Re: わたしとあなた ( No.32 ) |
- 日時: 2010/09/06 23:39
- 名前: 桜庭 ID:
第152話 知らぬが仏というでしょう
キキョウシティ某所の地下
冷たくて固い鉄の上を爪で突くような音でキーボードを打つ込む指先に狂いなど存在しなくて その画面を見つめる瞳にも瞬きなんてないみたいに微動だしない一人の男性がいた
「計画とは少し違うが……楽しくなりそうだ」
にやりと笑う口元は、どこかあの少年と似ていた その笑ったまま、パソコンの右隣に置いてある、チェスを見る 既にチェスは始まっていることが見て分かる
白のナイトと、キングが動かされており、ポーンは全て抜かれていて ナイトとキングが一歩前に出た隣には、ルーク、ビショップがキングの隣に置かれていた
「ルークとビショップとは……予想外だったが、良い奴らには違いないだろう」 キーボードから手を離し、その2つ(ルーク、ビショップ)を左手でガサツに摘み上げるようにして持ち上げ
「しかし、まだ――いらないな」
取り方とは反対に丁寧に卓上の外枠に立てておいてやる その時だ、目を離していたパソコンの画面が光る、特に焦る様子もなく マウスで、カチカチッと器用に`ビデオアイコン`を押す。どうやらこのパソコンにはビデオ昨日が付いているらしい
「ほう……ピカチュウか……」 『また覗き?』
両肘をつき、楽しそうに見つめる画面の先に移るのは、マイとそのピカチュウ また楽しそうに笑う男のよこに、あのポケモンが寄り添う
「セレビィ……覗きなんて失礼だろ? これは報告の一部さ」 『悪用なんかにしないでね?』
肩に小さな手を置いてきたセレビィを膝に乗せてやり見ているものを見せると 先程とは違う態度で、笑ったセレビィがいた
『しかし、あなたも考えたわね。変身が得意な`ゾロア`に自分そっくりのレプリカを作らせて、観察なんて』 「まあな、あいつ結構命令はきくタイプでな。隠しカメラを持たせると結構喜ぶんだ」 『へ〜。あ、だからこうして見ていることが出来るってことかあ』 「ああ。ゾロアは声まで真似できるんだからな、本当に凄い奴さ」
男の言葉を聴き終わると、宙にまた浮き、チェスを見る
『今のナイトはこの位置だよね』 「ああ、よくわかったな」
キングと隣を寄り添うようにしているナイトを横に3つ動かして離す そして先程動かしていた、ルークとビショップをキングの隣に置き、満足そうに微笑む
「おいおい、勝手な真似は……いや、これでいい」 『でしょ? 僕、結構得意だよ』
浮いているセレビィに眼線をあわせ笑ってやる あ、そうそう。とどこから出したんだと突っ込むような勢いでセレビィが出した白い用紙には人物が三人描かれており、下には軽く説明が書いてあった 用紙には、コウ、アヤ。そしてマイの姿が
―アヤノ― 人からはアヤと呼ばれている。サニー地方から来た少女 害は全く無いとは言えない。 捕獲のプロになろうとしている
―コウ― 泥棒経験有り。根は悪くない少年 目つきが悪くマイには好まれてはいないようだ 面倒見が良いと思われる
2つの人物に目を通し、マイの資料に目を通す 異様な程に枚数がある
―マイ― 通称トリップ少女 人とはどこか違う感覚を持ち合わせており、人が傷つく事を何よりも嫌う RELOAD団<リロード>とは――
資料の4/1も見ていない所で目が止まり、セレビィを見つめあげると、何?と傍まで降りてきた 気になる文面を指差して示してやる
「おいおい、RELOAD団と表記しては駄目だろう`R`と直しておいてくれ」 『はいはい。全く面倒な人ですねえ』
人差し指を3回ほど回して資料の内容を変えた
《こうでいいですね》 (ああ、おっと……あとで資料は見よう) 《どうするんですか?》 (ゾロア`毒針`)
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