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平成ポケノベ文合せ2013 〜春の陣〜【終了】
日時: 2013/03/21 22:59
名前: 管理者

こちらは「平成ポケノベ文合せ2013 〜春の陣〜」投稿会場となります。

参加ルール( http://pokenovel.moo.jp/f_awase/rule.html )を遵守の上でご参加ください。


◆日程

テーマ発表 2013年03月21日(木)
投稿期間 2013年03月21日(木)〜2013年04月14日(日) 23:59
投票期間 2012年04月15日(月)〜2012年04月28日(日) 23:59
結果発表 2013年04月29日(月)20:00

日程は運営等の都合により若干の前後が生じる場合がございますので、どうぞご了承ください。
また今回は前回までと比べ、各日程が短めに設定されております。


◆テーマ

テーマA 「ガラス」(一次創作可)

窓を始めとして、電灯や器、アンティークなどなど身近にあふれるガラス。ガラス工芸は美しけれど乱暴に扱えば儚く砕け散ってしまう……。誰だってガラスコップの一個や二個くらい割ったことあるでしょう?


テーマB 「旗」(ポケモン二次創作のみ)

旗とは志を等しくするものが、集まるための象徴(シンボル)……。今こそあなたの意志を旗に載せて掲げ、思いのたけを旗の元へ!


◆目次

>>1
【A】オブジェクト・シンドローム

>>2
【A】ガラスのとりかご

>>3
【A】ガラスの器

>>4
【B】星降りの誓い旗

>>5
【B】神速の旗

>>6
【B】I wanna be the HERO !!!

>>7
【A】ガラス色の終末

>>8
【A】Fake

>>9
【A】灰かぶり

>>10
【A】タマムシブルース2013

>>11
【B】氷雨に声が届くまで

>>12
【B】零

>>13
【B】敗者

>>14
【A】あの空を目指して

>>15
【A】ガラスを割る反発。それを防ぐ葛藤。

>>16
【A】ガラス職人

>>17
【B】もりのはた おやのはた

>>18
【B】すてぃーるふらっぐ

>>19
【A】そこはまるでヨスガのようで

>>20
【B】表すは穏やかな海

>>21
結果発表

>>22
総評
メンテ

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ガラスのとりかご ( No.2 )
日時: 2013/04/08 21:58
名前: 天草 かける


テーマA:ガラス

彼女ーーエルフーンは自由に外の世界へ行くことができなかった。
その理由は彼女が一流企業の令嬢だったというのもあるが、もうひとつ、明確な理由があった。
それは、治療不能の病にかかっているということである。

いつもの彼女の世界は自室の窓から見える1本の桜の木と雄大な空しか無かった。ーーもっとも、現在は秋のため桜の木は枝だけの寂しい姿をしていたのだが。
そんな彼女にはもちろん友達などいなかった。
ただ一匹を除いて。

〜〜

エルフーンがいつものようにベッドの中で読書をしていると、窓からコンコンと誰かが叩く音が聞こえてきた。
ここは二階なのに誰が叩いたのか。
その誰かを知っている彼女は何の恐怖心も抱かずにその方向へ振り向いた。
「・・・また来たんだ」
「よう! 元気か!?」
エルフーンの目の前には、桜の木の枝に乗っかった一匹のサンダースが軽く前足を振っていた。
年はエルフーンと同じくらいの、まだ少年と言ってもおかしくない顔立ちをしている。
「見れば分かるでしょ? 全然元気じゃない。・・・毎回思うけど、よく使用人のポケモン達に捕まらないね」
「まぁな。俺にかかればこんなへぼみたいな警備なんてお茶の子さいさいなんだよ」
「そう、ならあとでお父様に警備を強化していただかないと」
「ええ!? それは勘弁!?」
オーバーリアクションをとるサンダースに、エルフーンはくすっと笑い声をあげる。
サンダースは、まだエルフーンが外に行ける程元気だった頃に知り合った友人である。
そして彼女の病が重くなり、外に出られなくなった時から時々こうして会いに来てくれるのだ。
もちろん使用人であるポケモン達に捕まることもあるが、その都度エルフーンの助けもあって、ただつまみ出されるだけで事は収まっていた。
「それで、今日はどうしたの? またトランプでも持ってきた?」
エルフーンは使用人に捕まってもめげずにくるための呆れ半分、今回は何をして遊ぶのかという期待半分の眼差しでサンダースを見つめる。
しかし、次のサンダースの言葉でその眼差しはなくなった。
「いやな。ずっと思ってたんだけどさ。・・・お前、そろそろ外に出ないか?」
沈黙。
しばらく立った後、エルフーンは目の前のポケモンから目線を逸らしながら口を開いた。
「・・・知ってるでしょ? 私は今、重い病気にかかっているから出られないって」
「あ、そうだったな。それで、その病気はいつ治るんだ?」
「多分永遠に無理。そんな病気だから」
「え〜? それじゃ、一生外出れないじゃんか?」
「そうなの。だから、私はもうあきらめているの。外に出ることを」
エルフーンがそう言った後、サンダースはしばし悩むような仕草を見せ、常識はずれの事を口走った。
「う〜ん。・・・なら病気がかかったまま外に出るとか?」
「・・・バカじゃないの?」
「そうかな? 俺は良いアイデアだと思うけど?」
「いい? 私の病気は、いわばとりかごみたいなもの。この病気が有る限り、私は外に出ることはできないの」
「とりかご? そんなのどこにあるのさ?」
キョロキョロと、本当にとりかごを探しているような仕草をするサンダースに、エルフーンはため息をする。
「目に見えない物なのよ。・・・そうね。言うならば、ガラスでできたとりかごね」
「ガラスでできた?」
「そう、その通り。・・・私はこのガラスのとりかごがある限り、外には出られない。だけど、このとりかごは壊すことができないの」
エルフーンはそう言いながら窓から見える秋空を見つめる。窓から夕焼けが差し込み、エルフーンの哀しみを一層際立たせた。
「だから外に出ることはできない。私はこのとりかごを壊すことができないの。ガラスだからあなたを見たり、話したりすることができるけど、ここから出て、一緒に遊ぶことはできないわ」
エルフーンの自虐的な発言に、サンダースはポリポリと顔をかいたあと、ゆっくりと口を開いた。
「なら、俺が壊してやろうか? そのとりかご」
「え?」
「いやさ。そのとりかごってガラスでできてんだろ? 俺ってよく街でひとん家の窓ガラス割ったりしてるからガラスを壊すの得意なんだよなぁ」
「・・・壊せると思っているの?」
「ああ、俺なら壊せると思う」
そんなことできるはずがない。
エルフーンそう言おうとするが、目の前のポケモンの自信満々な笑みを見ると何故か否定することができなくなった。
「よし! お前のとりかごを壊すにはとりあえず病気を治す方法を見つけないとな! なんか方法ないの?」
「だーかーら! そんな方法が無いって言って・・・」
エルフーンの怒りが最高潮に来ようとした瞬間、ふと、彼女はある噂を思い出し、言葉を切った。
それは、使用人のポケモンが話している単なる世間話だったのだが、あまりの夢話だったため、エルフーンの記憶に深く残っていた。
「・・・一つだけあるかも」
「え? 何々!? 教えろよ!?」
「どこだかの大陸のどこかにいるポケモンは、どんな病気でも治すことができるらしいの」
「それ、本当か!? もしそれが本当ならお前の病気治るじゃん!」
「でも噂だよ? 本当にあるわけないよ」
「そんなもん、実際に確かめないと分からないだろ?」
ーーまぁ、そうだけど・・・
エルフーンは小さくため息をつく。
すると、サンダースは明るい声のまま、とんでもないことを言い出した。
「よし! なら俺がそのポケモンを見つけてやるよ!」
「え?」
エルフーンは思わずサンダースの方へ向いた。当の本人はやはり自信満々な笑みを浮かべている。
「だからさ。もしそのポケモンを見つけてさ、お前の病気が治ったらーーまたいっしょに外で遊ぼうぜ!」
「・・・」
サンダースは時々、彼女を励ます為に狂言を言うことがある。エルフーンは今回もまた同じ狂言だろうと思い、彼の気持ちを快く受け取った。
「うん。もし私の病気が治ったら、外で遊ぼうね」
「よっしゃぁ!! それじゃ、エルフーン!! すぐ見つけてやるから待ってろよぉ! ーーッ!! おわわわわわ!!」
サンダースが気持ちを入れるためか、勢いよく両前足をあげると、その拍子に自らが乗っていた枝がポキリと折れた。
そして、サンダースはエルフーンの視界から消えていった。
「ッ!! サンダース!」
エルフーンは思わず声をあげるが、ちょうど彼女の部屋の下から使用人であるポケモン達の声が聞こえてきた。

『あ! またお前性懲りもなく!』
『つーかどうやって入ってきた!』
『いやぁ、今回は穴掘ってきました』
『ああそうか。なら今度から地面をコンクリートに敷き詰めるか』
『それいいな』
『いやいやそれはやめて下さい!』
『っていうかお前、その折れた枝は何だ!!』
『お前・・・あとで弁償な』

ーーああ、またあとで私が助けないといけないな
サンダースの元気な声を確認すると、エルフーンはくすりと笑った。

〜〜

その日を境に、エルフーンはサンダースと会うことは無かった。
どうやら街からもいなくなったようで、街では悪ガキだったためそれなりに有名だった少年がどうしていなくなったのかについての噂が流れていた。
「あいつはきっと家出したんだ」
「病気になったんじゃないの?」
「あいつも男だ。自分探しの旅に出たんだよ」
「属に言う『神隠し』という奴で御座ろう」
「別の大陸にいるドンカラスっていう怖いポケモン知っているか? きっとそいつに連れ去られたんだ」
「実はあいつは火星人で、宇宙に帰って行ったんだ」
エルフーンはそんなポケモン達の噂を信じなかった。なぜなら、彼がいなくなったことに心当たりがあったからだ。
ーーきっと、私のせいだ
エルフーンは心の中で葛藤する。

どうしてあの時サンダースを止めなかったのか。

どうしてあの言葉を信用しなかったのか。

どうしてあんな約束をしてしまったのか。

エルフーンの中に様々な疑問が浮かぶ。
しばらくして、彼女の目にひとしずくの涙が頬を伝っていった。
ーーサンダースに、会いたい。
ーー今すぐこの家から出て、捜しに行きたい。
ーーだけど私は今、ガラスのとりかごの中だ。
ーー決してここから出ることができないんだ。
彼女は外へ出る勇気と病気への恐怖の狭間に閉じ込められていた。
それこそまさに、ガラスのとりかごの中にいるように。

〜〜

サンダースがエルフーンの前からいなくなってから数ヶ月経った。
最初はサンダースの話題で持ちきりだった街のポケモン達も、進展がないのでいつしか彼について何も話さなくなった。
エルフーンの自室から見える桜の木の花は芽吹き始めており、あと数日で開花するであろう。
誰もが楽しみになるはずの光景にエルフーンは哀しげな目で見つめていた。
ーー桜の花が咲きそう。
ーーもう、そんなに月日が経ったんだ。
ーーサンダース・・・本当にどこへ行ったの?
彼女はただ待ち続ける。
たとえ街のポケモン達が彼のことを忘れようとも。

その日の夜、エルフーンはいつも通りサンダースの無事を祈りながら眠りにつこうとすると、どこからともなく声が聞こえてきた。
「エルフーン!!」
ーーあ・・・サンダースの声だ。
ーーッ!! サンダース!
懐かしい声に気づいたエルフーンはいつもの場所へ振り返る。
満開になりつつある桜の木の枝の上に、キズだらけになっているサンダースが数ヶ月前と変わらない笑顔で彼女を見つめていた。
「わりぃわりぃ! ちょっと遅れちまっ・・・た?」
気さくに話すサンダースに、エルフーンは静かに彼の元に近づきーーそのまま彼の胸元を掴んでゆさゆさと前後に揺らした。
「わわわわわわ!! 何ににににするんだよよよよよよ!!」
「一体どこに行ってたの!? こっちは心配したんだからバカバカバカバカバカバカバカバカーー」
「ああ、分かった! バカで良いから! バカで良いからとりあえずこれやめて! ちょっと気持ち悪くなってきた・・・おえっ」
数分後、ようやくエルフーンから解放されたサンダースはこれまでの経緯を説明した。
「ええっとだな。お前と別れたあと、俺はお前の言っていた噂がどこから来たのか色んなポケモンに聞き回って行ったんだ。そしたら、その噂はある山の洞窟に住んでいるポケモンから始まったってことを知ったんだ」

〜〜

「それで、その話は本当なのか?」
エルフーンと別れてから数ヶ月後、噂について調べていたサンダースはそのでどころであるポケモンのところまでついにたどり着いた。
暗い洞窟を照らす焚き火がゆらりと光る中、サンダースの目の前にいるポケモンーーラムパルドはこくりと頷いた。
「ああ、本当だ。少なくともそれぐらいの治癒能力を持つポケモンを私は見たことがある」
「そうか。それで、そいつ・・・ええっと、そいつの名前何だっけ?」
「スイクンだ」
「そう! スイクン! そのスイクンはどこにいたんだ?」
サンダースの質問に、ラムパルドはいぶかしげな目で見つめる。
「ここから先にある、森の中央にある綺麗な湖で見かけたが・・・まさかあそこに行くのか?」
「ああ、もちろん! ちょっと病気を治したい友達がいるんだ」
元気な声で言う少年に、ラムパルドは真剣な目で見つめた。
「・・・敢えて忠告するが、あの森に行くのはやめた方がいい」
「え? 何でよ?」
「あの森は危険なポケモンでいっぱいだぞ? もしかしたら生きて帰れないかもしれない」
ラムパルドの低い声に、サンダースはそれとは対象的な明るい声で答えた。
「あ〜それは大丈夫大丈夫。俺はそう簡単にしなないから」
「・・・根拠は?」
「勘」
あっけらかんに答えるサンダースにラムパルドはため息をつく。
「・・・お前の様なポケモンを久しぶりに見たよ」
「え? 俺みたいな奴少ないの?」
「お前のような命知らずがわんさかいたら生物は滅んでいるぞ」
皮肉に近い冗談を言うと、ラムパルドは苦笑しながらさらに一言言った。
「私も行こう」
「え? おっちゃんも行くの?」
「おっちゃんって・・・まぁいい。お前があそこに行ってしなれては罪悪感が湧くからな。私も行ってお前を護衛してやる」

〜〜

「そのあと、おっちゃんと一緒にその森に行って、そのスイクンを捜しに行ったんだよ。いやぁ、あのおっちゃん結構有名な探検隊のリーダーらしくてめちゃくちゃ強かったよ。不意打ちできたポケモンをバッタバッタと倒してたなぁ。ほんと」
「・・・もしかして、その怪我は?」
「うん、おっちゃんが護ってくれたけど敵の数が多くてな」
それを聞いたエルフーンは急いで手当てしようと、医療道具を探しに部屋を出ようとする。しかし、サンダースが言葉でそれを制した。
「あ! ちょっと待った! 俺の治療をする前に、お前に会わせたい奴がいるんだ!」
「え?」
そして、エルフーンは気づく。
サンダースの背後の影の暗がりが強くなっていることに。
「言っただろ? 俺はスイクンってポケモンを捜したって」
「ま、まさか・・・・」
エルフーンのか細い声に、サンダースの背後にいるポケモンは上品な声で応えた。
「初めまして、お嬢さん。ーー私は、スイクンと言います」

〜〜

数日後、エルフーンの屋敷の桜の木の花が満開になった。
花びらがちらちら舞う木の下で二匹のポケモンが散歩をしていた。サンダースとエルフーンである。
「いやぁ、良かったな。お前の病気が治って」
「うん。サンダースも傷が治って良かった」
「別に俺のはかすれ傷だったよ」

〜〜

エルフーンと対峙したスイクンはその後、彼女に水晶の様に輝く水を差し出した。
「信じられないと思うけどーーこの水を飲めばあなたは今の病気に強くなるわ。まぁ、治るかどうかはあなたの体力しだいね」
エルフーンは最初はためらったが、スイクンの言葉を信じて水を飲んだ。
「よし。これで私の仕事は終了ね。・・・あ、あと」
スイクンはそう言うとエルフーンに与えた水と同じものをサンダースの全身に浴びせた。
「ッ!! 冷たっ!」
「サンダース! 大丈夫!?」
エルフーンは急いでサンダースの元へ駆け寄った。
傷口にしみていないだろうか。そう思ったが、それどころかサンダースの傷がみるみるなくなっていくのが目に見えた。
「え!?!?!??????」
「おまけで治してあげたわ」
「え? ・・・え〜と、ありがとうございます」
状況を理解していないサンダースは目を白黒させながら感謝の言葉を述べた。
「礼には及ばないわ。それよりも、彼女を大切にしなさい」
そう言いながら、スイクンは水に溶け込むようにその場から消え去った。

〜〜

「そう言えば、よくスイクンさんを連れてこれたね。なんて言って連れてきたの?」
エルフーンの疑問に、サンダースは自信満々に答えた。
「簡単なことさ。俺は『あいつのガラスのとりかごをぶっ壊したい』って言ったんだよ」
「・・・ふ〜ん」
「何だよその反応は?」
「いや、別に」
ーーまぁ、サンダースらしいといえばらしいけど
エルフーンはそう考えながら心の中でくすりと笑った。
「まぁいいや。それよりさ! さっさと遊びに行こうぜ! 親父さんから許し得たんだろ?」
「うん。お父様、あなたのこと感謝してたわ。私の命の恩人とか言ってた」
「別にそんな大層なことしてないと思うけどなぁ。まぁいいや! とりあえず公園に行こうぜ! ここの桜程じゃないけど、綺麗な桜が沢山あったぜ!」
「え!? そんなの!? 早く行きましょう!」
エルフーンの元気な声に、サンダースは明るく笑いかける。
「ははは。お前の元気な声。久しぶりに聞いたよ」
「え? ・・・うん、そういえば」
「俺、お前の元気な声、結構好きだぞ?」
「ーーッ!!」
サンダースの言葉にエルフーンの顔が頬を中心に紅潮する。
何かを言おうと口をぱくぱくさせている彼女に、サンダースは
「!? どうした!? もしかしてまた病気になったのか!? 顔真っ赤だぞ!?」
と、慌てて言った。
サンダースの指摘にエルフーンはすかさず顔を逸らした。
「別に・・・何でもない。そんなことよりも早く公園に行きましょう」
小声で呟きながら歩き出したエルフーンに、首を傾げながらサンダースもついていく。

彼女ーーエルフーンはガラスのとりかごに閉じこもっていた。
しかし、親友の助けによってそのとりかごは砕け散った。
彼女はその親友に特別な想いを抱きながら外の世界を歩み始めた。



ふと、エルフーンは空を見る。



窓から見ていたのと同じ空はいつもより輝いていた。



まるで、砕け散ったガラスが反射しているかのように。
メンテ

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