Re: ポケノベ2010夏企画 移転中につきコメント禁止 ( No.13 )
日時: 2010/09/06 22:52
名前: タニシになりたい ID:

『祭りとポケモン方程式〜ロマンスは突然に〜』
「Bコース」


「祭りってさぁ、ポケモン関わってるとこ少ないよな」

突然おもむろにそんなことを言い始めた黒いノースリーブにハーフパンツの少年に、その隣にいた水色で金魚がプリントしてある浴衣を着ている少女は彼に目を向けた。
そして彼女は何を言っているの、と言った感じの視線を彼に向けて、こういった。

「盛大に関わっているじゃない、お面屋なんてポケモンしかおいてないわよ、……どこまで続いてるのかしら、まさか全部そろっているわけは……」
「いや、お面はさ、関わってるけど、金魚すくいとかいろんなところでもっとこう……」

などと言いながら、屋台の明かりで暖かなオレンジ色に染まる通路を並んで歩いていた。
人が多いがそこまで進めないほどではない、先の露店が見えるだけまだましなほうだ。
そんな中を二人はさまざまな露店を見ながらとことこと歩いてはいるが、別段どの店によるわけでもない。
右左には露店が並んでいるが、右側はずっとお面屋だ、どこまで並んでいるのかは定かではないが、こんなにあっては目的のお面ひとつ買うのにも盛大に苦労がかかるだろう。

「金魚すくいでどうやってポケモンを入れるわけ?」
「トサキントを入れる!」

ためしにきいてみた少女に、彼は一寸の曇りもないいい笑顔でそのように答えた、少女はとりあえず金魚すくいの露店にトサキントを導入した想像を働かせると言う演算をいたって冷静な心持で繰り広げ、ある程度考えてから一言言った。

「貴方はポイの代わりにテニスラケットを持ちたいの?」

少年は顎に手を当てて神妙な顔つきで考え始めた。
そして数秒後。

「ああ、俺はそれで構わないぜ!」
「そう、貴方らしいわね」
「それほどでも」
「褒めてないわ」

そんなやり取りを流れるようなリズムで繰り広げて、何だ褒められてないのかと少年は少し残念そうにしていた。
そしてその数秒後、少女が話を戻す。

「ああ、トサキントの角で襲われる人も出てくるかも、人を襲ってアズマオウに進化したら大変ね」
「人を倒して経験値はいるのか? とりあえずかかって来いっって感じだな、俺は受けて立つぜ!」
「そう、とても貴方らしいわね、今度川にほうってあげる」
「おう、よろしく頼む」

そのような会話をまた繰り広げて、どうしたらこの人は危機感を感じるのかしら、と彼女は内心ため息をついた。
彼は相変わらず祭りの雰囲気にわくわくしながら進んでいって、彼女は途中にある露店に目を向けて、何を買うか迷っていたようだった。
突然彼は、また何かネタを思いついたのか彼女に話しかける。

「そうだ、どこかの祭りでは鮭のつかみ取りがあるって聞いたぞ、それに便乗してドジョッチの掴み取りとか!」
「ぬるぬるしてとれたものじゃないでしょう、そうね、ギャラドスとかどう?」
「俺的にギャラドスを引きずれる人間がいたら見てみたい」

その言葉を聴いて彼女はそういえばそうね、とつぶやいた、聞く前からわかっていたような口ぶりだった。
そうして彼女はクレープを食べることに決めたのかクレープの店屋で止まって、一つ頼んだ。
その間に彼はたこ焼きを買ってきたようだが、お互いに別々の物を食べながら人の多い道を歩く。
この祭りは元は神社を祭るためのものなので、歩いていけば自然と神社に着くようになっている、ちなみにお面屋は神社までつながっている、とてつもない長さである。
神社を祭るお祭りだなどといっても誰も神社を祭るわけでもない、神社まできたら人々は引き返していく。
そんな中少年と少女は神社の前に来てやっぱり祭ったりありがたがったりするわけでもなく縁側に座って休んでいた。

「お祭りに来ると疲れるわね、普段は歩いただけじゃこんなに疲れたりしないのに」
「人に酔ったんじゃないか? しばらく休むか」
「……もうすぐ花火が始まるわ、ここからじゃきっと見えないでしょう」

彼女は少年に浴衣の袖を少しまくってその下にある腕時計を見せた、針は七時五五分を指している、時間的に花火が打ちあがるのは八時かららしい。
少年は少女の腕時計を見て、少しうなった後、思いついたように言った。

「俺のエアームドで神社の屋根に上るか!」
「罰が当たっても知らないわよ」

ため息をついてあきれたように言う彼女に、少年はまた曇りのないいい笑顔を向けた。
彼女はその表情を見て、不思議そうに首を少し傾けながら彼を見つめる。

「お前が辛くなるくらいなら罰にでもあたってやるよ」

なんともないようにそんな台詞を平然と言うので、これにはさすがに彼女も堪えた。
馬鹿だとかあほだとかの次元を通り越してもはや恥ずかしさしか残らない。
そして七時五十八分を時計が指したころ、彼は立ち上がって背伸びをしてから、モンスターボールを取り出して、彼女にそっと手を差し出す。

「ほら、行くぞ、花火見たかったんだろ?」

彼女はため息をついてから、微笑を浮かべて手を伸ばし、彼の手をとった。

「ああ、花火見終わったら祭り第二段に出動するからな!」
「わかったわかった、どうせ今年もあれをやるんでしょう」
「俺の祭りはそこから始まる!」


「夏のパン祭りポイント三十ポイントと露店三回ただ券をかけたポケモンバトル大会!」



あとがき
続き……、気になるのか?
とりあえず祭りにポケモンを盛大にかかわらせてみたかった、ただそれだけですすいません。
最近はポケモンの数が年々増えていってとんでもないことになってきていますね、ポケモンを取り扱うお面屋さんは大変なことになってきますね。
あれ、ロマンス、ロマンスはどこに行った?