1. 神話 ( No.2 ) |
- 日時: 2010/09/07 00:38
- 名前: Pause
- 世界には神話があった。
幻と嘲笑われた神話があった。 ある時、神話の真実なることを証明した者がいた。 時が経ち、神話の真実たる絶大な力、魔法と呼ばれる技を手に入れた者がいた。
力は力を呼び起こし、欲を呼び起こし、戦火を呼び起こした。 力を手に入れた者は、太陽の名を頂いたそれを持ち世界を支配しようとした。 力が世界を侵蝕し始めると、それに気付いた者が立ち上がった。 この力は危険すぎる、再び封印せよと謳い、聖戦と称して力に抗い始めた。 そして、人々は大きな過ちを犯した。
圧倒的な力を封印するために、圧倒的な力を生み出した。
月の名を頂くその力は、神話と同じく魔法と崇められた。 もはや戦は意味を失い、力と力のぶつかり合いとなるだけであった。 死骸の広がる焼け野原だけが、声もなく嘆くばかりであった。
そして太陽と月は衝突し、挟まれた世界は無へと帰した。
月は太陽に呑み込まれた。太陽も残骸を残すのみであった。 やがて時が経ち、その残骸の上に、新しい命が産まれた。 命は命を作り出し、途方もない時間をかけ、再び世界は喜びを取り戻した。
「…………」 少女はそこまで読むと、古びて黄ばみぼろぼろになった本を傍らに置き、膝をかかえて瞳を閉じ眠りについた。
|
|