ポケモンカードOVER DRIVE 空虚な道化 を読んだ感想 | ||
投稿者:海 2018/03/29(木) 14:40 | ||
[表示] こんにちは。いつもほんまお世話になってます海です。友情美しい前編終了からしばらくお暇しておりましたが、第一章後編の最新話までの四話を拝読したので掻い摘まんで感想とさせてください。 はー、まず懐かしい名前がずらりでしたね。拓哉に由香里に才知。思わずPCSやHFを読み返したくなりました。懐かしいですね。まあ、拓哉は能力関連のことで名前が浮かぶこともありますが、彼等のことも好きですし、また出演してくれたらなあなんて読んでいると思ってしまいます。まあ、それはめめ先生の考えてるプロット次第なのでなんともですが、懐古心に思わず浸ってしまいました。 まあまさか翔の中学時代のクラスメイトがこんな形でAf事件で関わることになったり、翔の炎タイプ使いの所以がこんな形であったりというのは完全に意外も意外、な設定でした。翔もいろいろと悩んではいますがストレートな主人公気質なところがあると思っていたので、炎ポケモン使いであるのも単純に「かっこいいから」とか「火力があるから」とかそういうあたりの男の子らしい理由かなとか勝手に考えて、まさか相手の草タイプデッキに対抗して以来……となると、翔の印象もまた変わってくるような気がします。恭介が軽いショックを受けるのも仕方なしかもしれませんね。勿論、初めがどうであれ炎を愛用し続けているのはそういった理由も含まれているだろうなーなんて、これまた勝手に思ってます。というか、そうであってほしい、なーという。 この、草タイプに対して炎タイプを使う、という単純に弱点を突いた中学生翔ですけど、この相手に不利なタイプを使用するというのが完全にここからの雨野宮分身との戦いでも使われてるんですよね……戦い方としてはセオリーですけど、超には鋼、フェアリーには毒、電気にはまさかの水……と見せかけて電気ではなく草弱点、だったり、絶妙なんですよね。まるで、翔達がどうばらけていくかが初めから解っていたかのような流れ。それぞれ勝利はしているものの、不気味ですね……。拭いきれない不安があります。恭介戦で最後に残した言葉 >「この決着を『学習』出来ねえのがたった一つの悔いになるねェ」 がそれに繋がるキーワードにもなっているような気がしますが……。この言葉を単純に読み取れば、分身はあくまで分身でしかなく、分身で得た経験は本体に還元されない(もしかしたら消滅しなければ本体とまた合体した際に埋め込まれるのかもしれませんが)流れかな、と思うのですが、いまいちそれと翔達とのマッチングに繋がらない。まあ、翔達の場所選びも完全にランダムに決めたわけではないので、ある程度予想をつけてそれが完全に当たった可能性も無きにしも非ずですが、そうだとしたら雨野宮くん、まあ、バトルの様子からも狂人というよりも案外堅実なところも頭が切れるところもあるということは伝わってきてたんですが、結構なやり手ですよね。噛ませ(失礼)かと思ったら油断なりませんね。能力によるものなのか、雨野宮くんの頭脳によるものなのか、翔との接触などの際に盗聴器でも仕掛けたのか……候補は浮かびそうなものの、とにかく不気味です。 > 乾いた笑いを浮かべていた陽太郎の姿が薄れて行く。それだけじゃない、周りにいた分身の陽太郎の姿も二つ消える。おかしい、本体と分身で合わせて四人いたはずだ。 これも解消されてませんしね。うーん、私のポンコツ脳では予想しようにもこれだという答えがいまいち見えない。分身最大上限三人というのもなんか怪しく思えてきますし、なーんか嘘が放り込まれててもおかしくないんですよねこの情報開示シーン……と疑り深い読者。言動は噛ませ(失礼)っぽいのになんか気になってしまう雨野宮。でも、次は翔&亮太VS(恐らく)本体雨野宮の試合なので、Af関連はもちろんのことですが、雨野宮くんの能力自体についてももう少し全貌が見えてきそうですね。楽しみにしています! さてVS雨野宮分身ズに対して美咲、希、恭介のそれぞれのバトル。30枚デッキはさくさくですね……! 今回一気に読んだせいか、それぞれの性格が色濃く反映されてて比較のできる面白い流れでした。特に、オーバーズも駆使して緻密に作戦を立てて畳みかける美咲(このやり方は風見を彷彿させますね)と、悪く言えば行き当たりばったりですがその場その時で最善を尽くしパワーで押し込む希は、女性同士ということもあってあまりにも真逆で読んでて面白かったです。ある程度慣れてはおられるかもしれないとはいえ、デッキを構築しバトルの流れを作るだけでも大変なのに、そこにキャラクターの性格やドラマを練り込んでくるめめ先生の手腕に改めて舌を巻いていました。 いずれにせよ、意外と(失礼)強敵な雨野宮に対して、それぞれピンチを潜り抜けていく。案外と堅実で石橋を叩きながら自分の足場を固め相手を攻める、という対雨野宮戦術としては「想定外」のところから攻めるのが有効打というところなのでしょう。そういう相手には美咲や風見のような戦術をきっちりと立てて戦うタイプはちょっと不利かもわからないですね。こういうのに対して、場を整えて圧倒的に絶望的に相手を叩きのめしにかかる(というイメージが強い)亮太はどう戦うんだろうなあ……(次回予告的に)ううん、楽しみです。 23話冒頭の美咲と恭介のシーン、可愛いですね……ええ、とても可愛いです。恭介がいじめられていたという事実や恭介のそれぞれの発言もなかなか重い内容ですが、恭介の軽い雰囲気の言葉も含めすべて素直に受け取って、 > 幸せが幸せを呼ぶ。それを体現した人が、この人なんだな。と美咲は思った。明るく元気なこの人がいれば、自分もその影響を受けて明るく元気になる。自分があげたカードがこの人の幸せになれば、きっと自分も幸せになれる。いや、既になっているのかもしれない。視界の端で背の低い建物が流線形に溶けていく。今は流れ消えゆくものより、ここにあるものを大事にしたい。 と落ち着くのは、ああ、美咲ってほんまにいい子なんやな……と思わされます。 >「今も悩み続けてる自分が惨めになってくる。」ともあるような結構後ろ向きなところもありますが、なんか、いや、いい子ですねほんと……いい子だなという感想しか出てこない……純粋というか……。最初は正義感に一直線、周りがよく見えない子なのかなという印象もあったんですが、こうしていろんな人と関わりながら美咲も悩んだり、変わっていくんでしょうね。 23話最後、 > 『チンケな奇術風情に……!』 雨野宮が漏らした言葉に胸が痛む。勝利の余韻はどことやら。負け犬の遠吠えと切り捨てるには難しい、後味の悪さが胸に募った。 の部分にはちょっと嫌な予感もしたのですが、恐らく美咲は成長株なので、いろいろ……シリアス展開まっしぐらのPODでは心情的にいろいろ紆余曲折ありそうだなと察するところありますが、こんな可愛い子なので、純粋に応援していようと思います。頑張れ……頑張れ……恭介とかに助けてもらいながら……闇墜ちしないように……(祈) 塔矢さんですが、思ったよりやばそうな人ですね。というか、この施設、塔矢さんを含めて濃霧の展開あたりから一気に不穏な空気が漂って参りましたね。ところで白髪混じりの頭髪をオールバックにしてスーツを着崩した壮年の男であるという保城さんは発言こそ殆ど無かったもののなかなか私の好みを突いてきて今後の活躍がやたらと楽しみになって参りました。 Afを買いたいという塔矢。『チェーン・フリー』。宗教じみた、数々の発言。ううん、厨二心を刺激されます。彼等と関わりをもった風見は、果たしてどこまでを見抜いているのか、それとも知らないのか。風見のことですし嗅ぎつけているような気もしないでもないのですが。怪しい相手の懐を探る、そして相手の研究を利用する、とか。Af関連で調査はいれているでしょうし、風見が知っていることや目論見すべてを翔達に話している様子もありませんし。でも、ちょっと寂しいですよね。風見はブレーンとしてチームを動かしているものの、自分の足でもこうして一人で戦っているようで、なんだか水臭いというか。いえ、勿論これは風見の頭脳や人間関係ゆえにできていることとはわかっているものの。現時点、風見以外は雨野宮との対戦で合致し戦っているところなので、余計に風見が少し離れているようにも見えてしまう。いえ、けれどこれは互いを信頼している証拠ですよね。それぞれの場所でそれぞれの得意な分野で最善を尽くしている、これはそういうことにしておきます。決して何か不和が起きるようなことは……(祈) >他者との繋がりという鎖に縛られて、身動きすら出来ない これは、今チームとして動いている翔達とはまさに真逆の考え方というか、正反対の立ち位置であることを示唆しますね。翔のコモンソウルとか、共鳴とか、相互理解とかがなんとなくキーになってきているのかな〜〜とか考えると、その真逆は最大の敵として十分ありうる考え方……ですよね〜どうなんだろう。仮面の女にしろAf事件の真意がまだあまり見えない以上、まだなんともいえませんが、塔矢さん達のこの『チェーン・フリー』思想がPODの大きなキーワードになるのは、間違いないのでしょう。うーんっまだ出たばかりなのでわかりませんね!嫌な予感もだいぶしますがここは楽しみにとっておきましょう! >「人はあらゆる鎖に縛られている。社会、人間関係、時間、金、道徳、理想、物理法則、場所、環境、そして肉体。人の魂はどんどん澱み、地に堕ちていく。それはなぜか? 力が無いからだ。力が無いからこそ人は何かに縋り、その結果魂は縛られていく」 これ、23話の恭介の >「やっぱ力が必要だ。物理的な力だったり社会的な力だったり。人を救うっていうのは自分の限られたリソース部分から捻出したエネルギーが要る。要は自分に余裕がないのに、自分が弱いのに誰かを救うことは出来ない」 発言にも繋がると思うんですね。まあ、めめさんの思想や考えが文章に濃厚に現れているんだろうな、というのも強く感じながら読んでいるのですが。なんだろうな……PODは、キャラ同士の掛け合いやバトルも見所ですが、PODという作品・キャラを通してめめさんご自身の思想を強く強く伝えんとしてくる、そういう作品であるように、読みながらひしひしと感じています。 少し話がずれました。恭介はお兄さんに救われ、そして自分も誰かを助けたいと思って(この発想がなんとも健気というかいい子)、 実際に助け(ここが恭介の凄いところ)、解ったことがあるとして、上記の台詞も吐き出していました。それは、恭介自身が力不足を実感した経験もあるからこそ出てきたことなんでしょうね。 そして、力が無ければ、と、塔矢は言う。「力が無いからこそ人は何かに縋り、その結果魂は縛られていく」。力、というのもまた、キーワードの一つなんだろうなあ……。果たしてそうなのか。彼等が悪役であればそれに対する答えを翔達は見つけ出すでしょう。たとえば力が無ければどうしていくべきなのかとか。ああ、めめ先生はどんな流れを造りだして、そしてどう着地させるのか。難しいテーマだな〜〜と思うので、まだまだ先のこととは思いますが、楽しみです。 もっと言いたいことはあったような気がするのですが、とりあえず、取り急ぎどうしても感想としてお伝えしたいことでした! 面白いです!!!!!!!冒頭にもありましたが感動的に盛り上がった亮太の直後ともあってどのように物語を作っていくのか楽しみだったんですが、まだまだAf関連は謎が多く、見えない敵もたくさんあるんだな〜〜というのを実感させられた第一章後半四話でした。これからどう作っていくんだろう!わくわくしながらうすうす予想も立てながら、これからも読んでいこうと思います。 お忙しいでしょう、自分のペースでまた更新していってもらえれば嬉しいです。今後もめっちゃ応援しています!勢いで書いたので読みづらいところや伝わりづらいことがあったらすいません、読み飛ばすかまた訊いてください!それでは〜!! [17]
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投稿者:照風めめ 2018/03/29(木) 17:40 | ||
[表示] ふおおおお! たくさん感想ありがとうございます! 懐かしいキャラ達については、名前のみ出演とちゃんとキャラとして出演の二パターンがあります。一章では出番はありませんが、今後出るかな? とかお楽しみにしてくれれば! まだ名前の挙がっていないキャラについてもいずれ何かあるかも……? 陽太郎と翔は因縁をつけさせなければ、互いに燃えることなく事務的に戦ってしまうと思ったので、後付けですが中学時代に揉めたということにさせていただきました。たぶん高校時代、恭介らになんで炎タイプなの? と聞かれたらおっしゃってる通りの答えを口にすると思いますが、根は深い……。中学時代の翔はあまりタイプの統一などの個性はないと思います。いざ、使い始めたら豪快さに体が馴染んでいったのかもしれません。実際タイプ統一デッキとしては炎タイプは中々楽しくて個人的には好きですし……。 ポケモンカードでは弱点はダメージが二倍、と単純に強すぎる(火力差が出てしまう)為、意図のないマッチアップは極力避けるようにしています。しかし、VS陽太郎では先ほどの因縁もあるので、弱点など全面的に使えるように組み込んでみてます。ただ、戦略を全て狙い通りに書ききっているわけではないので、組み合わせによっては半分意図的半分偶然みたいなところはあります。 陽太郎の能力については、ご指摘の通り。ブランクアルターは分身が知覚したことを本体は一切認知することが出来ません。分身が消滅したことだけは、かろうじて分かりますが、何故そうなったかなどは全く本体で理解できません。その他含め、仰る通り次回で全貌が見えてくることになると思います。 陽太郎が何故こんなめんどくさい立地で戦うことにしたかについては、もうすぐ明らかになると思います。 さくさくと感じていただけて良かった! 書く側はぶっちゃけ対戦プロットを組むのに血反吐が出そうでしたが(一話書くのに対戦プロット一個書くのはめっちゃ効率悪い)、分身たちはあくまで前哨戦。ここで時間をかけるわけにはいかなかった! 二話割くほど何か物語として進むわけでもないですし! ここで意識したのは、翔達陣営のキャラクターの特徴と、陽太郎の強さと弱さを引き出すことの二点です。 理論的に動くのか、直感的に動くのか。ピンチに強いか弱いか。メンタルが強いか弱いか。ごり押しでいくのか搦め手でいくのか。スピード重視か、じわじわ力を蓄えて一発ガツンといくのか。そういう面を考えてキャラクターにプレイさせています。実は希はキャラの設定が他のキャラと比べてあまり定まっていなかったのですが、ここである程度固まってきたなあと思います。 陽太郎は器用で何でもできるが、特別何かに秀でているわけではない。つまり目立ったところが無いので、自分に有利な場を作ってそれを死守するようなプレイヤーになりました。実際、彼が作る「有利さ」は強固なので、マジック☆カードで奇をてらう、タイプを変えて弱点を討つ、気絶したかと見せかけて本命を後から引きだす、といった様々な角度のアプローチが出来ました。ここは対戦プロット書いてて楽しかったです。(希戦は正直どう切り抜けるかめちゃくちゃ悩みましたが) PODで一番重視してるのは、ただ対戦させないこと。対戦を通して、ストーリーを進める。もしくはキャラの個性や特徴など新しい面が何か見えればな、と思っているので、そういう風に見ていただけると嬉しいです。 亮太の様子は次回をお楽しみに! 恭介と美咲の絡みは書いてて楽しいです。どちらかというと聞き上手な恭介が、溌剌と喋れる場なのでうまいこと掘り下げれます。当初の美咲はその通り、自分がしなくちゃいけないということに頭がいっぱいいっぱいだったのですが、恭介と知り合って他の人とかかわっていくことで、視野が広がっていってくれればなあ、と親心に思います。 ただ、陽太郎の煽りに心をやられてしまっているので精神的な成長はまだまだこれからといったところです……笑 踏矢や保城らについてはもう少し先の話になっていきます。風見達に対しては普通に接していたのに、いざその本性?を顕せば……。チェーン・フリーの全容については追ってお楽しみにしてください! やっぱり風見は身内に相談したり弱音を吐くことが滅多にないので、ちょっと不安に思いますよね。しかも十三日戦線では風見だけ完全に別行動。これはお互いに背中を合わせて一致団結している、という事なのでしょう……! チェーン・フリーは集団として一応成り立ってはいますが、翔達のように群で戦うのでなく、志を同じくする個で戦う方が印象的になるのでしょうか……。これは書いてみないとわからないですね笑 いただいた踏矢と恭介のセリフに関しては完全に意図していませんでした笑 でもお陰様でめっちゃインスピレーションされました。うまいこと繋げていきたいなと思います。 もちろん私が書く作品なので、私の思想や哲学的な所が強く出ているとは思います。でも主張が強すぎるような気がするので、うまいこと折り合いをつけていきたいなと……笑 こんなにも熱い感想ありがとうございました! 全く性格も因縁も異なる亮太と陽太郎。果たして後編でどのように着地していくのか、お楽しみに読んでいただけたら嬉しいなと思います! [18]
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