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平成ポケノベ文合せ2015 〜冬の陣〜【終了】
日時: 2015/01/01 00:27
名前: 企画者
参照: http://pokenovel.moo.jp/f_awase2015w/index.html

こちらは平成ポケノベ文合せ2015 〜冬の陣〜の投稿会場です。

参加ルール(http://pokenovel.moo.jp/f_awase2015w/rule.html)を遵守の上でご参加ください。

◆日程

・テーマ発表 :2015年01月01日(木)0:00
・投稿期間 :2015年01月01日(木)〜2015年11月25日(日)23:59
・投票期間 :2015年01月26日(月)〜2015年02月13日(金)23:59
・結果発表 :2015年02月14日(土) 20:00

◆テーマ

テーマA「10」(一次創作可)  
▼2014年2月14日をもちまして、皆様のご支援のお陰でPOKENOVELは十周年を迎えました。まだまだこの十周年の期間において消化不良だとういう方、是非このお題に向かって溢れんばかりの想いをぶつけてみてください!

テーマ「糸」(ポケモン二次創作のみ)  
▼たった一本の糸から編み上がる暖かな縫い物。縦糸と横糸の組み合わせで描かれる壮大なタペストリー。
 ただの糸と侮るなかれ。誰かの想いも糸と喩えられ重なり合い絡み合い、連続無窮にしてこれまでもこれからも何かを作り上げていく。糸とはそんな無限の力をもつものなのです。

◆目次

 ▼テーマA「10」
 >>1
 「ゼノム・アステル」

 >>2
 「√10」

 >>4
 「KLOA the Jet Wind」

 ▼テーマB「糸」
 >>3
 「イトコンミラクル」

 >>5
 「そして糸車は回る」

 >>6
 「貴方へ」

◆投票・感想
 http://pokenovel01.blog111.fc2.com/blog-entry-11.html

◆結果発表
 >>7
メンテ

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貴方へ テーマB(糸) ( No.6 )
日時: 2015/01/25 22:50
名前: ???

 コレを手に取る時にはかなり月日が流れ、私が居た頃とは別の世界になっていることだろう。今手元にある、自分のランクを示す『探検隊バッチ』や、ボロボロの『探検隊バック』そして、救助隊と探検隊は別々で活動しているこの時代とは。未来はどうなるのか、どうなるのか、どう進むのか、今の私には見ることが出来ないけれども、きっと良い方向に向かうことを祈っている。
 これを書き始める一週間前、この世界は暗闇に閉ざされ、時間が停止した。スバメやポッポやマメパトの囀りは聞こえなくなり、太陽を見ることが出来ず、微風一つも吹かず、制するのは闇と無音しかなかった。みんな日々怯え、家から出る事なく、する事もなく、かと言って外に出ても目の前は真っ暗で懐中電灯を使っても視界は晴れなかった。可視距離はせいぜい半径1m程で、直ぐに自分のいる場所が分からなくなる程だった。いつも歩く道も完全に別世界で、どこに向かってるのかすら分からなかった。
 オマケにギルドで決まっている討伐目標である『自我を失った者』が町中関係なく出現していて、この町全てが不思議のダンジョンと同じ状態に陥っていたから尚更外を歩くことは叶わなかった。っと言っても私は構わず外へ出向き、色々な家を回り、助け続けていた。戦えない者為に、探検隊だからという枠に囚われず動き回っていた。
 そして数日後、ギルドの集まりでこの原因を聞くこととなった。この世界がこうなってしまった理由、それは...
 ・
 ・
 ・
「んー、やっぱり歴史系の本って重要だろうところ全て破り取られてるのですね...。 シャーラさん、何か分かりました?」
「こちらも全然ダメ...ルミと全く同じ......。 にしてもなんで親方は昔の情報なんて知りたいんでしょうね?今起こってる事との『糸口』を知りたいだなんて...」
「繋がるはずないと私は思うのですけどね...けど、なにかきっと引っかかることがあるのでしょう親方様には。 その何か分かってる親方様本人が調べればいいと思うのですが...」
「そうよね、分かってない私達に調べてきてって言われても絞り込めないし、歴史関係の本はしっかり読めないし。 ...って、ルミが持ってるの私前調べた本だし。本の一番後ろを見て見なさいよ」
「へっ? あ...」
 ルミは言われた通り確認すると、そこにはシャーラの手書きで済書かれた紙切れが入っていた。それを見た後、ゆっくり読んだものが積み重なっている所へと戻して、まだ読んでない歴史本を読み始めるのだった。


 ルミ:シルバーランクの探検隊で、種族名はラルトスの女の子。チームのトラブルメーカー兼ムードメーカーである。少しおっちょこちょいなとこがあるが、やると決めたらチーム一番の頑張りっ子さん。
 シャーラ:同じくシルバーランクの探検隊でリーダー。種族名はピカチュウで、同じく女の子。チームの頭脳であり、瞬間の判断力に優れ、数々の困難を冷静に乗り越えてきた。実は涙もろい性格だったりする。ちなみにチーム名はレイスターである。
 ラン:道に迷っていた所を二人に助けられていつの間に仲間になっていたブイゼルの男の娘...。木の実に詳しく、料理や裁縫が得意で、甘いものが大好きという性格で、因みに助けられてからは救助隊として活動している。


「ふぅー...あれ、もう四時間経っちゃったのね。ルミ、そろそろ行きましょ」
「も、もうですか?三時...こんなに私達居たのですね。少し驚きです。 ランさんは何時に何処で集まるんでしたっけ?」
「ナルトタウンのテレポートステーション側にあるカフェ屋さんよ」
「少し先のカフェ屋さんでも良かったと思うのは私でしょうか...あそこのお店、少し騒がしいじゃないですか」
「それくらいが丁度いいのよ。静かすぎても話しにくいでしょ? しかもあの子の希望なんだから仕方無いしゃない」
「にしても、よくあの容姿でフラフラ出来ますよね...女の子から見てもあの身体付き羨ましいですし...」
「そうねー...アレで自覚してないのが辛いというか、何というか...紹介するときが一番困るのよね、あの子。 よいっしょ...コレで片し終わりかしらね」
「それは私もですよ...っとと、忘れ物するところでした......」
「忘れ物って調べたレポート忘れてどうするのよ。ルミったら本当におっちょこちょいねー?」
 その言葉にルミは少し申し訳なさそうな顔をしながら、今まで書いたレポートをB5サイズのクリアファイルに入れて、それが横向きでぴったり入るほどの小さなポーチの中にしまう。ポーチの中は既に色々なレポートや少量の本が入っていて、後は、細長い筒に入っているオレンジ色の回復薬が内側の専用ポケットに12本ほど縦に入れてあった。
 一昔前はオボンの実やオレンの実が体力回復兼水分補給になっていたのだが、単品では効果は低く、長くは持たない為、買い置きはまず出来なかった。けれど最近になって、さっきの木の実をその他材料と兼ね合わせて回復力が上がった回復薬がお店で出回るようになって、長期保存も効くようになった。一番に、一口で飲み干せるようになっているので、戦闘中でも回復出来るのが強みでもあった。ただ少しだけ高いのが難点だが、長い目で見たら安いのでみんな切り替え始めている。それに関してのもう一つの欠点としては、食べた事が全くしない事。お腹が空いてしまえば身体は元気でもドンドン力は出なくなっていくもので、最終的には倒れてしまう。

 因みにナルトタウンとは、ビルが立ち並んでいて道路と歩道まで補整されている、諸島の首都に当たる街である。街の中は草木が少ないと思われがちなのだが、この街は常識を覆して緑が一杯あって、道路の脇には木が逞しく生え、色取り取りの花が咲き乱れる花壇があって、場所によっては小川があって緩やかに流れ、底が見えるほど透き通り、釣り人が20cmくらいの魚を沢山釣り上げていたりする。
 そして『テレポートステーション』とは、一言で言うと駅で、ココから色々な町に瞬時に行くことが出来る。これは医療でも重要な枠割りをしており、患者を緊急搬送する時や、大きい病院に即時送らないといけない時などなど、医療の場でも大きく貢献している。ただ、作成者の情報が公開されてはおらず、分かっているのは『ギラファ』というワードだけで、名前なのかプログラム名なのか、開発チーム名なのか、装置自体の名前なのか、そもそも言葉自体間違えているのか...答えは誰も分からないし知らない。
「それにしても、この街は本当にハイテクよね。っと言っても、私達の町は美術力のアルトマーレ地方だから、比べる物が違うけど」
「あれ、シャーラさん知らないのですか? 最近出来た水上マーケットは、どうやらナルトシティのセントラルパークの設計者さん達が建てたみたいですよ?」
「えっ、ホントなのそれ!?噂話では無くて!?」
「気になって調べたら出てきたんです。本当にビックリしました。 ...じゃなくて、そろそろココを出て向かわないと時間に遅れますよ!?予定時刻よりニ時間も早く私達は指定しちゃったのですから!!」
「そ、そうだったわね。 じゃあ行きましょうか」
 そう言って、ルミはもう一度忘れ物がないか振り返ってから二人は図書館を後にする。テレポートステーションは、今居る場所からバスで一時間のところにある、セントラルパークの北側出口真ん前のセントラル病院側に存在する。
 バス停に着くと、まず何時にセントラルパーク行きのバスがあるかを確認する。行き先は三つあって、一つは今向かうセントラルパーク行き、二つ目は住宅地エリア、三つ目は西地区に新しく出来たばかりの駅に向かうバスだった。話を戻して現在時刻は三時少し過ぎ、電光掲示板には五分後に目当てのバスが来て、到着予定時間が四時と示されていた。ちょっぴりギリギリの時間に到着予定だが、余程の事が無い限り充分に間に合う時間だった。
「直ぐ来るみたいですね。 うぅ...風が寒い......」
「大丈夫? ...ほら、コレを着てなさい」
 そう言ってシャーラは自分が羽織っていた上着をルミに掛けてあげた。
「え、それじゃあシャーラさんが風邪引いちゃいますので...」
「良いの、返さなくて。私は体毛あるから多少なんとかなるし。 けど、ルミの場合は無いし、寒いのはキツイでしょ?」
「そこまででは...」
「チームメンバーの体調管理もリーダのする事よ。 風邪引かれたら可哀想だし。それに、ルミは風邪とか拗らせたら中々治らないじゃない」
「うっ...」
「...っている間にバス来ちゃったじゃない。ふう、じゃあバス降りたら着てちょうだいね」
「分かりました...」
「よしっ。 えっと、二人料金でセントラルパークまでお願い致します」
 乗って直ぐ、目的地と人数を言いって精算箱にお金を入れる。料金は170ポケ×二人で340ポケで、途中20個の停留所に止まり、約10kmほど走るのにコノ値段は破格で驚きである。因みに中は二段構造の真ん中仕切りになっており、前側一階が全長60cm以下のポケモン、後ろ側は1mを超えて横幅もある者達が乗り、二回はそれに当てはまらない全てが乗るような大型タイプ。小型サイズは一階だけの仕切り無しで、身体の横幅が広い者は乗れない構造になっている。
「このタイプのバス乗ったの2回目ね。 ...あれ、ルミ?」
「後ろに居ます。えっと、確か二回目だったはずです。 あの、お隣良いですか?」
「はい、良いですよ」
「すみません、ありがとうございます」
「いえいえ。ほらルイ、ちゃんと座らないとダメでしょ。跳ねようとするのはもっとダメです」
「失礼しますね。 ルミ、ちょっとさっきのレポートを見せて」
「はい。えっと...どうぞ」
「ありがと」
「どう致しまして。 うぅ、ふぁぁ...」
「ん、眠いなら寝てて良いわよ。昨日は大変で休みの筈だったのに、変わらず間違えて叩き起こされて調べ事させられちゃったものね...」
 そう言いながらレポートを閉じ、ルミの頭を優しく撫でる。何度か撫でて居ると、シャーラは右肩に重みを感じて、見ると既にルミは夢の世界に入っていた。気持ち良さそうな寝顔に軽く眠気を誘われたが、そこは我慢して、今までずっと調べて書き留めたレポートを読み始める。内容は全て、この諸島における異常を調べた事だった。
 ダンジョンの肥大化、凶暴な者の出現、時空間の狭間に吸い込まれと行方不明...ほぼ毎日何処かで誰かの家族が、親友が、友達が、仲間が...そして自分に関係する人...。現状何も出来ていなく、少しでも改善できる『糸口』を探してギルドは全力で動いている。けれど、何一つ見つけだすことは出来なかった。けど今日二人が調べたことは凄い収穫になった事が一つ、一つだけ見つけることが出来た。それは

『前にも同じような事が起こり、回避していた』

という事。時間の停止と時空間の乱れ、これらは約3000年前の災厄で、既に架空生物と語られている人間が消滅した1年後の事だった。その書物が今、ルミが掛けているショルダーバッグの中に入っていた。けれども、書かれている文字はかなり古い言語で書かれているらしく、二人には理解不能で、大きい収穫したことは微塵たりとも思っていなかった。

〜〜〜〜〜☆〜〜〜〜〜

 しばらくして、バスは目的地であるセントラルパーク手前の停留所に到着してアナウンスが流れる。それに反応し、シャーラは読んでいたレポート用紙を束ね、ルミを揺さぶって起こす。すると大きな欠伸を一つして、眼を閉じたまま伸びをしながら、
「んっ...おはようぉ......着いたん...ですか...?」
「違う、一歩手前の停留所よ。 良く眠れた?」
「はい...まだ眠いですが......」
「寝起きだからよ。 えっと、時間は問題無いわね」
 目をゆっくり開け、擦り、ぼーっとシャーラを見つめる。けど、目的地に着く頃には完全に覚醒はしているだろうと予想した。

 そして5分後、しっかりと目が開いたルミが運転手にお礼を言いながら降り、続いてシャーラもバスを降りた。空は綺麗は夕焼け空で、けれど途中雲があったりして味付けをする。その空を見上げながら二人はカフェ店に急ぐ。時刻は四時過ぎで、待ち合わせ予定時刻は五時を回るか回らないかの時間帯である。
「うーん、セントラルパークの中を突っ切っちゃおうかしら。 その方が早いわよね?」
「たぶん。 それに外は寒いですし...」
「それじゃあ中から行くって事で良いわね。 時間があれば買い物してみたかったわ...」
「最近は忙しくて行ってませんからね...でも、もう少しでクリスマスに入りますし、その時で良いと思いますよ?」
「それもそうだけど、タイミング的に今行きたいのよね。クリスマスに入ると混むし」
「確かにそうですよね。私達と同じ探検隊や救助隊も一斉に休みになりま...あれ、あの人凄くランちゃんそっくり......」
「え、どこ?」
「あそこです」
 ルミが指差す方向、それはクレープ屋さんだった。そしてその先頭、今まさに注文しているブイゼルを指差していた。身体は通常より少し背が低めで、白色の毛糸帽子を被り、肩から救助隊のショルダーバッグを掛けていた。そして、確信した。
 何故なら救助隊や探検隊のバックは非売品であり、しかも余程のことが無い限りは持ち歩いてはいけないと言う暗黙ルールが存在するから。そしてバッチは絶対携行品なのだが、コレはバックに付けるのが一般的。それに加えて種族が『ブイゼル』の救助隊は知っている限りランしか知らないし、ここのクレープ屋さんはお気に入りのお店。さらに時間帯もピッタリと...このまで来たら本人しか思えないからだった。
 けれど一応、違うかもしれないと思いながら...
「ランちゃん?」
 っと小さな声で呼んでみた。すると食べている手が止まり、声がした方向を振り返った。男とは思えない華奢な身体、しなやかな毛並み、クリッと大きな目、どっから見ても女の子ですと言わんばかりのブイゼルが、びっくりしたような顔で二人を見つめていた。そして、口の中の物を急いで飲み込むと、
「ど、どうしてここに居るの!? なんでココにいるって分かったの!?」
 っと、慌てた感じで聞いてきた。それに対してシャーラは至って普通に、
「どうしててって、それはコッチのセリフよ。 ランこそなんでココに居るのよ。まぁ、あっちまで行く手間が省けて良かったけど」
 っと、素っ気ない感じで答えた。因みにシャーラは何時もランと直接話す時は何故か素っ気ない言葉になってしまう。自分でもよく分かってないが、最近は考えていてもキリがないので考えない事にしていた。
「えっとね、予定より一時間も早く着いちゃって、時間潰しに見回って居たらお腹すいちゃったから食べてたんだー。 あ、二人の分も買ってくるねっ」
「あ、良いわよ自分で買ってくるから。ルミは何時もので良いのかしら?」
「はい」
「あ、二人で待ってて。 じゃあ行ってくるわ」
「お願いします。 えっと、ランちゃん」
「うん? どうしたの?」
「あ、いや...早く来たなら教えてほしかったと。 そっちも忙しいと思いますし」
「確かにね。けど、余韻は偶には必要だと思う。 人を助けることは凄く良いことだけど、逆にお世話になっちゃうことは避けないと。シャーラさんも同じ思いで動いていると僕は思うよ? 思ってなくても、無意識にやっていると思う」
「...確かに思い当たる節がありますね」
 そう言われて、バス停での出来事を思い出す。あんなこと言ってたけど、実はランちゃんが言った事も同時に思って居たのだと感じた。確かにその通りかもしれない。
「でしょ? 因みに今の話は体験談」
「...え?」
「いや、実はね...微熱がある時に救助依頼を受けて、ダンジョン途中で高熱出して倒れた事があって...。 そのまま倒れてたら偶然救助者に接触出来て...と言うか助けられてギルドに戻った事があってすっごく怒られちゃって...」
「あはは...」
 返す言葉が見つからず、とりあえず笑うしかなかった。そして、それからの沈黙...ランがその時の状況を思い出したようでショボンとしていて、ルミもそれに対してどう慰めと言うか、声かければ良いのか迷っていた。そんな時、
「なーにしてるのよ、二人は。 ほら、ルミの分買ってきたわよ。ラン、早く食べないと溶けてベッタベタになるわよ」
「あっ...う、うん。そうだね。早く食べないとね!」
「あ、ありがとうございます。 シャーラさんは何頼んだのですか?」
「私? 私は違ったものを頼んでみようと思って、前から気になってたイバンの実とイアの実が入ってる、甘酸っぱいクレープにしたわ」
「あっ、ソレ当たり! 私食べたけど凄く美味しかった!」
「ランが言うなら間違い無いわね。 ルミも一口食べる?」
「はいっ」

〜〜〜〜〜☆〜〜〜〜〜

 それから約10分後、三人はクレープを食べ終えて、何処か話が出来そうな場所を探した。ココは分類的にアウトレットモールとデパートがくっ付いたような所なので、カフェ屋やファミレス、フードコート、屋上庭園、座って話せる場所は一杯ある。けど、やっぱり内容的にギルドで話そうっという事になり、プクリンのギルドに向かった。プクリンのギルドは『ナルト中央病院』と言う島で一番大きな病院の近くに併設されている。ただ、今現在親方はトゲチックでプクリンでは無い。理由は最近起きた事件で、この事はギルド関係者しか知り得ない極秘情報であった。因みに、その日に色々な情報がギルドの親方だけで話し合い、訂正をしている。本当は『ギルド協会』という場所を通さないといけないのだが。どちらにせよ、何故なのかはココで話すことでは無いだろう。

「ふぅ...本当にココの階段は辛いね...足が痛くなりそうだよ......」
「ランちゃんは多少問題無いのに、何言っているのですか...私が一番辛いのですよ......?」
「こんくらいの階段でへこたれてどうするのよ。 さっさと行くわよ」
「...シャーラさんは良いよね、ほぼ常時四足歩行で」
「四足歩行しか出来ないって案外辛いことがあるって知ってる? 二足歩行出来た方がよっぽど便利で、前の手も使えるのよ?生活には不便だわ」
「...言われてみれば確かにだね。ごめん。 そう言えばなんだけど、階段での事故治ったの?」
「はい、もうバッチリです。テーピングも一週間前に外せましたし」
「あれねー...本当に私、心臓止まるかと思ったわよ。呼びかけてもピクリとも反応しないし、息は浅いし...。 今はちょっとした笑い話で済むけど、動かないルミを病院に慌てて運び込んだ時には心肺停止してたんだから...」
「でも、その糸を繋ぎ止めてくれたから私が居るんです。 ...改めてありがとう」
 近ずいて抱きしめられ、シャーラの顔が一気に真っ赤っかになった。そして、呂律が回らないままランが代わりに応対し、モニター越しに抱き付いている二人を見てレズビアンと思われ、軽くそっぽ向かれながら扉を開けて、そそくさと退散してしまった。

 離れ、それでもまだ顔が赤いシャーラをランが「熱大丈夫?」気にしながら聞いてきた。違うと出掛かったが、言っている本当の意味が分かって「まだフラフラするけど大丈夫...」と返した。それを丁度さっきのモニターしていた人が見て、走ってまた何処か行ってしまったが直ぐに戻り、その手には濡れタオルを持っていた。どうやら先程のことを抱きついたのではなくて、倒れ込んだと思ってくれたようだった。
「濡れタオルです。あんまり意味ないかもしれませんが、少しでも熱を下げてください。 保健室は空いていますので、行ってきますね」
「大丈夫。あの、親方は居るのかな?」
「居ますよ。あと、親方と呼ばないでリンネさんと普通に呼んで欲しいみたいなので、それで」
「分かったよ。ありがと」
「いえ、このくらいは普通です。それとシャーラさん、毎度ながら無理はしないようにして下さいね?」
「ええ、分かってるわ...」
「...そうですか。ところでランさ...あー、誰か来ちゃいましたので行きますね。では!」
 何か聞きたげだったようだが、金タライを叩いた音に反応して急いで行ってしまった。どうやらこの音が人が来た合図のようだった。取り敢えずシャーラは額に当てていたタオルを取って溜息を吐くと、
「...じゃあ取り敢えず空いてる部屋探そうかしらね。ルミは荷物置いて、今までの資料を持ってきておいて。 ランは私と一緒よ」
「了解っ」
「分かりました。あ...んん、やっぱり何でもないです。部屋、お願いします」
「...分かったわ。そっちは頼んだわよ。 さてとラン、ここの紹介は必要?」
「うーん、要らないかなーっ。でも言うならば、このギルドの図書室に行ってみたいかも」
「図書室?あそこは色んな意味で凄いところよ。とにかく埃まみれで、しかも不使用物入れ部屋として使ってるし、尚且つ、奥は前の地震で雪崩状態になってるから行けないのよね。 おまけに窓がないし、換気もできないから、開けた瞬間に埃が外に流れこんで掃除するの面倒だし、出たらお風呂行きたくなるほど身体汚れるし。それでも行きたいなら行くけど...」
「あーうん、遠慮しとく」
「そう、良かったわ。それじゃフリールームが空いてるか確認するわよ。空いてなかったら私達の部屋って事で。 因みにそうなった場合、部屋は男子禁制だったりするから女の子の振りしててもらうから」
 その言葉にランは「うぅ...///」と、顔を背けながら答え、その反応を見てやはり無問題だったかもと察した。けれ一応バレないために、自分がたまに使っている水色のカチューシャを手渡した。そして反応は予測通り帰ってきた。
「コレ、付けて。 ランは普通の雄のブイゼルより背中の模様が少ないからバレないとは思うけど、念の為」
「カ、カチューシャ!?/// 私、女装趣味は...///」
「そのまま行ってもバレないかとしれないけど、女装してそれっぽくした方が身のためよ? 一人腕っぷしが強い子が居るし」
「そ、それって殺られるって事...?」
「殺られるというか、半殺しかしらねー。 っと、話してたら到着ね。えーと...」
 スクリーンに映し出された部屋の状況、予約一覧、時刻を見ながら使える時間を割り出す。部屋は四部屋あるが三つは使用中で、空いてる部屋も数分後に使用者が来て使えなくなる。少ししたら直ぐに時間はあるが、やはり30分くらいしか間隔が開いておらず、話し合いするんだったら

そして考えている時にルミが両手に資料と本を抱えてフラフラとやってきた。
「はうぅ...重い......。 シャーラさぁーん...もうランちゃんを私達の部屋に連れ...ひゃあっ!?」
「きゃっ!? ルミさん大丈夫!?」
「なんとか...いたた......」
「足首捻って青アザになってるわね...ラン、ルミをおぶって。患部冷やすくらい私達の部屋でも出来るし」
「うぅ、結局部屋に行くんだね......ふう、ルミさん乗って。 あ、私も荷物を...」
 持つ?と聞こうと、おぶってから振り返ると、平然とした顔で両手に抱え、全く振れずに頭へ乗せてバランスを取っているシャーラの姿があった。これくらい普通と言わんばかりに。
「どうしたのよ? 早く行くわよ」
「う、うん」
 ちょっと引っかかることがあったが、流石にそれは無いかなと思って思考を捨て、シャーラについて行く。不安しかランは無かったが、もう何かが吹っ切れたようで、演じ切ろうと言う思考に切り替わっていた。そして、そのエリアに足を踏み込んだ...。
「ココよ。ランちゃん、部屋に着くまでお願いだから気が付かれないで。 実は私も結構危ない吊り橋渡ってるから」
「う、うんっ。分かった」
「じゃあ、さっさと行くわよ。私達の部屋は突き当たり左、つい最近になって三人部屋に移動したから狭くは無いはずよ」
「三人部屋に? でも、あたしはメインあっちだよ?」
「え、あた...あー、うん。実はそろそろコッチに移動してもらおうかなと考えてるのよ。 ラン、貴方を」
「あたしを? でも...暗黙ルールで探検隊になるには救助隊のランクをゴールドにしなくちゃいけ...」
「そんなことは無いわよ新人さん」
「あっ、レイエルさん! 随分とお久しぶりですね!」
 扉直前、後ろから声がして三人が振り返ると、そこには白いオカリナを首から下げたムウマが居た。そして、ランを下から上に舐めるように見て、
「久しぶりね、ルミちゃん。会ったのは夏だったかしら?」
「確かそうだったかと。 あれ、レイエルさんは確かアーシアさん達と長期でギルドを離れるって...」
「ちょっとね、持って行ったほうがいいと思ったものがあったから回収しに来たのよ。だから、すぐにまた居なくなっちゃうわ。 さてと、シャーラさんちょっと話し良い?そこの子とルミは自分の部屋に入ってていいわよ」
「は、はい」
「し、失礼します」
 そう言いい、二人はゆっくり部屋に入って扉を閉めた。それをしっかり確認し、耳を貸してとシャーラに一言。言われるがまま、シャーラはレイエルに近づいて...
「シャーラさん、どうして男の子連れて来ちゃったの?ココって男子禁制って知ってるわよね?」
 っと、一言。けれど、その声は全く怒ってるような感じでは無く、寧ろ楽しんでるような感じだった。それを心の中で疑問に思いながら、
「し、知ってます」
 と答えた。すると、少し笑って。
「なら良いのよ。 ほんと、見事なまでな女の子ね?しっかり見ないと分からなかったわ。私にバレるのは問題ないけど、姉さんに見つからないようにね。 じゃ、私は戻るわ。無理し過ぎる癖があるんだから、気を付けながら頑張りなさいよ」
「はい。レイエルさんこそ、頑張って下さい」
「ええ。じゃあね」
 ぐるっと一回りして、ニッコリと笑顔でレイエルは去って行った。その笑顔に軽く元気になったような気がして、同じくニコニコした顔で部屋に入った。中では既にランが調べた事と、レミとシャーラが今さっきまで調べていた事を照らしあわせて、レポートに書き写していた。
「あら、もう始めてたのね」
「はい。あの…大丈夫でした?」
「ん? よーく見ないと分からなかったようよ。つまりバレた」
「えっ!? バレちゃったの!?」
「ええ。けど、もう行っちゃったわよ。 なんか荷物取りに来ただけだったみたいで、周りには秘密にしとくって」
「よ、よかったぁ…」
「まあ、そういう事だから。 じゃあ早速…と言っても始まってるけど、やりましょうか」
「はい。 では...」


〜〜〜〜〜☆〜〜〜〜〜

 どうも???です(そりゃそうd
投稿時間がかなーりギリギリになってしまったので、申し訳ないですが投票期間終了後に続きを載せようと思います。では。

文字数:11106
メンテ

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