月蝕 を読んだ感想 | ||
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投稿者:春 2020/09/27(日) 12:26 | |
[表示] 8章「愛情と日常」に番外編と読了しました! 私は今回の章を読んで、はじめてタケヒロというキャラクターを正しく理解できた気がします。それくらい、私にとってはタケヒロの章でした。 拍手感想の方で、タケヒロとミソラ、トウヤとグレンの友情の形は違うという話がでていました。私はタケヒロはトウヤがミソラを放置したとかめっちゃ怒ってたけど、私はどちらかというと、タケヒロの方がミソラに対する理解を拒絶していたんじゃないかな、と今回の章で思いました。元々タケヒロというキャラに対して、「単純でまっすぐ、素直な少年。でも年相応にややひねくれ」というイメージを私は持っていました。でも、その根幹というか、根っこの価値観はかなりいびつなんじゃないかなと今回認識を改めました。 タケヒロはポケモンを戦わせることを嫌いますし、ミソラが人を殺すことにも反対します。にゃんに対して花を髪に挿した時、笑っている方がいいと言ったり、優しい人は花が好きと思ったり。そんなタケヒロをあれこれ見てきた訳ですが、その根幹の価値観は「美しいものへの憧れ」があったんじゃないかと思います。とらさんがタケヒロをどう考えて、どう見て欲しかったのかは分かりませんが、ひとまず「私が見たタケヒロ」について、記述したいと思います。「ふーん」と斜め読みしていただければ……! タケヒロの価値観の根幹が「美しいもの(価値観だったり、見た目だったり)への憧れ」だと考えると、色々辻褄が合うなと思いました。タケヒロは親に捨てられて、孤児グループにいたわけですが、一人で生きていくことを選んで離れます。それはきっと、孤児グループの生き方が、彼にとって「美しくなかった」からではないかと思います。人のものを奪い、ロッキーに汚れ仕事をさせて、這うように生き汚く生活しています。立場を考えれば彼らのせいではないのですが、それに対してタケヒロはピエロの仕事で対価を得て生活することを選択します。心理学に「投影」という概念があります。人は自分が禁止していることを他人がやっていると、強い憎悪を抱きます。それは自身に向けている感情を投影しているだけなので、自身への禁止を止めればそのような感情も収まるのですが、タケヒロは本当は、ひとりでいることは寂しかったのではないかと思います。そして、孤児である自分を無意識に汚く思っていたのではないかと思いました。以前ミソラが「寂しくないの」と尋ねたのは、そんな気持ちを見透かしていたからなのかなと思います。 タケヒロは、美しく、高潔でありたかった。だから自分に「孤児グループ」に加わることを禁止して、人のものを奪って生きることを禁じた。それだけにミソラが「人を殺す」と発言した事は、許せなかったのだと思います。何故なら彼にとってミソラは美しく、純粋で、汚れのない存在だったから。「人を殺す」事は、タケヒロにとって「汚いこと」であり、タブーだった。友情で止めたのも何割かは真実でしょうが、それ以上に今まで美しいと信じてきた存在が、得体の知れない何か醜いものを内部で蠢かせている事を知ってしまい、ショックを受けたのではないかと思います。 タケヒロが「美しいものへ憧れ」を抱いているとすると、にゃんに恋心を抱いたのも自然な流れだったと思います。にゃんは見た目はもちろん美人ですし、「高潔に生きよう」としているように私は思います。そしてココウという街の駐在レンジャーです。一人っきりなんです。孤独で、高潔で、美しい。タケヒロの憧れそのものです。だからタケヒロはにゃんに恋心を抱いたのかなと思いますが、でも憧れの方が強そうなので、にゃんの心を射止めることはできなかっただろうなとも思いました。 で、ミソラからタケヒロに対する友情ってどうなの?って考えたんですが、こっちはそんなにこだわりがなさそうなんですよね。タケヒロがタケヒロであればそれで良くて、仮にタケヒロが人を殺すことが万が一あったとしても、ミソラは友達でいるんじゃないかと思います。でもミソラは、あえて深いところを見ないようにしているようにも思うんですよね……今が大切で、過去は切り捨てなくてはいけなくて、そもそも、ミソラには積み重ねた過去なんてないから。ミソラからタケヒロ、ミソラからトウヤへの想いは、かなり質が違うと思います。タケヒロへは友情だけど、トウヤへの想いは愛情にも近いんじゃないかと思います。記憶の女の人に似ているからかな?(番外編でバクフーンを知っている気がすると言っていたので、やっぱりミヅキさんが泣いていた女の人ではと思っています) 友情の形がテーマって事だったので、トウヤとグレンの関係についても考えてみました。グレンからトウヤへの感情は、ぶっちゃけ愛情に近いと思います。力になってやりたい、俺を頼って欲しい、何も相談してくれない。うーんでもこれは、グレンの方が年上だからかな?トウヤからグレンへの感情は、兄っぽいなと思います。こうやって今考え直してみると、やっぱり年齢差が関係しているのかな……対等と言うよりは、兄弟っぽいなと思います。でもトウヤよりはグレンの方が、トウヤへ向ける愛情の比重がかなり重い気がします。 シーンとして美しいなと思ったのは、トウヤとミソラが電話の後、夜道を歩くシーンです。お酒を持って。あのシーン、実のところ私は「トウヤ、本当に好きだったのか?」と疑ってしまいました……。恋するテレポーテーションを読み返してみたんですが、あまりトウヤからカナミヘ終わった恋情みたいなものを感じなくて。泣くほどショックか? ……と思ってたんですがよくよく思い出したら、以前「トウヤは必死に大人になろうとしている子供ですよね」というような会話を感想欄でした記憶があります。だからトウヤがカナミに抱いていた感情は恋情ではなく、それこそ親類に向ける愛情みたいなものなんじゃないかと思います。ていうか、ミソラがミヅキ(すでに断定している)を想起するくらいですややも似ていたのでは?トウヤがカナミに向けていた感情は、彼が不在の実姉に向けている感情だったのでは……?カナミはトウヤにとって、無意識のうちに姉・ミヅキの代役だったわけです。そうすると業の深い話だなと(※注:ここまで完全に妄想の話です)思ったのです。トウヤはハギのおばさんに息子代わりの愛情を向けられて悲しかったのに、同じ事をカナミに、無自覚にしていた。ぐるぐると、関係性が色々なところで立場を変えて絡まっている感じがします。 そして私は、トウヤはミソラにわざと負けるのではないかと思っていました。いや、タケヒロとの約束を守ったんだけども……タケヒロがトウヤに対して、めっちゃ怒ってて、トウヤも殺すことを望むのを是としている感があったので、負けるんじゃないかと……。泣いているミソラを最後にトウヤが抱きしめたんですが、タケヒロとの戦闘でミソラはもはや殺す方に気持ちを振り切ったと思っていたので少し驚きました。ミソラはもう一人の望みを叶えることで決別しようとしているけど、でも多分、もう一人と同じではないのですね。そこらへんを考えると、ミソラ自身は今の日常を大事にして、本当はそのままがいいけど、でももう一人の為にも殺さないといけなくて、人格がごちゃごちゃに混ざった状態で今を生きているのかな……と思います。殺すために勝ちたかったのも本当。嫌われないために負けたかったのも本当。同じ人だけど違う人。ミソラは、大丈夫なんだろうか……。そのうち、もう一人のミソラの価値観や考え方がどんどん今のミソラを侵食していって、全然違う、それこそタケヒロが恐れたみたいな存在になってしまいそうで、怖い気がします。 色々と感情が混ざり合った8章だったと思います。お疲れ様でした!といっても、場合によっては私の感想は妄想ヤバい人になっている可能性が非常に高いので全然的外れなことばっかりほざいていたら「フーン」と流していただければ……!!ひとまず妄想や予想を抱いたまま、9章に臨んでいきたいと思います。 [125]
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投稿者:とらと 2020/09/28(月) 23:03 | |
[表示] 8章読了おつかれさまでした!!結構ボリュームのある章という認識が私的にはあるのでその分読んでいただけて嬉しいさもひとしおです(?)。それぞれのキャラクタが各々の考えを持って行動してぶつかったりすれ違ったり、相手のことを理解したりできなかったりする、そういう彼らの危うい関係性を描くのが大好きなのですが、8章はそのへんが結構満足のいく感じに書けたという気がしていて、お気に入りの章でした。特にトウヤグレンまわりは何を考えているのか伝わりづらい部分もあるのではないかとも思っているのですが、しっかり読み込んでくださって感謝に堪えません。ありがとうございます。 >私はどちらかというと、タケヒロの方がミソラに対する理解を拒絶していたんじゃないかな、と今回の章で思いました。 おお……!!そうですね、そうですね。本当にそうですね。そうだなあとしみじみ思いました。タケヒロは決してミソラに寄り添うことはしません。だからと言ってトウヤもミソラに寄り添っているわけではないし、ミソラだってタケヒロの気持ちに寄り添うだけの余裕などありません。物語上で目に見える大きな事件は何も起こっていないにも関わらず、8章の登場人物たちには本当に余裕がありません。余裕のない状況で他者の心をきちんと慮れるほど出来た人物はこの物語(のメインキャラ)にはほとんどいません。けれど、それでも、理解などできなくても、目を背けて、なんとなく歩み寄ったような形で、手を取って、流れている時間を共に過ごすことも、心地よいと思える、それが8章のラストシーンでした。 >その根幹の価値観は「美しいものへの憧れ」があったんじゃないかと思います。 ほわ〜……凄く面白かったです。タケヒロの価値観には確かに「(彼が信じる)美しいもの」への憧憬や信託があると思います。が、書いてきたキャラクタの行動を具体的に根拠として提示されながら論じていただいているのを見ると、「そっそんなに辻褄が合う……!?何故……!?意識的に構築しているわけではないのに……でも確かに合うかも……」という不思議な気持ちになりました……(自分が書いているものにふわふわしているマン) なにかこうあらためて彼の行動を振り返りながら心理学などに準えてまで言っていただけると、彼と言うキャラクタの人格に一本筋が通っていたのかな……?という感じがして……純粋に嬉しくなります。タケヒロってすごい動かしやすいキャラクタでもあるんですよね、困ったときに話を前に進めてくれるキャラであるというか。彼が行動的な性格だからというのもあるんでしょうが、彼がキャラクタとして一本筋が通っていたから動かしやすかったというのもあるんだろうなあ。なんかちゃんと書けているような気がしてくるな……( >孤児である自分を無意識に汚く思っていたのではないかと思いました。 仰る通りです。タケヒロの中には根深い劣等感があります。その彼を今の彼たらしめているものは、今汚い方法を使わずに一人で(あるいはツーイズと一緒に)立派に生きている、という自負なのだと思います。だから「汚い方法を使わずに」「立派に生きて」いないものを否定しなければ、自尊心が傷つけられ、今のタケヒロはいられないのではないかと思います。春さんの語ってくださっているタケヒロ像は私の中にもすごくしっくりときます。私は読者さんの中にあるそれぞれの捉え方がすべて正解だと思っているので、何を思っていただけるのにも正解とか不正解とかはなく、例え私の捉え方とズレていてたとしても「こんな解釈もあるのかあ……!!」と感心するぐらいのものなのですが、いま語っていただいていることは本当にすごくしっくりとくる……まるで自分の考えを別の言葉で読んでいるみたいな感じです。 ただ私の語るタケヒロ像が春さんの捉えたタケヒロ像と正確に一致するのかは分かりません。春さんの捉え方よりちょっと汚いかもしれません。よってこれから私が書くことも「そんな解釈もあるんだなあ」くらいに捉えていただけると幸いです。 私のイメージするタケヒロは「正義マン」です。自分が正しいと思っていることを信じて疑わず、それこそが絶対的な正義だと強く思い込み、それを他人にも強要し、更に自分の正義とズレているものを否定して排除しようとする、かなり迷惑なタイプの正義マンです。彼は、自分が正しいと思うものを信じているだけではなく、他人が間違った道を歩もうとしていたら、手を差し伸べようとします。手を差し伸べて、掴み取り、彼の信じる正しい道に連れ戻そうとします。タケヒロはそれを善行だと信じているし、なんなら周りの人たちも友達思いの良い奴って思ってる。でもよく見てみるとタケヒロの行動は、一歩踏み間違えれば自分の価値観の押し付け以外の何物でもなかったりして……。みたいな視野の狭さが彼の子供らしさでもあるし、どうにしろ、他人のために必死になれるって点だけで凄く凄く良い奴なんですけれどね。タケヒロ良い奴なんですよね。正義マンでも良い奴なんです。彼の根幹に歪さがあろうとも「単純でまっすぐ、素直な少年。でも年相応にややひねくれ」という印象は本物であればいいなと思います。 いくら押し付けがましくても彼の価値観は一般的に見れば結構正しいし、彼が強くさえあればスーパーヒーローになっていたかも。幸か不幸か彼には力がありません。7章8章をかけてタケヒロは自分には正義を通す力がないということを理解しつつあります。無力であるということを知ること、認めることが、タケヒロの一歩になるのではないかと思うのですよね。それがどの方向への一歩かはさておき……。 >で、ミソラからタケヒロに対する友情ってどうなの?って考えたんですが、こっちはそんなにこだわりがなさそうなんですよね。 そ、そうかも……(切なさ)なんかミソラってまだ情緒が育ってないからなんですけど、自分が何を大切にしたいと思っていてどう大切にすればいいのか、大切にする方法も、まだよく分かっていないんじゃないかと思います。砂漠の真ん中で拾われたミソラにはトウヤに対する刷り込みがあります。ミソラはトウヤに養われていて(トウヤはおばさんに養われているんだけどな……)、トウヤがいなければ生きていけないと思い込んでいます。ミソラがトウヤに対して執着心を持っていて、タケヒロにはそうでもないのは、ミソラの人生を成り立たせるために絶対必要かそうでないかという点なのだろうと思います。生存本能。タケヒロと遊んでやってるくらいに心のどっかでは思っていると思います(でもタケヒロもミソラと遊んでやってると思ってる節もあると思います)。でも8章の一連でミソラの中でのタケヒロへの見方は少し変わったのだと思います……そうだと……思うな……。 >グレンからトウヤへの感情は、ぶっちゃけ愛情に近いと思います。 愛情……かなあ……そう見えるならそうかも……(ドキドキ)。グレンはトウヤに対しての「情」という部分には非常に深いものがあり、それが「友情」だけかと言われると私もちょっと首をかしげたくなる瞬間もありますね(あまり他の人に慣れようとしない年下の子供が自分にだけ懐いて十二三年も面倒見てたら可愛く思えると思う)。グレンはタケヒロと違って自己と他者の間の線引きを明確に置いています。安全圏から俯瞰して笑ってるのが好きなタイプ。トウヤもそれを分かっているし、その距離感を崩したくないから、込み入った話(ミソラのこととか)をあまりグレンに持ち込みません。でもグレンにはトウヤを懐かせてきたという自負はあるんだと思うんですよね。自分が面倒見てきた弟分が碌に相談もせず抱え込んで勝手に自滅しようとしているから、イライラしてるんだと思いますね。 >シーンとして美しいなと思ったのは、トウヤとミソラが電話の後、夜道を歩くシーンです。 ここねええええええわたしもねえええええええだいだいだいのだいすきなので本当にうれしいですねええええええありがとうございます!!すっごいしみじみと好きなシーンです。すっごいポエムだしすっごいバーっと書いた記憶しかないんですがすっごい好きだな…… >実のところ私は「トウヤ、本当に好きだったのか?」と疑ってしまいました……。 これはもう >「手厳しいな。……笑うなよ。可愛かったんだよ。笑った顔も、泣いてる顔も、なにもかも。真面目で、一生懸命で、気遣いが出来て、明るくて、くるくるとよく働いて……僕なんかを、あんなに手放しに気に入って。馬鹿だなあと思って、本当に、可愛かったんだ」 と言って酔い潰れたことにすべて集約されていると思いますし >泣くほどショックか? これは >「どんな気持ちですか、今」 >「どういう意味だ」 >「悔しいのかなって……」 (略) >「悔しくはないよ。嬉しくて仕方ない」 >「本当ですか?」 >「……まあ、正直、ちょっと後悔はしてるけどな」 これ(8−5)は全部トウヤの本音です。嬉しくて仕方ない上でちょっと悔しい。ただ架電の直後はこれが本音だったでしょうが、8−6のお散歩シーンまで行くと、彼の大半を占めるものは >「あの家に、僕はもういらないんだろうな」 この勝手な感傷なんだろうなと思います。彼女にはなれないけど君の特別ではいたいとミ〇ターチル〇レンも言っていました。駄目な男だなあ〜。 >トウヤがカナミに向けていた感情は、彼が不在の実姉に向けている感情だったのでは……? これはちょっと私の印象とは違いますが殆どそうです……(どっち)! 8章でカナミと三日で別れた事件についてトウヤがユキに話しているシーンがあるのですが、 >「いざ付き合うことになると、ちらつくときがあるんだ。顔とか、仕草とか。何をしていても。それは、時間を追うごとに、どんどんエスカレートした」 >「昔の女が?」 >「そう。恐ろしいことにな」 >「似てる人を選んじゃったか」 > 無言に首を横に振る。 >「けど今思えば、無意識に似てる所を見つけたから、好きになれたんだろうな。そうしてると、疑問に思うだろ。僕が本当に好きになったのは誰なのか。分からなくなって、本気で好きになったはずなのに、姿を重ねてるのが、相手にも申し訳なくて、自分でも気味が悪くて、情けなくって……」 こういう感じです(昔の女がミヅキだと断定はしていないけどここまで読んでくださっているならもういいよね……?という顔)。姉の姿を重ねていると彼自身は最初は気付いていなかった。姉に向けている感情とカナミに向けている感情がまったく同一であるとは私は思わないのですが、影響している部分は少なからずあるはずです。 >そして私は、トウヤはミソラにわざと負けるのではないかと思っていました。 ここは私の考えを語ると種明かしみたいな変な感じになってしまうのでちょっと悩むのですが(だが自作を語りたいので語る)、ミソラとタケヒロの試合を見るまで、トウヤはミソラに負けるつもりでいたと思います。ミソラは試合中、タケヒロに負けさえすれば殺さなくてもいい、という条件が頭をちらついてリナに指示を出すことができません。最終的にはリナを動かせてタケヒロを下しますが、 > がんばってほしい。負けないでほしい。 > 本気の僕を倒してほしい。 > 歯を食いしばる。軋むほど拳を握りしめる。腹の底で沸き返る激情が、本当のミソラの声が、喉を駆けあがって、子供は吠える。 > 僕は進むしかない。一本道を行くしかない。殺しに行くしかない。 > でも、もし、誰かが、立ち塞がってくれるなら。 > それが押しても蹴ってもびくともしなくて、諦めて帰る以外に、道がなければ―― 「本気で進もうとする自分の前に誰かが立ち塞がってくれれば」という虚しい期待を抱いている。トウヤはミソラとタケヒロの試合の中で、ミソラの思いをある程度汲んだのではないかと、だからハヤテを出したのではないかと……私は……思いますね。(ハリは賢いのでトウヤのために負けるという選択肢があることを理解していますが、ハヤテはアホなのでバトルに勝つ→褒めてもらえる!!くらいのことしか考えられません) >ミソラはもう一人の望みを叶えることで決別しようとしているけど、でも多分、もう一人と同じではないのですね。 そうなんです……!! ミソラは今、5章で忘れることにした!と笑っていたはずの過去の自分に死ぬほど振り回されているんです……!! 見て見ぬふりをすることなど……逃げることなどできるはずもなかったんです……!! かわいちょう!! >そのうち、もう一人のミソラの価値観や考え方がどんどん今のミソラを侵食していって、全然違う、それこそタケヒロが恐れたみたいな存在になってしまいそうで、怖い気がします。 えへへへへへへへぇ!!!!!!!!!!!今後のミソラとミソタケにご期待ください!! しかしこんなにキャラクタを深く考察していただけることってあるんだな……。としみじみ感動すると同時に、これまでの展開やこれからの展開で今語ったようなことから外れたことを彼がすることもあるのだろうなと思います。生き物はひとつの心で生きていない、とある方が言っていたのをよく思い出します。常に信念のみに従って行動できるほど多くの人は強くなく、強いキャラクタはこの作品にはおらず、ぐねぐねうじうじと悩みながらもがいていく無様で懸命な彼らとこの作品を、なんとか見守っていただければなと思います。熱いご感想ありがとうございました、何度も読み返して咀嚼させていただきたいと思います……!! 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