序章 ( No.8 ) |
- 日時: 2011/03/31 22:28
- 名前: れいず◆lIM97kjX4s ID:PrS.cXbU
- 「ブライト地方ポケモンリーグもいよいよ大詰め! 決勝戦です!」
毎年行われているブライト地方のポケモンリーグ。今年の決勝戦はいつにもまして盛り上がりを魅せていた。 観客席も盛り上がっている決勝戦。今年、勝ち残った二人は、ブライト地方では有名の「神樂家」の双子の少女達だった。
「まさか決勝戦で一緒になるとはね……仕組まれたみたいだ」 「もちろん、手加減はなしですよ?」 「あったりまえ。するわけがないじゃん!」 「ふふっ、それでこそ私の妹ですね」
二人とも、「負ける気はない」とでもいう余裕の表情。だが、勝ち残るのはただ一人。どちらかは頂点となり、どちらかは敗者となるのだ。 しかし二人は、今までの旅を経験してきた中で、ここで負けるわけにはいかない。たとえ、相手は自分の姉妹だとしても、手加減ひとつしない。 ――そして、覚悟はできたかのように息を飲み込み、モンスターボールをひとつ手にもった。そして審判はすっと息を吸うと、言った。
「試合、開始――――――――――」
「うわぁっ!!」
そこで突然目が覚めたかと思うと、大きな音を立て、一人の少女はお嬢様が寝そうなフリフリのベッドから転がり落ち、頭の後頭部が床に叩きつけられた。 ヒリヒリする後頭部を押えて、水色の髪のショートカットの少女はゆっくりと身体を起き上がらせて、今までが夢だということを確信した。
「……ぐふ、ぐふ、ぐふふ……良い夢だったなぁ」 「何変な声出してるんですか、陽彩」 「!? いっ、彩華姉!?」
少女が夢の内容を思い出してにやけていると、もう一人の少女……同じく水色の髪のツインテールの少女がショートカットの少女の部屋に入ってくる。 ショートカットの少女は突然、ツインテールの……姉が入ってきたことに驚いて、その場の転がった。 ……この二人は双子の少女だ。姉はツインテールの「彩華」、妹はショートカットの「陽彩」。だが彩華は身長が妹より低いので、よく逆だと思われている。
「……あぁ、成程。あの大きな音の原因は貴方だったのね」 「いやぁ、いい夢見てさ、丁度いいところで目を覚ましちゃったんだよー」 「……そうなんですか」
「なんだコイツ」とでもいいそうな冷たい視線で陽彩を見る彩華。少しだけ引き気味だったのは内緒の話。 しかしこの二人はブライト地方ではかの有名な「神樂家」の娘である。というのも、父はポケモン博士、母はブライト地方ポケモンリーグのチャンピオンなのだから。 こんな家計で育っている上に、ここカンラクシティには神樂家の大豪邸があり、お金持ちでもある。つまり、この二人はお嬢様――――なのだが、もっとも、妹はそうは見えない程のガサツな少女である。 ――そんな二人は、今日が10歳の誕生日と同時に、ブライト地方を旅することになる。旅の経験は初めてではなく二度目。実は一年前あたりに一度、カントー地方を旅したことがあった。その時はまだ9歳だったし、とある少年の旅にちょこっと付いて行った程度なのだが。
「一年前か……なつかしいね。脱走だったんだよね、あれ」 「あの時の旅は面白かったですね。でも、今回はきちんと私たちにも旅する目的はありますから」
今回の二人の旅の目的は、「ジム制覇」と「新しいポケモンの情報収集」だ。二人の父、華名から頼まれたのが情報収集、母、美彩から頼まれたのがジム制覇だ。 父は、最近少しずつ増えているポケモン達の情報を集めなければならないので、二人にそれを頼むことに。母は、二人を立派なトレーナーにさせたいためである。この二人は日夜、どっちかを博士にしてどっちかをチャンピオンにさせたいと言いあっているほどだ。
「んー、私的にはどっちも面倒くさそう……」 「まぁまぁ、私たちはまだ10歳です。今決めることじゃないでしょう」
彩華は陽彩をドレッサーの前に立たせ、乱れた髪を丁寧に梳かしている。ヒイロは不満そうに頬を膨らませた。
そんな時、父の華名が二人の部屋に入ってくる。父の方は、二人が旅をするという準備ができたらしい、とのことだ。 父が出て行くと、二人はそれぞれの部屋で旅の服に着替える。彩華は重ね着にミニスカートのニーソックスで、頭にはリボンを、陽彩は同じく重ね着に短パンにルーズソックスで、頭にはベレー帽を被った。
「これでよし、っと」
彩華は部屋から出ると、隣の部屋の陽彩も一緒に出てきた。目が合うと、姉妹別々の服を着ていることを知る。
「似合ってるじゃないですか」 「彩華姉もね」
鏡を見るように笑いかけると、二人は父のいる研究室に向かう。ちなみに、父の研究所は大豪邸の外に出る通路から繋がっている。二人は父のいる研究所に向かった。
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