NEAR◆◇MISS > 第八章 > 05 -5- ロングロード を読んだ感想 | ||
投稿者:とらと 2017/11/07(火) 20:52 | ||
[表示] 先日、当該更新分で明かされた設定について、色々と大変興味深く拝見させていただきました! さすがレイコさん、さすがニアミスという感じで、凄まじい作り込みの作品であることを再認識させられた次第です。しかし、設定に関しては沢山お伺いできたものの、物語の醍醐味であるドラマパートについてはあまりお話できなかったので、あらためて、-4- ハイリンク、-5- ロングロードの感想を簡単にですがしたためておきます。 オハンを惜しむ猶予もなく、物語は進む。 夢世界の描写が大変巧妙だなと感じました、最初「突然場面が転換して一体何が起こった?」と混乱し、不気味な思いのまま読み進め、ダッチェスの正体(ア〜なるほど! 裏切りじゃなかった よかった(と思っていいのかどうか(疑心暗鬼)))、何故アイラがここにいるのか、逆再生するように把握させていく。疑問符が並んだ状態から、霧が晴れるように明かされた詳細のおぞましさよ……。夢の中といえ、ニアミスは(怪我もさせていたし死人も出ていますが)えげつない描写を回避して進むと何故か思い込んでいたので、血の跡を追う、目が脚が、気道まで牙が、という描写が出てきたことにも大変驚き、そうか物語はここまで切迫したところに辿り着いたんだなあと……。若者が身体を傷つけられている様には本当に心が痛みます。 読者、あまりの情報量に(次話もそうなんですが)大混乱しているところ、彼らは事を把握して最善を尽くそうとする、本当に頭が冴えるなあと思いまして、さすが国際警察官だけあると言いますか。アイラさんがキズミさんを抱きしめるシーン。このシーンだけじゃなく、これまでも色々な苦境に彼らは立たされてきて、傷つけあいながらその裏で認め合いながらここまで来て、気丈に立ち続けてきたけれど、アイラさんなど内心はもうボロボロなのではないかなと思うんですよ。その二人が、この壮絶な状況の中で、二人きりで、死にかけて、抱きしめあって、互いの鼓動や匂いを感じる、その光景に、なんだかこれまでの歴史のようなものが込められている気がして……ウワ〜となりました(結局語彙力は死んでいる模様)。近くて遠い……そうですか……尊い…… いやでも本当に、タガが外れた訳ではないですけど、アイラさんが『認識』した途端に、急接近したような感覚がありますね。実際は色んな出来事を経て少しずつ分かりあってきたのですが……認識したからこそですね……しみじみ。 次話! 十日も経っている! このタイミングでロング警部が目を醒ましたのは一体どういうアレなんでしょうか、気になりますね 十日間の間に敵方はかなり動いているのでは 先に押し付けた奴にも書きましたが、やはりロング警部という人は本当に、一体何があなたをそこまでさせるのかと思えてなりません。どれだけ強い人なんだと。そして語られた諸々の真実…… 以前、ニアミスがどういう物語なのか、これからどう展開してどう決着するのか掴み切れていないみたいな話をしたかもれないんですけど、この回を以て、私の中のニアミスのイメージっていうのは本当に激変したんですよ。ツイッターでレイコさんが「序章や1章のイメージが変わるようなお話にしたかった」という感じのことを仰っていましたが、まさにですよ。そしてその冒頭部分って言うのは作品の顔になる部分な訳じゃないですか。この作品は、こう、若者たちが得体の知れない闇に立ち向かう!!! みたいな、元気なウェイトレスとやりあってバイクで公園にテレポートする、ああいう勢いのあるイメージだったんです。けれど、今回ロングさんが語ったお話を考えながら思い返すと、あれらのシーンさえ「これはセレビィが介入した結果の世界で、こうじゃない世界線なら彼らはまだ幸せに暮らしていたかもしれないんだな」とか思ってしまって、すっごく切なくて……もうめちゃくちゃ切ないイメージの作品に様変わりしました、これホント凄いですよね。だけど掴み切れた訳じゃないから、また様変わりするかもしれない。するような気がしています。そう言う意味で、色んな色を含んでる、鮮やかな虹色の作品だよなあ。楽しいよなあそりゃ。こういうの狙ってやられるんですから、ホント凄いですよ。語彙力なさすぎですいません。 >「俺は……何者ですか」 この台詞が凄く好きです、親友に纏わるあまりにもショッキングな話を聞かされ激昂した直後、はっと我を省みる瞬間。やっぱニアミスのキャラは頭がいいなと感じます。 彼は確かまだ十六歳とか(曖昧)じゃないですか。しかもこういう真面目で一本気な性格ですよ、その彼がさあ、ちょっと気になってるけど上司だしダメダメと思ってるような相手をつかまえて、歴史改変される前は恋人だったんだよと告げられる衝撃は、計り知れないものがありますよ。しかも、この状況なんですよ。キズミさんは強い人だけれど、ロング警部はもっと強くて、あんまりにも強すぎるから、こういうことをこういう状況で言ってしまうでしょ! あんまりですよ! こんなこと言いたくないですが、ロングさんも警部ならもっと物事を説明するノウハウみたいなものあるでしょうが!笑 いやでもこの話を彼が遂に持ち出さなければならなかったということも 状況が切迫していることを示しているのかもしれない ロング警部も追い込まれているような気持ちになっているのかもしれませんね 十日の間に何があったんだ…… 敷かれたレールの上を歩いてきた、か。 なんだろう、レールの上をおのずから歩いてきたと考えられるだけ、まだキズミさんは強いんだなとも思うのですが。まるで掌の上でずっと躍らされていたようで、飼われていると気付かずに飼育されていたようで。それでも彼は腐らず、ロング警部への不信も出さず、使命の為に歩いていくのかなあ……ロング警部の予感する通りに。どうなるんだろう。この状況がこれからどうやって打破されていくのか、震えながら待つしかありません……。 アイラさん、ウルスラやクラウの安否も気掛かりですし、その間ミナトさんが何をしているのか、オンデルさんがどうなってるのか(一回サーナイトと会って何か忠告されてるんですね、無事だろうか)とか、ダッチェスは本当にもう……とかも、色々と気にかかります。8章の1話目を読むと、彼らとセレビィは仲間って訳でもないんですよね。サーナイト(ドルミール?)達はセレビィを利用しようとしているのか……? 次話も急展開が待ち受けているということで、物語がこれからどこに向かって加速していくのか、敵方の陰謀がなんなのか、段々明かされてきそうな予感……。恋に現をぬかしているような状況ではないかもしれませんが、この怒涛の展開のさなかに、ウルスラやクラウ、キズミさんやアイラさんの恋心がどう発展していくのかも楽しみです。色々明らかにされたのにまだまだ楽しめる所が山ほどありますね、凄い……!! 台詞が多く、対して地の文はひとつひとつぐっさり突き刺さるようで、情報量の多さだけでなく文章表現としても、重く濃密な文章であると感心させられる次第です。いや〜次話も楽しみです。期待しています。では。 [35]
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投稿者:レイコ 2017/12/08(金) 22:54 | ||
[表示] ご感想ありがとうございます! 返信大遅刻常習犯で大変申し訳ありません。設定のみならずドラマパートにも触れてくださり、嬉しいです。作り込みといわれると鼻が高いですが、読者様を置いてきぼりで理解不能路線を突き進んでる部分も少なからずある気がしますので、注意したいと思います……! 流血シーンは悪夢という設定なので少しだけ羽目を外しました!(?) 抱擁のシーンは……書きたかったシーンの一つですね。キズミとアイラの関係は年相応・一緒に過ごした月日相応にまだまだ浅いですけど、それでも二人なりに積み上げてきたものが走馬灯のように〜という思いを込めましたので、まさしくとらさんのおっしゃるとおり、こちらの意図としては大成功です。次話でキズミがこの場面をまったく回想していないのは、夢の中でアイラに抱きしめられたことはまったく覚えていないからなんですけどね。一発屋のようなシーンになりかねないだけに、イメージ通りに描写できていたみたいで、本当に良かったです。 >やはりロング警部という人は本当に、一体何があなたをそこまでさせるのかと思えてなりません。どれだけ強い人なんだと。 ^ ロング警部は説明が難しいです。ようは彼は、人間が好きなんだと思います。「適性」という言い方が一番しっくりくるかなと。困っている人を助けたいとか正義感が強いとか、たまたまそういう性分で好きで警察の道に入ったというバックがあって。これがこうだから人類を救わなきゃいけないと他者を説得するためにそういう考えを持ち合わせているのではなくて、単純に、罪もない人が死ぬのは嫌だという、それが自分の信念として完結しているうえで行動している。ある意味でロングの中では理論があるようで、ないんです。次話(8章-6-)で記述したように、意図的に過去にさかのぼって人類を抹殺するというのは、言ってしまえば無差別の大量殺人ですから。刑事として見過ごせないというロングの気持ちを、同じ刑事として理解できるキズミはなかなか否定できないところなので、このあたりのシーンに関しては視野狭窄な描写を避けられなかったという反省があります。 ロング警部が目覚めたのは、次話-6-のメギナ=ゾロアークが自爆したことが原因でした。それまで眠らされて、夢を搾り取られていたので。ただしロングとキズミの目覚めるタイミングがばらばらだったように、正確にメギナが消滅した日時は不明です。そこはストーリーと関係ない部分なので、あいまいで大丈夫です。 >この回を以て、私の中のニアミスのイメージっていうのは本当に激変したんですよ。 >「これはセレビィが介入した結果の世界で、こうじゃない世界線なら彼らはまだ幸せに暮らしていたかもしれないんだな」とか思ってしまって、すっごく切なくて……もうめちゃくちゃ切ないイメージの作品に様変わりしました ありがとうございます! そのお言葉を頂けただけで成仏できます !! 一周目と二周目で印象が変わる作品が大好きなので、自作にも手法を取り入れようと悪戦苦闘してきた甲斐がありました…… 「恋人」と言われたことでキズミの中で何か劇的に変わるイメージが漠然とあったのですが、いざ書いてみると想像と裏腹にほとんど変わりませんでした。賢いと言ってくださったように、状況が状況だけにキズミっぽいてきぱきした塩反応に仕上がった一方で、やや盛り上がりに欠ける押し問答になったのがちょっぴり心残りです。次話でキズミの心情について掘り下げる尺を設けたので、補完できていたらいいなと思います。 >いやでもこの話を彼が遂に持ち出さなければならなかったということも 状況が切迫していることを示しているのかもしれない ロング警部も追い込まれているような気持ちになっているのかもしれませんね 十日の間に何があったんだ…… > 次話です……次話のようなことがあったんです…… >ウルスラやクラウ、キズミさんやアイラさんの恋心がどう発展していくのかも楽しみです。 恐れ入ります! 大詰めが近いストーリーに負けじと、キャラクターの関係性も頑張ります。来年から新章に入りますので、そちらのほうも宜しければお付き合いください。あらためて、ありがとうございました!! [36]
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