59話 兄妹げんか ルーアVSライド 中編
ルーアとライドは、構えた状態で、言い合っていた。
「兄さん!!!言ってくれたっていいじゃない!!!!私、そこまで、幼くないよ!!!!!
マジカルリーフ。」
「ルーア、お前は、まだ子供だ。だから、ダメだ!!!!!テレポート。」
ルーアが放ったマジカルリーフを、ライドは、テレポートでかわした。ライドは、
テレポートで、ルーアの近くに移動し、ルーアの動きを止めようと捕まえようとした。
しかし、
「こごえるかぜ。」
「くっ、テレポート。」
「ようせいのかぜ。」
ルーアは、それをかわし、こごえるかぜを放ち、ライドの足を凍らせたが、ライドは、
テレポートで逃げ、ルーアの近くにきて、もう一度、捕まえようとしたが、ルーアの
放ったようせいのかぜで、吹き飛ばされながら、体勢を整え、うまく着地した。
「兄さんは、接近戦が得意で、かみなりパンチとかパンチ系の技を使い、接近戦
に持ち込めるように、テレポートを使う。一方、私は、遠くからの攻撃が得意で、
接近戦になっても、対処できる。兄さんの方が不利です。兄さん、教える気、
ありますか?」
「悪いけど、ない!!!」
ルーアの話に、ライドは、即答した。一方、ヒカリ達の方は、
「うう、なんか怖いよ。」
「ああ、確かに。」
オムナイトとプロトーガは、自分の甲羅や殻の中に入っていた。
「そうね。一体何が起こっているのかしら。爆発した音がしたり、風が吹いたり、
本当に何が…………………………………。」
「…………………とにかく、すごく大変なことが起こっているの。」
「そうそう。」
アマルス達は、ルーアとライドの兄妹げんかで、こうなっていることを知らない。
知っているのは、ヒカリとミュウだけだが、うまく誤魔化している。
((ルーアとルーアのお兄さんのライドさんの兄妹げんかですなんて、
絶対言えない!!!))
ヒカリとミュウは、そう思った。
「でも、ルーア、僕は、きあいパンチ、かみなりパンチ、れいとうパンチ、ほのおの
パンチ、テレポートの他にも、使える技があることを忘れてないよね。めいそう。」
「わかっています。兄さん。めいそうを使うことも。めいそうは、特攻と特防を
1段階上げる技。でも、負けないよ。」
「「サイコキネシス。」」
ルーアとライドは、一通り言い合った後、サイコキネシスを放ち、いろいろな物を
浮かした。ルーアとライドが、手を動かした時、一斉に、机と机がぶつかった。
バン!! バンバン!!!
「きゃあああああああ!?」
「「「「うわああああああああああ!?」」」」
「い、一体、何が………………………」
「皆さん、落ち着いてください!」
バンバンバンバン!!!!
机の勢い良くぶつかる、すごい音にアマルス達は、すごい怯えている。ユレイドル先生
も、アマルス達を落ち着かせようとしているが、少し震えている。そんな中、机の
ぶつかる音は、激しくなっていく。
「…………………ヒカリ!止められるかな…………」
「……………………どうかな…………でも、チャンスがあれば……きっと…………………………」
「………………………………そのチャンス、あるかな……………………………………」
「………………………………………………………」
ヒカリとミュウが消え入りそうな声で、ルーアとライドのけんかを、唖然として
見ながら、呟くように話し合っていた。
「うわああああああああ!!!」
「なんでええええええええ!!!!」
「きゃあああああ!!」
「プロトーガ!!!オムナイト!!!」
突然、プロトーガ達の方から悲鳴が上がった。ヒカリとミュウが我に返って、
プロトーガ達の方を見ると、プロトーガとオムナイトが宙に浮いていた。
プロトーガとオムナイトは、からにこもった状態だった。
「タテトプス!これは、一体……………」
「わからない。いきなり、プロトーガとオムナイトが浮いて……………プロトーガ
とオムナイトが咄嗟にからにこもるを使って………………………」
ミュウは、近くにいたタテトプスに、聞いてみた。タテトプスは、突然のことに
動揺しながら、ミュウに説明した。
「ルーアとライドさん、かなり頭に血がのぼっているみたい。…………………周りを見て!」
「えっ!?」
ヒカリは、誰にも聞かれないように、ミュウに小声で言った。ミュウは、ヒカリに
言われて見てみると、周りにあった石や岩なども、プロトーガとオムナイトと同じ
ように、宙に浮いていた。
「ルーアも、ライドさんも、目の前のけんかに必死で、何でもいいから投げられる物を
補充しているみたい。」
「でも、さすがに、プロトーガとオムナイトを投げるのは…………………………」
「うわああああああああああああああ!!」
「ひいいいいいいいいいいいいいいい!!」
ヒカリとミュウが周りを見ながら、話していると、プロトーガとオムナイトが
ルーアとライドの方に飛んでいった。それと同時に、プロトーガとオムナイトと
一緒に浮かんでいた石や岩なども、ルーアとライドの方に飛んでいった。
「プロトーガとオムナイトが!!」
「タテトプス達は、ここに残っていて!私とミュウは、プロトーガとオムナイトを
追いかけるから。」
「わかった。気をつけろよ。」
ミュウは、プロトーガとオムナイトを慌てて追いかけた。ヒカリは、タテトプス達に
待っているように言ってから、ミュウを追いかけた。
バン!!ガン!!!
「「………………………………………。」」
ヒカリとミュウは、ルーアとライドのぎりぎり攻撃が当たらないところにいた。ヒカリ
とミュウは、辺りを見て、唖然とした。プロトーガ達の方を見ている間に、事態は
悪化していた。机は、ぶつかり過ぎて、木片へと変わっていた。しかも、その木片は、
一部が凍っていたり、一部がこげていたり、傷だらけだったりであった。プロトーガ
とオムナイトと一緒に飛んでいった岩や石などは、砕けて、砂みたいになったり、
今だにぶつかり合っている岩は、ひびがあったり、凍っていたり、傷だらけだったり
であった。プロトーガとオムナイトは、殻や甲羅が硬いおかげで、ひびはなかった。
凍ったり、攻撃を受けていたりしていなかったのは、幸いだった。プロトーガと
オムナイトは、ルーアとライドに気づいていなかった。一方、ルーアとライドも
プロトーガとオムナイトを、サイコキネシスで浮かばせて、ぶつけているのに、
気づいていなかった。
「マジカルリーフ。」
「ほのおのパンチ。れいとうパンチ。」
ルーアに向かってくる岩を、ルーアは、マジカルリーフで壊して、その勢いで、
ライドに向かっていく。ライドは、マジカルリーフをれいとうパンチで凍らせ、
ほのおのパンチで燃やした。
「ルーアとライドさんの喧嘩を止めるのは..........後にして、プロトーガと
オムナイトを助けるのを先にしよう。ミュウ!」
「そうだね。ヒカリ。」
「私は、オムナイトを助けるから、ミュウは、プロトーガを助けて。」
「わかった。でも、ルーアとライドさんの喧嘩に巻き混まれないかな。」
「大丈夫。時間を止めるから......すぐに出られるように、準備してね。」
ヒカリとミュウは、少し前に出た。
「"タイム-ロック"」
ヒカリの言葉と同時に、ルーアやライド、ぶつかり合っている岩やオムナイトや
プロトーガの動きが止まった。
「でんこうせっか。」
それと同時に、ヒカリとミュウは、走った。ヒカリは、でんこうせっかを使い、
止まっている岩を使い、飛び越えながら、オムナイトに近づいた。一方、ミュウは、
体中に力を込めて、はどうを使い、すばやさを上げた。その状態で、止まっている
岩を避けながら、プロトーガに近づいた。
「ミュウ!プロトーガのところに着いた?」
「着いたよ。ヒカリは?」
「こっちも。オムナイト達は、タテトプス達のところに連れて行こう。アマルスが
すごく心配していたから。」
「わかった。」
「でんこうせっか。」
ヒカリとミュウは、からにこもった状態で止まっている、オムナイトとプロトーガの
目の前で話し合い、オムナイトとプロトーガを連れて、ヒカリは、でんこうせっかを
使い、ミュウは、そのままのスピードで、タテトプス達のところに向かった。
「解除。」
ヒカリとミュウは、タテトプス達のところに着き、からにこもった状態のオムナイト
とプロトーガを地面に置いた。その後、ヒカリが時間を動かした。
「ん!?あれ?終わった...?」
「...怖かった。」
「オムナイト!プロトーガ!よかった。」
オムナイトとプロトーガは、安心し、アマルス達は、喜び合った。
「タテトプス、オムナイトとプロトーガをお願い。」
「ああ。任せとけ。」
ヒカリは、タテトプスに、オムナイトとプロトーガのことを任せて、ミュウと一緒に
ルーアとライドの様子を見に行った。
「オムナイトとプロトーガを助けられたから、次は、ルーアとライドさんの喧嘩を
止めないとね。このままだと、被害が拡大するから。」
「そうだね。あっ!?」
ヒカリとミュウが話していると、状況が変わった。ルーアとライドが、サイコキネシス
で浮かばせて、ぶつけあいをしていた岩が、全て砕けたのだ。そして、ルーアとライド
の技のぶつけあいになった。
「こごえるかぜ。」
「ほのおのパンチ。」
ルーアのこごえるかぜと、ライドのほのおのパンチがぶつかりあった。こごえるかぜと
ほのおのパンチは、消えたが、ライドは、両手にほのおのパンチの状態で、右手の
ほのおのパンチで、こごえるかぜとぶつかりあったため、左手は、まだ、ほのおの
パンチだったため、左手のほのおのパンチで、ルーアを狙った。
((ルーアが危ない!!!))
ヒカリとミュウがとびだそうとしたが、その必要がなかった。
「サイコキネシス。」
ルーアは、地面に落ちていた黒板を盾にして、下がった。黒板は、ほのおのパンチで
割れて、木片になり、焦げていた。
「...ヒカリ、...しばらく、...学校、...ないね。」
「......うん。すごい被害だから、無理だと思う。」
ヒカリとミュウは、悪化していく状況に茫然としていた。
「さて、兄さん!そろそろ、本番にしましょう!!」
「ああ!!!」
そして、ルーアとライドの兄妹ケンカは、まだまだ、続くようだ。