月蝕 > 月蝕 > 89 9−4 を読んだ感想 | ||
投稿者:レイコ 2017/03/25(土) 21:37 | ||
[表示] お疲れ様です。 今回は拍手ではなく、感想欄にお邪魔しようかと思いました。 突発なので内容や短さについてはどうか、お気になさらず…… あえて読み返さず、記憶を頼りに書き出してみます。 どのあたりで「あっ」と思ったか忘れてしまいましたが、ずっとトウヤのことを、家族として美しい一女性として慕っているだけでなく、ずばり、背徳的な恋心を自分のお姉さんに持っているのだろう、という目で追っておりました。ちなみに絶対に、確実に、まぎれもなく、二人の血が遺伝子解析レベルでつながっているという証拠がまだ出てきていない(はず)なので、背徳的な恋心という表現は不適切かもしれません。弟どころか、近頃はトウヤがどこにでもいる普通の人間男性かすら、疑わしいんじゃないかという見方も浮上しておりますので。とらさんが近親相姦ネタに寛容なのかどうなのか、よく把握しておりませんので、まったくの見当違いでしたら大変申し訳ありません。 カナミと付き合ったのは忘れたかったからなのに、結局似てる人を選んでしまった(あくまで記憶です。原文とは逸れていても、あしからず…)、という意味合いをトウヤがこぼしたあたりで、これはもうカナミとお姉さんが似ていることを差しているんだろうと思い、ミソラのカナミの容姿への反応とつながって、ミソラとお姉さんはおそらく何か関係があって、記憶喪失になる前のミソラはお姉さんを心憎く思っていなかったんだろうと予想していました。ところで話が前後しますが、ミソラがときどきトウヤの外見に惹かれていたり、独占欲を感じていたのはトウヤを通してお姉さんを見ていたという捉え方もできるのでしょうか。 これも具体的にどのあたり、というのはうろ覚えなのですが、トウヤの自己評価が異様に低くて、前向きに生きる意欲にもやたら乏しく、両親と姉の思い出に執着があって、何か強い罪の意識にとられているような描写がところどころ散りばめておりましたので、トウヤが意図的にせよ事故にせよ、両親をあやめてしまったと解釈すればこれらの説明がつく、とこっそり睨んでおりました。昔は仲が良かったお姉さんとの溝はそのときに出来てしまい、それきり疎遠な関係が続いているのだろう、と。 となると、ミソラが「はっきり覚えてはいない人(=お姉さん)のために」「誰かを殺す」と言い始めたその「誰か」は、トウヤのことだよな……と。 ミソラが誰かを殺さなくちゃと思い出した〜ミソラとタケヒロの決闘までのあいだの時機には「トウヤなんだろう」と予想を立てていたので、ここだという予想の決め手はぱっと思い出せないですが、トウヤがミソラのポケモンバトルの腕を鍛えているのは、まるでミソラに殺されたがっているように見えた、というちょっと寒気のする印象をはっきり覚えています。 最後に。これはお姉さん、瑞月の名前が明るみになったときから考え続けていることです。プロローグでの月蝕話が本編中でついに、しかもこのタイミングで語られたので、玉砕覚悟でぶっちゃけます。タイトルの「月蝕」の「月」は彼女を比喩しているのでしょうか。蝕まれているのが彼女かトウヤかミソラか、はたまた別人かまでは分かりませんが。赤銅色と痣、月色の瞳をもつハリとの関連もあるのではないかと気になります。 お目汚しの乱文を、失礼しました。好き放題、語りすぎました。きっとあとで後悔するパターンです……時間をみつけてじっくり読み返し、どれだけあやふやな記憶であったかを反省したいと思います。やはり月蝕はすごいです。引き続き、応援いたしております。 [22]
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投稿者:とらと 2017/03/27(月) 19:57 | ||
[表示] レイコさん、コメントありがとうございました!いやはや、自作にこんなにもきっちりした推理(? これ以上の言い方が何も思いつかない)を頂いてしまって、本当に恐縮です。色々と読み取っていただいて本当にありがとうございます。 この小説は(特に9−4の件に関しては)、できれば「予想だにしない展開で興奮する!」というよりは、「予想していた通りになった!やっぱりな!」という感想を抱いて欲しいなあ、と思いながら書いてきました。だから、「予想しながら読んで欲しいなあ、出来たら当てて欲しいなあ、そして予想してるのなら教えて欲しいなあ〜…」と、ずーーーっと思ってました。こうやって、読者様がホンマに予想してくださってて、こうやって私に話してくださって、っていうこの光景は、ひとつ夢が叶ったようでもあって、大マジメに御礼を申し上げたいです。 しかもですよ。しかもですよ。 私、予想を当ててもらうための要素として『フラグ』は過剰にばら撒きまくった気持ち(ミソラがトウヤに心酔していくとか、日常が続いて欲しいと願う点、一方のトウヤの様子だとか)だったんですけど、レイコさんが予想を立ててくださった要素が数少ない『伏線』に基づいているものだったのが、本当に驚きなんですよ……!! アアッここまで気付いてもらえるものなの!? って感じなんですよ! ビックリなんですよ!! 「読者様舐めてた……!」って思うレベルに……!笑 もうね、作者冥利に尽きます、としか言いようがありません。 予想してくださってありがとうございます、そして予想してた事を教えてくださって、本当にありがとうございます……! いや〜嬉しい! 本当に嬉しいです! やったー!! さて! 本当はですね、仰っていただいたことすべてに「そうなんですよ〜!!」ってべらべら事細かにお返ししたいところ、なんです、が! 将来的に、多分、ここはこういうことだったんだよ〜、って解説するパートを……多分……書く……多分なんですけど……ので……、あんまり詳細にお返しすると、コメ返が解説パートのネタバレになるということになってしまい、それはレイコさんにとって本望ではないのではないか(自惚れすぎですいません)と思、うんですよね……! だから、喋りたい気持ちを抑えつつ、ネタバレに配慮しながらうすらぼんやり喋ろうと思います。もしネタバレ一切合切NGという気持ちでしたらこの先は読まない方がいいかもしれないです。ほんとすいません……! ああ、どうやって返信したらいいんだ……!( * とはいえ『トウヤがミヅキに抱いている感情が恋愛感情なのではないか』という点については、本編で断言するつもりは実はなかったりします(断言するとちょっとキワすぎるかなという気もしていて…)。 トウヤがミヅキに抱いている感情は明らかに「普通の弟が姉を思う気持ち」の範疇を出ているし、傍目に見れば多分「恋心だ」と言わざるを得ないです。正直私もそういう想定で書いている部分は大いにあります。それまでにも結構な頻度で気持ち悪い描写をしてきたんですが、私の中で一つ確定的だったのは、7−9、ユキとトウヤが話をしている場面で、「叶わない恋をしている」と言われたトウヤがふと子供時代を思い出す、自分に馬乗りになっておねえちゃんが殴ってくる、という回想の後で > あの時、嬉しくて、長らく起きられないふりをしていた。 っていう一文が入る、ここですかね(レイコさんがどこで気付かれたのかは分かりませんが)。9−5も大概ですけどね。うちのトウヤが気持ち悪くて本当にすいません。 ただ、トウヤ自身が「おねえちゃんに恋をしている」という自覚があるのかというと、それは現時点では微妙かなと思っています。「それは恋だよ」と言われたら「そうかあ」と気付いて納得できるような、そういう感情でもないと思います。彼にとってミヅキは『憧れの大好きなおねえちゃん』という存在であって、その中で一番大きな要素は『憧れ』でもなければ『大好き』でもなく、『おねえちゃん』でしかない、かなぁ。後ろめたさはあるかも。恋っぽい感情を抱いてる自分に。 ところで、トウヤが普通の人間じゃないかもしれないという見方は一体どこから……? ごはんたべなくても死にそうにないところですか……??? この先で話してくださったことが、解説パートを控えてて若干お話しづらい部分なんですが そうですね、トウヤがカナミに『忘れられない人』の影を重ねていた、そのカナミを見てミソラが既視感を抱いた、っていう点が、9−4の件に関しては作中もっとも太い伏線になってます。ちなみに5−4、ミソラがカナミと初対面して既視感を抱いた直後に、トウヤに「髪が長かったことがありますか」と聞く場面があるんですが、そこが個人的一番の推し伏線でして……!笑 ミヅキに似ているトウヤにミソラが無意識に影を見ていた、っていうのも、仰る通りで! そんなところに気付いてもらえるなんて嬉しいな〜! でも、カナミに対するトウヤの愛情がアレコレあったといえ普通に本物であるように、ミソラがトウヤに抱いているのも、必ずしもミヅキに与えるものだけではないはずです。ミソラにはその辺葛藤して欲しいんですけど、どうなることやら… ミソラが殺したい『誰か』がトウヤである、ってところは皆に当てて欲しかったんですが、『殺したのが両親である』って点は、ワ〜予想してもらってたの!? と、驚きました……! 仰っていただいた点は、書きながら意識はしていたと言え、予想してもらうために書いていた部分ではないので。これ以上なんともコメントできないのが心苦しいのですが、フムフム、なるほど……ニヤニヤ……!( わ〜、「まるでミソラに殺されたがっているように見えた」。読みながらそういう気味悪さを感じて欲しいな、と願いながら書いてました……! いやあよかったです……!笑 一体どこが決め手だったのだろう。『髪が黒くて長い女』というだけで分かっちゃうかなあ、簡単すぎて逆に疑われるかなあと個人的には反省していたりもしました……ww 月が誰なのか、という話。ガッカリしないで欲しいのですが、月が誰なのか、太陽が誰なのか、その光を遮っているのが誰なのか、というのは実は、私も明確に想定している訳ではありません。きっと最後まで答えが出ないと思います。誰と誰、とキッパリ言えるものではなく、もっと流動的な、誰かにとっての表は誰かにとっての裏……、みたいな、そういう感じでお話ししていけたらいいなあと。ホントガッカリさせたらすいません。ミヅキの名前が月を意識して付けたのは確かですが、彼女の所属するリューエルは何語かで『光』という意味の言葉を崩した言葉であって、そういう意味では彼女は光源かもしれないし。トウヤにとってのミヅキ、ミソラにとってのミヅキ、ミヅキ自身にとってのミヅキ、っていうのは、全く別の立ち位置になり得るかなあと思います。 * おわり もう……ありがとうございました……ホントびっくりですこんな感想を頂けるなんて……夢のようだ…… 読み返すとボロばっかり出る後付け設定オンパレードの小説なんですが……!笑 それでも、こうやって色々つっこんで予想してくださってたこと、それをわざわざ伝えてくださったことに感謝しかありません。ありがとうございます! ご期待に添えるかは分かりませんが、今後も温かく見守って下さると幸いです。ようやく風呂敷を畳める段階に到達して、これからどんどんボロが出ますので、お、お手柔らかに……!笑 いやホントに、突っ込んだ感想ありがとうございました。励みになりました。次もがんばります! [23]
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