ポケモンカードOVER DRIVE を読んだ感想 | ||
投稿者:はやめ 2017/08/30(水) 02:01 | ||
[表示] いつもお世話になっております。 POD、気になってましたが……やっと読めた! しかも15話辺りから対戦・心情描写共に亜空間編並の盛り上がり。17話からは一気読みしました。ものっすごい密度を読破したのでさすがに疲れました。そして読了後の充実感! めめさんの哲学が詰まってますね。 個人的に新しく出て来たキャラでは、市村アキラと生元亮太が気になってます。特に市村はこれで何度目になるか分からないけどどこか斉藤を彷彿とさせる雰囲気があってなかなか癖が強いなあと思いました。こういうめんどいキャラを気に入る傾向があります。かなりアレな奴だけど。 あと亮太君は私の好きなタイプでした。これからは翔たちの味方になっていくと思いますが、1章の大きな敵・壁としても存在感抜群です。個人的には彼の思想も独りよがりではあるけれども、境遇や背景からしてなんとなくお気持ち察します、という感じ。なのでどっちかというと翔たちの関係性が本当にストレートで(風見vs翔で特に思いました)、こんなに良い友人って生涯持てること自体が奇跡なんじゃないかって、そうした真っ直ぐすぎる輝きが殻に籠っていた彼には辛い、或いはこれから今まで自分の生きて来た世界とのギャップを感じる時ももしかすると来るのかもしれない、と自分としては思いました。亮太君はこの先色々ありそうなので、頑張ってほしいところです……。てか姉の伏線が不吉で……杞憂かなぁ……。 敵のレベルや戦術、デッキ構成も「既に終盤じゃね?」というレベルで、かつAfを懸けた失敗の許されない戦いに直面し、全体的に緊張感が迸ってます。強者の世界に突入ですね。 でも大学生のらしさというか作風の爽やかさはそのままで、日常パートは癒しです。もっと日常ください(無理)。 あまり前作の細かい部分を覚えてなくて恐縮ですが、全国・世界大会の猛者がこれからたくさん出て来るのかなあというイメージをおぼろげに抱いています。プロローグは世界大会の話から始まり、亮太の箇所で言及された「葛桐」という人物も出て来ていますし、亮太レベルの選手が序盤に登場する時点で、一体どこまで強くなっていくのだろう……と高揚感が止まりません。 この小説を読んでいて特に思うのは、戦術の組み立て方が面白いな、という点です。 三次元のポケモンカードって、二次元世界のポケモンバトルとはやっぱり違う独特なスタイルじゃないですか。カードゲームは数値やルール、種類もさまざまですし。環境の移り変わりも早い。これだけ種類があるポケモンカードゲームの要素を取り入れてるのは本当に感嘆します。毎話考えるの大変だろうな、とか要らぬ推測まで立ててしまうほどです。最近の拡張パックだともうウルトラビースト参戦しようとしてますからね。 もうひとつ思うのは、Afやダークナイト等のオリジナルカードを使った展開です。公式のカードにオリジナルを組み合わせて対戦をつくるのってかなり労力が要ると思うんですが、ぴったりと試合の流れにはまっていて(特にダークナイト戦)、こりゃすげえ……! と。率直に言ってダークナイトは「デザイアカウンターチートすぎワロタ」(俗)って感じでしたが、EXを倒した先に本人を象徴するオリジナルカードと戦う展開はなんだかボス戦みたいでワクワクします。カードを倒した先に第1形態、第2形態って、敵の素性を明かしていくみたいですしね。 でも何より、戦術+心情描写が組み合わさって、闘いの中で己の哲学を包み隠さずぶつけ合う様が熱いです。こっちも食い入るように読み耽っちゃいますよね。その語りも等身大で背伸びしたものじゃなくてすーっと心に入って来ます。 そんな訳でここまでの話は対戦を通して登場人物たちが成長していく姿を描いているのが印象的でした。個人について述べてみます。亮太君と市村アキラは冒頭で語ったため省略で。 ・奥村翔 主人公。オーバーズが「闘争心」から生まれ出る。「オーバーズと能力の違いってなんだっけ……?」と思ったところに地の文で説明が入ったので分かりやすくて助かりました。市村の指摘で真っ先に思い出したのがこの台詞。 >「それは、君の原動力が敵愾心で出来ているからだ」(PCS118話) またかよ、何回もすみません。いや、しかし、それほど117・118の展開が当初衝撃的だったんです。 コモンソウルとオーバーズの二律背反性がこれからどう影響していくのか、見守りたいと思います。 Afを追及する使命はあれども、心はアツいバトルを求めてやまない……!! これがポケモンカードプレイヤーの魂ってやつか……! ・風見雄大 この人精神年齢何歳?? 人格が完成されすぎてませんか?? あまりにも常人離れしていて完璧すぎる。超カッコイイよこの人! PCSどうだったか覚えてないのですが、ここまで成熟してたっけ……。Afを意のままに操り、自在に対戦の展開を思惑通りに進めるゲームメイカーっぷりも強者感満々。自身の理想に対して貪欲かつ実直。まだまだ底が読めないキャラだなーと思いました。でも主人公たちに対する思い入れや情はしっかりと独白されていて、味方である安心感が絶妙です。この人がもしも敵の立場だったら色々と勝ち目なさそう。 ・長岡恭介 個人的1章MVPだと思います。翔・雄大とは違うから、自分のポジションや為すべきことを俯瞰して実行する。哲学がカッコイイですよね。きっと凄く冷静に周りを観ることが出来る人なんだろうなと思います。亮太や美咲に対する態度を見ても分かる通り、偏見のない、まっすぐすぎて「怖いぐらいの良い奴」。多分翔や雄大の方がポジション的には目立つと思うんですけど、個人的にはこういう人こそ応援したいです。 傷だらけの中、翔や美咲の応援を受けて譲れないリベンジマッチに舞い戻る壮絶さも好き。ポケモンカードって相当思考力と精神力を消耗するのに、いくら友人の為とはいえ躊躇なく2戦目に赴けるのは、なんというか分かるけれど君をそこまで突き動かす原動力は何? って私なら思ってしまいそうです。最後の方、ダークナイトの攻撃をAfでルカリオEXにターゲット切り替えた所は盛り上がりました。 ・澤口美咲 >『ダークナイトが優れた悪タイプ使いだと聞いて、私が以前から調達していたカードです。お役立ち出来るかわかりませんが、良ければ使ってください(*^o^*)』 なんで 絵文字!? ここでやられました。 根は良い子なんですね……。まだまだ女子組に関しては掘り下げ待ちみたいなところはあるのですが、恭介との絡み見ていると思わず爽やかな気持ちになります。お似合いだよキミたち。風見のチームもまだ発足したばかりですけど、ちゃんと相互のコンビネーションとか思いやりみたいなものが垣間見れて、良い面子になっていくんだろうなあって思います。亮太君も加入して、これからの活躍楽しみです。 ・仁科希 希さんに関しては本当にこれからの掘り下げ待ちかなあ。イラストが美人の極み。 イラストといえば、数々の挿絵やキャラ紹介絵も素敵です……ありがとうございます(拝) というわけで、雑多気味な感想にはなってしまいましたが、現状思ったことは述べられたかなという感じです。 まだ1章なんですよね……何話か想像はつきませんが、最後の方はカード的にも凄いことになってそうですね…… 相当気合入れて描かれておられるのが伝わってきますので、こちらとしても続きの展開を楽しみにしております! それでは。 [11]
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投稿者:照風めめ 2017/08/30(水) 14:44 | ||
[表示] こちらこそお世話になってます! まさかこの文字量を一気読みしていただけるとは。概算ですけど、17〜21話は7万字程あると思うのに……! ですけども充実感と仰っていただけて大満足です。 市村アキラがツボに入るとはちょっと予想外でした……! 出番はそこまで多くはありませんが、まだもう少しストーリーに絡んできますので、そのときもどうかお手柔らかに……(?) 亮太は亮太で気難しいキャラでした。鬱陶しくしなさすぎる程度にこじらせようと思ったのですが、着地点的にはメンヘラ感は否めないです。ただ、その代わりといってもなんですがPODのボス役を立派に果たすことが出来たなと、自分でも思っています。 彼自身が特別な悪ではないんですが、運と環境はやはり抗えないんだなと思います。例えば翔達は、まあ家庭環境に問題が全くないとは言えませんが、それでも周囲の環境にはやはり恵まれていて。あとは本人たちが生粋で、「まずは前へ」という思考があるので差し伸ばされた手を握り返すことが容易なんですが、亮太はそれが今まで出来なかったんですね。 今後彼の中での「その先」が果たしてどうなるのかにも注視していただきたい所……! 対市原、翔VS風見、対ダークナイトと、割と大ボスラッシュでしたのでその点こちらも大変でした。 やはり困難なのは、「敵も自分も見せ場を作る」といった点かと思います。片方が強すぎたりしないように、のバランス調整は大変でした。お察しの通り、毎話考えるのはぶっちゃけ地獄です。 キャラのデッキについては、そこまできっちりと考えず、割と適当です。本当はサンムーンまで早く出したいのですが、まだXYのポケモンを処理しきれていないのでウルトラビーストはまだかかりそうです……。 Afなどに関しては割と自由にさせてもらってます。ダークナイトやナイトメアに関しては効果盛りすぎたと若干反省しています(笑) それに対してAfは一部を除いて、基本的にストーリーに都合がいいように効果とかを決めさせてもらってます。お陰様で前作よりかは楽に熱くしやすくなったかなと思ってます。 ダークナイトに関しては、オーバートーク(ブログ)にてもうちょっと細かく書かせて頂いたので、ここでは割愛します。 PODを書く上では、「ただ戦うだけじゃ面白くない」と常々強く意識しています。戦いながらの心情の機微をドラマパートでグッと引き立てる。だからこそ、対戦パートもドラマパートもどちらも盛り上がっていく、相乗効果があると思います。 キャラも自分と年代が近いため、自分が感じたこと。そしてキャラがそのドラマの中で感じたことをうまいこと組み合わせ、彼らの言葉でしゃべらせようとシミュレーションしていきました。 等身大で背伸びしたものじゃない、と言ってもらえてとてもうれしいです。 ●キャラについて ネタバレしないようにしつつレス返していきます。 ・翔 PCSのそこを拾ってくれるとは!! ぶっちゃけ自分で忘れてました。矛盾してなくて良かったと思います。 コモンソウルとオーバーズについては、まだまだ先の回収になりますので気長によろしくお願いします。 それが解決すればもう少し書きやすいキャラになるのかな ・風見 完璧にしすぎたせいで、プロットにも不具合が出てきてしまいます。「このシチュエーション風見がいれば大丈夫やろ」とならないよう、風見以外に戦わせる場合はなんらかの理由で風見が戦えない状況である必要が出てきました。 貪欲かつ実直ではあるんですが、彼の理想は善悪が無いという危険性も孕んでいます。まあ、周りに誰かがいる限りは安心できると思いますが……。 ・恭介 当初はそこまで目立たないよな〜、どうしようかな〜。と思っていたんですが、圧倒的な書きやすさと心のまっすぐさからガンガン出番が増えていきました。 己の分を弁えた武士っぽさ、然るべきことは然るべき時に起こるという天に身を任す豪気さ、そして何よりまずは当たって踏み出せという熱血さが揃っていると思います。 本来、Afパイク&シールドの効果を使わずとも恭介が攻撃を受けるようにしたいと思っていたのですが、恭介が攻撃を受けた直後に恭介が攻撃をする、というターン順になったせいでカードの効果の方を変更しました。お気に入りシーンです。 ・美咲と希 そこのチャットの文面めっちゃ悩みました。健気さを出すために顔文字を使ったのが案外受けて良かったです。 女子組はもう少し時間がかかりますが、掘り下げていこうと思います。……希を掘り下げれるかどうかが個人的に不安。 まだまだ一章の半分です。今後もっといろいろやっていこうと思いますので、お付き合いください! 力のこもった感想ありがとうございました! [12]
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