの話からも亜人と人間の共存は(裏はどうあれ)なされつつあり、亜人は見た目こそポケモンでも人間に近い存在になりつつあり、元の野生からはむしろどんどん離れている、というのが現状なのかなあという印象でした。それを良いととるか悪いととるかは判断できませんが、セレビィ関連ではむしろ人間は憎まれていた分余計に「ポケモン」としての個性の遠のきに違和感も少しあるといいますか……ううん、どうなんでしょう。ここで野生化の話が出てきたということはレイコ先生のことだから無意味なことではまったくなく何かの伏線ではあるかと思いますので、今後の更新を待ちましょう、ですね。 >「そなた、バトルの才能がなさすぎる。いい加減、諦めたほうが良いのではないか」 雄黄の発言より引用。これ、元のキズミとの繋がりもあるのでしょうか? (恐らく)実験でダークライになった分、技を使えないのは純粋なポケモンではない証拠かなにかかなーと思ってたんですが。いえ、キズミも超優秀な国際警察官で才能には恵まれていたのですが、彼が無茶をしたり超人的な身体能力で仕事をしていたのは、ウルスラのシンクロがあったことも大きな要因だったじゃないですか。ミナトと比較すると才能という点では劣る、という風にレイコさんもいつだったか仰っていたので、その点を加味しても。単純に純粋なポケモンじゃないから〜とかそれからもっと別の理由かもしれないですが、文の一つ一つにキズミの面影があるのでは、と疑ってなりません。 >なんだと!? 朗報だ。リハビリは順調で、ついに退院のめどが立った。 よかったな。おめでとう、警部補。俺も負けていられない。技の特訓、頑張ろう。 おめでとうございます!!!!ほんと、第九章が始まった頃から考えると、アイラさん、目まぐるしい回復ぶりですよね……テンポが良い……アイラさんのこれまでの苦労を考えるとむしろスムーズすぎて逆に怖い()んですが、今回はたくさんアイラさんの台詞も見れて、キズミとの絡みも見れて、なんといいますか、ありがとうございますご馳走様です、と手を合わせたいです。そして、ここに限った話ではないのですが、キズミの前向きだったり素直だったりの一人称が、やはり実に良いですね。 >「でもここだけの話、君の顔を見るだけで癒やされる。一番大切な日課なんだ。」 とか、ハア、良いです。冒頭で「小っ恥ずかしくないか」とクラウがちびブイ雪だるまをアイラさんに持っていった際に言ってましたが、自分のそれも大分小っ恥ずかしいくらいですよ笑 そういう意味では、クラウとキズミ、根っこのこういう部分は似たもの同士? なんだか、クラウがウルスラについて恋して浮かれていたあの頃を思い出します。 >全国のパパやママ、ベビーシッターはこの比でないハードワークをこなすのだろうから尊敬する。 >この子の特性は『勝ち気』か。 なんだろうなあ、この文妙に人間臭いなと思いましたw勝ち気、とポケモンの性格をカテゴライズしてしまう点とか彼のトレーナーとしての知識が無意識のうちに彷彿させたもののように思えてしまうんですよね……どうにせよ、人間臭い、とはいい意味です。そもそもキズミは元々人間なわけですから。 先に書いた人間の時の癖や好みがこの話には詰め込まれていて、またいろんなニアミスのキャラクターの名前や面影が濃厚になってきたこともあり、少しずつ、元のところ(完全にとは言わないものの)に戻ろうとしている、ような……あるいは思い出そうとしているような、そんな予感が、少しだけしてしまうのは、期待をしすぎなんですかね。このまま進むことはなかろう、とは思っているのですが、ならどうやって今の亜人視点の物語から変わっていくのか、わからないまま、少しずつ少しずつ、壊れたものが再び積み重なっていくような……そんな気配を勝手に感じております。希望的すぎるかもしれませんが! 何しろ、彼等をとりまいている悪や大人達の策略に関してはどうなってるかまったくわからないですし、どう考えても良い方向になっているとは、その点は思ってはなりませんから(戒め)。どうなってるんだろうなあ……ほんわかしているからこそ、見えない部分で何が起こっているのかが余計に気になってしまいます。でも、オルデン先生が来ましたからね。何か、動きそうな――動いていたけれど見えていなかったものが顔を出しそうな、そんな気が……気が!しますね!わからないですが!楽しみです! エルレイドとニンフィアの騒動に関しては続きそうなので、この場は割愛させてください。もう一つ、気になったところを言わせてくださいね。 ニンフィアにしろリーフィアにしろ、勿論今までのダッチェスにしろ、特に今回、やたらとブイズが出てきますね……これは狙っているのか……?第八章で明らかになった実験内容的に、どうにもニアミスのイーブイ族はあの実験を思い出してしまって、複雑な気持ちになります。実験で使われたイーブイとこの子たち(特にニンフィア)が直接関わっているかと言われるとあまり考えられないのですが。あの実験に使われたイーブイは人権ならぬポケ権の糞も無い状態だったわけですから。うーん、どうなんだろう。今後明かされることであれば流していただいて結構ですが、またこっそりこのあえてブイズにしたポケ選の裏話についても、ちょっと興味があります。 まあ、意図はどうあれ、どれも個性豊かな性格をしていて、読んでいてとても楽しいです。レイコさんはいろんなタイプのキャラクターを作るのが本当にお上手ですよね……しかもそれがわかりやすくて。見習いたいと思いながらしみじみ読んでいました。 はい、そういうわけで個人的に気になったところを掻い摘まむつもりが長々となり申し訳ございません。ニアミスは一話分の情報量が濃密なので気になるところを言っていくともどうにも文字数が嵩張りますね。ご容赦ください。勢いで書いたのでわけわからない部分があれば流してください、または訊いてください。 少しずつ少しずつ物語が進みつつある第九章、どうなっていくんだろうな〜〜〜超キーパーソンのオルデン先生がきっと進めてくれることでしょう!そして三日月の羽はどうなるのか!ニンフィアの件も今回全然ツッコまなかったんですけど次回改めて言わせてください!楽しみにしております!今後とも引き続き応援しております。ではでは! [42]
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投稿者:レイコ 2018/08/07(火) 21:57 | ||
[表示] 返信が大変遅くなり、申し訳ございません。9章-4-のご感想、ありがとうございます。 私はお調子者なので、面白そうと思ったことをすぐ作中に取り入れたくなってしまうタチなのです。良いか悪いかはともかく(苦笑)。現実のトレンドやニュースと本編をリンクさせるのは元々好きでしたが、冬季五輪はちょうど作中が冬真っ盛りで、見事なリアルタイムでしたのでこのチャンスを活かさない手はないと食いつきました。 9章までは人間目線が多くて亜人が虐げられているかのような表現に寄りがちでしたが、あれは一種のミスリードで、アルストロメリア在住の亜人目線だと彼らはたくましく人間社会での生活を営んでおり、たまの不便や偏見を受けつつも共存に満足している者が大半です。ただしアルストロメリアはかなりマシな部類で、他の街ではわかりません。劣悪な環境で心がすさみきっている亜人も大勢いると思います。 8章までは当たり前みたいに登場していたキャラクター達が、世界を見る視点が少しズレるだけで舞台から退場扱いになるのは書きながら新鮮であり、一方で今ここにいない者たちの存在感が急激に薄れることに危機感もおぼえました。書き始めてみるまで実感湧きませんでしたけど、ミナトやダッチェスたちがいてもいなくても、世界は何事もなく回っているんだな……と。完全に忘れられてしまうと作者としても忍びないので、クラウにはしつこくない程度に“思い出”語りを頑張ってもらいたいところですが…… ターニングポイント、覚えていてくださったんですね。懐かしいです。あれはキズミとクラウの交流の原点といってもいい、重要なシーンでした。状況を再現することで、気づいてくれる読者さんがいてくださればいいなと淡い期待をいだいておりましたので、海さんのおかげで望みが叶いました。ありがとうございます。 本編中では細かく触れていませんが、野生→亜人よりも、人間の手持ちが人間の死後や逃がされた後で亜人になるケースが主流、という設定があります。亜人同士が結婚すればその仔たちは人間社会と亜人のコミュニティで生きることになるので、おっしゃる通り動物的な野生のポケモンより人間に近い考え方や感性を身につけながら育ちます。しかし中には、原始的な生き方に憧れたり、それこそが至高だと考える者も現れるのですね。苦労して亜人の資格を手に入れたのに、人間社会のストレスに堪えかねて野生に戻る者もいます。一口に亜人といっても様々で、次話で亜人のさらなる一面を追加しておりますので、よろしければご参照ください。 >単純に純粋なポケモンじゃないから〜とかそれからもっと別の理由かもしれないですが、文の一つ一つにキズミの面影があるのでは、と疑ってなりません。 素晴らしい! 正解出ちゃってますね! 元人間で実験で生まれた彼は浮遊したり影にもぐったりはできますが、ポケモンなら誰でも使えるはずの『技』が使えません。しかしゾロアークは技をばんばん使えていたので、彼とゾロアークとでは実験のアプローチが違うところに起因しているのだと思います。 日常パートを6日分以上詰め込むにあたって今回テンポは特に注意したので、そう言って頂けて嬉しいです。アイラは元々刑事で体を鍛えていたので、一回軌道に乗りさえすれば回復が早いタイプだったんだと思います。お察しの通り、クラウとキズミは似ています。キズミとミナトは本質的によく似ている切っても切れない双子のような親友ですが、クラウとキズミは年の離れた兄弟的な雰囲気を持っています。今はクラウが進化してキズミが記憶をなくしているので、ほぼ対等な相棒関係がうまくいってる感じですね。恋愛に奥手で片想いでときめくのに満足してそれ以上あまり望まないところ(悪く言えばヘタレ)とか、そっくりですね(笑)。 オルデン先生が登場しました! 久しぶり! 訪問した理由は、これからの9章後半にかけて明らかにする予定です。 特性の知識が無駄にあったり感性がポケモンっぽくないのはやはり、元人間だからの一言に尽きます。読み取っていただけて有難いです。亜人との微妙な違い、書き分けが楽しくもあり難しくもあります。 ブイズが何体出てきているのは、進化系を全部は劇中で出してみたいと考えていた時期のなごりです(笑)。せっかく長編をやるうえで準レギュラーにブラッキーがいるのだから……という大変しょーもない動機でした。ですが、進化系が登場すると自然とダッチェスの存在感がふわっと浮き上がってくるので、リーフィアやニンフィアをこの時期に持ってきたのはそういう狙いがあってのことです。なので、しょーもない動機、からちょっとだけ昇格したと思いたいですね。イーブイを使った実験のことを覚えていてくださり、ありがとうございます。チェックマーク点けておいてくださると、あとで役立つかもしれません。 毎回情報を詰め込んでいるにも関わらず、丁寧に読み込んでくださって嬉しい限りです。海さんの熱いメッセージにはいつも励まされております。おかげさまで9章も後半に入りました。あらためて応援、ご感想ともにありがとうございます! [45]
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