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2011年夏企画 ★結果発表
日時: 2011/07/18 19:23
名前: 企画者

☆ごあいさつ
よられつる 野もせの草の かげろひて 涼しく曇る夕立の空 ――西行――

というわけでやってきました今年も夏が。梅雨も明けて気温は日に日に上昇しているようにすら思えます。ですがそんな夏の暑さなんて吹っ飛ばす勢いで今回も頑張っていきましょう。それではポケノベ企画をお楽しみください。

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☆企画概要
◇主旨

短編の小説作品を投稿し、その完成度を競います。

◇日程

・テーマ発表日  :7月17日(日)
・作品投稿期間  :8月01日(月)0:00〜8月31日(水)23:59
・投票期間  :9月01日(木)0:00〜9月11日(日)23:59


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☆参加ルール
◆全体のルール

※太字は前回からの変更、または追加ルールです。

・企画作品は必ず企画用掲示板の2011年夏企画スレッドへと投稿してください。

・一作品につき必ず一レス(20,000字)に収まる長さにしてください。

・投稿作品はテーマに沿ったものにしてください。テーマの説明は後述。

・Aテーマを一次創作可、Bテーマをポケモン必須のテーマとします。お間違いの無いようお気をつけください。

・参加のための申請などは一切必要ありません。気まぐれでのご参加もドンと来いです。

・作品投稿の際のHN(ハンドルネーム)は必ず普段使用しているものにしてください。
(ただし、掲示板の名前表示は自動的に「???」になりますので、匿名性は維持されます)

・過度に性的、および暴力的な文章はご遠慮ください。また、それらの判断基準は運営側で判断させていただきます。

・お一人様につきの投稿数は二作までです。(前回は三作)

・投稿の際の記事には以下の内容を必ず記入してください。
@作品タイトル(※掲示板の仕様上、必ず“題名欄”にご記入ください)
Aテーマ
B本文
 なお、あとがきなどの本文終了後の文章のご記入は任意です。


◆ポケモン二次創作に関するルール

・登場ポケモンは公式が正式に発表しているものに限ります。イッシュの未公開三体やオリジナルポケモン等の登場は禁止です。

・上記の登場ポケモンの条件が守られていれば、文章中に直接ポケモンの名前が登場しなくても構いません。

・人間の登場人物についてはオリジナルを全面的に許可いたします。

・擬人化は原型の出番もきちんと用意されている場合のみ許可。擬人化オンリーはNG。

・企画時に上映中のポケモン映画のネタバレになるようなストーリーは禁止。過去の映画はOK。




・以上の内容が守られない場合、投票の凍結、最悪の場合は作品を削除することがあります。




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☆テーマ
A:「ノンストップ」

夢も野望も、音楽も筆も、風も波も、車も船も、飛行機もロケットも、恋もロマンも、星も光も、地球も月も、過去も未来も、空気も地殻も、猫も杓子も、あなたもわたしも、ノンストォォオップ! 止まるんじゃあないッ!


B:「部屋」※ポケモン必須テーマです。

部屋といってもいろいろあります。窓から柔らかな陽射しが射し込む一室、じめじめした薄暗い地下室、などなど。あなたは一体どんな部屋を思い浮かべ、どんな話を生み出しますか?



☆目次

>>1
A:「俺の名はゼロ」

>>2
(投稿者の手違いにより削除されています)

>>3
(投稿者の手違いにより削除されています)

>>4
A:「NonStop Run」

>>5
B:「最高の毒」

>>6
B:「魔法のノート、あるいは不思議なトリックルーム」

>>7
(規約違反により削除されています)

>>8
A:「愛の鳳仙花」

>>9
A:「Can't stop one's beat」

>>10
B:「[[[tojikome]]]」

>>11
B:「狭い部屋の中にいる」

>>12
B:「しんせつポケモン」

>>13
A:「「こんにちは、電柱です。よろしくお願いします」」

>>14
A:「矮小なスロウレイン」

>>15
B:「中々々」

>>16
B:「歪み」

企画の投票案内はこちら(http://pokenovel.moo.jp/vote/vote.html)です。どなたでも気軽にご投票ください。
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中々々 ( No.15 )
日時: 2011/08/31 23:56
名前: ねっこ

テーマB:「部屋」
 
 
 
 
 朝でも夜でも、晴れでも曇りでも雨でも雪でも、僕の部屋は変わる事なく真っ暗闇のまま。
 この部屋に来て以来、ここから外に出た試しもない。僕自信が望んだ事ではあるけれど、こうも真っ暗闇が続くと退屈だ。
 時々、僕の主がご飯を渡してくれる。その時だけは、ほんの少し明るい外が見えるんだ。でも、直ぐにまた真っ暗に変わる。
 もちろん、助けてくれたことは感謝してる。仲間からはぐれていた僕を見つけて、僕の家に来ないか、って誘ってくれたときは嬉しかったけど。
 餌を探す必要もないし、敵に襲われる心配もない。この暗さと退屈さ以外は至って快適な場所だ。
 ただ、やっぱり外に出てみたい気はする。主はどうやらどこかへ行ったみたいだし、こんなチャンス滅多にないんだ。少しくらいなら。
 
「ほら、ご飯だよ」
 
 床に置かれたお皿の上には山盛りのポケモンフーズ。ご飯はくれるから良いんだけど、この薄暗い部屋じゃちょっと暇。
 できればやっぱり外に出て遊びたいところ。とはいっても、主人の言いつけを破ったらどうなってしまうやら。
 偶然主人が助けてくれなかったら、僕は動けないままであの草叢に横たわっていたんだろうか。
 罠だか何だか知らないけれど、悪戯にしても度が過ぎていた代物。足を挟まれていた僕に手を差し伸べてくれたのが今の主人。
 野性の頃に比べると随分と快適な生活にはなった、とはいえ。住むところには寧ろ不満が増えてしまった。
 せめてどこか走り回れるような広い場所が欲しいところ。種族柄あちこち歩き回りたくなってしまうのだから仕方ない。
 このまま待っていてもたぶんそんなチャンスは訪れないんじゃないだろうか。主人のいない間にいって戻ってくればばれないはず。
 ご飯を置いた後、主人は僕の部屋の戸を閉めてどこかへ出かけていった様子。部屋の外に響く音が小さくなって、消えた。
 僕は部屋の中に向かって、「行って来ます」と一言。そしていよいよ戸の隙間に前足を突っ込む。さあ、旅立ちの時だ。
 
「それじゃ、がんばってね」
 
 バタン、と閉められたこの部屋唯一の扉。二階と言ってもそれなりの高さ、窓から出ようとは流石に思わない。
 フローリングの廊下を歩く足音が遠のいていく。階段に差し掛かったのだろう、そのテンポがゆっくりになった。
 外はきらきらお日様の晴れ模様。こんな天気の良い日なんだから、死ぬことに、じゃなくて遊びに行きたい。
 けれど机には未だ山積みの宿題達。小学生だったときよりも多いんじゃないか。中学生になったんだから少しくらい減らしてくれたって。
 ぶつくさ言っても始まらない。椅子に腰掛けて、形だけでもとシャーペンを手に取る。山積みのドリル、さてどれから手を付けようか。
 数学、国語に理科社会。英語なんてもってのほか。どれも全く興味をそそらない。そりゃあ課題ってそういうものだけどさあ。
 邪魔者も今は下にいるみたいだし、この様子なら上手くすれば抜け出せるんじゃないか。今日一日課題をやらなくても、また明日があるさ。
 ご飯は少し前に終わってるし、このまま出て行っても問題ないはず。さてと、それじゃあ行って来ます!
 
 小さな部屋の外は、さっきよりも幾分か明るい広めの場所。さらにその奥には一筋の光が差す大きな出口らしき物が。
 あの先は何だろうか。仲間と一緒の間も見たことはない、明るい場所。ちょっと眩しいけれど、そこに向かって一直線。
 
 狭い部屋の外は、そこそこ明るくてそこそこ広い閉じられた空間。連れてこられたときは気を失ってたから、部屋の外を見るのは初めてだ。
 でもまだ走り回るのには狭い。どうせなら草原に行きたいんだけどな、と思っていたところに、脱出できそうな隙間が。行くしかないよね。
 
 ゆっくりゆっくりと階段を下りていく。見つかったら当然部屋に戻されちゃうから、ここは慎重に。音を立てないように、そーっと。
 カタッ、と固い者同士が軽くぶつかる音。小さな音に振り向くと、そこには見慣れた茶色の毛並みが、見慣れない場所に立っている。
 
「こら、出てくるなって言っただろ、早く戻って!」
 
 まさかご主人がまだこんな所にいたなんて。音が消えてから随分と経っていたから、もう大丈夫だと思っていたのに。
 渋々さっきの隙間を通って部屋に戻ろうとする僕。部屋の中には見慣れた黄色い小さな虫ポケモンが、見慣れない場所で動いている。
 
「な、お前、出ちゃ駄目だって言ったのに!」
 
 なんで急に主が戻ってきたんだろう。そもそも出て行くこと自体全然無かった気がするけど、まさかこんなに直ぐ戻ってくるなんて。
 けれども見つかったなら仕方ない。大人しく僕の部屋に戻ることにしよう。と、この広い外の一角が大きく動いた。何だろう、とそこを凝視していると。
 
 ヨーテリーが部屋で吠えるから慌てて戻ってみると、部屋の隅、僕がヨーテリーを隠していた押し入れの近くには、なんと別のポケモンが。
 黄色い小さなポケモン、確かバチュルとか言ったはず。そういえば屋根裏で見かけたとか何とか親が言ってた気はするけれど、確か全部追っ払ったんじゃ。
 さっきから僕と目を合わせてくれないヨーテリー。バチュルは僕に怯えている様子だ。待てよ、なんでバチュルはヨーテリーを怖がらないんだろう。
 まさかこいつ、バチュルを匿ってたんじゃないか。あの押し入れにはお誂え向きに小さな箱も押し込んであるし、隠す場所はいくらでも。
 
「ヨーテリー、お前、僕に隠れて……ったく、何やってるんだよ!」
 
 怒るのは後だ。とりあえず怯えるバチュルをヨーテリーと一緒に押し入れに隠さないと。ヨーテリーの声、聞かれてなければ良いんだけど。
 ヨーテリーに手を伸ばしたその瞬間、部屋のドアが一気に全開に。音で気がついて振り向くと、鬼が、じゃなくて鬼のような形相をした母さんが。
 
「あ、はは、は……」
 
 ヨーテリー、さっきはごめん。僕も人のこと、言えない、かな……。

END
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