番外編! ( No.333 )
日時: 2011/04/04 23:13
名前: 桜庭 ID:Vz/DqONs

マイがおかしい。アヤがんばれ。コウもっとがんばれ。

「それはなんだっ」
「はあ?」

マイがいつも以上におかしかった。それはなんていうか、おかしかった。
ボール磨きをしているアヤノに向かって、人差し指でデコをツンと当てているマイ。

「テンション高いわねーアンタ」
「うるさいうるさいうるさーいっ! 第一ねっ他人事じゃないんだよ! これは事件ですよ! 事件は会議室で起きてるんじゃない! ここでおきてるんだよ!」
「意味わからん」

その指を手の甲で払いのけるとまた磨きだす。
コウは周りを見て、はあ。とため息をついてまた地面を見た。

「マイの言う通り、おかしい。事件だ」
「DAYONE!」
「うぜえ。とりあえず、ここから脱出しよう」
「脱出ゲームってことかしら?」
「真面目な顔で言うとオタクに見えるよ、アヤノ」

図鑑所有者でバーベキューというなんとも愉快な事をしている時。
突然現れた光によって別の空間に来てしまった仲が悪いサニー組。
しかし、この空間は図鑑所有者で仲間であるはずのある人物の計画によって作られたもの。
もちろん誰かは分かるだろう。ブルーだ。
彼女によると「サニー組を仲良くさせてあげなきゃ私たちもキツいでしょ。あの子たち結構ツンツンしてるだけで他だとでれでれだから」ということだ。意味が分からないよ。

「つーかさ? なんでコウちゃんとアヤだけなわけ? ゴールドは?」
「ゴールド厨め」
「うっせ」
「おま、本当口悪いのなーゴールドさんの前だけだろ、いい子ちゃん」
「さー」

アヤノの「ゴールド厨」には一切触れないで一言で済ませるマイをゴールドは知らない。おまけに目つきも悪い。
一撃必殺の言葉を何度か考えてからコウが言ってみても全くの効果無し。

「この森全体焼き尽くしちゃうのはどうかな?」
「ブレイクトレーナー禁止!」
「ちぇ……リューくん破壊……光、線」
「こらぁぁぁああああああ!!」

アヤがボールを磨き終えて地べたから立ち上がろうとすると、コウがスッと手を差し伸べてくれた。因みにこの行為はマイも以前したことがありますがアヤは覚えていません。
そんなふたりは仲良く並んでいるのに対してマイはひとりでそっぽを向いていた。
わくわくした表情でこちらを見たかと思えば、恐ろしい言葉。

<マイちゃん黒い>
<あなどれん>
<おいおいシルバーどけって! マイが見えん!>
<ふたりとも喧嘩しないの>

バイヤードによって作られた空間から少し離れた位置から隠しカメラで見ている残りの所有者。暇人。

「あーもう! アヤノ!」
「な、なによ!」
「お前ギャラドス使うのやめろよ!」
「はあ!?」

アヤに叱られたのに腹が立ったのか知らないが、急にマイが吠え出した。
しかもギャラドスって……。

「あのねぇ! ゴールドと被ってんのっ飛行と水上移動を一匹でこなすの!」
「……もしかして、あんた嫉妬?」
「そうなのか? マイ」

両手で握りこぶしをつくってぶんぶん空振りをするマイにアヤは笑いをこらえながら、コウは気を使いながらそう言った。
図星を一発でいわれたマイ。嘘はつけない性格なので顔にすぐ出る。

「嫉妬だよ! なにが悪いんだよっかーばっ! ゴールド厨ですよはいはいゴールドだいすきだよっ!」
「…………」
(餓鬼だな。互いに)
<……>
<ゴールド顔の原型とどめろ>
「あ、ソラにいちゃんもすき!」
<……>
<ハンカチ使うか?>

完全に拗ねてしまったマイは地面にアヤコウ爆発しろ! と指で書いていた。
こんな時に大活躍★するのがコウちゃんである。

「マイいいかよく聞くんだ」
「ん……」

しゃがみ込んで視線を合わせてやる。完全に幼児扱い。

「ゴールドさんはな」
「うん」
「お前のことを、」
「うん」

紅い目がマイを捕らえて離さない。コウの頬も紅くなってきた。
そんなふたりを見てアヤノは叫ぶ。

「あいし――」
「私の方が愛してる!」
「はあ!? こ、こここコウたんアヤノがおかしい!」

コウが言い終える前にアヤが言葉を遮ってしまった。しかも告白されてる。
女に告白されて身の危険を案じたか、マイは(勝手に持ってきた)キューでアヤとの距離を置いて、コウの服を掴む。
守ってくれなきゃマイちゃん泣いちゃう! という顔でコウも困った。

(コイツら)
「あんなナンパ男やめなさいよ! 私ならひとりを愛して突き通せる!」
「ナンパばっかじゃないもん! 逆ナンだってされてるよ! あとでフルボッコにしてるっアヤは女じゃん」
「あんたが男になればいいでしょ! あんたの男装すきなんだからねっ」
(早くなんとかしないと)
「それはどうもありがとうございますね、でもわたしはアヤノのことなんて――」
「……なによ」

マシンガンのように喧嘩口をしていたふたりが一気に静かになった。
さすがのマイも言いすぎたと反省したのか、それよりアヤが泣きそうだ。

「私のことっ嫌いっていうんでしょおっ」
「泣いた……」
「アヤノのことなんてねっ嫌いじゃないんだから!」
「へ」
「あ?」
<ん?>

あーん、なんて園児の泣き声みたいに地べたについて泣いているアヤを見て辛くなったのかマイが最大限の言葉を放った。

「マイっそれって――」
「リューくん! 破壊光線ッ!!」

逃げた。

(ふーいい汗かいたわー)
(マイ!)
(げっアヤノ! なぜゴールドの家まで来たし)
(あの告白は嘘じゃないんでしょうね!)
(オレも気になる)
(コウちゃんもー)
(うううううう嘘じゃないやい! おやすみ!)
(ま た に げ た)
( に が さ ん )


おまけ。まい=ま あや=あ こう=こ 話してるだけ
ま「暇だ」
あ「目つき悪っ」
こ「口調もやっぱり違うよなー」
ま「どうゆう意味ー?」
あ(あ、戻った)
こ「何度も言わせんな……」
ま「ふうん」
こ「バトル、しよっか」
ま「へえ。いいね」
あ「ちょっとここどこだとッ」
ま「わたしのジムですおー」
こ「廃棄されたジムの間違いだろ……」
あ「まあ、さんにんでやりましょうか」
ま「え」
あ「は?」
ま「めざめるぱわー!」
こ「んなッ!?」
あ「落ち葉で攻撃するなっめざめるぱわー!」
こ「なにやってんだよ――めざめるぱわー!」
金(何この可愛い生物)←迎えにきたゴールドさん
ま「あ、ゴールド! 今からバトルするんだけどー一緒にするー?」
金「お前らつえーから嫌だ」
ま「えー」
あ(やっぱり口調違うわね)
こ(雰囲気から違うな)
ま「そっかー」
金「手加減してくれんの?」
ま「まさか」
あ(あ、普通だわ)
こ(だな)
ま「レッドさん呼んでやろっか! ひまそーじゃん」
あ「レッドさんのあつかいの件」
こ「やめとけよ。ゴールドさん泣くぞ」
ま「なんで?」
金「なんで!?」
ま「だいじょーぶだって。ゴールドはわたしが守るからーえへへー」
こ「そっか」
あ「ならいいの!?」
――このあとこのジムは跡形もなくなったそうです。