01
「フローゼル、アクアテール!」
「サーナイト、かわしてシャドーボール!」
振り下ろされた2本のしっぽをかわし影の球を発射するが、それもかわされてしまう。
「……ふう」
指示を出し終えたカナエが、一息つく。そして疲労によりやや荒くなっていた呼吸を整える。
「……カナエ、少し疲れただろカナエ。休憩にしようぜ」
16番道路で特訓をしていたアキトとカナエだが、彼女の様子を見て声をかけた。
「う、ううん、大丈夫! 続けようアキト!」
「……カナエ、無理は良くないぜ。休憩するのも大事なんだ」
「……うん、分かった」
彼女は首を振って否定したが、嘘なのは分かっている。
言い聞かせるように言うと、彼女はしぶしぶ頷いた。