NEAR◆◇MISS > 第四章 > 06 -6- ロングの病室 を読んだ感想 | ||
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投稿者:はやめ 2014/07/08(火) 19:04 | |
[表示] こんばんは。 最近ポケノベで何の小説を読んだか、というとほとんどがこの作品でした。ふと思いついた時、手に取り始めてから、思えばずっと流れを追っていたなと今更達成感が溢れてきます。 ニアミスに対して、ちゃんとした感想を一度書き記しておくべきだとは常々感じていたのですが、その機会がなかなか定まらず、物語としてはある程度区切りの良い章末までが丁度いいかなということで、一つ私がこの作品に対して思ったこと・感じたことなどを述べさせていただきますね。 ただ、今回の感想はちょっと物語に直接触れるというよりも、作品の全体概要をおおまかに捉えたような抽象表現になってしまうかもしれません。予めご了承ください。 非常に悔やまれるのは、この小説を語るだけの言葉を私自身が持ち合わせていないということです。故にどこから書いたものか、と悩ましく、こうして感想を書くにあたっても正直内容が全くまとまっていません。単純に「面白い!」と言うのは間違いがなくて無論そう思うからこそ読み続けるわけなのですが、もう少し違う言葉を使って表したいというのが願望です。 決して創作は勝ち負けの問題ではないし、それぞれの表出する個性を楽しむのも一興であるということは重々承知しているのですが、それにしても、この作品を読んでいて、勝てねえよ……(褒め言葉) と思ってしまいます。 ええと、ここから抽象的になりますね( どこをとってもレベルが高い。「ポケモン」と「人間」に対して正面からぶつかっている。ポケモンの要素がレイコさんの解釈によって、より勢いを持った世界として語りかけてくる。設定も違和感なく受け入れられましたし、プロットも相当練り込まれているのではないかなと思いました。相当長いお話のようですし、話の展開が非常にゆっくりで、ここまでの流れとしては盤石を整える、下地を作っている、という印象を受けました。 あんまり二次創作者としての視点ばかりから見るのもどうかとは思うんですが、この物語を読んで思ったことには、それこそ下記の黒須さんが仰っていたように「ハンパねえ」という言葉を借りたいぐらいです。本当に半端ないんですわ。その何が半端ないかというと上記に挙げたこともそうなのですが、一つ一つの文章や言葉を大切にされているなと思いました。表現って、これでいいや、と思ってある程度妥協と一緒に通り過ぎてしまう、意味をもたない記号の羅列になってしまうということは多々あると思うんですよ。でも、ニアミスにはそれがない。磨きに磨きに磨きをかけた状態で送り出しているのではないかと勘繰ります。 私がこの作品を魅力的だと感じた点は、一見すると抽象的でありながらも、噛みしめながら読むことによって味わえる心情描写の巧みさでした。勿論心情表現だけには留まりません。 まず、語彙力の高さに驚かされました。いや、本当にびっくりしましたよ。波のように溢れてくる表現力。この人に知らないことはないんじゃないか。どの言葉を組み合わせたらこんな効果が生まれるのだろう? ここが自分が絶対及ばない、と思ったところです。レイコさんの文章は一字一句しっかり受け止めねばならないなと思いました。拍手メッセージでこの表現がいいです、って言ったのもそういうことです。正直これ読んだ後に自分の表現書く時、思うように言葉が出て来なくて悔しくなりましたからね!( 羨ましいですよ。その力をください(?) と同時に、語彙力が申し分ないほど高いが故に私には分からない表現も散見されて、出来ればもう少し直接的に書いて欲しいかなと思った部分もいくつかありました。例えば、第三章はちょっと全体の流れが捉えにくかったです。ミロカロスを霊媒にするところも、説明されてようやく理解出来たかなって感じでした。これは恐らく、自分の読解力が絡んでいるのかなと思います。私が分かる領域に関しては理解が進みやすく、知らない分野に関しては読解が遅れてしまう、ということが多分に影響しているので、もし私の言葉を受け止めていただけるようでしたら参考にしていただければと思います。ただ、そういった部分を差し引いた時に、ここまで表現を緻密に描く作品は自分の読んできた中ではそうそうなかったです。 それでは、このままじゃ中身のない批評に等しいので、内容についてガンガン触れて行きたいと思います。 アイラなのですが、割と他の読者さんからはきついとか怖いとか思われているみたいですね。私はあまりそうは感じませんでした。アイラにはアイラの主義があり、かつ未熟さがキズミとの確執を生んでいる。父に少々依存している節も、第四章「灰色の記憶」をもって詳しく掘り下げられていますし、あんまり怖いとかそういうことは思いませんでしたね。美人なんだなというのも伝わりました。ただ、この二人険悪すぎるっていうか、もう少し歩み寄れないのかな? とは感じましたけどね( これだけ最初から仲が悪いっていうのは、逆に彼らが良い形で接近し始めると連載の力も伴ってすごい爽快感が生まれるんじゃないかと思いますよ。その時が来るかどうか分かりませんが、今から楽しみですね。ちなみに私は人物が葛藤する過程を丁寧に描く作品が好みなので、そういった部分も手伝って、アイラ達に好意的な眼差しを向けられるのかな、とも思いました。 ミナトなんですが、ムードメーカー的存在ですね。ノリが良いけど、一緒にいると随分振り回されそうな感じ。独断決行の多いキズミの抑止役にもなっていて、でもかなりの闇を抱えていそうな感じがあります。で、彼の手持ちである菊塵のキャラクターはちょっと想像出来ませんでした。あれ、でも種族が掴めない……( なんか自分ではこいつかな? と思ったんですけど、実際ここまででは名前出てないですし、よく読んでみたら違ってる気がしてきました。ミカルゲじゃないのかな? なんとなく意味もなくランクルス辺りが浮かんでました(BW出てたか分かりませんけど……)。エスパー能力を使うみたいですしね。「すっげえ強烈なキャラクターだな」(褒め言葉)と思いました。喋り見てるだけで面白いので、この子の活躍に期待。 さて、敵なのですが以前ロング捜査官を襲撃したのはルカリオではないかと私は仮説を立てました(多分外したな)。「竜の波導」「波導弾」辺りを使っているのがそれっぽいなと。亜人設定もありますし、あの世界は人間ではなくポケモンが悪役でもおかしくはありませんからね。そこがまたちょっと予想出来なくて面白いなと思います。で、大分進んだところでゾロアークが出て来るじゃないですか。あ、これ来たんじゃね!? 当たったんじゃね!? と思いました( ゾロアークとの戦闘描写は見事の一言に尽きます。具体的に事物を描いて、克明に情景を映し出す文章に長けておられる……はあすげえ(溜息)という感服しか生まれません。 あとはそうですね、クラウについて。彼はとてもかわいいです。恐らくこの小説で一番の可愛さを誇るでしょう。どちらかというとウルスラは自分の中では淑女に近いイメージがあります。キルリアは♀のイメージしかなかったんですけど、キルリア♂でここまでかわいいって……新たなる何かに目覚め(ません)かねないですね。 ポケモンの心情描写も人間と同じぐらい濃い密度で展開されるのがニアミスの凄いところです。どっちか置き去りになっちゃうんですよね、大体の場合は。でもポケモンも人間もどっちも全面に押し出されていて、それがおまけじゃなくて、同じ土俵で物語を彩っているなと。多分この辺りに関しては相当意識されて書かれているのではないでしょうか? 物語自体もかなりの長さを誇る(第十五章近くまでありそう)と思うので、毎話気合が入っていて、作者の全力を感じながらもそれが息切れしないから、ニアミスにかけるレイコさんの意気込みが凄く伝わってきます。素敵な作品ですね。 と、だいたい感想としてはこのぐらいになります。まだ感じたものの少ししか伝えられていないと思うので、またすげえ!! って思うところがあったら、その都度伝えていきたいなと思います。 それでは、楽しい作品をありがとうございます。また続きも読んでいきますね。これからの執筆活動も応援しております! [25]
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投稿者:レイコ 2014/07/09(水) 15:59 | |
[表示] ご感想ありがとうございます。このようにはやめさんのお言葉で本作を表現していただけて光栄です。一言一言が大変貴重で嬉しく思います。 作者が申すのもなんですが、現時点でニアミスはよくも悪くも統一性のない、読後のイメージが定まりにくい長編ではないかと思います。 ですので、はやめさんのように面白い以上の言葉を模索して下さる読者様に申し訳なさを覚えます。未完につき語れることは少ないですが、こちらの本文に込めた思いを好意的に汲んでくださってありがとうございます。 文章については苦手意識と劣等感が強いので、そのように褒めていただけると雲の上まで舞い上がってしまいそうです。 こちらこそはやめさんの文章表現やキャラクター、展開の仕方等などそのセンスを分けていただきたいほどです。本当に。 お言葉を励みにさらなる文章の向上を図れるよう頑張りたいです。 「人間」と「ポケモン」は二次創作上の好きなテーマです。ニアミスは特にその点にこだわっておりまして、というのも(以下ネタバレ) 三章は反省点が多いです。 おっしゃる通り読者様を置き去りにしている感が否めません。文章もそうですし、流れもとびとびで分かりにくかったことと思います。 説明しておかなければならない要素を詰め込み過ぎているうえに、次の章へと先を急いでいましたからね……以後気をつけます。 キャラクターにも触れて下さってありがとうございます。 アイラは描写が難しい反面、登場させるのが楽しい主人公の一人です。キズミとの動向は六章付近からやっと進展があると勝手に考えておりますが、実際書いてみないことにはまだ分かりませんね…。 貴重な人間の女の子なので、弱さ脆さルックスは完備したいという作者の我儘がつまってます(苦笑)。 ミナトは正主人公のキズミをいたる面で食ってしまう困り者(褒め言葉)ですが、中心核になったのはおそらく三章くらいなもので、その三章ですら七章(予定)の布石ですから、本当の意味での活躍まで時間がかかりそうです。それくらい、ある意味重要なのですけどね。 ちなみに、はやめさんの麹塵の推測には心底驚かされました。正体はあれなんです…あやつです。こやつを気に入ってもらえただけで大金星をあげたようなものです。くふふふ… 襲撃者たちのご予想とはお珍しい、思わずニヤリとしてしまいました。次の登場時に判明するかと思います。亜人設定に関連づけられるとは、さすがはやめさんです。 クラウは一番動かしやすいキャラかもしれません。 キズミとアイラの板挟み、ウルスラへの片思い、進化への悩みetc.と、ポケモンでありながら人間パートも掛け持ちする偉い(気の毒な)役者です。 ガーディ=銀朱との友情もとっくに掘り下げられている予定でしたが、エピソード二つほどカットしました…それくらい話の中心に据えやすいですね。 意気込みですか、重ねがさね素晴らしいお言葉をありがとうございます。「人間」と「ポケモン」の二人三脚こそが(以下ネタバレ) いやはや感慨が尽きないです。感謝の気持ちをどうやって表現するのが相応しいのか、はたまた自分に表現できるのかさえ自信がありません。 ただひたすら、ありがとうございますと頭を深く下げたい思いのみです。 はやめさんの創作活動もどうぞ捗りますように! 一読者として応援いたしております。 [26]
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