Re: ポケノベ2010夏企画 移転中につきコメント禁止 ( No.25 )
日時: 2010/09/06 23:00
名前: Rという名の作者 ID:

『時間の気紛れ、空間の悪戯』


 無の空間が広がる世界。光も、闇も、そんな物など軽く超越した世界。
 この世界の周りを囲む、いくつもの世界。時間、空間、反転、そしてそれらの中心となる世界。
 それぞれの世界には一匹ずつ神が存在する。逆に言えば神一匹しか存在しない……失礼、その世界をつなぎ止めるかのようにアンノーンが大量に飛来しているのを除けば、神一匹のみしか、各世界に存在しない。
 今日も世界の平和を保つため、神々達は各々納める力を使い均衡を守っている……。

 ここは時間を司る世界……時間神ディアルガは、ただ悠然と世界の有様を見ていた。
 何にも考えていないような魚が死んだような目で漠然と世界を見ていた。花畑、河原、大きな高原、人間達が暮らす街並みと、彼の前にある大きな鏡のような物は様々な光景を移していく。
 しかしディアルガはまるでもう見飽きたという風に大きな欠伸を一つし、またも死んだ目でその光景を見続ける。

「流石に暇だ……こう何も起きないと、退屈で死にそうになってくる……」

 彼ら伝説のポケモンの寿命は長い。むしろ半永久的とも言われるほどに長い。
 ディアルガの力は、彼の心臓が動き続ける限り、世界中の時は平和に流れると呼ばれるもの。
 つまり彼が生きている限り、時間が暴走する事もないと言うこと。じゃあ死んだときはどうなるのかと言われると……まぁ寿命はほぼ永遠なんだし大丈夫でしょ、としか答えられない。
 ただやはりというか必然というか、そのような絶大な力を持ってしまうと、時としてそれを持て余す事が多々あるものだ。
 彼の場合持て余している物、それは“退屈”という事に他ならないであろう。
 何時も何時も変わらない景色ばかりを見続けて、時の平衡が崩れた時にのみ我らがいる世界へと行くことが出来るのだから。
 何か事件が起こってくれないかと神とは思えない事を考えつつ、ディアルガはふとある光景に目を止めた。
 それはとある田舎にて行われている、小さなお祭りの光景であった。
 小さなやぐらをたててその上で和太鼓をドンドンと叩いている。その周りを囲むように人々がなにやらゆったりとしたテンポのダンスをし、その周りを囲むように食べ物や飲み物を売っている屋台が軒を連ねる。
 なんてことはないごく普通の夏祭りの光景であったが、ディアルガはついつい見入ってしまう。

「ほぉ、随分と楽しそうにしておるな……全く、私が退屈で仕方がないというに……」

 ふうっと大きな息を漏らし、そこでふとあることを思いつく。

「――ならば、この祭りに参加すればいいだけの話ではないか。ただ、時間の均衡を守るという仕事があるから出来ないが……。
だがこの体だけを残し、魂を別のポケモンとして変形すればあるいは……」

 むぅっと考えにふけるディアルガ。悩みに悩み、彼は一つの答えを出す――。



 一方こちらは空間神、パルキアが住む世界。こちらはこちらでなにやら色々とあるようだ。
 パルキアはディアルガが見ていた鏡と同じ物を見つつ、なにやらうーんと唸っていた。

「さぁ〜って、今日はどんな奴にイタズラしてやろうか……」

 うっすらと邪悪な笑みを浮かべながら一言。ディアルガと比べて随分と神としての質が下がった気もするのだが、彼もれっきとした神である。そうは見えないが。
 彼が司る力空間とは、ありとあらゆる場所から場所へと道をつなぐ力である。
 例えばAからBまでの距離が何十キロもあるとする。しかしパルキアの力があればそれを零にすることも不可能ではない。むしろ朝飯前だ。
 その力を悪用し、鏡で見えた人間やポケモン達に空間を繋いでイタズラをしまくっている、神々の中でも結構問題児としてパルキアは有名なのだ。
 彼が感じる不満は“孤独”。絶対的な力を持つ神である故に一匹で過ごさなければならないという事が一番の要因であり、誰かに気付いて欲しい、という想いが歪んでしまったが故にこのような行為へと走ってしまったのかも知れない。

 今日も誰にイタズラをしてやろうかと悪巧みを行っていると、ふとある光景に目を止めた。
 それは、とある田舎にて行われている、小さなお祭りの光景であった。
 小さなやぐらをたててその上で和太鼓をドンドンと叩いている。その周りを囲むように人々がなにやらゆったりとしたテンポのダンスをし、その周りを囲むように食べ物や飲み物を売っている屋台が軒を連ねる。
 なんてことはないごく普通の夏祭りの光景であったが、それはついさっきまでディアルガも見ていた光景だ。

「へぇ、夏祭り……ね。ここでちょっとばかし暴れてやるって言うのも面白いな……」

 にたぁっと笑みを浮かべて、しかし何かを思いついたようにハッとする。

「いや待てよ? どうせなら魂を体から解放して、一般ポケモンとして紛れ込むのもありだな。よし、早速行って暴れ回ってやるぜ!」

 きっひっひとまるで子供のような笑顔で早速準備に取りかかるパルキア。本当にこいつが神で大丈夫なのかと不安になる光景である。


 二対の神が、同時に世界へと降りて行く。一方は暇つぶしの為に、一方は悪戯をする為に。
 この時二匹は、この決断がその後どういう風になるのかを考える事は無かった。
 せめてディアルガだけは、時間を司る力で時のトンネルを覗いてみた方が良かっただろう。だがしかし、運命はそうする事を望まなかった。
 さぁ、一体どうなる事やら……?




〜後書き〜
↑の奴一体誰だよw 自分はこんな書き方しねぇての!! まぁいいけど(いいんかい!?)
四作目、Bコースにて神様を絡めてみました。
結構良作だと思うんだけど、どうだろう? まぁいいや。
でわ!