わたしとあなた 番外編 ( No.299 )
日時: 2011/02/15 00:23
名前: 桜庭 ID:GHtWK.gI

サニー組に愛されちゃってるマイ
【バレンタインデー企画】

「マイに、チョコ?」
「ええ。たまにはデレてあげましょうよ」

サニー地方のとあるシティ。
ここはアヤノの住んでいるところで空気がおいしい。
バレンタインデーに呼び出されたコウは少しばかりの期待をしてアヤノの神宮に向かったのだが、まさかの他人あげるために呼び出しをくらったとは思わず内心ショックを受ける。

「デレってなあ……オレは別にあげる気ないし」
「いいじゃない! 作って喜ばせてやりましょうよ!」
「アヤってマイのこと、すきなんだな」

呆れ顔でコウが脱力しながらソファに座る。
アヤノは既にエプロンに着替えており、準備満タンといったところだ。

「だっかっら! そうゆう感情はないの!」

コウの発言に顔をりんごみたいに真っ赤にさせながら声をあげる。
チョコを刻むために持っている包丁がキラリと光り、なにやら病んでるようにみえた。

「まあ、お前がそこまで言うなら……」

あまり言っていない。

「よし! じゃあ、チョコを刻むからコウも私の次に刻んでちょうだ――ッ」
「おい、大丈夫か? 絆創膏、持ってくるな。どこにある?」

アヤが普段なれない包丁でチョコを刻もうとしたもんだから、手に刃が当たってしまい切れてしまう。
落ち着いてコウが絆創膏を持ってきて、貼り付けてやり、今度はコウが刻む番だ。

「落ち着いてやるから、大丈夫だっ――あ」
「"あ"じゃないわよ! なに切ってるの!? ハイ! 絆創膏」

今度はコウが切ってしまった。似たもの同士である。
チョコに数滴の血が混じっている。

「今度は私が――」
「今度はオレが――」

刻むたびに指が切れ、血が混じる。
何回も何回もそんなことを繰り返していくうちに、チョコが完成した。
刻んで、溶かして、型にはめて、というシンプルなものだが、綺麗な赤色が混じっている。

「バレるかしら」
「大丈夫だろ、あいつなら」

ふたりの中のマイは「単純」「バカ」のふたつで成り立っている。

「行くわよ!」
「お、おう!」



「なにこれ」
「チョコ」
「……ちょこ?」

ウツギの家に行くとマイが普通にいた。
チョコを食べていたのは見なかったことにするコウとアヤ。

「なんか、混じってる……」
「き、気のせいよ! き・の・せ・い!」

じー、と紙袋をあけ、真上から除くようにみている。
かなり目がじとっとしていてふたりをギクリとさせるのには充分すぎた。

「ゴールドからもらったチョコあるけど、食べる?」
「なんでもらってるの!?」
「いや、毎年もらってるけど……」

紙袋を閉じ、見なかったことするマイ。やはり、このあたりはコウとアヤで似ている。
そして食べていたチョコを差し出す。

「あんたねえ、客なんだから椅子から立って……聞いてないし!」
「ん? あーごめん。ゴールドの料理っておいしいの」
「へー……オレにちょうだい――ん、うま」

アヤとコウが客間まで来てもマイは椅子から動こうとしない。
このふたりにはとことん冷たい、というか雰囲気が違う。

「なあ、チョコ。食べないの?」
「そうよ。折角作ったのよ」

ゴールドの作った。という言葉にはあまり深入りはせずにふたりは一番の疑問をいう。
チョコを食べながら。
んー、とマイが少しの間考えていった言葉。

「なんか"おいしくなさそう"で。食べたくないんだよね」
「は」
「いや、だか「ちょっとマイさん? 私とバトルしませんこと?」な、なぜそうゆう展開に」

あまりにも衝撃の言葉で、アヤも気が動転する。
コウは言葉ひとつで終わっている。

「バトルは今度! 今はそーゆー気分じゃないし」

これ以上マイに何を言っても無駄だ、そう想いふたりは(出来るだけチョコを食べてから)家に戻って行った。
ふたりが帰って数分後――

「マイ! オレのチョコどーよ?」
「おいしいよ〜毎年ありがとね」

ブラックのマイを知らないゴールドが手提げバックにつまったチョコと共に現れた。
そして、気づく。今日、マイは外に出ていない。つまり、自分以外のチョコを持っているはずがない。なのに、なぜかテーブルの上にはチョコが入っていそうな可愛らしい袋がある。

「それ、誰からだ?」
「ん? あーこれ……」

椅子にゴールドが座ったのは確認すると、マイは大事そうなものを見つめるようにこういった。


(大切な友達からの贈り物。もったいなくて、食べれないの)



おまけ。

「やっぱりマイはゴールドさんがあげる大層なチョコのせいで、私たちのチョコがまずく見えただけで――」
「けしてオレたちが料理べたではないというわけで――」

ぶつぶつと呪文のようにアヤの家にいるふたり。
仲良くベットに腰掛けている。
そんな時、コウのポケギアに電話が来た。

「ゴールドさんだ……」
「え?」
「もしもし」
『おめえら、ちょっと聞いてろよ』

これは、まだゴールドがマイの家に入る前にかけたものだ。
ふたりが出ていく姿を見て、何か悟ったのだろう。

『それ、誰からだ?<ん? あーこれ>』

電話越しにはマイの声、そして

『大切な友達からの贈り物。もったいなくて、食べれないの』

そこでポケギアはきられた。